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SHIMANO RT-CL800を購入
新発売となるロード用ディスクローター「RT-CL800」を購入しました。
SHIMANO「RT-CL800」
140mmと160mmを1枚ずつ買いました。
RT-CL800について

RT-CL800は8月からデリバリーが始まったシマノの新しいロードバイク用ディスクローターです。モデルとしては、SM-RT800の後継になるはず。
グレード的にはアルテグラ。上位モデルとして、デュラエースグレードの「RT-CL900」があります。
前モデルである「SM-RT800」「SM-RT900」に比べて下記の変化があります。
① 高温状態での振れが出にくくなり、音鳴りがしにくくなった。
② 放熱フィンが小さくなった。
③ 軽量になった。
購入理由

先日、ラルート編集部にてRT-CL900の現物を見て、かつ重量を測定させてもらいました。割りと公称重量は当てにならないことが多いんですが、本製品に限っては公称重量より軽そうです。
「アームを強化したことで振れが出にくくなった」という売り文句には半信半疑でしたが、安井さんのコメントを聞くと効果はありそう。ブレーキの効きが良くて軽量なら使ってみたくはあります。
そして、RT-CL900とRT-CL800、公称重量が実は一緒なんですよね。普通は下位グレードであるRT-CL800の方を重くしてくるところですが(前作はSM-RT800のほうが重かった)、まさかの同一重量。
RT-CL900とRT-CL800の違いは、「放熱フィンの塗装」。RT-CL900は放熱フィンが黒くなっていますが、これが「放熱ペイント」と呼ばれるもので、放熱性能をさらに高めるんだとか。黒いほうが赤外線で温まりやすいので、夏場は銀色のほうが熱を溜め込みにくい気もしますが……。
私はブレーキが油圧ではなく機械式ということもあり、そこまで熱を気にする必要はありません(低温に越したたことはないですが)。値段の差は3000円。見た目としては黒いほうが好みですが、前後で6000円の差は気になり、結局RT-CL900とRT-CL800を1枚ずつ買うことにしました。
配達遅延を喰らう
やっぱりこうなったか。RT-CL800、届かず… pic.twitter.com/PaTXYCYrsr
— ばる (@barubaru24) August 18, 2022
が、見事に「konozama」を喰らいまして、発売日に届きませんでした。配達日未定になったので、即キャンセル。
楽天を探すと、RT-CL800を2枚であれば即納してくれるショップがありそうです。RT-CL900への未練もあまりなかったので、RT-CL800を2枚買うことにしたのでした。
ファーストインプレッション
諸々計測後、取り付けて50kmほど走ってきました。
重量
測定結果は以下です。
ローター径 | 公称重量 | 実測重量 |
140mm | 96g | 94.9g |
160mm | 114g | 112.5g |
どちらも公称重量を下回りました。あまり大幅に下回ってると怖いですが、どちらも1.5g程度なので、それくらいならば良いかなーと思えます。

こちらのページにセンターロックのディスクローターの重量を一覧化していますが、RT-CL800は軽さの点ではかなり上位に入ります。
厚み
実測した所、140mm/160mmともに1.75mm前後でした。
「1.5mm以下になったら交換するように」と書かれているので、使える厚さは0.25mmです。
細部
確かにアーム部分は前作に比べると、厚くゴツくなってるように見えます。
横から見た図。
取り付け
早速取り付けてみました。普通のセンターロックディスクローターと同じで、特に難しいことはありません。

取り付け前に、ブレーキパッドはクリーナーで洗浄済み。前のローターのカスが残っていると異音の原因となるので、ローターを変える時はパッドも洗浄しましょう。

交換前に使っていたローターは、SwissStopのCatalyst。前後で約50gの軽量化となりました。
走行
取り付けて早速、三浦半島の葉山まで50km程度を走ってみました。
制動性能は当然ながら問題なし。馴染みが出るまでは(5kmくらい)効きが良くなかったですが、馴染みが出るとSwissStopと遜色がないくらいには効きます。
高温時の一時的な振れ具合については、「15%程度の激坂を下りながらブレーキを掛け続ける」シチュエーションでテスト。
下りきった時には微妙に擦れる音が出ていましたが、すぐに元に戻りました。前世代のシマノのローター(RT-MT900など)はこういったシチュエーションではしばらくローターがパッドを擦る音がしていたので、従来よりは抑制されているように思えます。ダウンヒルのストレスが減りそうですね。
気になったのは横風耐性。放熱フィンの面積はSM-RT800よりは減っていますが、SwissStopよりは広いので、突風で少しだけ持っていかれる感も。ただ、アルテグラホイールの効果か、決定的に制御が乱れることはありませんでした。
見た目
黒赤党としては、放熱フィンの分だけ銀色成分が増えたのがちょっと気になります。とは言え、前後で6000円を足して重量的に変わらないものを買うのも……うーん。
まとめ
シマノの新型ローターを買ってみた話でした。
とりあえず制動性能は問題なく、軽量化。さらに、高温での一時的な振れも前作比で抑えられており、正常進化と言えそうです。
気になるのは「何kmくらい使えるのか」という点。

こちらの記事で旧モデルであるRT-MT900の寿命を推定した所、7500km程度(前側のローターの寿命推定)となりました。
ただし、RT-MT900の初期厚は1.80mmで、RT-CL800より0.05mm厚くなっています。0.05mmなんて普通は気にしない程度の厚みですが、使える厚みが0.25mmと0.30mmでは2割の違いがあります。
仮にRT-MT900と同程度の減り方をするとなると、6000km程度しか持たないことになりますが……。何らかの耐久性向上の工夫がされていることを期待します。
著者情報
年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。