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iGPSPORT「VS1200」ファーストインプレッション
iGPSPORTのスマートライト「VS1200」を購入しました。
通常の自転車ライトには無いさまざまな機能を備えていますが、もっとも特徴的なのは「アプリから特定モードの明るさを自分で好きに設定できる」という点です。
購入まで
色々迷った末に購入しました。まずは購入までの流れを書いていきます。
VS1200発売
2023年のPBPまでは熱心にライト探しをしていましたが、「VOLT800 NEO」によってその旅は完結。以降、私の中のライト熱は盛り下がり、特にライトを購入することはありませんでした。
そんな2024年2月、一つのライトが発表されました。

GPSサイコンで名を馳せたiGPSPORTが、今度は自転車ライトに参入。
サイコンで培ったアプリ連携の技術を自転車ライトにも投入し、アプリからライトに対して様々な設定が行えるとのこと。
ライト接続対応のサイクルコンピュータやiGPSPORTアプリケーションと接続することで、ライトモードの変更や光量の調整が可能に。正確なバッテリー残量や残りのランタイムを対応のサイクルコンピューター(iGS630S/BSC300)に表示することもできるため、ナイトライドをより安心して楽しめるようになるだろう。
Cyclowiredより
光量調整! これは中々アツい機能です。
何がアツいのかを説明するために、例を上げます。
- Highモード
1600ルーメン/1.5時間 - Middleモード
800ルーメン/3時間 - Lowモード
400ルーメン/6時間
自転車ライトで良くありそうなモード設定例ですが、私のようにブルベをやる人間にとっては最大「6時間」の点灯では短すぎます。せめて10時間は持って欲しい。
「400ルーメン/6時間」が可能なバッテリー容量ならば、「200ルーメン/12時間」を実現することは可能なはず。しかし、メーカー側が200ルーメンのモードを設定していないわけです。
スペック的に良さそうなライトでも、その時点で用途に合わないので諦める……というシチュエーションには良く遭遇してきました。
しかし、ユーザー側が自由に明るさを設定出来るとすれば、話は変わってきます。「多少明るさを落としても、長時間使えるモード」というのを自分で作れるわけですから。
「Garminマウントかぁ……」
「これは久々に買ってみようかな」と思ったのですが……1枚の写真を見て注文の手が止まりました。

ライトの取付方式、Garminマウントかぁ……

こちらの記事に書いた通り、私は「ライトにはGarminマウントは不向き」だと考えています。VS1200の重量は160gと中々重く、恐らくGarminマウントでは重量に耐えられないでしょう。
破損のリスクを抱えてまでは使いたくなかったので、この時点では購入を断念しました。
CATEYE変換アダプタが出現
時は流れ4月末。様々な便利アイテムを3Dプリンタで作成する「ゆるふわーくす」さんが以下の内容をツイートしました。
iGPSPORT VS1200用キャットアイアタッチメントのBOOTHでの頒布を開始しました。
— ゆるふわーくす@自転車用の便利アイテムを製作しています (@yurufu_works) April 21, 2024
VS1200をキャットアイ規格に変換し、キャットアイのフレックスタイトブラケットにワンタッチで取り付け、取り外しが出来るようになります。
オートライトが便利でお勧めのライトです。
BOOTH:https://t.co/Nafkzo9xbB pic.twitter.com/dgw2R3cJZT
VS1200のマウント部をCATEYE方式に変換するアダプタを作ってくれたのです。

これがあれば、購入に関してのハードルは全てクリアされたことになります。
ゆるふわーくすさんのアダプタを確保後、VS1200を注文しました。
iGPSPORT「VS1200」
VS1200の概要を紹介します。

iGPSPORTの電子機器ラインナップ
iGPSPORTは元々サイコンで自転車業界に参入しました。
日本では、日直商会とトライスポーツの2社が代理店を務めています。

レビュー依頼を頂き、当時のフラグシップモデル「iGS630」をしばらくテストしたこともあります。
その後は、スマホと連携するテールライトや、レーダーテールライトを発売。徐々に自転車周辺の電子機器ラインナップを充実させていきます。
そして2024年2月、同社初のフロントライトとして発売されたのが「VS1200」です。
その後は、兄弟機となる「VS800」「VS1800」を続けざまに発売。同社のフロントライトは現在3種類発売されています。
フロントライト3種の比較
ここで、現在iGPSPORTから発売されているフロントライト3種類のスペックを比較してみます。
VS800 | VS1200 | VS1800 | |
---|---|---|---|
重量 | 155g | 160g | 194g |
サイズ | 縦: 108mm 横: 31mm 高: 29mm | 縦: 108mm 横: 31mm 高: 29mm | 縦: 110mm 横: 44mm 高: 29mm |
バッテリー容量 | 4000mAh | 5000mAh | 6700mAh |
バッテリー構成 | 21700×1本 | 21700×1本 | 18650×2本 |
充電端子 | Type-C | Type-C | Type-C |
満充電時間 | 2.0時間 | 2.5時間 | 3.0時間 |
防水規格 | IPX6 | IPX6 | IPX6 |
通信規格 | Bluetooth | Bluetooth | Bluetooth |
外部給電 | 可 | 可 | 可 |
マウント方式 | スライド式 | 回転式 (Garmin互換) | スライド式 |
基本のライト位置 | ハンドル上 | 吊り下げ | ハンドル上 吊り下げ |
自動機能 | 自動スリープ/起動 | 自動スリープ/起動 | 自動スリープ/起動 |
センサー | 環境光センサー | 加速度センサー 環境光センサー | 加速度センサー 環境光センサー |
LED数 | 1個 | 1個 | 3個 |
点灯モード | 5種類 | 5種類 | 8種類 |
なぜこの中で「VS1200」を選んだかと言えば、「横幅」と「バッテリー容量」です。

私のハンドル上の配置は大体こんな感じであるため、横幅の広いライトは置くことが出来ません。このため、幅が44mmあるVS1800は候補から消えました。
次にバッテリー容量。VS800とVS1200は、恐らく両方とも21700バッテリーを採用しています。21700バッテリーの通常タイプが4000mAh、大容量タイプが5000mAhであることが多いのですが、当然バッテリー容量が多い方が長時間使えます。
以上の理由から、VS1200が私の用途に最適だと判断。
唯一の懸念点はマウント方式でしたが、前述のゆるふわーくすさんのアダプタが発売されたことで問題は解消しました。
ファーストインプレッション
VS1200のファーストインプレッションです。

比較対象は、同程度のサイズであるOLIGHT「RN1500」、CATEYE「VOLT800 NEO」あたりになると思います。
パッケージ

iGPSPORTらしい、ちょっと品のある紙パッケージ。

開封した図。
内容物

パッケージ内容は以下の通り。
- ライト本体
- マニュアル
- ブラケット(M82 or M80/写真はM80)
- ライト取付用マウント(Garmin互換)
- Type-Cケーブル
- 六角レンチ(2.5mm/1.5mm)
付属するブラケットはM80(アウトフロントタイプ)、M82(一体型ハンドル用)があり、M82同梱の方が若干値段が高く設定されています。
各部写真
各部分の詳細を見ていきます。
充電端子

Type-C形式の端子で、背面に付いています。
なお、ここから外部の機器への充電(説明書ではリバース充電と書かれている)にも対応。
レンズ・リフレクター

単純な円形配光のレンズです。最近は光を縦方向に潰し、横長にすることでワイド配光&防眩効果を狙うレンズがトレンドですが、本製品は割と「昔ながら」の配光という印象。

レンズサイドには切り欠きが入っており、側方からの被視認性を意識しています。庇も付いていますが、上下の区別はなさそう。
スイッチは少し出っ張っていますが、より出っ張ったマウントが隣りにあるので、誤って押してしまうことは無さそうです。
マウント

本製品はGarminマウントを採用。しかも、スイッチの配置から見ると「吊り下げ」での使用を想定しています。160gもあるライトを吊り下げで使用するのはGarminマウントの破損リスクが高いので、私はこのままでは使用しません。

箱から出してすぐに、前述の「ゆるふわーくす」さん作成のアダプタに取り替えました。これで、CATEYEのマウントに取り付けが可能になります。
環境光センサー

充電端子の近くには、外部の明るさを検知する環境光センサーが見て取れます。
このセンサーを使うことで、周囲が急に暗くなる場合(トンネルなど)に自動点灯する機能があります。私はこの手のスマート機能は全てOFFにしている(手動で点灯する)ので多分使うことはありませんが。
重量

実測157g。公称160gなので、結構正確。
21700バッテリー採用のライトとしては相場通りの重量だと思います。
大きさ

スペック的に近いRN1500、VOLT800と大きさはほぼ同じ。ハンドルに付けたときの存在感も似たようなものです。
取り付け
今回は、ゆるふわーくすさんのアダプタでキャットアイのマウント方式に変換しています。

CATEYE純正のGoProアダプタを使い、吊り下げで配置しました。

吊り下げ配置であれば、電池残量インジケーターを兼ねたスイッチがサドル上から視認できます。
逆に、このライトはハンドル上に取り付けた場合にはスイッチが地面側を向いてしまいます。まぁ、このバッテリー残量を知りたければiGPSPORTのサイコンと無線接続して画面上から確認したほうが良いとは思いますが。
アプリとの接続
本製品はスマートフォンと接続し、iGPSPORTアプリからライトの設定を変更・ライトを操作することが可能です。



VS1200の電源を入れ、アプリから「デバイスを検索」すると、VS1200と接続することが出来ます。

デバイスの一覧にVS1200が追加されました。バッテリー残量も表示されていますね。

VS1200の設定画面です。使用時間(残り点灯時間の見積値)もここから確認できます。

様々な設定がありますが、とりあえず私はカスタムモードの編集を行いました。明るさを10%(120ルーメン)から100%(1200ルーメン)の範囲で変更可能です。

モード順序を変えたり、特定のモードに入らないようにカスタマイズ出来ることを期待していましたが、これは不可能でした。点滅モードは使わないので消したかったんですけど。

後発のVS1800ではそういったカスタマイズも可能らしいので、VS1200でも同じことが出来るようにしてほしいですね。
サイコンとの接続
本製品は、iGPSPORTSのGPSサイコンと接続し、サイコンからライトを操作することが可能です。
- iGS800
- iGS630S
- iGS630
- BSC300
※他社のサイコンとの接続には非対応
私が持っているiGS630もファームウェアを最新のv1.61に更新した所、ライトと接続することが出来ました。


VS1200の電源が入った状態で、iGS630の設定画面からライトを探索すると、VS1200を発見・接続することが出来ます。接続プロトコルはBLE(Bluetooth Low Energy)である様子。

接続すると「航続時間(残り点灯時間の見積値)」が表示されます。この値はバッテリー残量と共に更新されるリアルタイムの値です。ただ、この見積値には現状バグがあります(後述)。
また、「ヘッドライトモード」を変更すると、ライトの物理スイッチを操作することなくライトの点灯モードを変更することが出来ます。手の届かない位置にライトを配置している場合には便利な機能ですね。
点灯モード
VS1200の点灯モードは以下のとおりです。
モード | 明るさ(ルーメン) | ランタイム |
---|---|---|
点灯(High) | 1200 | 1時間45分 |
点灯(Mid) | 600 | 4時間00分 |
カスタム | 300 (初期状態) | 8時間00分 (初期状態) |
点滅(High) | 800/400/0 | 30時間00分 |
点滅(Low) | 300/100/0 | 70時間00分 |
待機 | – | – |
「カスタム」は、アプリから明るさを設定できるモードです。明るさを上げればランタイムは短くなりますし、明るさを下げればランタイムは長くなります。
「待機」は、外部からの入力を待機する状態です。本製品は電源がONになっていないとスマホやサイコンとの通信が出来ません。「待機」モードは、「通信は可能だけど点灯はしていない状態」ということですね。スマホやサイコンから操作可能な状態にしておくという意味だと思われます。
操作方法
本製品の点灯モードの変更方法は、「本体を操作する」「アプリ・サイコンから操作する」の2種類があります。
本体ボタンでのON/OFF
普通のライトと同様、電源スイッチを押して操作します。
電源ON/OFFは、スイッチ長押し。ただし、他社よりも長押しに必要な時間がかなり長いです。
同じく長押しでON/OFFとなる他のライトと時間を比較してみました。
製品 | 長押し時間 |
---|---|
CATEYE「VOLT800 NEO」 | 1.0秒 |
OLIGHT「RN1500」 | 1.5秒 |
iGPSPORT「VS1200」 | 3.0秒 |
RN1500でも「長いなー」と感じましたが、VS1200は更にその倍です。体感では「あれ、まだ点かないの??」と感じる遅さです。
本製品には環境光センサーによる自動点灯機能がありますし、「アプリ/サイコンからの点灯は即時反応するから問題がない」という判断なのかもしれませんが……。個人的には1.5秒くらいの長押しで反応してほしいですね。
本体ボタンでのモード変更
電源をONにした後、ボタンをシングルクリックで点灯モードが変更されます。
- カスタム
- 点灯(Mid)
- 点灯(High)
※ 3の次は1に戻る。
- 点滅(Low)
- 点滅(High)
※ 2の次は1に戻る。
不思議なのが、600ルーメンの「点灯(Mid)」からスタートすることです。しかもイマイチなことに、このライトにはモードメモリー機能(前回終了時の点灯モードで起動する機能のこと)がありません。一度消灯すると、次は必ず「点灯(Mid)」するということです。今どき、モードメモリー機能がないライトがあるとは想像していませんでした。
私は自分で設定したカスタムモードを中心に使う予定なので、毎回カスタムモードで起動してほしいのですが、それが出来ない。起動後にスイッチをもう一度押してカスタムモードに切り替える必要があります。ちょっとめんどい。
また、どのモードからでもダブルクリックすると「待機」モードに入るという裏コマンドがあります。再びダブルクリックすると、待機モードに入る前に使っていたモードに戻ります。こちらにはモードメモリー機能があるのに何故電源を切った時には忘れてしまうのか……?
アプリ・サイコンからの操作
前述の通り、アプリ・サイコンからも点灯モードの変更は可能です。順序に縛られない上に即座に反応するので、こちらのほうが便利かもしれません。
照度の時間変化
今回はカスタマイズモードにおける、照度の時間変化テストを実施しました。
明るさの設定


ブルベでの使用を想定すると、12時間以上は持たせたい。ということで、12時間以上点灯出来て一番明るい「18%」の明るさを設定しました。計算上は約216ルーメンとなるはず。
アプリには使用時間の見積値が表示されますが、「12h」と表示されています。
測定結果

そしてこちらが照度変化を記録した結果です。
開始時は約34000ルクス。明るさを一定に保ち続けましたが、何故か9時間17分経過した所から明るさが44000ルクス(+30%)に増加。そこから約1時間で消灯しました。
点灯時間は10時間11分。アプリに表示されていた見積値の「12時間」よりも約2時間早い消灯です。これは良くないですね。
「見積よりも点灯時間が短い」という問題
本製品の特徴はアプリやサイコンからリアルタイムに「残りの点灯時間」の見積値を見られること。しかし、その見積値よりも2時間も早く終了してしまっては「話が違う!」ということになります。
今回のテストでは8時間経過時点でスマホアプリから残りの点灯時間を確認していたのですが、その時点では「あと4時間」と表示されていました。実際には2時間後に消灯してしまいましたが。これがブルベの本番で起こったら立ち往生です。

私より先にVS1200のインプレを書いていたmorouさんの記事にも以下の記述があります。
16h30mまでは1時間あたり5%前後の減少量を維持していますが、残り1時間で一気に10%⇒0%となりました。寿命が尽きた瞬間を確認しましたが、明るさが落ちることなく突如消灯しました。
自転車&家つくり日記! より
morouさんは明るさを測定したのではなく、アプリ上に表示される電池の残量を一定時間ごとに記録していた様子。その残量が、最後の1時間でそれまでの倍の勢いで減ったことが報告されています。
これは恐らく私の事例と同じく、「最後の1時間で明るさが増加していた(=消費電力量が増えた)」と推測できます。
こんな動作を狙ってやる意味もないので、おそらくは予期しないバグであろうと思われます。もしくは、「バッテリー残量が一定以下になった場合には、強制的にローモードの明るさ(25%=300ルーメン相当)に変更する」みたいな処理が入っているのかもしれません。どちらにしろ、あまり良くないですね。
これが普通のライトなら、「修正は次ロットから」となる所。しかし、本製品はファームウェアのバージョンアップが可能です。これがハードウェア的なバグならどうしようもないですが、ソフトウェア的なバグならば是非修正をお願いしたいところです。
配光
レンズの所で書いた通り、普通の円形配光です。


円の中心部がかなり明るく、外周部は意図的に暗くされているようには見えます。
製品説明には「アンチグレアレンズの採用で対向者に優しいことも特徴です。」と書いてありますが、この配光でアンチグレアを名乗るのは無理があるんじゃないでしょうか。上側の光をカットしたり、光を縦に潰して楕円にしていれば防眩効果を見込めますが、外周部を少し暗くしただけでは大した効果はないはず。
実際に使用する際には、少し地面方向に光軸を傾けて使用する必要があるでしょう。

実走でもテスト。カスタムモード(18%/216ルーメン)での走行です。
光の中心部がかなり明るく、その部分の軌跡がくっきり見えるほど。言い換えれば、横方向の照射範囲は狭めです。ただ、見たい場所(5-10m先の路面)は見えるので走りにくくは感じませんでした。
充電
充電時の電流を測定しました。

縦軸が電流、横軸が時間です。
何故か30分を過ぎたあたりからジグザグに電流値が変化しましたが、基本的には2A前後で高速に充電ができています。満充電が近づくと、バッテリーへの負荷を下げるために電流を抑制する処理が入っているようでした。
公称の充電時間は2時間ですが、実測では1時間56分で満充電に。ほぼ公称通り。ブルベの短い仮眠時間でも満充電に出来ますね。
なお、充電中は点灯しないように制御されていました。点灯と充電を同時に行うと防水性能はゼロになりますし(端子が剥き出し)、走行振動で端子が破損することもあるので、こちらの方が良心的だと思います。
バッテリー容量の表記
本製品は、本体にバッテリー容量の印字がありません。

昨今は飛行機輪行時のリチウムイオンバッテリーの検査が厳しくなっており、本体にバッテリー容量の印字がないと没収されてしまうケースがあります。2023年のPBPでも、そんな事例がありました。CATEYEやOLIGHTはしっかりと印字されていますので、iGPSPORTも見習ってほしいものです。
防水性能
いつも通り、1分間シャワーをかけるテストを実施しましたが、端子部の浸水は認められず。IPX6はちょっと大げさな気がしますが、ライド中の雨天遭遇ならば問題なさそうに思えます。
外部機器への給電機能
本製品は、両端がType-Cのケーブルを使うことで、外部機器へと給電することが可能です。例えば、スマホと接続すると、スマホ側が充電されます。

ただし、こちらの記事で書いたRN1500のケースと同様に、「どちらがどちらを給電するか」は不確実な所があるので注意が必要です。


RN1500とVS1200をType-Cケーブルで接続し、何度か抜き差しをしてみました。すると、RN1500→VS1200の方向で充電されることもあれば、その逆になることもありました。
「逆充電」機能を使う場合、充電方向が想定と異なってしまう場合があることに注意してください。
スマート点灯機能
本製品は加速度センサーと、環境光センサーを備えています。
これらのセンサーを有効にしておくと、周囲が急に暗くなった場合(トンネルに入った際など)にライトを自動点灯することが出来ます(アプリから設定可能)。
この機能については、後々書く詳細レビューで詳しく触れたいと思います。
価格
M80マウント付きでの定価は税込11220円。私は9900円で購入しました。
定価8895円のRN1500よりは少し高いですが、ファームウェアのアップグレード機能や、アプリ・サイコン連携機能がついてこの値段なら中々頑張った価格ではないかと感じます。「きちんとアップデートされるならば」という条件付きですが。
まとめ
色々とツッコミどころはありましたが、メーカーとして初のフロントライトとしては良く出来ていると思います。
「最後の1時間だけ明るくなる」という謎の動作はあったものの、それまでは綺麗に一定光量を保ちます。216ルーメンで9時間も一定光量を保てるライトはなかなかありません。
スマホやサイコンとの連携も良いですね。電池の残量や、残りの点灯時間が具体的に確認できるのは大きいです。普通のライトはスイッチのインジケーター(3パターンくらい)でしか電池残量を判断できないので。
一番大きいのは、「ファームウェアを後から更新できる」ところ。ソフト的にイマイチな所を発売後に修正でき、追加機能も期待できるというのは、これまでのライトにはなかなか無かった概念です。
ということで、iGPSPORTさんには、是非以下のソフトウェア的な課題への対応をお願いしたいです。
カスタムモードで、電池残量が少なくなると勝手に照度が上がる不具合を修正してほしい。
→v1.12で解消されました。ただ、見積値が実際よりも短めに出る不具合は残存。
(サイコンやアプリに表示される点灯時間の見積値を正確にしてほしい)- アプリから、点灯モードの順序を変えたり、モードを不使用に設定できるようにしてほしい。
(VS1800と同様のモードカスタマイズを行いたい) - Garminや他社のサイコンからも、VS1200がライトとして認識されるようにしてほしい。
- 電源ON/OFF時のボタン長押し時間をもう少し短くしてほしい。
モードメモリー機能を付けてほしい。
(前回、OFFにしたときと同じモードで起動してほしい)
→v1.12で実装されました。
仮にこれらの要望が反映されれば、個人的にはかなり評価の高いライトになります。
あとこれはソフトウェアの話ではありませんが、バッテリー容量を本体に印字してほしいですね。今のままだと飛行機輪行で没収されてしまう可能性があります。
ファーストインプレッション記事にしては長くなりすぎましたが、それだけ面白いライトでした。
これからのアップデートに非常に期待しています。
著者情報
年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。