バーチャルサイクリングアプリ「MyWhoosh」導入&環境構築

この記事は約 8分で読めます。

最近話題になっているバーチャルサイクリングアプリ「MyWhoosh」を導入してみました。

この記事では、MyWhooshをWindows PCで動かすまでの話を書いていきます。

目次

導入の経緯

まずは導入の経緯から。

梅雨で外を走れない

私は基本的に外を走るのがメインです。ローラーはたまにやるだけ。

そして今年も梅雨がやってきました。走りに行こうとすると降り出す雨。「雨天ライド攻略本」なんて本を書いていますが、特に理由もないのに雨の中を走る趣味はありません。

ZWIFTの値上げ

そこで久々にローラー台を引っ張り出してきたのですが、ただ乗るのは非常に退屈です。どうせならバーチャルサイクリングアプリと接続したい。

しかし、バーチャルサイクリングアプリの代名詞である「ZWIFT」は月額料金の値上げを発表したばかり。月額2400円となりました。

毎日ローラー台に乗ってミートアップに参加しているローラーガチ勢であれば、十分に元が取れる価格だと思います。しかし、気が向いた時にローラーに乗る程度の人間にはちょっと高いというのが正直なところ。

Zwiftの対抗として頑張っていたバーチャルサイクリングアプリ「Wahoo RGT」を思い出しましたが、2023年10月でサービス終了となっていました

やはりバーチャルサイクリング業界もなかなか厳しいようです。

MyWhooshなるアプリを知る

そこで他に代替となるサービスが無いか検索していると、「MyWhoosh(マイウーシュ)」なるバーチャルサイクリングアプリがあるという情報を得ました。

この手のバーチャルサイクリングアプリは月額料金が掛かることが普通ですが、MyWhooshはなんと無料です

サーバー代も掛かるはずなのに、どうやって運営されているのかは謎。UAE(アラブ首長国連邦)の会社がやっているサービスということでオイルマネーが投入されてるんでしょうか……? Cycling Weeklyの記事によれば、UAE政府からの多大なる資金援助を受けているようですが。

タデイ・ポガチャル擁する「UAEチームエミレーツ」とも提携しているようで、今もっとも勢いのあるバーチャルサイクリングアプリと言えるかもしれません。

とりあえず、どんなものか試してみることにしました。

MyWhooshについて

MyWhooshについての説明です。

概要

MyWhooshは2019年にUAEで設立された、バーチャルサイクリングプラットフォームです。

今後どうなるかは断言できませんが、今のところは完全無料です。

2024年、MyWhooshはUCIとの提携を発表。今後3年の「UCI サイクリング eスポーツ世界選手権」はMyWhooshで行われるとのことです。2023年まではZwift上で行われていたわけで、その立ち位置をMyWhooshが奪取したことになります。

MyWhooshはタデイ・ポガチャルの所属する「UAEチームエミレーツ」とも提携しており、チームのコーチが作成したワークアウトメニューも使用することが出来ます。

アプリの種別

MyWhooshで遊ぶためにはアプリをインストールする必要があります。

この記事を書いている現在、4種類のアプリが用意されています。

Windows版のみ、通常版と高画質版が別々に用意されています。

つい先日までは上記リストの高画質版が通常版とされていましたが、あまりにも要求されるマシンスペックが高かったためなのか、「軽量版の方を通常版とする」扱いに変更されました。変更内容をまとめると以下の通り。

アプリ種別改名前のアプリ名改名後のアプリ名
高画質版MyWhooshMyWhoosh HD
軽量版MyWhoosh GOMyWhoosh
MyWhoosh Windows用のアプリ名の変化

なお、高画質版(MyWhoosh HD)の方の要求スペックは中々強烈で、数十万円の高スペックデスクトップPCを用意しないとまともに動きません。アラブのお金持ちのPC向けに作ってしまったんでしょうか……。

軽量版の方は、それなりのスペックのWindows PCでもちゃんと動きます。ちなみにWindows版の最小&推奨スペックは以下のとおりです。

区分高画質版軽量版
OSWindows 10, 11Windows 10, 11
CPU最小: Intel i5 7th Gen, AMD Ryzen 5
推奨: Intel i9 10th Gen, AMD Ryzen 9
Intel® Core™ i3 6th gen / AMD Ryzen 3 3XXX
or higher
メモリ最小: 8GB
推奨: 64GB
8GB
GPU最小: AMD Vega 64, Nvidia GTX 1080 Ti
推奨: AMD RX6900 XT, Nvidia RTX 3090
Embedded Intel UHD Graphics 630
AMD Radeon Graphics
discreet graphics of Nvidia GT 710
or higher
Disc空き容量最小: HDD 10GB
推奨: SSD 15GB
HDD 8GB

私のPCは5年前に組んだもので、CPUはAMD Ryzen5 2600・メモリ16GBと、当時としてはそれなりのスペックでした。それでも、高画質版はまともに動かなかったです。一方、軽量版はサクサク動きました。

最初、私はAndroid版を使おうと思っていたのですが、こちらも要求スペックが高く、アプリがカクカクでまともに動きませんでした。諦めて、Windows用の軽量版を使うことにした次第です。

MyWhoosh環境の構築

MyWhooshのWindows版アプリで遊ぶための環境構築方法について書いていきます。

用意したもの

私が今回、MyWhooshの環境構築に用意したものは以下のとおりです。

必要なもの

今回はスマートローラー(Tacx Neo)が置いてあるのとは別の部屋でローラーをしたいという事情があったので、「非スマートローラー+パワーメーター」の構成としました。

4iiii「Precision」はANT+/Bluetoothの両方の通信規格に対応しているのですが、何故かBluetoothでの接続がうまく行かず。

ANT+ USBドングル Zwift対応 USBレシーバー 自転車 室内 トレーニング Garmin Wahoo

そこで、昔使っていたANT+用のドングルを久々に引っ張り出してきました。こちらでの接続は成功。パワーメーターとWindows PCが接続されました。

インストール

MyWhooshは、通常の「Windows用ソフト」ではなく「Windows用アプリ」として提供されています。

Windows画面左下の「検索」に「Microsoft Store」と打ち込んでください。

iOSにおける「App Store」、Androidにおける「Playストア」のように、アプリをダウンロードできるストアになります。

ここで、画面上の検索欄に「MyWhoosh」と打ち込みます。

「MyWhoosh HD」と「MyWhoosh」の2つのアプリが検索結果として表示されます。

マシンスペックに自信がある方は「HD」を選んでも良いと思いますが、今回は右の軽量版をインストールします。しばし待つとインストールが完了します(650MBほどダウンロードする必要がある)。

インストールが完了すると、スタートメニューからMyWhooshを起動できるようになります。

起動

MyWhooshアプリを起動すると、まずは以下の画面が表示されます。

「追加コンテンツのダウンロードが必要」と言われます。具体的には、コースデータをここでダウンロードするのですが、3GBの空き容量が必要です。

3GBのダウンロードが終わるまでひたすらに待ちます。

初期設定

ダウンロードが完了すると、ログイン/ユーザー登録画面に移動します。

アカウントを持っていれば「SIGN IN」、持っていなければ「CREATE ACCOUNT」でアカウントを作成します。

ここで注意が必要なのは外部サービスとの連携です。
現在、MyWhooshは「Strava」「Training Peaks」への走行データ自動アップロードに対応していますが、連携の設定はアプリからは行えません。
MyWhooshのサイトからログインし、連携設定を行う必要があります。

これを考えると、先にMyWhooshのサイトでアカウントを作り、連携設定だけはしておいたほうが良いでしょう。

次に、アクティビティの選択を行います。「RIDE」と「RUN」が選べるようですが、今回は「RIDE」です。

各種センサーとの接続を行います。今回はスマートローラーではなく、パワーメーターと接続。心拍計にはスマートウォッチを用います。

これで初期設定は終了です。

とりあえず走ってみる

初期設定が出来たので、とりあえず走ってみます。

ライドメニューを選択

ライドメニューの中から、やりたい種類のライドを選びます。

「イベント」や「ワークアウト」がありますが、今回はコースを自由に走る「FREE RIDE」を選択します。

都市とコースを選択

Zwiftのように、コースは都市ごとにカテゴリ分けされています。

まずは都市を選択します。

次にコースを選択し、「RIDE」ボタンを押します。

走行開始

走行画面に移動します。

ローラー台を漕ぎ出すとパワーデータが連携されてアバターも走り出しますが……パワーデータが画面に反映されるまで3秒ほど掛かりますね。Zwiftよりも遅延しているイメージ。スプリントなどで大出力を掛けても、反映されるのは3秒後です。私の通信環境のせいかもしれませんが。

走行中の画面はこんな感じ。あと、メニュー画面では音がするのに、走行画面になると音が消えます。全くの無音の中で走ることになります。

調べてみると同じような報告があるので、この無音はバグのようです。早く直ってくれると良いのですが。

まとめ

MyWhoosh(Windows版)の導入と環境構築について書きました。

Android版ではカクカク過ぎて「だめだこりゃ」という感じでしたが、Windowsの軽量版は普通にサクサク動きます。

私のように「たまにローラー台に乗って一人で走るだけ」のユーザーには現状でも十分な機能が揃っていると思います。ただ、「パワーの反映が遅い」「走行中は無音」というのはちょっと気になりましたね。

UCI公認サービスでもありますし、今後この辺りは改善されるものと期待します。

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著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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