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地点別 キャノボ達成に必要な通過時間の目安
キャノボにおいて、「この地点をこの時間までに通過していれば達成濃厚」の目安について解説します。
まえがき
私はこれまで10年以上、東京大阪キャノンボールの挑戦を見てきました。恐らく百例以上は見たはず。
それだけ見てくると、「この時間でこの場所にいれば達成はほぼ間違いない」という目安が見えてきます。
時折、挑戦者の実況をTwitterでやっていますが、そこで「達成ペースに乗っている」と書いているのは、この目安を上回るペースである時です。
10年間でキャノボのコースは550km→510kmまで短くなりましたが、地点と時間で見るとそこまで目安は大きく動いていません。
本記事では、その場所と時間の目安を紹介します。
あくまでこれは「見るとき」の目安ではあるのですが、逆に言えば計画を立てる際に「この地点を、この時間に通過する」目安ともなるはずです。計画を立てる際の参考にしてください。
目安の前提条件
本記事で示す目安の前提条件を以下に示します。
- 本記事で示す目安は、東海道ベースで510km前後のルートを想定しています。
(伊賀越え~R23~姫街道~R246)- この目安では、パンクやメカトラは考慮していません。
目安をクリアしていても、パンクやメカトラ1回でタイムオーバーになることはあります。- この目安では、早朝スタートを想定しています。
18~21時頃のスタートの場合、ゴール前に夕方の渋滞が出てくるので、終盤に時間を追加で残す必要があります。- このモデルでは、徐々に疲れてくる普通の人を想定しています。ずっと同じペースで走れる人もいますが、かなり稀です。
大阪スタートの場合
まずは、近年挑戦者が多い大阪スタートの場合です。
大阪スタートの場合、「名古屋」「静岡駅」「沼津駅」の通過時間を目安としています。
地点 | 距離 [km] |
経過時間 | 残り時間 | 累計時速 [km/h] |
区間時速 [km/h] |
梅田 | 0 | 0:00 | 24:00 | – | – |
名古屋 | 160 | 6:45 | 17:15 | 23.70 | 23.70 |
静岡 | 331 | 15:00 | 9:00 | 22.07 | 20.73 |
沼津 | 385 | 17:30 | 6:30 | 22.00 | 21.60 |
日本橋 | 511 | 24:00 | 0:00 | 21.29 | 19.38 |
名古屋 (160km地点)
第1チェックポイントは名古屋です。名古屋の市街地部分を通過し終わるあたりの時間を見ています。
だいたい160km地点を6時間45分以内に通過していたいところです。7時間ジャストくらいでギリギリ、ここで7時間30分超えているとかなり厳しいと見ます。
かつて東海道を通る場合は熱田神宮前での経過時間を見ていましたが、最近はR23が主流なので熱田神宮前を通りません。R23の場合は、堀川を越える辺りで160kmになります。
静岡駅 (331km地点)
第2チェックポイントは静岡です。静岡駅を通過するあたりの時間を見ています。
静岡駅はスタートから330km地点ですが、15時間以内に通過しておきたいです。別の言い方をすると、静岡駅通過時点で9時間は残っていると安心です。
静岡~東京間はどのルートをとっても約180kmに落ち着きます。残り9時間あれば、グロス20km/hで走れば良いわけで、ここまでの330kmを15時間(グロス22km/h)で走ってこられた走者にとっては無理のないペースと言えるでしょう。
沼津駅 (385km地点)
第3チェックポイントは沼津です。沼津駅を通過するあたりの時間を見ています。
最近のR246ルートでは沼津駅前を通りませんが、その場合は沼津駅の北でR1から外れてR246に入るあたりの時間を見ています。
沼津駅は大体385km地点ですが、ここを17時間30分以内に通過しておきたいです。言い換えると、あと125kmで6時間30分は残しておきたいということです。
この後に控えるのは御殿場までのヒルクライム。最高標高が800mに達する箱根に比べると、R246ルートの最高標高は御殿場の500m。
キツいヒルクライムではないものの、そこまで400km近くを走ってきた身では速度が落ちやすい区間です。更に、東京都内に入ると渋滞や信号も増えるので、そうなるとグロス20km/hを切る可能性もあります。その場合でも、沼津で6時間30分を残していれば安心ということです。
箱根を登るルートの場合は、三島の「ローソン ニュー箱根店」で6時間半を残しておくと安心です。
東京スタートの場合
次に東京スタートの場合です。
東京スタートの場合、「静岡駅」「名古屋」「関」の通過時間を目安としています。
地点 | 距離 [km] |
経過時間 | 残り時間 | 累計時速 [km/h] |
区間時速 [km/h] |
日本橋 | 0 | 0:00 | 24:00 | – | – |
静岡 | 180 | 8:00 | 16:00 | 22.50 | 22.50 |
名古屋 | 351 | 16:00 | 8:00 | 21.94 | 21.38 |
関 | 415 | 19:00 | 5:00 | 21.84 | 21.33 |
梅田 | 511 | 24:00 | 0:00 | 21.29 | 19.20 |
静岡駅 (180km地点)
第1チェックポイントは静岡です。
静岡駅までの180kmを、8時間以内には走破しておきたい所です。
東京スタートの場合、この区間には箱根または御殿場の登りを含みます。その区間をクリアして、グロス22.5km/hを保てれば、この先も恐らく安心でしょう。
名古屋 (351km地点)
第2チェックポイントは名古屋です。
だいたい350km地点を16時間以内に通過していたいところです。言い換えると、名古屋通過時点で8時間は残しておきたいですね。
この先に大きな山はありませんが、細かいアップダウンがあります。それに備えたマージンを考慮すると、残り160kmに8時間を残したいということです。
関 (415km地点)
第3チェックポイントは関です。
関宿が終わり、R25に入る「東海道関宿西」交差点の通過時間を目安としています。
415km地点を19時間以内に通過しておきたいです。言い換えると、R25への分岐に入る段階で5時間残っていると安心です。
ここからゴールまでは95km。残り5時間あれば、グロス19km/hでOK。ここまで415kmを19時間で走ってきた走者であれば、まず問題のない要求時速と言えるでしょう。
まとめ
東京大阪キャノンボールの達成目安となる、地点別の通過時間を紹介しました。
この記事の意図は、「挑戦予定の人に、地点別の通過時間目安を教える」ことですが、見る側に回った時には「良いペースで来ているな」というのを判断する目安ともなります。
それぞれの立場でご活用いただければ幸いです。
(完)