CATEYE AMPP300を購入

CATEYEの店舗限定販売製品「AMPP300」を買ってみました。

全く期待していない製品だったのですが、かなり真面目な作りで良い品だと思ったので紹介しておきます。

購入まで

正直なことを言うと、私はこの「AMPP」というライトシリーズに対して「なんでCATEYEはこんな製品を今更出したのか」と思っていました。

Voltシリーズ

CATEYEには、AMPPシリーズより前にVoltシリーズがありました。
Voltシリーズはカートリッジバッテリーであることが特徴で(そうでない製品もある)、点灯時間が全体的に長めに取られていることが特徴です。
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「ただでさえ長い点灯時間」「電池が切れてもカートリッジバッテリーを素早く交換可能」という特徴からロングライド用として非常に優秀で、私も長いことVoltシリーズの中堅製品とも言える「Volt800」を愛用してきました。
次に出てくるCATEYEのライトは、Voltシリーズを下敷きにして更に素晴らしいものが出てくるに違いない。
そう考えていたのですが……2019年に発表されたのが「AMPPシリーズ」でした。

AMPPシリーズ

AMPPシリーズには以下の特徴があります。

・バッテリーは一体型で交換不可
・点灯時間がローモードでも短い
・スペックの割には安価
正直言ってズッコケました。
Cyclowiredの記事には以下の記載があります。
あらゆる面でVOLT400とほぼ遜色のない内容としている一方で、VOLT400が8,000円(税抜)で、AMPP500が6,000円(税抜)と手の届きやすい価格を実現。
同スペックのバッテリーを使用するVOLT400よりもランタイムは短め、かつバッテリーを交換できないという割り切った仕様によるものだろう。
電池も交換できないライトを何故今さら。そしてバッテリーサイズは小さくなっており、点灯時間も大幅に低下。値段は安くなったものの、これは退化であるとすら思えました。そこを割り切っては駄目だろうと。

店頭でAMPPシリーズを見かける

そして時は流れて2022年1月1日。この日、私は横浜のワールドポーターズにある「ワイズロード横浜店」にいました。

ほぼ全てのワイズロードは1日は店休日なのですが、こちらの店舗は珍しく営業していたので初売り目当てで出向いたのです。

そこでライト売り場に行った時に目に付いたのが今回取り上げる「AMPP300」でした。

 

私が注目したのは「8時間(100ルーメン)」のローモードです。

今でこそ100ルーメンは「暗い」イメージはありますが、10年くらい前は大体ブルベでも皆この明るさで戦っていました。2015年のPBP、私はメインライトとしてVolt700を据えましたが、一番良く使っていたのは100ルーメンのローモード。補助のライトも使ってはいましたが、それでもフランスの暗い夜を乗り切れるだけの力はありました。その100ルーメンで8時間持つのは中々実用的だと思えたのです。

そしてもう一つ注目したのは税込3850円という値段

CATEYEが入門ライトと位置づける「Volt200」ですら税込4950円。それよりも1000円安い値段設定で最高300ルーメンのAMPP300はなかなか戦略価格に思えたのです。

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ちょうど最近、通勤用クロスバイク用に使っていたVolt300のバッテリーがヘタってきていたのを感じていました。Volt300も同じく「8時間/100ルーメン」のモードがあるので、代替としてはちょうど良いと考えたのです。

……とは言え、AMPP300と同じバッテリーを積むVolt300のノーマルモードが↑のような照度変化だったので、AMPP300も同じく「ダラ落ち(徐々に暗くなる)」タイプであろうと考えていました。

前述の通り、AMPPシリーズにはあまり良い印象を持っていませんでしたが、使いもしないで文句を言うのはどうなのかと思い、実際に買って試すことにしました。

あと、このAMPP300は「店頭販売限定モデル」なのです。通販では手に入りません。それにも後押しされてレジへとAMPP300を持っていきました。

ファーストインプレッション

買ってみました。

まだ点灯して走行したのは2km程度ですが、室内で色々とテストをしたのでその感想を述べていきます。

重量

104gです。バッテリー一体型であるだけあって、同容量のバッテリーを持つVolt300に比べて14g軽くなっています。

見た目

丸みを帯びたVoltシリーズに比べると、角張った印象のある形状です。

 

全長はVolt800と比べて2cm程度短くなっています。幅はVolt800よりも大きいですね。

 

表面の質感はいかにもプラスチッキー。端的に言うと中華ライトっぽい質感です。

 

CATEYEのロゴがなければ中華ライトと言われても気づかないかもしれません。

点灯モード

スペックを同じAMPPシリーズの他の機種と比べてみます。

AMPP300 AMPP500 AMPP800 AMPP1100
Highモード 300lm
3時間
500lm
1.5時間
800lm
1.5時間
1100lm
1.5時間
Middleモード 400lm
2時間
800lm
2時間
Lowモード 100lm
8時間
250lm
3時間
200lm
4時間
400lm
4.5時間
バッテリー容量 3.6V/2200mAh 3.6v/2200mAh 3.7V/2500mAh 7.4V/2500mAh
公称重量 117g 117g 136g 200g
防水規格 IPX4 IPX4 IPX4 IPX4
価格 3850円 5500円 7700円 12100円

AMPP300以外に目を向けると、ローモードでも最大4時間程度しか点灯出来ないことが分かります。その中で、一番弟分であるはずのAMPP300の「8時間」という点灯時間は目を引きますね。

前にサイクルモードでAMPPシリーズとVoltシリーズの位置付けをCATEYEの社員の方に聞いた時には「AMPPはライトユーザー向け、Voltはヘビーユーザー向け」という風に仰っていたのですが。ライトユーザーでも点灯時間が短すぎるのは使いづらい気がするんですよね。

例えばAMPP500のローモードは「200ルーメンで3時間」となっていますが、1日30分の通勤で使うと6日で使い切る計算です。少し寄り道をしたら平日の5日間で使い切ってしまうでしょう。1週間に一度の充電は個人的には高頻度だと感じます(ブルベだと毎日充電しますが、それはそれ)。

その点、AMPP300の「100ルーメンで8時間」であれば16日間使えます。通勤用途であっても、これくらいの点灯時間があったほうが使いやすくはないでしょうか?

価格を見るとAMPP800はAMPP300のちょうど2倍ですが、私ならAMPP800を1本買うくらいならばAMPP300を2本買う方を選ぶと思います。

照度変化

さて、本題は照度変化。「ダラ落ち」か「一定光量」か。ブルベを走る人間的にはそこが大事です。通勤用途でも暗くならないに越したことはないですし。

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今回もこちらの照度計を使って、ライトの明るさの時間変化を測定しました。私の事前予想は、Volt300と同様に右肩下がりのグラフとなるはずだったのですが……

 

Highモード(300ルーメン)も、Lowモード(100ルーメン)も、まさかの「一定光量」タイプでした。ここまで綺麗にグラフが平らになることはかなり珍しく、ちょっと驚きです。Lowモードは公称8時間で9時間18分も点灯しました。

何が凄いって、たった3850円のライトが一定光量であるということ。

一定光量にするには、LEDに一定の電流を常に流し続けなければなりません。そのためには追加の回路が必要です。端的に言えばライトの価格は高くなるはずなのです。

私の調査ではCATEYEのライトの「一定光量」「ダラ落ち」の区分は以下の通りです。

定価 照度変化パターン
Volt300 8640円 全モード: ダラ落ち
Volt400 9900円 全モード: ダラ落ち
GVolt70 6930円 全モード: ダラ落ち
Volt700 16200円 ローモード: ほぼ一定光量
その他のモード: ダラ落ち
Volt800 17600円 ローモード: ほぼ一定光量
その他のモード: ダラ落ち
Volt1700 29700円 ローモード: ほぼ一定光量
その他のモード: 未測定

9900円のVolt400は一定光量ではなく、16200円のVolt700は一定光量でした。

CATEYEとしては一定光量は高級ライン(実売価格で言えば1万円以上)にのみ搭載されている機能だったはず。その機能を3850円のライトに搭載してくるとは驚きました。他のメーカーを見ても、ここまで低価格帯のライトに一定光量のライトはないと思います。

なお、「一定光量」と「ダラ落ち」だと、ダラ落ちの方がバッテリーを食いません。少しずつ暗くなるわけですからね。

「100ルーメン/8時間/ダラ落ち」のVolt300と同じバッテリーを使っているはずのAMPP300が「100ルーメン/9時間18分/一定光量」となるためには、何らかの方法で効率を向上しているはずです。

LEDが省電力になっているのか、回路で工夫を行っているのか。それは分かりませんが、ちゃんと中身の世代は前に進んでいるようです。バッテリーは交換できませんけど。

配光

レンズ・リフレクター形状はVolt800に近いです。

 

AMPP300のHighモード(300ルーメン)。

 

Volt800の200ルーメンモード。

明るさが違うので単純比較は難しいのですが、配光はほぼ同じと言って良いと思います。

充電

充電時間は3時間50分でした。

Volt300の公称充電時間が6時間だったことを考えると、こちらも進歩しています。恐らく急速充電回路(1A充電)も入ってます。これもかつては高級ライン用の機能だったはずなのですが……。

ただ、あくまで「他のVoltシリーズと比べて充電が早い」というだけで、現代のライトとしては充電速度は遅い部類だと思います。

 

しかし2020年発売なのに、未だにmicroUSB端子なのは頂けません。そろそろTypeC端子に対応してほしいですね。

防水性能

公称の防水性能はIPX4(防沫系)。「あらゆる方向からの飛沫の影響を受けない」とされており、ちょっと自転車用ライトの防水等級としては低めです。

 

充電端子を守るパッキンの見た目もチープな感じ。

 

ただ、パッキンは見た目よりも分厚くてしっかりしています。

恒例の「水攻め」を実施しましたが、1分間のシャワーでは浸水は見られませんでした。ヘビーな雨でなければ問題はないでしょう。

まとめ

予想に反して、非常に誠実に作られたライトでした。買って2日しか経っていませんが、現段階では「実用性の高いライト」であると評価します。通勤クロスバイク用として正式採用を決めました。

3850円という価格で「一定光量」「高速充電」を備えているのは凄い。何故もっとそこをアピールしないんでしょう。不思議です。

逆に、他のAMPPシリーズは何でこんなにダメなスペックなんでしょうね。ライトの明るさを上げているのにバッテリーの容量を据え置いたら点灯時間が短くなるのは自明の理。

CATEYEは2200mAhの電池の他に、Volt800などにも使った3400mAhの大容量電池も保有しているはず。AMPP500やAMPP800にそちらのバッテリーを使えば多少はスペックがマシになると思うのですが。ただ、もちろん値段は1000円ずつは高くなるはずで、実売価格の上昇を嫌ったんでしょうか。


個人的には、スポーツ自転車初心者用のライトとして、現状ではAMPP300が一押しではないかと思います。

AMPP500でも800でもなく、300が一番のオススメです。末弟が一番「デキる子」です。

Volt200(4950円)が「スポーツ自転車初心者が最初に買うライト」のポジションだと思っていたのですが、AMPP300は1000円安くてあらゆる面でスペックは上。URBAN2に1500円足すだけで買えるわけです。

ライトの耐久性はもう少し様子を見たいですが、CATEYEのバッテリーは中々品質の良いものを選んでいると思うので、問題は出ないでしょう。多分。

……批判する気満々で購入したのに、ここまで褒めることになるとは思いませんでした。CATEYEにはこういう真面目なモノづくりを是非この先も続けて欲しいです。

あと、そろそろVolt800のアップデート版を出してほしいですね……。TypeC充電に対応して、バッテリーが大容量化している「Volt900(仮称)」の登場を待ちわびています!

著者情報

年齢: 37歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019年の2回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間13分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)