【実験】ツール缶の防水化

  • 2019年1月11日
  • 2020年3月1日
  • 実験
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ハードタイプのツール缶の防水化について検討した内容について纏めました。

ここで言うツール缶とは、上記のようにプラスチックのボトルの開口部にネジ切りで蓋が付けられている製品を指します。

実験動機

私は主にブルベ等のロングライドを走っていますが、雨の中を走ることも少なくありません。その際にツール缶が浸水してしまうことが検討のきっかけでした。

ツール缶の取付場所はここ。中身はパンク修理用具・工具・鍵等が入っています。ダウンチューブ下に付けることで重心を下げ、安定させる狙いがあります。晴れた日の100㎞程度のライドなら、このツール缶だけで十分な仕様にしています。

ただ、この位置にツール缶を付けると、雨の日に前輪が跳ね上げた水が常に掛かる状態となります。ツール缶は一見防水のように見えますが、口の部分のネジ山には小さな隙間があり、そこから水が入ってしまうのです。ツール缶には前述のように工具を入れており、これが錆びてしまうのが一番の悩みの種でした。

何か少しの工夫で防水性を高められるのではないか? そう考えて検討を開始しました。

実験内容

私が元々使っていたツール缶は、OGKのTOOLBOX 700。700mlの容量を持つツール缶です。一般的なツール缶は450mlタイプと600mlタイプが多く、700mlは比較的大型です。

防水性の評価方法は以下です。

・ツール缶にティッシュを充填して口を締める。
・ツール缶の口部分に掛かるように、蛇口から水を出す(10秒程度)。
・ツール缶を、水の中に沈める(10秒程度)。

これで、ツール缶の中のティッシュが濡れていなければ合格とします。

これは浸水してしまった例です。

防水性の高そうな製品を使う

ツール缶は色々な会社から販売されています。モノによっては、防水性の高い製品もあるのではないかと考えました。

しかし、昨今はジッパー式で観音開きのソフトタイプのツールケースがブーム。ハードタイプのツール缶は現時点での選択肢は余りありませんでした。防水性が低いので最近私は使っていませんが、世間的に考えれば雨の中を走る機会は稀なので当然の流れかもしれません。

そんな少ない選択肢の中から、防水性が高そうな製品を見つけました。「OGK TOOLBOX 700WP」「BBB BTL-18L」の2つです。

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OGK TOOLBOX 700WPは、私が元々使っていた「TOOLBOX 700」の後継製品です(WPはおそらくWaterProofの略)。防水性を強化した製品ということで期待していましたが、残念ながら浸水しました。

700WPの防水強化の内容は、これ。蓋部分にプラスチックの返しが付いています。

恐らく参考にしたのはペットボトルの口なのでしょう。ペットボトルの口も似たような構造になっていますが、逆さにしようが水に沈めようが、中に水が入ることはありません。それは、口と返しの径がピッタリと一致するからです。ペットボトルの蓋を締める際に最後の一締めで抵抗を感じますが、これは口と返しが密着してシールすることによる抵抗と思われます。密着することで、中の水が外に出ることを防ぐわけですね。

しかし、700WPの口の径と返しの径を計ってみると、口の径の方が1mm近く大きいのです。これでは口と返しが密着せず、シールしたことにはなりません。アプローチは良かったのですが、設計と精度に問題があります。

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次に試したのは、BBBのBTL-18L。600mlサイズと、私が求めるサイズよりは少し小さいサイズになります。ブルべ仲間の兼定さんが「雨ブルベでも浸水しなかった」と仰っていたので購入してみたのでした。

これも残念ながら実験の結果、浸水。蓋の紛失を防ぐため、ネジ山の溝を深くしてあるのが特徴で、これが防水性にも効果があるのではないか……と思ったのですが、そうでもなかったようです。

シールテープを使う

やはりプラスチックのネジ山だけでシールを作るのは無理ではないか?と思い、次に試したのはシールテープです。元々使っていたTOOLBOX 700に施工してみることに。

シールテープは、水道管のネジ山に使うもの。これを、ツール缶の口のネジ山部分に3重巻きをしてみました。

水道缶にも使われるものということで期待しましたが、これも残念ながら浸水。ネジ山の高さが大きすぎて、十分にシール出来ないようです。もう少し巻き数を増やせば効果がありそうですが、そうするとツール缶の蓋の開け閉めが硬くなりすぎるでしょう。また、シールテープは再使用を前提としていません。基本的には一度締めたら終わり。次に使う時には再度巻き直しが前提です。ツール缶のように何度も開け閉めをする場所には向きませんでした。

パッキンを使う

次に試したのは、妻提案の「蓋裏にパッキンを張る」方法です。パッキンといっても、単なるゴムシートです。厚みは0.5mm前後。

使用するのは、TOOLBOX 700の蓋。700WPの蓋は返しがあってゴムシートを張れないため、返しの無い700の蓋を使います。クッキーの型抜きの容量で蓋をゴムシートに押しつけて、その形に切り抜きます。両面テープで蓋の裏にゴムシートを張り付けて出来上がり。

こちらで実験してみると……なんと浸水なし! ついにツール缶の防水化に成功したことになります。ツール缶の蓋を見ると、ゴムシートに口の後がくっきりと付いていました。ゴムシートに口が食い込むことで、しっかりとシールされたようです。ネジ山の部分に水滴は付いていましたが、中への浸水は皆無でした。

BBB BTL-18Lにも同様の対策を実施した所、内部への浸水は無くなりました。結局、口の部分のシールが重要みたいです。

実践

ゴムシートをフタに貼り付けたツール缶を、ダウンチューブ下に付けて大雨の中を2時間走行しました。

フタのネジ山には水が入り込んでいましたが、ゴムシートがしっかりと水をシャットアウト。ツール缶の中身は全く浸水がありませんでした。今回は前輪の泥除け無しなので、相当量の水がかかったはずですが、全て防ぎきったことになります。

まとめ

結果として、防水に一番効果があったのは「蓋裏にパッキンを貼る」ことでした。費用としてもゴムシート1枚分なので100円に満たず、ベストな解決手段だと思っています。

気を付けなければならないのはゴムシートの厚みで、あまり厚すぎると蓋が締まりきらなくなる恐れがあります。適度な厚みを探る必要があるでしょう。また、ゴムシートに口が食い込んだままクセが付いてしまうと、シールの効果が無くなる可能性もあります。ここは今後、どうなるか経緯を見て行く予定です。

あと一点、ツール缶の中の工具が錆びるのは、「浸水だけではなく結露も原因」というご指摘も頂きました。確かにそれはあると思うので、工具には防錆スプレーを吹いておくことにしました。これで何とか工具の錆が防げると良いのですが。

しかし後から気づいたんですけど、自転車用でもドリンクボトルは普通にペットボトルと同様にフタに返しがついていて、当然漏れたりはしないんですよね。ドリンクボトルで出来ることがなぜツール缶で出来ないのだろう……? 雨の日に走る人は少ないとは言え、防水化に着手した700WPにそれが出来ていないのが不思議です。

レビュアー情報

年齢: 34歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。