ディスクロード購入に至るまでの経緯と、その選び方

ロードバイク Advent Calendar 13日目

昨日、ディスクロードを注文しました。

私の個人的な購入経緯の話ではありますが、ディスクロードを購入する方の参考になればと思い、購入経緯や選び方について書いていきます。

何を買ったのか?

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BIANCHIのエンデュランスロードInfinito CV Disc (2020/Black)です。

昨年まではフレームセットの展開がありましたが、2020年モデルは完成車のみの展開となりました。機械式アルテグラと電動アルテグラの完成車があり、私が購入したのは機械式です。

カラーは2019年まではチェレステのみでしたが、2020年モデルからはブラックカラーがラインナップに加わりました。私が購入したのはブラックカラーです。

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こちらはイベントの展示品の写真です。日光にあたるとカラーが少し変わるなど、凝ったカラーリングとなっています。

私のディスクロード歴

(1) 1台目の購入

実は、ディスクロードの購入は今回で2台目です。

1台目を購入したのは2015年。この年はUCIがプロレースでディスクブレーキのトライアルを始めた年で、ごく一部のチームがテストで使い始めたばかりの頃です。ある日、Twitterを眺めていたら、2014年製のモデルを半額で販売する告知が出ていました。ブルベを中心に走る私としては、雨や長時間のブレーキに強いディスクロードは大変気になっており、ちょうどボーナス時期だったこともあって、即購入を決めました。

しかし。このディスクロード、「非常に乗り心地が悪い&進まない」という厄介なマシンでした。ホイールが悪いのかと思い、色々と弄ってみましたが、その欠点は改善せず。2016年末に試乗会で安めのホイールが付いた別メーカーのディスクロードに乗った所、全くこれらの欠点が無いことに愕然としました。原因はフレームだったようです。

(2) 1台目の売却

結局、その試乗会の数日後に、このディスクロードは売却しました。

このディスクロードは、スルーアクスル搭載のディスクロードとしては最初の5台に入るくらい、最初期のモデルです。スルーアクスルは締結部の剛性を上げ、推進力の向上に寄与しますが、その分フレームの末端が硬くなり、乗り心地が悪くなります。それに対処するための設計が必要になるわけですが、最初期モデルにそこまでの試行錯誤が成されているはずがありませんでした。

MTBやシクロクロスはロードに先駆けてディスクブレーキ化が進みました。そういった分野に強いメーカーならば性能的に破綻の無いディスクロードを作るだろうと思っていたのですが、どうやらそうでもなかったようです。求められる性能は違いますし、同じ部署の人が設計しているとも限りません。

ただ、1台目でディスクブレーキの良さも体験しました。確かに雨天ライドでは強力です。地面からディスクローターまでの距離があるので、泥の溜まった水たまりの中を走っても制動力はあまり低下しません。また、長距離の下りで体重のある私でも少ない力でスピードコントロールを出来るのは利点でした。

リムブレーキでもあまり不満はないけれど、雨天と山岳ライド用にまたディスクロードを所有したい思いはあったのです。

結局、プロがレースの現場で使ってフィードバックが蓄積されるまではディスクロードの購入は控え、時が来たら買おうと決意したのでした。

(3) ひたすら試乗

売却から3年間は試乗を繰り返しました。

リムブレーキのロードバイクは長い歴史があり、既に十分成熟されています。名の通ったメーカーなら試乗しなくても最低限の品質は確保されているはずです。しかし、ディスクロードの歴史は僅か数年。メーカー間の技術力・ノウハウの蓄積の差も大きく、試乗をしないで買うのは非常にリスキーだと考えました。ならば、試乗の機会があれば乗っておくべきだと考えたのです。

試乗会に行き、あったディスクロードを片っ端から試乗。乗った台数は2016年~2019年で30台を超えているはずです(追記: 調べたら、ディスクロードだけで45台に乗っていました)。

数年間、ディスクロードを試乗していると、確かな変化を感じました。「乗り味が破綻している(ハズレと私は呼称)」とチョイ乗りでも分かるディスクロードの割合が年々減っていったのです。体感の傾向だと以下のような感じ。

 ・2016年: 半分くらいの割合でハズレ
 ・2017年: 30%くらいの割合でハズレ
 ・2018年: ほぼハズレなし
 ・2019年: ほぼハズレなし

プロロードレースの世界では、2015年からディスクブレーキのトライアルが始まりました。真っ先に導入したのはTREKとSPECIALIZED。プロチームからのフィードバックが商品に反映されるまでには1~2シーズンは必要なはずです。2018年あたりからどのメーカーも破綻のないものを出すようになってきたのは、ようやく現場からのフィードバックが設計に反映されたからだと私は考えています。

2019年もかなりの台数を試乗しましたが、明確に「進まない」「乗り心地が悪い」と感じたのは一台だけ。そのメーカーは来年から初めてディスクロードを販売するということで作ってきたらしいのですが、全然ダメでした。プロトタイプだと言っていたので製品版は良くなっている可能性はありますが、やはりメーカーとして初めて作るディスクロードは中々リスクが高いように思います。逆に、プロチームがレースでガンガン使っているようなメーカーの製品ならば、今や破綻はまず無いはずです。

(4) 2台目の購入へ

ディスクブレーキの成熟度合が満足できるレベルに達したと判断したので、購入の検討を始めました。唯一、スルーアクスルの規格(ネジピッチ等)だけは未だに収束しませんが、そこは目をつぶりました。

今回購入したInfinito CVに初めて乗ったのは、2018年12月に埼玉で開催された「スポーツバイクデモ」でした。7台の最新ディスクロードに試乗しましたが、その中でも最もフィーリングが良かったのがコレだったのです。

ただ、この時乗った2019年モデルはチェレステカラーのみの展開でした。私はこれまでのロードを全て「黒ベースのカラーに赤の差し色」で統一してきました。「性能は良いけど……」と思いつつも購入にまでは至らなかったのです。

だがしかし。発表された2020年モデルにはブラックカラーが追加されているではありませんか。赤色はInfinito CVの「CV」の文字しか入っていませんが、そこはサドルなりバーテープなりで赤を入れていけば良いわけです。以下のパーツを入れようと思っています。

このブラックカラーの追加により、Infinito CVは購入候補の筆頭に躍り出ました。

2019年9月、「Road to さいたまクリテリウム」というイベントの中で行われた試乗会で15台のディスクロードに試乗。その中でも圧倒的に良かったのは、やはりInfinito CVでした。2020年モデルとなっていましたが、変わらず素晴らしい乗り味を確かめることが出来ました。

その後にショップで試乗したFeltのFR Discとも迷ったのですが、様々な要素を加味してInfinito CVの購入を決めました。

このモデルを購入した理由

30台以上を試乗した末に選んだ「Infinito CV」。その理由はいくつかあります。

(1) フレーム性能

何と言っても、試乗で感じたフィーリングの良さが理由です。具体的に言うと、「乗り心地の良さ」「加速の鋭さ」を両立していることを指します。

私は主にロングライド(ブルベ・ファストラン)を走っており、乗り心地を重要視しています。BIANCHIの上位モデルにはカウンターヴェイルという特殊なカーボン素材が使用されており、その乗り心地の良さは各所でアピールされています。衝撃を「吸収」するものではなく、振動の「減衰」を早める素材とのこと。Infinito CVはダウンチューブもシートステーもエアロロードと見まごう太さなのですが、他社のエンデュランスロードと比較しても引けを取らない乗り心地の良さがありました。

また、エンデュランスロードは乗り心地の良さと引き換えに加速がワンテンポ遅れるモデルが多いのですが、Infinito CVは(試乗の範囲では)そういった加速の遅れを感じませんでした。かつて乗っていたLAPIERREのフラグシップ「XELIUS」に似たスムーズな加速感が印象に残っています。恐らく、乗り心地を全てカウンターヴェイルに任せることで、フレームの構造や剛性はレーシング方面に振れることが理由でしょう。

また、サスペンションなどのギミックが無いので、破損する機構が少ないのもロングライド派には嬉しい所です。

(2) フル内装ではない

昨今は、ケーブル類が一切外側に露出しない「フル内装」のディスクロードが増えました。フル内装とすることで、空力的に優位になるからです。Infinito CVはフル内装ではありませんが、私的にはそちらの方が良かったことも購入の決め手になっています。

一般に、フル内装のフレームはハンドルとステムの選択肢がかなり減ります。また、ハンドルの上げ下げも簡単には行えないモデルが多いのです。同じくBIANCHIの「Oltre XR4 Disc」の購入も検討したのですが、フル内装は運用上の問題が大きそうだったので見送りました。

(3) カラーリング

前述の通り、2019年モデルまではチェレステカラーのみの販売で、購入候補から外れていました。ブラックカラーを出してくれたので、一気に購入候補の上位に入ることに。

(4) JUMBO VISMAが使っている

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2017年のジャパンカップからJUMBO VISMA(当時:Lotto NL JUMBO)のチームを応援するようになりました。JUMBOが使っているフレームは、一貫してBIANCHIです。JUMBOの近年の快進撃は凄まじく、今年はグランツールの全大会で表彰台に登りました。その裏にはフレームの性能も影響しているでしょう。

そして、ジャパンカップの前日には選手と一緒に走れる「フリーラン」というイベントがあります。このイベントに出るには条件がありまして、それは「BIANCHIに乗っていること」です。ようやく、これで参加資格を得ました。

なお、過去2年のJUMBO VISMAがレースで使用したフレームを調べてみましたが、9割がたリムブレーキでした。とはいえ、グランツール以外のレースや、グランツールでも雨のステージなどではしばしばディスクブレーキのフレームが使用されているようです。↓は、2019年のジロで、プリモシュ・ログリッチェ選手がディスクブレーキ仕様のOltre XR4に乗った時の様子です。

選び方のポイント

私の考えるディスクロードの選び方を述べます。とは言っても、人それぞれの好みはあると思うので、「ハズレを引かない」ための方法です。

(1) 年式の新しいものを買う

前段で述べましたが、ディスクロード(スルーアクスル仕様)の歴史は僅か数年です。2014年あたりからようやく大手メーカーが展開し始めたものなので、実質的には5年ほどしか経っていません

それゆえ、ディスクロードにおいては、1年のモデルイヤーの違いはかなり大きいと考えます。リムブレーキのロードバイクの年式が一年違った所で大した違いは無いと思いますが、ディスクロードの場合には大きな差がある可能性が高いです。見た目が全く変わっていなくても、カーボンの積層の最適化が進んでいる可能性もあります。

例え、数年前のモデルが安く売られていても、最新の年式のものを買ったほうが良いでしょう。2018年以降に販売されたモデル(つまり2019年モデル)以降であれば、そうそう大きな問題は無いとは思いますが……。2016年ごろのディスクロードが投げ売りされていたら、せめて試乗をさせてもらってから買うべきだと思います。

(2) 試乗してから買う

買おうとしているディスクロードがある場合、試乗をしてから買うことをオススメします。もちろん試乗で分かることは僅かなのですが、「あまりにもイメージと違う」という可能性がディスクロードにおいてはまだ排除できないからです。第一印象で「何か違うぞ」と思うものを弾くために、試乗は重要です。スプリント、立ちこぎ、コーナーリング等を試乗で可能な範囲で確かめてください。

グランツールにディスクロードを投入しているメーカーの2019年モデル以降であれば、試乗無しで買っても大丈夫かもしれません。それだけ洗練されてきているからです。その条件に当てはまらないならば、やはり試乗をしてから買うのが無難でしょう。

まとめ

私のディスクロード遍歴と、選び方について紹介させて頂きました。私的な内容ではありますが、ディスクロード選びに迷っている方の一助になれば幸いです。

2019年末現在、そろそろ「ディスクロードを買っても困らない」段階に入ってきたと考えています。ここまで述べてきたように、ここ数年で乗り味に破綻のあるフレームはほとんど見かけなくなりました。また、輪行グッズや泥除けなど、対応する小物もようやく出そろってきた感があります。Infinito CVに関して言えば、付く泥除けの選択肢はあまり無いのが現状ですが、数年もすれば「ディスクロードに付く泥除け」も充実してくるでしょう。


恐らく、Infinito CVもこの辺りのアイテムを活用すれば、泥除けは付けられると思っています。

なお、Infinito CVの納車は2020年5月を予告されています。納車が今から楽しみです!

記事の著者情報

名前: ばる (@barubaru24

主な自転車の用途はブルベとロングファストラン。
自転車歴は10年。
趣味は「東京大阪タイムトライアル」の歴史調査。