GARMIN「eTrex SE」を発売

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GARMINからトレッキング用GPSの新作「eTrex SE」が発表されました。

目次

まえがき

GARMINからトレッキング用GPSの新製品である「eTrex SE」が発表となりました。

Garmin
Garmin eTrex® SE | Handheld Hiking GPS Garmin eTrex SE is a hiking GPS with up to 168 hours of battery life, live Geocaching updates, real-time weather updates, and a digital compass.

eTrexシリーズの最新作となります。

なんと、公称稼働時間が168時間。丸一週間使えるということですね、凄い。

eTrexシリーズ

eTrexは名前の通り、登山(トレッキング)用のハンドヘルドGPSです。

特徴は以下。

  • 単三電池×2本で動作(内蔵バッテリーではない)
  • 稼働時間が長い(フラグシップの32xは25時間稼働)
  • 自転車用GPSに比べて、比較的システムが安定しており、長時間使用可能
  • 自転車用GPSよりも大きく、重め。つながらないセンサーもある。

同じGARMIN製品ですが、自転車用のEDGEシリーズよりもヘビーデューティーなGPSとして設計されています。

自転車用としても使えるeTrex

本来はトレッキング用のeTrexですが、自転車にも取付が可能です。

画像左のマウントをステムやハンドルに取り付ければ自転車用のサイコンに早変わり。

「なぜ、トレッキング用のGPSをわざわざ自転車に使うのか?」と疑問に思われるかもしれませんが、ブルベのようなロングライドには適した性能を持っているんですよね。

  • 単三電池×2本で動作(内蔵バッテリーではない)
    → 電池切れになっても、電池を交換すれば即走行を再開出来る。
  • 稼働時間が長い(フラグシップの32xは25時間稼働)
    → 電池によっては45時間ほど連続で使える。600kmブルベ(制限時間: 40時間)でも電池交換の必要がない。
  • 自転車用GPSに比べて、比較的システムが安定しており、長時間使用可能
    → 長距離ではGPSサイコンは不安定になることがあるが、eTrexは安定している。
    → フリーズしても、電池を差し直して再起動すれば解決。

ただし、自転車用ではないのでパワーメーターの接続には対応していません

パワーが取れない点だけは惜しいですが、その他のメリットのほうが大きいと考え、私はブルベではずっとeTrexシリーズを愛用しています。

これまでに、「eTrex30」「eTrex30x」「eTrex32x」の3種類を購入しました。

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現在は「eTrex32x」を愛用中です。

「eTrex SE」発表

そして、2023年3月。何の前触れもなく「eTrex SE」が発表されました。

長時間使えるスマートウォッチも出揃ってきましたし、10年以上筐体はそのままでしたし、そろそろeTrexシリーズは廃止されるんじゃないかと思っていました。後継機が出てくれて良かったです。

ざっと見た限り、eTrexシリーズのボトムグレードである「eTrex10」の後継機と思われるスペックですね。

カラーも黄色基調で、eTrex10のイメージカラーを踏襲しています。

詳細なスペックについては次の章で見ていきますが、とりあえず驚いたのは「168時間」という異様な長さの稼働時間です。

それまでのeTrexが公称25時間。これでもGPS機器としてはかなりのロングライフだったのですが、その7倍の時間も使えるというのだから驚きです。電池は相変わらず単三電池2本なのに、一体どんな技術革新があったのやら。

しかも、バッテリーセーブモードにすれば1800時間(2ヶ月!)も使えるとか。一体どうなってるんでしょうか。

eTrex SE 製品プレビュー

では、現在分かっている情報から、「eTrex SE」がどんな機種なのかを見ていきたいと思います。

スペック比較

旧eTrexのエントリーグレードである「eTrex10」と、トップグレードである「eTrex32x」とスペックを比較してみます。

eTrex SE eTrex10 eTrex32x
重量 156g 148g 148g
大きさ 10.0 x 6.1 x 3.3cm 10.3 x 5.4 x 3.3 cm 10.3 x 5.4 x 3.3 cm
画面解像度 240 x 320
モノクロ液晶
128 x 160
モノクロ液晶
240 x 320
カラー液晶
操作ボタン 4ボタン 3ボタン+スティック 3ボタン+スティック
価格 149.99ドル 109.99ドル 299.99ドル
防水等級 IPX7 IPX7 IPX7
電源 単三電池×2本 単三電池×2本 単三電池×2本
稼働時間 通常: 168時間
遠征モード: 1800時間
25時間 25時間
インターフェース USB Type-C miniUSB miniUSB
内蔵メモリ 28MB 6MB 8GB
外部ストレージ なし なし microSDカード
マップ 非対応 非対応 対応
電子コンパス 対応 非対応 対応
気圧高度計 非対応 非対応 対応
外部センサー 非対応 非対応 対応(ANT+)
スマホ接続 対応 非対応 非対応
ウェイポイント数上限 1000 1000 2000

 

以降はそれぞれの項目について見ていきます。

重量・大きさ

重量と大きさは過去機種とほぼ変わらず。

GPS Radler
Garmin eTrex SE vorgestellt - Basis Outdoor Handgerät » GPS Radler Das neue eTex SE Basis-Outdoor-GPS Handgerät. Tracking, einfache Track Navigation und Geocaching. Alle Neuheiten und ein Vergleich zum eTrex 10.

こちらのサイトに比較画像が出てますが、見た目はSEのほうが少し大きく見えますね。

画面解像度

SEの画面解像度は240×320ピクセル。eTrex32xと同等まで大きくなりました。

ただ、画面はモノクロ液晶のままのようです。

操作ボタン

eTrex SEは4ボタンでの操作となり、ジョイスティックが廃止されました。

結構便利だったと思うんですけどね、地図の操作にジョイスティック……。

仮にeTrex SEの上位機種が出るとすれば、今度はタッチパネルになるのかもしれません。ボタンだけじゃ地図の操作はしにくいので。

価格

eTrex SEは149.99ドル。

eTrex 10は109.99ドルながら国内販売価格は27500円。さすがにちょっと上乗せが過ぎるのでは……

まだ日本での販売は発表されていませんが、eTrex SEは30000円を超えてきそうです。

電源・稼働時間

旧eTrexと変わらず、単三電池×2本稼働。

世界中のどこでも手に入り、交換すればすぐに復活する電池稼働を継続してくれたのは嬉しいですね。

そして驚くべきは168時間という稼働時間です。丸々一週間、動き続けるわけです。単三電池2本だけで。

これだけ持てば日本縦断も一度の電池交換なしで走りきれてしまう。それくらいのロングライフです。

さらに、詳細は不明ですが「遠征モード」なるものを使えば1800時間持つとのこと。一体どうなってるのか。電池交換を忘れそうです。

インターフェース

eTrex SEはUSB Type-C端子を採用しました。

もはや旧eTrexのminiUSB端子はケーブルが手に入らないので良かったです。未だにeTrexのためにminiUSBケーブルは持ち歩いてますが。

恐らく充電機能は無いので、単純にパソコンとの接続インターフェースのはずです。

内蔵メモリ・外部ストレージ

eTrex SEは内蔵メモリが28MBしかありません。

eTrex10は8MBだったので少しは増えましたが、これではあまりデータは入りませんね。

なお、eTrex32xの内蔵メモリは8「G」Bです。1000倍ですね。

外部ストレージもSEは対応していないようです。これはeTrex10と同様。

マップ

GARMIN公式サイトより引用

eTrex SEは簡易マップと軌跡によるナビは対応しているようですが、詳細なマップは対応していません。そもそも内蔵メモリが28MBしか無いので入りませんが。

電子コンパス・気圧高度計

上位機種の特徴だった電子コンパスが、今回のeTrex SEには採用されたようです。

気圧高度計は不採用のままです。

外部センサー

SEのマニュアルを見る限り、外部センサー(心拍・気温・スピード)との接続は出来ないようです。eTrex10と同様ですね。

スマホ接続

eTrex SEはスマホとのBluetooth接続に対応したようです。

「Garmin Explore」というアプリからルートデータの転送などが行えるようですね。これはちょっと楽しみ。

自転車への取り付け

従来どおりのマウントでステムやハンドルに取り付けられそうです。

まとめ

eTrex SEの概要を一通り見てみました。

とりあえず、eTrexシリーズがこれからも続きそうだというところに一安心しました。無くなってもおかしくないかと思っていましたので。

そして、何と言っても168時間という、従来とは桁違いの稼働時間が凄い。サバイバルな用途にも今後使われそうですね。


気になるのは、eTrex SEが「機能制限をされた機種」に見えることです。

エントリーグレードであるeTrex10と機能的に近く、筐体の色も同じ。となると、トップグレードであるeTrex30系統の後継機も今後出ることが期待されます

やはりマップは使いたいですし、恐らくタッチパネルも搭載されるでしょうから、かなり便利になるはず。

iPhoneの世界では「SE」は廉価バージョンに付けられる名前だったということで、その法則にならうとしたら、eTrex30系統の後継機は「eTrex Pro」とかになるんですかね?

とりあえずはeTrex30系統の後継機が出るまで待とうかと思っていますが、手に入りそうならeTrex SEも試してみるかもしれません。

こちらの公式チャンネルに長めの動画がアップされていましたので、気になる人は見てみてください。

著者情報

年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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