スマートウォッチ装着から4ヶ月経過の感想

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本記事は、ロードバイク Advent Calendar 2022の14日目記事となります。


初めてのスマートウォッチ(Garmin「forerunner 255s」)を使い始めて4ヶ月経過時点の感想を書いていきます。

目次

まえがき

2022年8月に購入したスマートウォッチ、Garmin「Forerunner 255s」。

すぐに付けなくなってしまうかと思いましたが、なんだかんだで4ヶ月付け続けています。10年以上、腕時計を付けていなかったので自分でもびっくりです。

購入動機

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購入動機や、機種選定の理由はこちらの記事をご参照ください。

私のスマートウォッチ利用スタイル

スマートウォッチの主な購入目的は、睡眠を含めた毎日の体調管理です。

自転車に乗っている時間のログは従来のGPSサイコンで取得しており、その際の身体負荷は管理できる状態になっていました。スマートウォッチを使うことで、自転車に乗っていない時間も含めて身体負荷を管理できるようにしたいと思っていました。風呂に入っている時以外は外さず、睡眠時も付けっぱなしです。

とはいえ、私は現在レースなどには出場しておらず、出るイベントはロングライド(ブルベ)ばかりです。特にピーキングの必要はありません。

ブルベを普通に完走できる走力の維持を目的として、平日は週3日くらいで中強度の夜練、週末に100~200km程度のロングライドを行っています。月間走行距離は1000km前後。

走行ログはGPSサイコンで取得し、スマートウォッチでの走行ログ取得は想定していません。ただし、スマートウォッチを心拍センサーとして利用し、GPSサイコンと連携しています。

データは基本的にGarmin Connect(クラウド)にまとめ、Garmin Connectアプリでデータを確認しています。

良かった点

まずは、実際に使ってみて「良かった」と感じた点の紹介です。

体力の残量を客観的に見られるようになった

Garminのスマートウォッチでは、体のエネルギー残量を電池に見立てた「ボディバッテリー」を表示する機能があります。

こんな感じで、現在のボディバッテリー残量と、一日のボディバッテリーの変化をグラフで確認可能です。

基本的には「寝てる間に回復」「起きている間は減っていく」感じです。質の高い睡眠だと回復の度合いが大きくなります。激しい運動をすると、減る速度が速まります。なお、昼寝もちゃんと睡眠と判別されて回復します

割りとこれが体感の疲れ具合との相関性があり、「今日は走るかどうか」を判断する材料になっています。疲れ切っているときに走っても全然パワーが出ませんし、ちゃんとしたトレーニングになりませんので。

このボディバッテリーの良い所は、「運動中以外」のストレスや負荷も反映される点です。

パワーメーターを使ったトレーニングでもCTLで疲労具合を見ることは可能ですが、あくまでもトレーニング時の負荷のみが反映されています。日常生活の負荷は反映されていません。

総合的な体への負荷を数値化して客観的に見られるようになったのは大きな変化だと感じています。

なお、ボディバッテリーの最低値は0でなく5です。これは400kmブルベを完走した直後の値で、体がすっからかん状態なのが良く分かります。

恐らく内部的には5以下の値として持っているようで、ボディバッテリーが5の状態が長く続くと、寝てもなかなか値が回復しません。よく出来た指標だと思います。

睡眠時間と質を見られるようになった

Garminのスマートウォッチには、睡眠状態を判定する機能が付いています。

睡眠状態を「深い睡眠」「浅い睡眠」「レム睡眠」「覚醒」の4段階でそれぞれ時間を計測してくれます。入眠時間と起床時間も表示。

この睡眠状態の時間から、「睡眠の質」をスコア化してくれます。

こちらのスコアも割りと納得感があります。長く寝られた日でも睡眠スコアが低くなることはありますが、その次の日はなんとなく調子が上がりません。逆に、睡眠時間が短くても睡眠スコアが良い日は割りとしっかり動けるといった感じ。

割りと「良い睡眠スコアを出す」というのがゲーム的に楽しくて、「このくらいの時間に寝たら睡眠スコアが高まるのではないか」「コーヒーの量を減らしたらどうなるか」などを試すようになりました。

ただ、最近は睡眠スコアが低下気味。寒くなってきたのもあるかもしれませんが、もう少し早く寝たほうが良いのかなーなどと考えています。

心拍データを取りやすくなった

以前はライド中は必ず胸バンド式の心拍計を使っていたんですが、コロナ禍になってからあまり付けなくなってしまいました。

イベントも無いし、あまり真面目に鍛える意味もなくなってしまったこともあって、そうなると胸バンド式の心拍計を毎度つけるのが面倒くさく感じられたのです。

スマートウォッチを付けるようになってからは、常に手首につけています。ボタンを二度押せばGPSサイコンと接続可能ということもあり、ここ最近は心拍データを取りながら走っています。

どうもGarminは心拍データを重視しているようで、心拍計を付けていないと出ない画面があります。↑の写真の画面がそうです。この負荷データを取らないと、Garmin先生からの長期的なトレーニングアドバイスがちゃんと貰えません。

ちゃんと心拍データを取得してトレーニングを行うと、こうしたデータが表示されるようになります。

今は維持のために乗っているだけでなにか目標があるわけではないのですが、いざ目標が出来たらこうした機能のお世話になりそうです。

電話の着信に気づけるようになった

Forerunner 255sは、スマートフォンと接続状態にあると、電話が掛かってきた際に振動して通知してくれます。

私はスマートフォンは常にマナーモードにしていて着信に気づかないことも多かったので、この機能には助けられています。

イマイチだった点

使ってみて、イマイチだなーと思った点を挙げていきます。

心拍データの反映が遅い

Forerunner 255sは光学式の心拍センサを搭載しています。

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心拍の値の変化は正確に計測出来ている気はするのですが、いかんせん反映が遅いです。だいたい、10秒ほど過去の心拍数が画面に表示される感じといいますか。

私はヒルクライムでは心拍170bpm付近で踏み止めることが多いのですが、画面に表示されている心拍数は10秒過去の値です。踏み止めるタイミングが遅れるので、実際には175bpm付近まで上がってしまうことが多いです。「今表示されている値は過去の値だ」ということを意識した上で、前もって踏み止める必要があります。

心臓から物理的に距離がある上に、計算処理が入るであろう光学式心拍計では遅延の発生は仕方ないのかもしれませんが、少し不満ではあります。

シリコンバンドで肌が傷む

私はあまり肌が強い方ではなく、アームカバーやレッグカバーの滑り止めシリコンで水ぶくれが生じてしまうことがあります。常に付け続ける必要があるスマートウォッチでは問題が起こらないか、少し心配ではありました。

夏場は特に問題が起きませんでした。杞憂だったか……と思っていたのですが、長袖を着る冬場になってからちょっと問題が起きています。

スマートウォッチのベルトループが触れる部分の肌が赤く腫れるようになってしまいました。普段の生活ではこうはならず、ライド後にこういった状態になります。

思い当たる原因は、冬になってスマートウォッチの上に服の袖が重なるようになったことです。

ライド中に袖口が引っ張られることでスマートウォッチも動いてしまい、肌に何度も擦れることでこういった状態になっていると思われます。

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とりあえず、今は股ズレ防止でおなじみの「Protect J1」を該当部分に塗って擦れから肌を保護しています。少々面倒ではありますが、効果はあるようです。

サイコンと同時にログを取ってもマージされない

Forerunner 255sは、単体でもGPSログを記録することが可能です。

Edge530のようなサイコンでGPSログを取りつつ、保険としてスマートウォッチでもログを取る……という使い方はたまにやるのですが。

この場合、そのまま何もしないとGarmin Connectには「Edge530のログ」と「Forerunner 255sのログ」が2つアップされてしまい、走行距離が二重にカウントされてしまいます。仕方ないので、片方を手動で消しています。

ログの一致率が高かったりする場合には、自動的にマージ(または片方を削除)してくれても良さそうなものですが……Garmin製品同士ですし、そういった連携が将来的にできれば良いなーと思います。

停止時間が少なめにカウントされる

どうもForerunner 255sで取得したGPSログは、Edgeシリーズなどと比べて停止時間がかなり少なめにカウントされます。

↓に示すのは、Edge530、eTrex32x、Forerunner 255sで同時に同一コースのログを取った時のデータです。いずれも、オートストップ機能は切っています。

コース距離[km] 走行時間 獲得標高
Edge530 19.28 0:50:28 142m
eTrex32x 19.44 0:55:31 113m
Forerunner 255s 19.68 0:58:37 119m

獲得標高や距離はそこまで大きく変わりませんが、「走行時間」が大きく異なります。

Edge530よりForerunner 255sのほうが走行時間が8分も長くカウントされています。裏を返せば、これは「停止している」とみなされている時間が短いということ。これだけ停止時間が違うと、最終的な「平均速度(ネット値)」にも大きく差が出ます。

恐らく、Edge530のような自転車専用の製品は、ある程度のスピードにならないと「動いている」と判定されないはず。一方、徒歩のスピードをメインで想定しているForerunner 255sは多少の動きでも「移動している」と判定されてしまうのでしょう。想定されているフィールドの違いと言いましょうか。

その他、気づいた点

その他、長所や短所とまでは行かないけれど、四ヶ月使ってみて気づいた点の紹介です。

電池の持ちは十分

Forerunner 255sの公称稼働時間は「12日間」とされています。

心拍データをGPSサイコン等に転送すると電池を結構食いますが、それでも十分な稼働時間でした。

こちらは、ブルベで21時間ほど心拍転送モードで使用した後の状態です。電池残量は74%。

外部心拍センサーとしての用途なら、3日は使えそう。1000kmブルベでも充電無しでギリギリ行けそうです(普通はどこかで充電しますが)。1200kmブルベならば充電は必要でしょうが、充電速度も早いです。

私の用途では十分な電池の持ちであると感じました。

一応、600km以上のブルベに備えて、携帯用の充電アダプタを購入しました。Type-CケーブルをGarminウォッチに変換できるアダプタです。

出先で使うケーブルの種類は減らしたいので、こういうコンバーターを持ち歩くことにしてます。ホテルなどでもType-Cケーブルなら高確率で借りられますし。

使っているのはこちら。ちゃんと充電ができることも確認しました。

音楽再生機能は使わない

Forerunner 255s musicには音楽再生機能があります。

手持ちの曲を入れて聞くところまではやりましたが。実はその後一度も使っていません。

音楽プレイヤーとしての操作性があまり良くないんですよね。なのでわざわざ使う気が起きないといいますか。

Suica機能もあまり使わない

Forerunner 255sにはNFCが仕込まれており、電子マネーの決済を行うことが出来ます。

チャージはアプリから実行可能。引き落としはクレジットカードから行われます。

使い始めたときには「これは便利!」と思ったんですが、いざ電車に乗る際に使おうとすると問題が生じました。

私は右利きなので左手にスマートウォッチを付けているわけですが、改札のSuicaのタッチ場所は向かって右側にあります。体をひねって左手を右側に持っていく必要があるわけですね。たまに改札でそういった動きをする人を見たこと思い出し、「これかぁ~」と1人で納得しました。

試しに右手にスマートウォッチを付けては見たものの、それはそれでマウスを持って仕事をする際に不便だったため断念。Suicaの機能をスマートウォッチに統一することは諦めました。

改札では不便ですが、コンビニや自販機での決済には問題はありません。いざというときに備えて、数千円は常にチャージした状態にしています。財布を忘れて外出した際には、スマートウォッチのSuica決済機能に何度か救われました

実はリアビューレーダーにも対応

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後方に電波を放射し、近付いてくる車に対する警告をサイコンに表示可能なリアビューレーダーという製品があります。Garmin「Varia」シリーズが有名。

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そんなリアビューレーダー製品の一つであるMagene「L508」を私は使っています。

ある日、L508の製品ページを見ると、Garminのスマートウォッチにも対応しているとの記述が。対応機種にForerunner 255sはありませんでしたが、試しに接続してみると……

普通に接続できました。

後方から車両が接近すると、警告音と共に画面に表示が出ます。わざわざスマートウォッチでレーダーのアラートを見る必要性は感じませんが、覚えておいても良い機能でしょう。

受話器アイコン?

こちらはForerunner 255sのホーム画面です。

ある日、電池残量の右側にある「受話器📞」アイコンが何なを意味するのかが気になりました。

そういえば、事故などにあって強いショックを感知すると、登録された電話番号に連絡をする「援助要請」機能があったはずなので、それが有効になっているということなのかな?と思ったのですが。

説明書を読んでみると、「スマートフォンとBluetooth接続されている」状態を表すアイコンだそうです。

……今の世の中、固定電話の受話器というものを見たことがない人もいるんじゃないでしょうか。このマークからスマホを連想できる人がどれだけいるのやら。パソコン用のソフトで保存ボタンがフロッピーディスクになっているのと同様、ちょっと時代錯誤なアイコンに感じました。

まとめ

とりあえず4ヶ月使ってみた段階の総評としては、「買って良かった」です。

これまで管理できていなかった「日常の生活負荷」も含めた体力の残り具合が見える化されましたし、睡眠の質も分かるようになりました。

肌荒れが若干のネックではありますが、これはプロテクトJ1の力を信じてみようと思っています。

これからの厳冬期に課題だと思っているのは、常にスマートウォッチが袖の中に隠れてしまうこと。画面に表示される情報が確認できないので、単にロガーとして使うことになるのが残念ですね。

一年経過時点くらいでまた改めて記事を書こうと思っています。それまで使い続けていれば、ですが。

著者情報

年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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