さらば、Wiggle/CRC

  • 2024年1月11日
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昨年末、イギリス外への発送を止めてしまったWiggle/CRCの思い出話を語る記事です。

Wiggle/CRC、イギリス外への発送を停止

2023年12月12日。(往年の)スポーツ自転車ユーザーに激震が走りました。

海外通販の王者が撤退

2010年代に一世を風靡したイギリスの通販サイト「Wiggle」がイギリス外への発送停止を発表したためです。

同一の経営元の別通販サイトである「CRC(Chain Reaction Cycles)」も同様にイギリス外への発送停止を発表しました。

長年、日本からも多くのユーザーが利用していたWiggle/CRCからは、事実上の購入不可という状態になってしまいました。

Wiggle/CRC自体は継続していますが、今後はイギリス国内の発送のみに対応するようです。

(一応)予告はされていた

公式サイトでは特に予告なく発送停止となりましたが、自転車系のニュースサイトでは予告らしきものがありました。

該当部分を引用します。

管理者によると、多くのEU加盟国、オーストラリア、日本など世界中の顧客にサービスを提供する国際ウェブサイトは「今後数週間以内に」閉鎖される予定で、「ビジネスのこの部分は影響を受けている」と述べた。

この記事は12/1に掲載されたものですが、実際にはそれから11日後に閉鎖となりました。

私はその記事を見て数日後に「これはもう最後の注文になるかも」と思ってdhbのウェア類を注文したのですが、商品が届く前にサイトは閉鎖となってしまいました(モノはちゃんと届きました)。

今後のWiggle/CRC

新規に買い物は出来なくなったWiggle/CRCですが、製品保証については引き続き対応されるとのことです。

ただ、Wiggle/CRCの経営状態がかなり怪しい雰囲気なので、今後も保障が続くかどうかは分かりません。

Wiggle/CRCの思い出

ここからは個人的なWiggle/CRCに関する思い出を書いていきます。一時期は結構ヘビーユーザーだったので、色々な思い出があります。

はじめての利用

メールの履歴を遡ると、最初に利用したのは2010年5月。MAVICのKSYRIUM ELITEを購入していました。

2010年5月のポンド円相場は133円。現在が185円なので随分円が強かった時代です。50000円くらいで買えたようですね。輸入時の消費税を入れても55000円はしなかったはずです。

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このホイールですね。

購入から4ヶ月後にこのホイールで東京→大阪キャノンボールに挑戦しましたが、スポークが破断してリタイヤ。「通販で買ったホイールを調整無しで使ってはいけない」という痛い教訓を得られたホイールでもあります。多少テンションが偏っていたのかもしれません。

スポークを全交換して修理を行い、実は現在でもクロスバイクで現役使用中だったりします。

冬用ウェアでお世話になったdhb

Wiggleで一番多く買ったものは何かと考えると、恐らくdhbのウェアです。

dhbはWiggleのプライベートブランドであり、最初はいかにも「廉価」という感じのウェアでした。しかしその後、多少は価格を上げつつもクオリティが上昇していき、あえて選ぶほどのブランドに成長しました。

LOVE CYCLIST

一般的にサイクリストたちは「dhb」に対してどんなイメージを持っているのだろうか──Wiggleでショッピングをしながら…

その辺りの話はこちらの記事で開発者の方が詳しく語っています。

なぜかレビュー記事は書いていないのですが、dhbの冬用ビブタイツはかなりの本数を購入しているはずです。冬用の起毛ビブタイツは国内で買うと2万円からが相場ですが、dhbは1万円台(時には8000円とか)で買えることが多く、愛用していました。

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あと、こちらのeVentという防水透湿素材を採用したジャケットも思い出深いです。eVentは防水面ではGORE-TEXには及ばないものの、蒸れにくさではGORE-TEXの上を行く素材です。

このジャケットもなかなかモノは良く、2015年のPBPにはこのジャケットを持っていきました。

Wiggle/CRCがなくなって一番困るのは、dhbのウェアが買えなくなったことです。どこか代理店をやってくれませんかね……直販よりは高くなってしまいそうですけど。

萩原麻由子選手がジロ・ローザでステージ優勝

Wiggleはプロチームを持っていた時期がありました。女子プロチームもスポンサードしており、その中には元日本王者の萩原麻由子選手も所属していました。

cyclowired

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2015年、チーム・Wiggle Honda所属の萩原選手は女性版ジロ・デ・イタリアと言われた「ジロ・ローザ」で日本人初のステージ優勝を飾りました。

Wiggleとしても一番景気の良かった時期かもしれません。

WiggleとCRCが合併

2016年2月、WiggleがCRCを買収することが発表されました。

cyclingweekly.com

Online retailers Wiggle and Chain Reaction Cycles are to mer…

当時の自転車通販サイトでは2トップとも言えた2サイトの合併は驚きを持って迎えられました。

合併後は在庫も共通化されてしまったようで、「WiggleになければCRCを探す」ということが出来なくなってしまったのはちょっと残念でしたね。

Cycling Industry News

Having sold the business to WiggleCRC only in 2017, online r…

2017年にはWiggleCRCグループはドイツのBike24も買収。しかし、2019年には買った相手に売り戻しています。何がしたかったんだろう。

国内ヒルクラ大会に協賛していたWiggle

海外通販サイトであるWiggleですが、なんと日本のヒルクラ大会のスポンサーをやっていたことがあります。

2017年当時と言えば、弱虫ペダルから入ってきた人たちの波が一旦落ち着いたものの、海外通販の全盛期の終盤頃というタイミングでしょうか。ポンド円は130-140円ほどで、まだまだ海外通販のお得感が高かった時代です。

そこで割りを食っていたのは、国内ショップや代理店です。こういった所から海外通販は目の敵にされていた感があった中で、日本のローカル大会をWiggleがスポンサードするということは割りと驚きがありました。地域への還元というか、融和政策だったのかもしれません。

Brand-Xの謎を追う

2020年、久々に購入したディスクロードのスルーアクスルに不具合があり、Wiggleで売っていたBrand-Xというブランドのスルーアクスルを購入しました。

このBrand-Xの正体が気になり、調査をした記事がこちらです。

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先日、互換スルーアクスルのレビューを書きました。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://cannonball24.com/review-brand-x-bolt-thru-axle/ target=][…]

結論から言うと、Brand-XはかつてCRCが持っていたプライベートブランドでした。合併を経て、Wiggleでも扱われるようになったみたいですね。

dhb同様、Brand-Xのスルーアクスルも安くて品質が良かったので、これが買えなくなってしまうのも非常に惜しいです。

まとめ

WiggleとCRCの思い出を振り返りました。

フレームこそ一度も買ったことはありませんでしたが、初手がホイール。その後もフレーム以外のものはだいたいWiggleで買ったことがある気がします。

一時期は配送も爆速で、「在庫を持っていない(問屋取寄の)国内通販サイトより早く届く」なんて話もありました。

盛者必衰とは言いますが、一世を風靡したWiggle/CRCか買い物が出来なくなってしまったのは寂しいものです。一時代の終焉を見た気がしました。

記事のタイトルは「さらば」にしてしまいましたが、気分としては「またね」。また買い物ができる日が来ることを願っています。

Wiggle/CRCでどうしても欲しい製品がある場合

さて、最後に一つだけTIPS的なものを。

どうしてもWiggle/CRCでなければ買えない製品(dhbのウェアや、Brand-Xのパーツ等)を買いたくなったらどうすれば良いか?

無理矢理気味な手段ですが、一応買う方法はあります

イギリス内への発送は継続しているので、海外転送サービスを使えば引き続き購入することは可能です。

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この手のサービスで、イギリス倉庫へ発送し、そこから日本へ転送をしてもらえれば良いはず。

ただし転送手数料は掛かりますし、日数も直送の倍くらいは掛かります。

いずれにしろ不便になってしまったことには変わりはないですね……。

著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)