フレームオーダーの記録 (2本目/2019年 細山製作所 QUARK)

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フレームオーダーの話、第二弾。↓の記事の続きになります。

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初めてのオーダーフレームは紆余曲折はありながらも、なかなか満足の行く出来にはなりました。

ただ、オーダーフレームは細かい点まで自分で指定ができるため、「ここをもう少しこうしたい」という思いが出てくるものです。

よく、「オーダーフレームは3本目でようやく満足の行くものが出来上がる」などと言われます。私もその例に漏れず、2本目のオーダーをすることになりました。

目次

製作動機

2018年9月。4年に一度のPBP(Paris-Brest-Paris: 1200km)を翌年に控え、私は一点気に掛かっていることがありました。

足裏の痛み対策

2018年夏に参加したクローバー1200と、秋に参加したビワイチ1000、どちらも足裏の痺れが出てしまったことです。手や股間の痺れを出したくないがために腰を上げて段差を越えるのですが、それが積み重なると足裏の痺れや痛みになることが分かりました。

日本の舗装は綺麗な方ですが、それでも出てしまった痺れと痛み。フランスの舗装は所々荒れていることもあり、今のままだと足裏の痺れは免れないはず(と思ったんですが、PBPのコースはかなり路面が綺麗でした)。

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まずはタイヤの変更を検討。しかし、現状知る限り最も乗り心地の良いクリンチャータイヤであるPanaracerのRACE C(26C)を使ってもなお、足裏の痺れは出ていました。これ以上乗り心地を良くしたかったらタイヤを太くするしかありませんが、フレーム的には26Cと泥除けの共存が限界でした。

そこでホイールを変えようかと思ったのですが、知りうる限りで乗り心地が最も良いホイール「SPINERGY」は、横剛性が無さすぎて私の体重だとよれる感じがありました。

ならば乗り心地に影響が大きいフォークをカーボンにしてみるのはどうか。しかし、私のフレームは1インチコラム。1インチのカーボンフォークは、知る限り選択肢はほとんどなく、どれも剛性不足です。

2本目のオーダーフレーム作成を決意

ここまで考えて思い至りました。…これはフレームを変えるしかないのでは?

当時(2018年末)のタイミングだとディスクロードももちろん考えました。どうせディスクロードにするなら電動油圧にしたいですが、そこまでの金額はPBPを控えて用意するのは難しい。そして、残念ながら「これは!」というフレームもありませんでした。

あと、ディスクロードは泥除けの選択肢が減ります。雑誌やお店では「雨の中でもブレーキが効く!」と強調される場合が多いんですが、ディスクブレーキに使える泥除けって実は少ないのです。

やはり今回はリムブレーキのフレームを単体で入手して、コンポ類は載せ替えで対応することを決めました。しばらくリムブレーキ継続決定。

前回のフレームオーダーから約2年。1本目のオーダーフレームは600km走ってもあまり疲れは出ないですし、東京糸魚川ファストランでは自己ベストで走ることも出来ました。とても満足しているフレームです。ただ、「こうすれば良かった」「もう少しよく出来るのでは」という点がいくつかあったのも事実。2本目のオーダーフレームにはそれらを反映させることにしました。

工房選択

今回も前回に引き続き、相模原の細山製作所にお願いすることにしました。

1つ目の理由は、PBPに細山さんのフレームで参加したかったということ。

2つ目の理由は、今回お願いしたい修正が前回のフレームの微調整に収まること。1本目のフレーム自体の乗り味には満足していたので、それは踏襲したかったのです。それならば、やはり1本目と同じ工房に頼むべきであるということになります。

オーダー構想

前回は「東京糸魚川ファストラン(300km)」を前提としたフレームをお願いしました。

今回はもっと距離の長いスーパーロングライド(PBPなど)特化ということで、「乗り心地の良さ最優先」「泥除け対応」をテーマとしました。

そこから導き出された具体的な要件は以下の通り。

① オーバーサイズのカーボンフォーク対応

細山さんのクロモリフォークは1インチコラムでも十分な剛性があります。しかし、金属の特性として振動の減衰は得意ではなく、どうしてもカーボンより収束に時間が掛かります。

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1インチコラムのカーボンフォークは↑のレビューにも書いた通り、剛性が全く足りません。現行の1インチカーボンフォークは、性能というより「クロモリにも合う見た目を」ということを優先している様子。そのため細いものが多く、それが剛性不足に拍車を掛けています。乗り心地は良いんですけども。

乗り心地的には、カーボンフォークはマスト。となると、コラムを大径化するしかありません。ということで、今回のフレームはオーバーサイズのコラムの採用を決めました。

ヘッドだけ太くても、見た目も剛性もアンバランスになるので、フレーム自体もオーバーサイズのパイプにすることにしました。

② 26cタイヤ+泥除けに対応

1本目のフレームは、26cタイヤに合わせて作ってもらいました。

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ただ、これだと愛用の泥除けのアダプタ(ブレーキアーチの下を通る)とタイヤのクリアランスがかなり小さく、タイヤの銘柄によっては擦ってしまうこともありました。雨天走行ではタイヤ表面にめり込んだ小石で異音がすることも。

そこで、今回は28Cタイヤに対応するクリアランスを設けてもらうことにしました。このくらいのクリアランスを取れば、26Cタイヤに泥除けを付けてもクリアランスに余裕があるはずです。

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この条件に合わせて用意したフォークは、RitcheyのWCS Carbon Road Fork。30Cタイヤに対応したフルカーボンフォークです。

ストレートフォークがお好きではない細山さんにもご納得頂くためにベンドフォークを選択。ただ、このフォークは下玉押しが一体成型のタイプで、使いたかったCHRIS KINGのヘッドパーツは付きませんでした……。

③ チェーンステーを延長

前側の乗り心地はカーボンフォークの変更で良くなるはず。では後側はどうするかといえば、王道な方法は「チェーンステーを長くする」ことです。

1本目のフレームは、リアセンター(BBからリヤエンドまでの長さ)が408mm。今度のフレームは410mmとすることにしました。たった2mmで違いを感じるかは不明ですが、こういったところを細かく指定できるのもオーダーフレームの楽しさです。

残りのジオメトリは1本目と同じ

これら3点以外は、基本的に前のフレームとジオメトリは同一としました。

1本目のフレームのコーナーリング特性はとても気に入っていたので、ヘッド周りのジオメトリやハンガー下がりは全く変えるつもりはありませんでした。

 

次ページ: 工房を訪れ、打ち合わせ&オーダー!

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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