GHISALLO「GE-110」 ファーストインプレッション

1月29日、GHISALLO「GE-110」が組み上がりました。

この記事では、受け取るまでの流れと、ファーストインプレッションを述べていきます。

納車まで

今回の納車までの流れは感じです。色々ありました。

納車までの流れ

購入までこんなに長期間検討したフレームは自分史上で初めてかもしれません。

ちなみに「GE-110」は、「GHISALLO Endurance 110」の略と思われます。110は、発売元のフカヤの創業110年を記念して作られたモデルだから。創業は1911年のはずなので、110周年は2021年。恐らくそれから開発が始まって、2023年に発売となりました。

購入検討から納車までの流れは以下の通り。

2022年4月 サイクルモードでプロトタイプを見る。
サイクルモード東京2022 参加レポート(後編・南ホール&試乗コース)
2022年12月 1度目の試乗。
GHISALLO「GE-110」試乗レポート
2023年6月 2度目の試乗(荷物積載状態)。
GHISALLO「GE-110」試乗レポート(荷物積載編)
2023年12月 3度目の試乗&注文。
GHISALLO「GE-110」を注文
2024年1月 納車。

存在を認知してから納車まで2年9ヶ月。検討をし始めてからだと1年ちょっとです。フレームを買う時は即断即決なことが多い私にしてはかなり迷ったほう。

2度目の試乗で開発者のフカヤ・牧さんとお話する機会があり、その熱意を感じたので「これは所有すべきフレームだ」と感じ、購入を決めました。

組付け

今回は、サイクルキューブさんでフレームの注文と組み立てをお願いしました。

キューブに通い始めて10年以上経ちますが、なんと初めてのフレーム注文です。ようやくちゃんと「客」になれた気がします。

なお、キューブではGE-110の納車は3台目だそうです。ブルベ愛好者の多いショップではありますが、ニッチなフレームが3台も売れるのは凄いですね。

納車

1月29日にショップに行った所、「出来上がっている」ということで受け取ってきました。

シンプルながら整った佇まい。居合わせた他のお客さんが「ステルス戦闘機みたいだね」と言ってましたが、確かにそんな雰囲気を纏っています。ロングライド用なのに。

パーツ構成

今回はINFINITO CVからの載せ替えで、パーツはほぼ共通です。

「ブルベ用に設計されたエンデュランスロード」ということで、もちろんブルベを想定したパーツを選びました。

今後の飛行機輪行等を考慮して、「機械式変速」×「機械式ブレーキ」にこだわったのですが……完全内装前提フレームではなかなか無理がありました。

実用上問題ないレベルに組んでくれたサイクルキューブ・長谷川店長に感謝です。

ハンドル周り

今回、一番苦労したのがハンドル周りのパーツ選定です。

欲しい落差を出せるステム選び

まず、欲しい落差を出せるステムがなかなか見つからずに苦労しました。

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こちらが、検討の跡です。

結局、採用に至ったのは-12°かつ薄型のFSA「SL-K -12° MTBステム」でした。

思ったよりもステムが重かったので、ボルトをチタンに置き換えています。ちょっとだけ軽くなりました。

機械式でも性能を出すためのヘッドパーツ選び

GE-110は完全ケーブル内装を前提としたフレームで、フレーム側にケーブルの導入口がありません。ケーブルを入れるならヘッドパーツの中を通す必要があります。

機械式変速×機械式ブレーキでステム内にケーブルを通すと、変速・ブレーキ性能共に劣化するということで、あえて外通しにしています。

最終的に、トップキャップからフレーム内にケーブルを引き込むことが出来るFSA「NO.69 SRS」というヘッドパーツを採用しました。

ハンドル選び

フレームセットにカーボンハンドルは付属するんですが、ブルベでは慣れた形状のハンドルを使いたいという思いがあったので3T「ERNOVA」を採用しました。

いつもは400mmのハンドルを使いますが、今回は少しハンドルを広げた状態を試したかったので420mmです。吉と出るか凶と出るか。

サイコンマウント・ライト等

暫定ですが、レックマウントのType19を使用し、Edge840 SolarとVOLT400 NEOを設置しています。

バーエンドには、キャットアイのバックミラーを付けました。

完成図

出来上がったハンドル周りがこんな感じです。

トップキャップの狭い穴から4本のアウターケーブルを引き込んでいます。フレーム内もフルアウターとしたので、2台分のアウターケーブルを使いました。

ケーブル類は、全てNISSENで統一。インナーもSP31を採用しています。

バーテープは家に余っていたBontrager「GEL CORK」。その下に、ERGON「OrthoCellパッド」を入れてクッション性を高めました。

足回り

INFINITOに付いていたWH-R8170ホイール(後輪ハブ組み換えバージョン)をそのまま使っています。

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タイヤもそのまま、Vittoria「CORSA N.EXT(クリンチャー/26C)」。もっと評価されるべきタイヤだと思ってます。

ブレーキ周り

INFINITO からの載せ替えで、EQUALブレーキを継続使用。メカニカルディスクブレーキです。

ディスクローターも継続使用で、シマノの最新世代を使います。「そろそろ交換かな?」と思って厚みを測ったら全く減っていませんでした。

サドル周り

今回のフレームは異型シートポストを採用していないため、汎用的な27.2mm径のシートポストが使えます。

シートポストはかなり悩んだ末に、ROVAL「Terra」シートポストを使うことにしました。乗り心地優先です。

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いろいろ試した中で、もっともシンプルかつ効果のあったこちらを選択。しなりが大きすぎて逆に腰が痛くなりそうですが、そこはこれから確認です。

サドルは、Fabric「Scoop Radius Pro」を赤く自家塗装したもの。

ドライブトレイン

INFINITO からの載せ替えで、シマノの機械式コンポを継続利用。

クランクはFC-R9100-P。検査対象品でしたが、特に問題は発見されなかったので引き続き使います。

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ペダルは、歩きやすいXTRの両面SPDペダルです。

FD&RDはR8000世代のアルテグラ。性能に不足はありません。スプロケもアルテグラ。

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チェーンはKMCのブラックチェーンです。汚れているわけではありません。

ボトルケージ

フレームと塗装の質感が近かったBOMAのカーボンボトルケージを採用しました。

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コーティング等

今回はフレームセットでの購入ということで、組付け前に「ガラスの鎧」の施工をお願いしました。

かなり光沢のある見た目となりました。鏡のように周囲を映すほど。

ファーストインプレッション

初乗りの感想です。いつものコース(アップダウンあり)で50kmほど乗りました。

重量

SPDペダル付きで7.31kgと、かなり軽量に仕上がりました。

ペダルレスならばジャスト7kgです。

実はペダルありで7kgのつもりでパーツを集めたんですが、フレームの都合上フルアウターケーブルにする必要があり、そこで重量が結構かさんだようでした。

とはいえ、これだけ軽ければブルベ用としては十分過ぎます。

実測でフレーム(Mサイズ)が920g、フォークがコラムカット前で376gだったのが効いています。小さめのサイズで電動コンポを使えば恐らく6kg台には普通に入るでしょう。

各種バッグの取付

ボルトオン対応のTOPEAKのトップチューブバッグを付けて走ってみましたが、思ったよりも長くて膝に当たるのですぐに外してしまいました。

ボルトオン対応のトップチューブバッグでは一番短いので、これがダメだと普通のトップチューブバッグを改造する必要がありそうです。

フレームバッグは割と良い感じに取り付けられました。かなりボトルケージがBB寄りに付くためか、大きいボトルを付けてもバッグとの間に余裕があります。

フロントバッグはまだ悩み中です。せっかくエアロなハンドル周りなので、付けるのも惜しい気がして。とはいえ、ブルベでは積載能力も必要なので今後は取り付ける可能性が高いです。

ポジション

今回は、QUARKのスチールロードのポジションを採寸し、GE-110に再現してもらいました。

サイクルキューブにはポジション測定器があり、かなり高精度にポジションを再現してくれます。

このポジション再現サービスのおかげで、全く違和感を持つことなく乗り始めることが出来ました。

漕ぎ出し

激軽!というほどではないですが、必要十分な漕ぎ出しの軽さです。

INFINITO CVにはゼロ発進の際に少し引っかかりを感じることがあったんですが、GE-110ではそれがありません。フォークの剛性感が絶妙な気がします。ハンドル周りもリムブレーキ用のST-9001を使って軽く仕上げたので、ハンドルの重さもなし。

関東地方のブルベは信号停止→発進の回数が多いので、発進の際のスムーズさは大事です。

平坦巡航

初期のディスクロードは剛性バランスがめちゃくちゃで、「硬いのに全然進まない」ということがありました。

ここ最近はメーカーもその辺りの勘所が掴めてきたようで、「走り」と「ペダリングフィール」を両立させるフレームが多くなってきています。

GE-110は適度な剛性感で、28~35km/hあたりの速度域でストレスなく踏み込んでいけます。これはブルベで一番良く使う速度域なので、その辺りは意識して設計されているんでしょう。

安井さんがインプレで「ペダリングフィールは洗練されており、脚当たりが非常にマイルドだ」と表現していましたが、同感です。

登坂

完成車重量はかなり軽いんですが、登坂の評価はまだ保留です。

シェイクダウン翌日には強度高めの夜練にも参加。8%/200mくらいの坂を7-8倍のパワーで登る場所があるんですが、そこではいつもよりスピードが出せませんでした。

ある程度フレームごとに「登らせ方」のコツがある気はしているので、もう少しいろいろ試してみたいです。元々、ブルベの登坂はマイペースで登るはずなので、そこで問題が出ないことのほうが大事ですが。

変速・ブレーキフィール

今回は、「機械式変速」×「機械式ブレーキ」で組みました。

本来、このフレームは「電動変速」×「油圧式ブレーキ」に最適化されたフレームです。ブルベでの使用を考えると私は「機械式」×「機械式」のほうが良いと考えるのでそちらで組みましたが、結構無理が掛かっています。

キューブ・長谷川さんが色々と工夫してくれたことでケーブルの引きは実用上問題ないレベルまで軽くなりましたが、それでもケーブル外回しのクロモリフレームと比べるとレバーの引きや変速の軽さには差があります。

 

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キューブにはケーブル外回しのEQUALブレーキで組まれた試乗車があるんですが、強烈に引きが軽くてビビりました。本来の引きの軽さはこっちなので、内装のために性能がスポイルされていることは分かりました。

まぁケーブル4本をこんな狭い穴から引き込むわけで、それはケーブルにストレスも掛かるよね……という。

今後、ポリシーを曲げて変速を電動化したり、無線化したりしてケーブルの数を減らす方向に動くかもしれません。油圧は色々と面倒なのでブレーキはこのままEQUALを使うと思います。

GE-110は素晴らしいフレームなんですが、できればケーブル外回しでの組み方にも対応して欲しかったというのが正直なところです。

乗り心地

特別乗り心地を重視したフレームではありませんが、振動の収束も早く乗り心地は良いと思いました。

シートポストにROVAL「TERRA」を採用した影響も大きいかもしれません。これも丸断面のシートポストを選べるメリットです。

マスの集中化

GE-110は「ブルベ用に設計」されたそうですが、そのテーマの一端を表す言葉が「マスの集中化」です。

これは元々モーターサイクル用語らしいのですが、GE-110の製品説明には以下の記載があります。

「ブルベ」で必要な装備を積載できるようにアイレット位置を工夫し、「マスの集中化」を実現。
重量物をできるだけBB付近に近づける事で、積載走行時の操作性を向上することに成功しました。

要はボトルケージの位置をできる限り下げて付けられるようにしている、ということです。

実際にボトルケージとボトルを取り付けてみると、物凄くギリギリまで下に来るようになっていて驚きました。更に、このボトルケージの取付用アイレットは積層が強化されており、それなりに重い荷物を付けても揺れたりしないように設計されているそうです。

実際、この部分に水を満載したボトルを入れても、自転車の左右の振りは通常のロードバイクに比べてかなり軽快です。低重心化と、アイレット積層の強化の恩恵を感じました。

ボトルケージが下につくとフレームバッグを設置するためのスペースが出来ます。マスの集中化には反していますが、軽いもの(補給食等)を入れる用途には便利でしょう。

ダウンチューブ下のアイレットも良い位置についています。

グラベル用のフレームはこの位置にアイレットが付いたモデルも増えましたが、基本的に付いている位置が高いことが多いです。おそらく地面や岩との接触を考慮してのことでしょうが、ロードバイクであればBB下限くらいまでは下げられたほうが大きなツール缶が付けられて便利。重心も下がります。

見た目

私が15年前に初めて購入したロードバイクがGHISALLO「GC-3」でした。

とにかくGHISALLOロゴが多いフレームだったことを覚えています。片面でなんと6個。フォークを差し替えてますが、元のフォークにも大きなロゴが入っていました。

純正ステムにもロゴ2個入り。これも付けると片面9個のGHISALLOロゴが入っていました。

15年ぶりのGHISALLOカーボンロードであるGE-110は、横から見たときに見えるロゴの数は0。ほんとシンプルなフレームです。

ダウンチューブ上に1箇所だけプリズムロゴが入っています。

まとめ

GE-110の納車報告でした。

良い感じの一台に仕上がって満足しています。面倒な仕様でお願いしたのに良い感じに組んで頂いたサイクルキューブ・長谷川店長に感謝です。

今月はこのフレームでブルベに出てみようと思っています。実際のブルベでどんな感じの走りを見せるか、今から楽しみです。

著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)