GVOLTシリーズの命名規則

本日、国内販売が発表されたCATEYEの新製品「GVOLT100」。

しかし、このライトの明るさ(光束)は320ルーメンです。では一体何が「100」なのか?

実は「このライトの能力が100ルクスだから」なのですが、何故GVOLTだけルクス表記なのかを解説します。

GVOLT100、発表

本日、CATEYEから新製品の自転車用ライト「GVOLT100」が発表になりました。

 

結構前からCATEYEインターナショナルサイトの製品一覧には掲載されていたのでコアなライトファンは既に情報を知っていたはずですが、日本で発売されるかは発表されていませんでした。

今日の発表を見るかぎり、発売時期はまだ明言されていないものの、日本でも販売されることは間違い無さそうです。

個人的にはちょっとスペックにガッカリしたので多分買いませんが……。

100の意味とは

上記のCATEYEのツイートに対する反応で、こんなものがありました。

「なんで320ルーメンなのに、100なんだ?」

GVOLT100のスペックは以下の通りです。

ハイ:1.5時間(320ルーメン)
ミドル:3時間(170ルーメン)
ロー:15時間(40ルーメン)
どこにも「100」という数字は出てきません。
一時代を築いた名作ライト「VOLT800」はハイモードが800ルーメンでした。この法則から見ると、「GVOLT320じゃないのか?」と思われる方がいるのも当然でしょう。
実は、「そのライトがどこの国に向けて作られた製品なのか」が関係しています。

ドイツ向けの「G」シリーズ

CATEYEのライトには、頭に「G」の付くライトがいくつかあります。

日本で買える製品だと、「GVOLT70」がそうですね。

この「G」が頭に付く製品は、元々ドイツ向けに作られた製品です。G=Germany=ドイツ……という意味があるわけですね。

ドイツ向けの製品ということで、名前の付け方の規則がちょっと異なっています。

その理由を説明するためには、ドイツの超厳密な道路交通法「StVZO」について語らなければなりません。

StVZOとGVOLTの関係

StVZOは、ドイツにおける道路交通法を意味します。

StVZOとは

Straßenverkehrs(道路交通)-Zulassungs(認可)-Ordnung(規則)

その頭文字を取って、StVZOと表記します。日本で道路交通法を「道交法」と呼ぶようなものでしょうか。

もちろんその中には自転車に関する規則もあるわけですが、ドイツでは自転車用ライトについて相当厳密な規定がなされています

10-Lux-Regelung

その厳密な規定の中でもユニークなのが、ライトの明るさを「照度(単位: ルクス)」で規定していることです。

StVZOでは「10-Lux-Regelung(10ルクス規定)」というものが設けられています。これを一言で言えば、以下のような意味となります。

10m先の壁の照度が10ルクス以上無いと、自転車用ライトとして認められない。

 

この規定は2003年に定められ、2006年11月から有効となりました。

このスペックに満たない自転車用ライトは、ドイツでは売ることができなくなってしまったわけですね。

ドイツではルクスでスペック表記される

上記の理由から、ドイツでは「ルクス」が自転車用ライトの明るさの基準となりました。

このため、ドイツ国内や、ドイツ向けに作られた自転車用ライトのスペックはルクスという単位で表記をするのが普通となっています。

Bike24 Online Shop

Lezyne ▶ Small & lightweight front light with 40 l…

例えば、こちらはドイツの通販サイト「BIKE24」ですが、スペックがルクス単位で表記でされています。

BIKE24は世界各地に発送しているので全てが全てルクス表記と言う訳ではないのですが、やはり国内に向けてなのか大半のライトはルクス表記されています。スペックに満たない自転車用ライトを国内に売ってしまったら不味いということなのでしょうね。

StVZOライトの特徴

StVZO対応のライトには以下の特徴があります。

① スペックはルクス表記される。
 → 前述の理由から。
② 一定光量である(電池の残量と連動して暗くならない)。
 → 10ルクスを切ったら違法であるため。
③ 上方向の配光がカットされる。
 → 法律で決まっているため。対向車の眩惑防止。
④ 点滅機能が無い。
 → 法律で決まっているため。
ただ、CATEYEのライトに関しては、「GVOLT」でもドイツ向けと日本向けで若干仕様が違うようです。
日本版GVOLT70には点滅機能が追加されていますし、点灯時間も異なります。筐体は同じに見えるし、電池の容量も同じなので不思議なのですが。

GVOLT100の「100」

ここまで読んでくださった方にはもう分かったと思いますが、GVOLT100の「100」は、「100ルクス」を意味しています

ドイツ向けに特別仕様で作られた製品なので、ドイツ人が直感的に分かるように、名前にルクスを付けているわけですね。

100ルクスなので、StVZOで定められた最低基準の10倍明るいということになります。GVOLT70なら70ルクスなので、最低基準の7倍です。

CATEYE internationalサイトより引用

こちらはCATEYE Internationalサイトのキャプチャとなります。「GVOLT」の後の文字と、各製品の左上に書かれた「xx LUX」の数値が一致することが分かると思います。

唯一70.1だけ法則から外れていますが、「+α」くらいの意味なのでしょう。多分。

まとめ

「ドイツ向けに作られたGVOLTシリーズは、ドイツ人に分かりやすいようにルクス表記を名前に採用している」という話でした。

これに対して、世界的にはルーメン表記が普通になっているので、他のCATEYEのライトの名前に付く数字はルーメンが採用されているようです。

ちなみに、StVZOライトを世界で初めて作ったのはCATEYEです。

2003年に発売された「HL-EL300G」が最初のStVZO対応の自転車用ライトでした。どうもギリギリで10ルクスの基準を満たしたくらいの代物だったようです(リンク先の実測実験では満たしていなかったとか)。

それから17年。既に基準である10ルクスの7~10倍というライトが普通に売られるようになっています。時代は少しずつですが進んでいるようですね。

著者情報

年齢: 36歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019年の2回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間13分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)