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キャノボにおける機材の考え方
いきなり乱暴な結論から書きますが、キャノボにおいては「結果への機材性能の寄与度は低い」と私は考えています。結果を分けるファクターとしては以下のものが大きく、それに比べると機材性能の寄与度はごくごく低いものです。
・計画(ルート/スタート時間/ペース etc)
・体調(睡眠/消化器官/膝や腱 etc)
きちんと整備された自転車であれば、大体の自転車でキャノボは達成可能だと私は考えています。
ただ、機材によって結果が分かれるケースもあります。一番大きなトラブルはメカトラ。ワイヤー切れや、ホイールの破損は即リタイヤに繋がります。「機材」ではなく「機材性能」とここまで書いてきたのは、このため。性能の良し悪しよりも、整備状態の良し悪しの方が結果には影響するものです。
そして、あらゆる対策をして実力的に伸るか反るかの場合、「機材性能」が結果の成否を分けることもあるでしょう。
以上を踏まえて、機材について考えていきます。
メカトラを防ぐ
「持ち物」のカテゴリでも書きましたが、キャノボにおいては時間中に大きなメカトラを対処することはほぼ不可能です。対処できるのは、せいぜいパンク1~2回まで。そのパンクですらも大きなロスなので、出来れば起こらないに越したことはありません。走行前に出来ることは以下の2つです。
挑戦前の点検
機材スポーツの基本ですが、大事な本番前には全体的な点検が必要だと思います。
・ワイヤーは交換時期を過ぎていないか?
・ディレイラーハンガーが曲がっていないか?
・ホイールは振れていないか?スポークテンションは適正か?
・注油はされているか?
ごくごく一般的な項目ですが、この中の一つでも抜け落ちるとリタイヤの原因になります。出来ればプロショップで確認してもらったほうが良いでしょう。
最近はレース前にショップ車検を義務付けるイベントも増えてきました(GSRカップ、AACRなど)。ショップにもよりますが、1000~3000円程度の工賃でチェックをしてくれると思います。もちろんチェックの結果、何らかのトラブルが発見された場合には追加費用が掛かりますが、挑戦中に出るトラブルが事前に拾えたと思えば安いものです。
初物は使わない
もう一つ強調しておきたいのは、「本番で初物を使わない」と言うことです。
「キャノボにおける持ち物の考え方」でも書いたエピソードですが、私は通販で買ったばかりのホイールを「決戦用」と称してキャノボに投入した結果、スポーク折れでリタイヤしたことがあります。通常、ショップで買うホイールは、振れやスポークテンションについて確認してから納品されるもの。ですが、通販の場合はそうとも限りません。それを知らずにいきなり本番に初物を投入した結果、ホイールは破損したわけです。
ホイールに限らず、実走でテストしていない機材を本番でいきなり使うのは危険です。初期不良の可能性もありますし、普段との感覚の違いに戸惑うこともあるでしょう。決戦用機材を使うにしても、最低100km程度は乗ってテストしておくようにしましょう。
機材の選び方
前述の通り、天気や計画に比べれば機材で縮まるタイムは微々たるものですが、塵も積もれば山となります。最高の風向きを選び、ルートを間違えなかったとしても、走力的に達成の当落線上にある場合、結果を左右するのが機材性能ということもありえるはずです。
それに、24時間の長丁場となると、気持ちよく走れるということも大事です。私の尊敬するとあるランドヌールは、「ロングライドのコツはストレスを一つずつ減らしていくこと」と言っていました。変速でもたついたり、明らかに進まない感覚を持ったままだと気分も滅入ってくるもの。そういった事を防ぐためには、自分が納得した機材で走るということも重要だと考えています。
次ページから、「自転車本体」「ライト」「サイクルコンピューター」の3項目に分けて機材の選び方を考察して行きます。
(完)