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Fizik「TEMPO ALIANTE」購入
約10年ぶりにモデルチェンジされたALIANTEシリーズの最新作「TEMPO ALIANTE」を購入しました。
購入まで
Fizikから発表になったばかりの新作サドル「TEMPO ALIANTE(テンポアリアンテ)」を購入しました。個人的には、久々に「即買い」となったサドルです。
ALIANTEについて
ALIANTEは、Fizikのロードバイク用サドルの中での「快適」担当です。
Fizikが提唱するフィッティングメソッド「スパインコンセプト」においては、一番体が硬い人向け(=前傾姿勢が緩く、アップライトな姿勢で乗る人向け)のサドルとされています。
他のサドルに比べるとパッドが厚めで、サドルの座面が大きく湾曲しているのが特徴。ロングライダーに愛用者が多いですが、先端が細くてペダリングを阻害しないことからレーサーでも愛用者が割といるようです。
かつてはペーター・サガンも愛用。現在はスペシャのバイクに乗っているため、Rominというサドルを使用しているようです。ただ、RominとALIANTEは形状的に近いですね。
ALIANTEの歴史
ALIANTEは約25年の歴史を持つサドルです。1999年の登場以来、その座り心地の良さで愛用者を増やしてきました。
これまでに大きなモデルチェンジが2回ありました。
第一世代: 1999~2013年
シクロワイアードの記事によるとALIANTEが登場したのは1999年。
ネット上で確認できる一番古い記事は、2004年のこちらの記事です。
カラーや素材は変わったものの、2013年まで基本形状はほぼ変わらずに継続されました。
後ろ側の座面が広く、前側が細く絞られた形です。後ろ側は二股に分かれたような形状をしています。
横から見ると、湾曲した形状をしています。
全体的にパッドが多く、やわらかめ。その分、重量はあります。
第2世代が発売された後、第1世代はほぼ廃版となりました。しかし、チタンレールモデルの「ALIANTE GAMMA」だけは2023年現在でもラインナップされ続けています。
「これじゃないと駄目!」という人が未だに多いということなのでしょう。
第2世代: 2014~2022年
2014年、ALIANTEが大きくモデルチェンジしました。
より薄くなり、軽量化。一回り小型化した形状になりました。
二股に分かれていた後ろ側は一つに統合されました。
横から見ると明らかに薄くなっています。恐らくはパッドが減りました。
私もすぐに購入したんですが、これが全く合わず。小型化したことで座面の面積が狭くなり、薄くなったことでパッドが減って固くなり。正直ALIANTEとは思えませんでした。
第3世代: 2023年~
第2世代の登場から9年、突如として発表されたのが「TEMPO ALIANTE」です。
これまでのALIANTEは穴なしがデフォルトでしたが(穴ありのVERSUSやOPENもあった)、今作は穴ありのみに統一。
後ろ側は少し広くなった感じ。先端が平べったくなり、少し幅広になったように見えます。
穴の周りはソフト。第2世代のVERSUSやOPENは穴の縁が固くて痛かったんですが、本作はそういったことがなさそう。
湾曲具合は相変わらず。
私とALIANTE
私はロードバイクを買った半年後(2010年)に出会ったALIANTE(第1世代)がシンデレラフィットでした。
廃版に備えて、何個も予備を買い込んだほどです。
しかし、2014年に発売された第2世代は全然私には合いませんでした。とはいえ、第2世代が出た以上、第1世代は近く廃版になるはず。
そこで見つけてきたのが、FabricのScoop Radiusでした。こちらは第1世代ALIANTEにそっくりの座り心地だったのです。
結局、現在ブルベで使っているのはFabric Scoop。こちらも予備をかなり買い込んでいます。
ただ、2023年現在でも第1世代ALIANTEは現役で販売中です(GAMMAのみ)。まさか後継バージョンが出ているのに、10年も売り続けるとは思いませんでした。
TEMPO ALIANTE、購入
第2世代は全く体に合いませんでした。
では第3世代はどうか? 発売後しばらく評判を眺めていましたが、第2世代よりも柔らかくなっている様子。
幅が2種類ありましたが、細い方の145mmモデルを選択。カーボンレールのR1を注文しました。
Fizik「TEMPO ALIANTE」
購入から2週間ほど時点での感想を書いていきます。
購入したのは、TEMPO ALIANTE R1の145mmです。
バリエーション
TEMPO ALIANTEのバリエーションは以下の通りです。
価格 | 重量 | レール素材 | |
ALIANTE R1 145mm |
29600円 | 180g | カーボン |
ALIANTE R1 155mm |
29600円 | 186g | カーボン |
ALIANTE R3 145mm |
22000円 | 220g | Kium |
ALIANTE R3 155mm |
22000円 | 226g | Kium |
ALIANTE R5 145mm |
15800円 | 230g | S-Alloy |
ALIANTE R5 155mm |
15800円 | 236g | S-Alloy |
価格
定価は29600円。今回は楽天にて25160円で購入しました。
カーボンレールのモデルならこのくらいの価格はしてしまいますね。
重量
公称180gで、実測176.9g。
カーボンレールとは言え、ALIANTEの名を冠するサドルがここまで軽くなるのは凄いですね。200g超えが普通のサドルだったので。
名前
今回から「TEMPO」という名前が付くようになりました。
どうやらFizik的には用途を表す用語のようで、下記の意味があるようです。
VENTO | ロード レーシング |
TEMPO | ロード エンデュランス |
TERRA | グラベル |
TEMPOが付くので、本製品は「ロード エンデュランス」用ということになります。
レール
今回注文したR1はカーボンレールです。
一般的なカーボンレールは「高さ9mm」なんですが、Fizikのカーボンレールは「高さ10mm」でした。そうなると、専用のクランプが必要だったり、シートポストによっては取り付けが出来ないこともありました。
最近、Fizikも方針転換をしたようで、TEMPO ALIANTEのカーボンレールは9mmになっています。一般的なシートポストにも取り付けやすくなりました。
取り付け
今回は、Bianchi「OLTRE XR4」に取り付けました。
私はサドルはなるべく座面が水平になるように付けることが多いんですが、ALIANTEは湾曲しているので結構角度設定が難しいサドルです。
何度か乗って調整を繰り返し、この角度でしっくり来ました。
実走
50kmほど走ってみました。
座面の後ろ側は「ソファのような座り心地」と表現されるALIANTEらしい柔らかさです。第2世代はこの部分が固い&狭くて納得できませんでしたが、その点では第3世代は合格。
違和感があったのは、先端のノーズ部分です。ペダリング時に少し太ももに干渉する感じがありました。
左が第1世代、右が第3世代です。
あまり幅に違いは無いように見えますが、ノギスで計測すると左右1mm、計2mmほど第3世代のほうが太くなっていました。
最近のFizikのサドルは先端をカモノハシのように平たく幅広にするケースが増えていますが、わずかとは言えALIANTEにもそのトレンドが波及しているということでしょうか。
サドルの先端を太く平らにするのは、腰を前にスライドさせた時に股間への圧迫を減らす意味があるのだとは思いますが、ALIANTEユーザーは腰をあまり動かさない人が多いんじゃないかと思います。昔から「一点固定型」の人向けのサドルですしね。この形状変更はちょっと疑問。
先端が太くなることによって足が回しにくくなるデメリットもありそうですが、2mmで問題が出るか否かは人によりそうです。私は「違和感がある」といった程度で、使えなくはないかなーといった所。
乗り心地に関しては、最低でも100kmほど乗ってから改めて判断しようと思っています。
まとめ
TEMPO ALIANTEのファーストインプレッションでした。
第一印象は悪くないです。どう考えても「別人」だった第2世代と比べて、第3世代は「面影は残っている」感じ。先端の太さが気になりますが、そこはもう少し使ってみないと何とも言えません。
第3世代の出現によって、いよいよ第1世代の生き残りである「ALIANTE GAMMA」が廃版になる可能性もあります。第3世代が自分にフィットするサドルだと良いのですが。
著者情報
年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。