iRC「ASPITE PRO RBCC」ファーストインプレッション

iRCの最新タイヤ「ASPITE PRO」。サイクルモードでのプレゼントキャンペーンに当選しまして、しばらく使ってみることになりました。

まずは使ってみてのファーストインプレッションを書き残しておきます。

手に入れるまで

今回、当選して頂いたタイヤは「ASPITE PRO RBCC」です。手に入れるまでを簡単に紹介。

サイクルモードのキャンペーンに当選

今年4月に開かれたサイクルモードでiRCブースでもらったチラシにキャンペーンサイトのURLが書いてありまして、そこから応募しました。

応募したのも忘れていた一ヶ月後、不意に連絡が届きました。

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なんと当選したとのこと。抽選で5名ということであまり期待してなかったので驚きました。

どちらのタイヤにするか?

当選者は「ASPITE PRO RBCC」と「ASPITE PRO S-LIGHT」のどちらかを選ぶことが出来ました。

「RBCC」はノーマルタイプで、「S-LIGHT」は軽量タイプという位置づけ。

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同時期に発売したPanaracer「AGILEST」ではノーマルタイプを使っていたので、そちらとの比較の意味で「RBCC」を選ぶことにしました。幅も、AGILESTと同じく25Cです。

着弾

6月上旬、「井上護謨」という謎の場所から荷物が届きました。「護謨」は「ゴム」と読むようで、「井上ゴム」。つまり、iRCからの荷物でした。読めない。

「ASPITE PRO RBCC」25Cです。

パッケージには「フックレスリム対応」の文字。うちにはフック付きリムしかありませんが。

ファーストインプレッション

ASPITE PRO RBCC(25C)のファーストインプレッションです。

チューブは「REVOLOOP RACE」、取り付けるホイールはSHIMANO「WH-R8170」。比較対象は、直前まで付けていた、Panaracer「AGILEST CL 25C」です。

パッケージ

まずは箱の観察。

Formula PRO S-LIGHTの箱にも書いてあった能書きに似ていますが、文面は別物になっています。

タイヤの特徴などが書かれた面。「NEW ETRTO STANDARD」の文字があり、新ETRTOに対応していることが分かります。フックレスリムへの対応についても記載が。

重量

ASPITE PRO RBCC(25C)の公称重量は220g。ですが……。

手元の個体は232gと233g。綺麗に上ブレで+10g以上はちょっと重い。

比較対象となるAGILESTの公称重量は190g。実測重量は190gと196gだったので、だいたい前後共に40gずつ重いことになります。

なお、ASPITE PRO RBCCの28Cを買ったmorouさんの個体も公称より10g重かったそうです。2本ともきっかり260g。どうやら公称よりも重い傾向がありそうですね。

組付け

通常のクリンチャーに比べると取り付けにくいです。AGILESTやGP5000であれば私は素手で入れられますが、このタイヤに関してはタイヤレバーを使いました。

原因は恐らくこのビード。

今回のASPITE PROは、「クリンチャータイヤなのにフックレスリムに使える」という所が売り。そのために、このタイヤにはチューブレスタイヤに使われる「伸びにくい」ビードを使っているそう。開発者の方が「このビード、単価が高いんですよね……」とサイクルモードでこぼしていました。

そのためか、チューブレスタイヤほどではないにしても、取り付けは苦労します。出先でパンク修理をするのはちょっと大変かもしれません。

普通のクリンチャーなら取り付けてしばらくするとビードが伸びますが、本製品は伸びません。取り付けてしばらくしても、脱着のしにくさは変化しないはずです。

空気圧範囲は、6-8気圧。

……クリンチャーとして使用するなら良いんですが、フックレスリムって5気圧以上を禁止している場合が多かった気がするんですが、どうすべきなんでしょうね。

太さ

C21リムに取り付けて、タイヤ幅は26.6mmでした。

C19リムに付けたときに25mmになる設計のはずなので、C21リムに付けたらこれくらいになるのは納得です。

パターン

センターはスリックで、サイドに行くと「ヘリンボーン」と呼ばれる独特なパターンが刻まれています。このパターンが、コーナーを曲がる時に強烈に地面に食いつくとのこと。

ちなみに、ヘリンボーンとは「ニシンを開きにしたときの骨」を意味するそうです。

乗った印象

前:6.5気圧、後:7気圧で、平日の夜練で100kmほど乗りました。

なお、保護用ワックスを取るために、トレッド面を水拭きしてから走り出しています。

漕ぎ出し・加速

AGILESTに比べてモッサリしています。片輪で40gも重いので仕方ないかもしれませんが。

後述しますが、このタイヤは無印AGILESTではなく、AGILEST DUROあたりと比べるべきタイヤな気はしています。

タイヤサイドの剛性は十分にあり、立ちこぎ時の腰砕け感はありません。サイドまで耐パンクベルトが入っていることも影響しているかもしれませんね。

乗り心地

タイヤの取付時に手に伝わる感触は「硬いタイヤ」だったのですが、乗ってみると乗り心地は良いです。

AGILESTは「跳ねにくい」印象でしたが、ASPITE PRO RBCCは「タイヤが変形しつつ段差の衝撃を吸収する感じ」と言いましょうか。

コーナーリング

ヘリンボーンパターンは見掛け倒しではなく、実際に効果を感じます。コーナーでかなり倒せます。不安定さもありません。ダウンヒルのコーナーでも安定していました。

ただ、倒した時に唐突にタイヤのグリップが変わる印象があったので、好みは分かれると思います。例えるならば、前世代のPanaracer RACE Aっぽさがありました。あちらはトンガリ形状で感触の違いを出していましたが、このタイヤはパターンで差を出している感じ。

効果のあるヘリンボーンパターンですが、深さは1mmもありません。果たして摩耗したときにどうなるのかが気になっています。

このタイヤの位置づけ

前述の通り、私は「ASPITE PRO RBCC」と「無印AGILEST」が同じポジションにあると思って、「RBCC」のタイヤを選択しました。「オールラウンドモデル」同士と思っていたわけですね。

が、どうも乗ってみるとそれが勘違いだった気がしています。私の考えを1枚の画像に纏めると、以下のような感じです。

ASPITE PRO RBCCは、オールラウンドモデルというよりは「耐久性重視」モデルで、ASPITE PRO S-LIGHTが「オールラウンド」モデルだったのではないかと。

iRCの公式サイトにある、選手たちによるASPITE PROの紹介動画を見てみたのですが、全員乗っていたのは「S-LIGHT」のほうでした。誰も「RBCC」についてはコメントしていなかったのです。

これは私の推測ではありますが、iRCとしてメインモデルと考えているのは「S-LIGHT」の方ではないかと思っています。そこに、耐パンク性能を追加したのが「RBCC」。無印AGILESTと比べるならば、S-LIGHTを選ぶべきだったのです。

自転車雑誌サイクルスポーツがお届けする情報サイト|サイクルスポーツ.jp

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サイスポのASPITE PROの記事を見ると、以下の記述があることに気づきました。

ASPITE PRO S-LIGHT
耐パンクベルト:ナイロンベルト

ASPITE PRO RBCC
耐パンクベルト:840d 40x40TPI X-GUARD/ナイロンベルト

私はこの記載を見るまで、「S-LIGHTは耐パンクベルトを省いて軽量化したモデル」だと思いこんでいました。しかし、実は耐パンクベルトはS-LIGHTにも入っていたのです。

RBCCは通常の耐パンクベルトに加えて、「X-GUARD」というタイヤサイドまでをカバーする2枚目の耐パンクベルトが入っているようです。この構造はAGILEST DUROに似ていますね。

iRCの方に本件に付いて問合せてみたところ、以下の回答が得られました。

S-LIGHTにも、耐パンクベルトは入っております。
幅はトレッドゴムの1.5倍程度の広さのものが入っていますが、他社品ではトレッドゴムよりも狭いものが入っているケースが多く見られます。

RBCCはビードから反対のビードまで 前面に強固なX-GUARDで覆っています。
突き刺しパンクだけでなく、サイドカットにも優れた効果を発揮し、耐パンク性を高めています。

以上から、S-LIGHTにも耐パンクベルトが入っていることが確かめられました。

それよりも耐パンクベルトを強力にしたのが「RBCC」。AGILESTシリーズで言えば「DURO」、Continentalで言えば「GP 4SEASON」の立ち位置に来るモデルに見えます。

ということで、「最低限の耐パンク性能で、軽快に走るタイヤが欲しい」という方はS-LIGHTの方を選んだほうが良さそうです。私も多分、そっちの方が走り的には好みですね。

まとめ

ASPITE PRO RBCCのファーストインプレッションでした。

ちょっと思っていたのと違うポジションの製品だったので戸惑いましたが、悪いタイヤではないと思います。むしろ、私のメインの使い方であるブルベには適したタイヤのはず。耐パンク性能はかなり高そうですし。

ただ、レースに使おうとは思えませんでした。レース用途ならば、S-LIGHTを選んだほうが良いでしょう。

もう少し使ってみて、耐久性や耐パンク性能を見ていこうと思っています。

しかし、「S-LIGHTが耐パンクベルトを有している」ことはもっと強調してもいいと思うんですよね。今の所、ソースとなるのはサイスポの記事だけで、公式サイトには耐パンクベルトへの言及がありません。それが理由で購入に至らない人もそれなりにいると思うのですが……。iRCには、「是非今回頂いた説明を記載してください」と要望しておきました。

このタイヤを使い切ったら、次はS-LIGHTを購入して試してみようかと思っています。

著者情報

年齢: 37歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)