Garmin「Forerunner 255S」ファーストインプレッション

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Garminのスマートウォッチ「Forerunner 255S Music」を購入しました。

目次

購入まで

8月18日にGarmin「Forerunner 255S Music」が届きました。

10年以上前にSUUNTOの心拍計機能付きの時計や、GlobalSatのGPS機能付き時計は買ったことがありますが、アプリ等と連携して身体情報をクラウド上に蓄積する近代のスマートウォッチは初めての購入となります。

サイクリングDX

直接的なキッカケは、コミケで手に入れた本「サイクリング デジタルトランスフォーメーション」です。

ゲン君すくみずさんの共著で、前半はアクションカメラ、後半はスマートウォッチの活用についての解説がなされています。

こちらのスマートウォッチ解説に興味を惹かれて使ってみようと思ったのでした。主に興味があったのは、「睡眠分析」と「ボディバッテリー」という概念です。いわゆるライフログを取得し、分析してくれる機能のことですね。

機種の選定

スマートウォッチは今や様々なメーカーから販売されていますが、個人的にはGarmin以外の選択肢は考えませんでした

既にGPSサイコンのEdgeシリーズで長年溜め込んだ情報がクラウドサービス「Garmin Connect」上にありますし、Garmin製品の場合はサイコンとスマートウォッチで連携が取れるからです。他のメーカーのスマートウォッチではこうは行きません。

ブランドはGarminにするとして、機種はどうするか?

結論から言いますと、ランナー向けのミドルグレード機種の小型タイプである「Forerunner 255S Music」のブラックカラーを購入しました。

255Sを選んだ理由

選定理由は以下です。

① 必要な機能が揃っている
② 電池の持ちが必要十分
③ 軽く、小さい
④ 5万円以下

ちなみに、音楽再生対応の「255S Music」にしたのは、ブラックカラーが「Music」にしか無かったから。

以下、255Sを選んだ理由の詳細です。

① 必要な機能が揃っている

前述の通り、まず欲しかったのは「ライフログ機能」。これは大体Garminはどの機種にもあります。

もう一つ欲しかったのは、血中酸素トラッキング機能。医療機器ほどの精度はないものの、パルスオキシメーター的な機能のある機種がGarminにはあります。255Sにはこの機能がありました。

上位機種(Forerunner 955等)になると、Edgeシリーズのようにマップを表示する機能を持つものもありますが、これはサイコンと併用するなら不要と考え、今回は必須としませんでした。Appleウォッチは全機種地図表示が可能と考えると、ちょっと残念ではありますが。

② 電池の持ちが必要十分

スマートウォッチは寝てる間も含めて「一日中外さない」ものですが、充電の時間は必要です。1日1回、風呂の時間だけ充電して運用できることがマストと考えていました。

Garminのスマートウォッチは電池の持ちがよく、GPS機能を使わなければ1週間~3週間程度は充電なしでも使えるようになっています。

255Sはその中では持ちが短いほうですが、12日間使えるとされています。GPS機能を使った場合は26時間。これだけ使えれば十分です。

これも上位モデルになるとソーラーパネル搭載で事実上「ずっと使える」製品もあるんですが、値段もかなり高くなるので必須とは考えませんでした。

③ 軽く、小さい

特に重視したのがこの項目です。

私は普段腕時計をする習慣がありませんでした。社会人になって最初の一年くらいは仕事の日に付けていた気がしますが、その後は基本的に「時間はスマホで見ればいい」と考えて腕時計をしなくなりました。

そんな感じでずっと過ごしてきたので、大きかったり重かったりすると存在が気になりそうだと考えました。

255Sは兄弟機の「Forerunner 255」の小型タイプで、画面は小さく電池の持ちは少し悪いけれど、小型で軽量という製品。

重量は39gと、Garminのスマートウォッチでもトップクラスの軽さです。サイズも255に比べるとひと回り小さく、これくらいなら気になることもなさそうです。

④ 5万円以下

最後に予算。

前述の通り、私は腕時計をつける習慣がなかったので、すぐに付けなくなってしまう可能性がありました。

いきなり高いものを買っても無駄になってしまう可能性があるので、高くても5万円程度まで。それで機能的に足りないと感じたら上位機種を検討すれば良いだろうと。

255Sは楽天で42000円ほどでした。ポイントが2000円分ほどあったので、40000円で購入することが出来ました。

ファーストインプレッション

8/18に着弾。この日は私の誕生日で、自らへの誕生日プレゼントとなりました。

基本的にはずっと付けっぱなしで、外すのは風呂に入る時だけです。トライアスロンでの使用も考慮されているので別に付けたまま風呂に入っても大丈夫なはずですが(防水性能的に)、一日一回の充電をそのタイミングでやれば忘れないだろうという目算があります。

使い始めて3週間の現段階での感想を書いていきます。

パッケージ

開封。いつものGarminっぽいコンパクトなダンボールのパッケージです。

内容物。スマートウォッチ本体・専用の充電ケーブル・マニュアル・ステッカーというシンプルな構成です。ステッカーが付いてくるのはGarmin製品としては珍しい?

重量

実測重量は39.9g。ほぼ公称通り。

存在感

そこまで大きくはないと思いますが、想像よりは大きかったです。

タイピング中は存在感が気になりますが、それ以外のシーンではあまり気になることはありません。

睡眠時に腕時計を付けていることは違和感がありましたが、3日を過ぎた頃から慣れました。

光学式心拍計

255Sは光学式心拍計を搭載しています。

心拍数をANT+およびBluetoothで外部機器に転送することも可能なので、胸バンド式の心拍センサを付ける必要はなくなります。

一昔前はあまりあてにならないイメージのあった光学式心拍計ですが、最新世代(2022年6月発売)の255Sは中々精度が高いです。

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ただ、急激な心拍低下(峠を登って下りに入ったなど)時に若干ズレるのと、5~10秒ほど遅れて心拍が表示される点だけは気になりました。画面に表示されるのは5~10秒過去の心拍数なわけで、踏みやめるタイミングが少し遅れることは考えられます。

血中酸素トラッキング機能

期待してたこちらの機能ですが、割りとガバガバな気はしています。

結構「93%」みたいな値が表示されるんですが、パルスオキシメーターでこの値が出たら「酸素投与が必要」なレベルだそうです。

まだまだ搭載されたばかりの機能ですし、あくまで目安程度と考えたほうが良いかもしれません。

睡眠モニタリング

実際使ってみて面白かったのはこちらの機能です。

睡眠の深さや、夜中の覚醒状態をモニタリングしてくれます。スマホのアプリでもこうした分析をしてくれるものはありますが、それよりも正確に見えます。

そして、睡眠を100点満点で採点してくれます。「どうすればもっと良く体が回復するのか」のアドバイスも。

朝目覚めると、スマートウォッチ側に「モーニングレポート」なる画面が表示されまして、この睡眠スコアを見ることが出来るようになっています。結構これを見るのが楽しみだったり。

Body Battery機能

体をバッテリーに見立て、「今現在、どれくらい残量があるのか」を数値化して表示する機能です。寝ると回復して、活動していると減っていきます。

サイクルコンピュータでも体への負荷を数値化することができますが、自転車に乗っている間の負荷しか測定することは出来ません。通勤の運動量や、仕事の疲れは考慮されません。スマートウォッチなら常に心拍数をモニタリングしているので、それによって疲労度を常に評価できるわけです。

ボディバッテリーの変動グラフはこんな感じ。夜中の睡眠中に回復し、寝起きが一番バッテリーが充電されている状態。19時頃にグラフが上昇していますが、これは仮眠をしたから。仮眠もちゃんと検知してボディバッテリーが回復します。

客観的に「元気さ」を評価してもらえるのは良いですね。

トレーニングステータス

各トレーニングの負荷を期間ごとに集計してくれる機能があります。

負荷の低い運動から高い運動までバランスよくやることで評価されるようですが、基準がイマイチわかりません。

サイクルコンピューターとして

255Sは単体でGPSログを計測することが可能であり、EDGEシリーズのように複数項目(スピード・距離・パワー等)を表示できます。つまり、GPSサイクルコンピューターとして使うことも出来ます

一度、255Sだけでサイクリングをしてみましたが、腕時計では画面を常に見ることは出来ませんし、表示できる項目数も多くはないので、これだけでロングライドをするのはちょっと厳しいかなという印象です。

個人的には、心拍数とその他のライフログ取得を255Sで行い、自転車の走行ログは専用のGPSサイコンで取得したほうが良い気はしました。あくまで使い始めて3週間の現段階での印象なので、今後変わるかもしれません。

音楽プレイヤーとして

255S Musicは内蔵ストレージに入れた音楽ファイルを再生可能です。イヤホンはBluetoothで接続します。

ストレージ容量が4GBしかない(ログ等のデータと合計)のであまり曲数は入れられませんが……。

音楽配信サービスと連動しているはずなんですが、amazon musicの音楽は何度やっても聞くことが出来ませんでした。

Garmin Pay

NFC 非接触決済に対応しており、Suicaの機能を持たせることが出来ます。

チャージはアプリから実行可能。引き落としはクレジットカードから行われます。

財布を持たずに外出してもコンビニ等で買い物ができます。電車にも乗ることは出来ますが、普段は左手首に255Sを付けているので、改札でタッチする際には体を180度ヒネる必要があるので、ちょっと大変。右手首に付ければスムーズなんでしょうが、それは違和感があるので結局左手首に付けたままです。

スクリーンショット

製品レビューをするものとしては、画面を撮影できるスクリーンショット機能は結構使うのですが、マニュアルにはやり方が載っていませんでした。

色々と調べてみたところ、LIGHTボタン+BACKボタンの同時長押しでスクリーンショットが取れます。スクリーンショットは、PCと255Sを専用ケーブルで接続し、Garmin/Screenshotsフォルダから取得します。

まとめ

スマートウォッチを使い始めて3週間時点でのファーストインプレッションでした。

すぐに付けなくなるかと思いましたが、なんだかんだで3週間継続できました。取得できるデータがかなり多い&割と適切なアドバイスを貰えて面白いです。自分専用の健康状態アドバイザーが付いたような感じと言いましょうか。特に睡眠分析を見るようになってから、眠りの品質を意識するようになりました。

あまりに多機能でまだまだ全然使いこなせている感じはしませんが、しばらく使ってみようと思います。ブルベへの投入はまだですが、来月1日に400kmブルベに参加する予定。またそこで色々と発見がありそうです。

著者情報

年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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