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SHIMANOのパワーメーター(FC-R9100-P)を購入
シマノのパワーメーター付きクランク「FC-R9100-P」を購入しました。
この記事では、取付の様子と、ファーストインプレッションを書いていきます。
選んだ理由
昨今、色々なパワーメーターがありますが、私は今回シマノのパワーメーターを選びました。
用途
先日納車された、Bianchiのディスクロード「INFINITO CV」用に購入しました。
パワーメーターも色々種類があります。
・クランク型
・ペダル型
クランク型パワーメーターの選択肢
メーカー | 製品名 | 定価 |
Pioneer | SGY-PM930H | 129,600円 (クランク別売) |
SHIMANO | FC-R9100-P | 143,662円 |
4iiii | PRECISION PRO Dura-Ace 9100 | 138,000円 |
Stages | Power meter Dura-Ace R9100 Dual Sided | 146,900円 |
Pionnerは元々購入候補ではあったのですが、納車を待っている間にパワーメーターから撤退を発表(2020年2月4日)。
残る3つはほとんど値段的には差がありません。それならばSHIMANO純正かつ、見た目的にも一番スッキリしている「FC-R9100-P」を選ぶことにしました。クランクに何か問題があっても、SHIMANO純正ならば保証も効くでしょうし。
また、2020年のワールドチームのパワーメーター採用比率は、シマノ(FC-R9100-P)が過半数の52%を占めています。INFINITO CVをプロレースで使う予定となっているJUMBO Vismaもシマノを採用しています。
初期のFC-R9100-Pは左右差があったり、気温による出力値の変化等の問題をよく聞きましたが、これだけ実績があるなら改善されているのでしょう。
購入
4月某日、購入を決意。
今回はワールドサイクルさんで購入しました。INFINITO CVを買ったときの楽天ポイントがあったのでこちらにしました。値段も10万7000円とかなり安くなっていました。
見た目がスッキリしていて良いですね。「パワーメーター付けている」感が少なくて良いです。
随分安かったので、「型落ちだったらどうしよう」と思っていたのですが、製造日は2020年3月19日と、かなり新しいものが届きました。シマノは時折、何食わぬ顔でマイナーチェンジをしてきますが、これだけ新しければ必要な修正はすでに入っているはずです。
取付
今回は自分で取り付けを行いました。シマノのディーラーズマニュアルを見て作業しています。
付属品
付属品はこの通り。
② マグネット
③ マグネットセッティングツール
④ 左クランク取付リング 専用工具 TL-FC40
⑤ 左クランク取付リング
⑥ マグネットカバー
⑦ アウターキャップ
⑧ 両面テープ
マグネット取付
まずは元々付いていたR8000のクランクを外し、③マグネットセッティングツールで適切な場所を特定します。本来はチェーンステーに付けるもののようですが、INFINITO CVは張り出しが多いので、シートチューブに取り付けることにしました。
②マグネット、⑥マグネットカバーを組合せ、⑧両面テープでフレームに取り付けます。
クランクの取付
FC-R9100-Pの右クランクを取り付けます。
続いて、右クランクの取り付け。この時、ケーブルを切らないように注意。このケーブルを切った事例をよく聞きます。ケーブル切れは保証対象外らしいです。
取付リングの締め込み
専用工具のTL-FC40を使って、取付リングを締め込みます。締め込んだ後は、端子を接続します。カチッと言う音がするまで押し込みます。
……が、この段まで来て、クランクを左右逆に取り付けていることに気づきました。とにかく「ケーブルを断線させないように!」ということだけ考えていたのがいけなかったですね。全て最初からやり直しました。
ボルト締付け
通常のクランクと同様に、はずれ止めプレートを押し込み、クランクのボルトを締め付けます。
アウターキャップの取付
アウターキャップで端子にフタをします。簡単なフタなので、防水性はどうなのかちょっと心配ですが……プロも使っているので大丈夫なんでしょう。多分。
充電
右クランクの端子にケーブルを繋いで充電します。2~3時間で充電が完了しました。公称ランタイムは300時間とのこと。
取付完了
取付が完了しました。INFINITO CVも、R9100のクランクもグロスカラーなので、マッチしていて満足です。
動作確認
EDGE530とペアリングし、画面にパワーを表示。Taxc Neoのパワーよりも大きめには出ますが、割ともっともらしい値が表示されます。しかし、一つだけ気になる点が。
左右バランスがおかしい
FC-R9100-Pは、左右計測のパワーメーターです。左側の足と右側の足のパワーを別々に測定できます。
この画像の左下に出ている「平均バランス」というのがそれ。左右のペダルの出力バランスが表示できるのです。
しかし……左右バランスがおかしいのです。
左右のバランスが60:40のように、左側だけが強く出てしまったのでした。過去に測定して多少なりとも私は左足の出力が強いはずですが、それにしても10%もズレているのはちょっと大きすぎる。
片足ペダリング
何か左右バランスが狂っていることを確かめる方法はないかと思い、片足ペダリングを試してみることにしました。
片足をペダルから離し、もう片方の足でペダリング。そうすると、理論上は「0:100」の表示になるはずです。しかし……
・左足を離した時: 左5-9% : 右95-91%
右足を離した時の表示は想定通り。しかし、左足を離した時は、全く触れていないはずなのに、左側から5~9%の出力が出ていると判定されていたのです。これでは、左側の出力が強く出るのも当然です。
原因は?
過去のFC-R9100-Pの評判を検索してみると、「左右バランスがおかしい」という私と同様のケースが散見されました。
ただ、それは2018年頃までの話で、最近はそういった話は見られませんでした。そもそも、そんなことがあったらプロチームも採用していないでしょう。
……となると、怪しいのは私の組付けです。
ディーラーズマニュアルを見たとは言え、所詮は素人の組付け。天下のシマノの機器よりも、私の手順が不十分な可能性の方が高いでしょう。
再組付
もう一度、ディーラーズマニュアルを見ながら再組付を実施しました。
「恐らくここではないか?」と思ったのは取付リングです。ここの締め込みが足りなかったのではないか、と見立てていました。
パワーメーターの本体とも言える歪みセンサが付いているのはクランクの根本と先端の中間部あたりです。ただ、根本の固定が不十分だと、本来想定されているよりもセンサが大きく動いてしまうはず。そうなれば、出力が大きく出てもおかしくありません。
そして、案の定、この取付リングはもう半周ほど増し締めが可能でした。ケーブルを断線しないことに気を取られすぎて、締め付けトルクが不十分だったようです。
増し締めして、再度組付けを行いました。
再テスト
そして再び、左右ともに片足ペダリングテスト。結果は……
・左足を離した時: 左2% : 右98%
離した側に2%の出力が出るのはちょっと疑問ですが、同じく最新のファームウェアでFC-R9100-Pを持っている方も同様になるとのこと。とりあえず、左右均等になったのでこれが正常なのだと思います。
合計出力も、当初は多めに出ていたものが感覚的に正しい値が出るようになりました。
恐らく、この取付リングの締め込みが不足していても、即脱落したりはしないはずです。が、本格的に使う前に気付けて良かったです。
まとめ
左右逆に取り付けたり、取付リングの締め込みが足りなかったりと色々ありましたが、最終的には満足行く形で使えるようになりました。
ペダル型のパワーメーターと違い、FC-R9100-Pはポジションに変化が出ません。踏んだ感触も違和感は全くありませんでした。
あとは防水性や耐久性が気になるところですが、ひとまず今回の選択には満足しています。これから愛用していき、また詳しくレビュー致します。
著者情報
年齢: 35歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。