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エレコムの自転車用ライトを購入
大手コンピュータ周辺機器メーカー「エレコム」が発売した自転車用ライトを買ってみました。
購入まで
どこで存在を知ったのかは忘れましたが、確か楽天の広告のオススメ商品に出てきたのを見た気がします。
エレコムという会社
エレコムという会社はあまり自転車とリンクする会社名ではありません。
私の本業はシステムエンジニアですが、むしろそっち方面で良く聞く会社名です。マウスやキーボード、無線LANルーターなどが有名でしょうか。PCの周辺機器メーカーです。
あとエレコムで有名なものと言えば、モバイルバッテリー。この顔つきのモバイルバッテリー、見たことがある人も多いんじゃないでしょうか。
エレコムの自転車ライト
そんなエレコムからは自転車ライトが2種類販売されています。
最大400ルーメンの「BCA-M02L-3350」と、最大200ルーメンの「BCA-M01L-3350」。それぞれに、ブラックカラーとガンメタカラーがあります。
特徴としては、「モバイルバッテリーとしても使える」点。
OLIGHT「RN1500」や、GENTOS「AX-P2R」など、モバイルバッテリーとしても使えるライトを作っている自転車ライトメーカーはあります。
今回「面白いなー」と思ったのは、「モバイルバッテリーのメーカーが自転車ライトを作った」という点。「自転車ライトメーカーがモバイルバッテリー機能を追加した」とはまた意味合いが違うと思うんです。
また、全く違うフィールドから参入するメーカーのライトがどんなものか。自転車用ライトメーカーは光学的な設計は強いものの、回路側の設計が弱いメーカーが多い気がしています。電子機器メーカーが作ると、回路側がしっかりしているようなイメージを持っていました。
スペック表示がとにかく細かい
凄いと思ったのは、公式サイトに書かれているスペック表示の項目数の多さ。
自転車ライトではここまで細かいスペック表示はまず見ません。
「色温度」「設計寿命」なんて項目は自転車ライトでは見た覚えがないです。とりあえずテストはしっかりやっていそう。あえて防水性能が「IPX5」というのも良いですね。ウソっぽくない。
ただ、自転車ライトには割りと良く書かれる「カンデラ」の値はありません。
200ルーメン版を購入
今回は、最大200ルーメンの「BCA-M01L-3350」を購入しました。理由は、点灯時間。
下記に400ルーメン版と200ルーメン版の「明るさ」「点灯時間」の比較表を示します。
BCA-M02L-3350 (400ルーメン版) |
BCA-M01L-3350 (200ルーメン版) |
|
High | 400lm / 4時間00分 | 200lm / 8時間20分 |
Mid | 100lm / 14時間50分 | モードなし |
Low | 50lm / 25時間20分 | 50lm / 25時間20分 |
どちらもバッテリー容量は同じ。モードの設計だけが違うと考えて良さそうです。価格的には200ルーメン版のほうが700円安い。
個人的には400ルーメンで4時間よりは、200ルーメンで8時間20分のほうが魅力的。ということで、200ルーメン版を選びました。
ファーストインプレッション
まだ取り付けて乗ってはいないのですが、色々いじってみた結果を書いておきます。
パッケージ
自転車ライトのパッケージというよりは、いつものエレコム製品らしいパッケージ。ルーターのパッケージとかこんな感じですね。「ライトを点灯しながらスマホが充電できる!」という文字が一番大きいあたり、想定ユーザー層が垣間見えます(ロングライダーはそういう使い方はあまり考えない)。
ちなみに右上に書いてある「No.1」は、モバイルバッテリー部門の審査結果のようです。
こんな風に開く自転車ライトのパッケージも知らないですね。なにやらオシャレですし、分かりやすい。パッケージにお金をかけている感じがします。
中身
中身。ライト本体・ストラップ・充電ケーブル。ライトマウントのゴツさが凄い。
ストラップが付いてくるのは、モバイルバッテリーとしての持ち歩きを考えてのことでしょう。底部にストラップホールがあります。
構造
充電端子は厚手のカバーで覆われています。端子は、INとOUTが独立。この方が、充電/放電の役割がはっきりしていて良いですね。その分スペースは取るし、重くもなりますが。
ライトマウントの受けは一体型。うーん、ちょっとこれはマウントを変換しにくいのでイマイチ……。飛行機に持ち込む際に重要となる各スペックはここに記載されています。
特に重要なのは「12.06Wh」という部分で、これがないと飛行機の手荷物検査を通りません。この辺りはモバイルバッテリーメーカーとしては物凄くリクエストされるところなんでしょう。
重量
本体は182g。公称185gなのでちょっと軽いですが、18650バッテリー採用のライトとしては重いです。相場より40gくらい重い。安全性とかのマージンを取るとこれくらい重くなるんでしょうか。
問題はライトマウント。83gて。CATEYEのフレックスタイトブラケットが18gなので、5倍近い重量です。
ライトと本体をあわせた重量は265g。これはかなりの重量級です。
操作
長押しで点灯、その後はシングルクリックでモードを切り替え。一般的な自転車ライトと同じ操作性です。
……が、問題なのが「長押しの時間」です。なんと、3秒以上押さないと点灯しない。
CATEYEの場合、長押し時間は大体1秒。OLIGHTは2秒。
OLIGHTの2秒でもだいぶ長く感じましたが、3秒はめちゃめちゃ(体感として)長いです。「あれ?壊れた?」と一瞬心配になるほどに長い。
恐らくはモバイルバッテリーとして持ち運ぶ際、カバンに入れた時などに誤点灯を防ぐ目的があるのだとは思います。ただ、それならばCATEYEのようにスイッチを凹ませるか、OLIGHTのようにスイッチをロックする機能をつけるべき。1秒を3秒に伸ばした所で、誤点灯はしますから。
連続点灯テスト
当サイト恒例の連続点灯&照度テストも実施しました。
常用モードになると思われるHighモード(200ルーメン/8時間20分)のモードをテストしています。
結果は以下のようになりました。
残念ながら、明るさダラ落ち系ライトでした。
3350mAhというバッテリー容量と、200ルーメンで8時間20分というスペックから想定すると一定光量になると睨んで購入したのですが……期待外れでしたね。
点灯時間は、実測8時間32分。概ね公称通りです。
配光
一般的な円形配光です。
が、これはちょっと自転車ライトとして使うにはワイド配光過ぎると感じました。
連続点灯テストのグラフを見てもらうと分かるんですが、このライトは最大で4800ルクスなんですよね。
同じく200ルーメンの、Volt800のローモードは最大13000ルクス。実に3倍ほどの開きがあります。
ルクスは「照らされた面の明るさ」を現す単位です。このテストは両者ともに30cm先の壁を照らした時の明るさを測定しています。
両者は同じ200ルーメンですが、エレコムのライトは「広く暗く」、Volt800は「狭く明るく」という差があります。ただ、Volt800は「狭い」というよりは「ちょうどよい」照射範囲だと私は考えます。エレコムのライトは照射範囲が広すぎて、200ルーメンのライトとしては路面を明るく照らしにくいということです。
充電
ライトを充電する際の電圧/電流を計測しましたが、5V/1.8A出ていました。公称通り。
自転車用ライトとしてはかなり早く、しっかり1時間半で満充電となりました。この辺りはモバイルバッテリーメーカーの面目躍如。
外部機器への給電
スマホへの給電もテスト。
4.2V/1400mA。中々速い。公称は5V/2.4Aですが、スマホ側で制限が掛けられている可能性もあります。
ライトマウント
重いライトマウントですが、使い勝手もいまいち。
幅はデカくて他のアイテムと干渉するし、固定もしにくい。ライト本体の作り込みに対して、ライトマウントの作り込みレベルは3段階くらい下です。もう少しそちらも市場調査をしてほしかったですね。
まとめ
面白そうと思って買ってみましたが、ガッカリ度のほうが高かったです。
モバイルバッテリーとしての性能はさすが。しかし、自転車ライトとしては、作り込みの甘さが目立ちます。せめて一定光量であればもう少し評価できたのですが。
そしてライトマウント。マウントはライト本体と同じくらい大事な物です。固定力、安定性、調整のしやすさ。どれが欠けても使いにくくなります。次期バージョンがあれば、そちらを改善してほしく思いました。
とりあえずご近所徘徊用くらいには使えそうですが、本格的なロングライドには使わないと思います。次回作に期待します。
著者情報
年齢: 37歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。