快適性重視のシートポスト(27.2mm/機械ギミック無)一覧

  • 2023年12月17日
  • 2023年12月17日
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機械式のギミックを持たずに快適性を高めているシートポストを調査しました。

まえがき

快適性重視のシートポストを調べ始めた理由について、まずは書いていきます。

新フレームは久々の汎用丸ポスト

現在、新しいフレームの購入を検討しています。

そのフレームは27.2mmの丸型シートポストを採用。一時期は猫も杓子も専用シートポストという風潮でしたが、主にエンデュランスモデルで丸型シートポストを採用する例も増えてきました。エアロロードほど競技性が高くない用途が想定されることから、汎用性を重視した形でしょう。

私も最近購入した2台(Oltre XR4, Infinito CV)は専用シートポストで、丸型シートポストのフレームというのも久しぶりです。

快適性重視のシートポスト

最近はあまり聞かなくなりましたが、汎用のシートポストには「快適性重視」を謳う製品が存在します。

通常のシートポストよりも、しなる量を大きくして突き上げを緩和する……というものです。それを実現するために断面形状を変えたり、カーボンの積層を変えるなどの工夫が盛り込まれています。

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私がクロモリフレームで使っているBontragerのXXX Seatpostも快適性重視のシートポストの一つです。

「XXX」という文字より上に潰しが入っている

「XXX」という文字より上の部分が少し細くなっているのが分かると思いますが、この部分は扁平形状となっており、より前後にしなりやすくなっています。露骨には動かないんですが、大きい衝撃を受けた時に少しだけ緩和してくれている感触はあります。

今回新たに購入しようとしているフレームもブルベに使おうと考えているので、こういった快適性重視のシートポストをインストールしたい所。BontragerのXXX Seatpostは非常に気に入っているんですが、残念ながら廃版となっています。

そこで、現在市場に存在する快適性重視シートポストにはどんなものがあるのか? 調べてみることにしました。

Cane Creek eeSILK Carbon Seatpost Black 31.6mm ユニセックス

なお、今回は機械式ギミック(サスペンション)のあるものは対象外としました。重い&可動部があると壊れる可能性が排除できないためです。

快適性重視のシートポスト(27.2mm/機械ギミック無)一覧

2023年12月15日時点の一覧です。

抽出条件は以下としました。

  1. 快適性重視の施策が盛り込まれていること(ただし機械式ギミックは除く)。
  2. 丸断面・27.2mm径のラインナップが存在すること。
ブランド名製品名オフセット重量特徴
BBBFLYPOST25mm212gY字形状
BontragerRSL 27.2 Seatpost0mm195gCnD形状断面
BontragerRSL 27.2 Seatpost20mm189gCnD形状断面
CanyonS13 VCLS CF Seatpost15-35mm220gVCLSテクノロジー
CanyonS14 VCLS 2.0 CF Seatpost2/-10mm220gリーフスプリング機構
CanyonS15 VCLS 2.0 CF Seatpost25mm/13mm220gリーフスプリング機構
ERGONCF Allroad Pro Carbon2/-10mm240gリーフスプリング機構
ERGONCF Allroad Pro Carbon SetBack25mm/13mm240gリーフスプリング機構
FOCUSCONCEPT CPX-PLUS POST25mm199gY字形状
OnebyESUカーボン ムンク VDS シートポスト25mm212gクランプ下に空洞域、VDS
RitcheyWCS Carbon Link Flexlogic15mm195gカーボン配置を工夫
ROVALTERRA CARBON SEATPOST0mm194g伸び特性をもつ素材を特定の部位に使用
ROVALTERRA CARBON SEATPOST20mm194g伸び特性をもつ素材を特定の部位に使用
SHIMANO PRODISCOVER カーボン シートポスト20mm205gダイニーマ採用
SYNTACEP6 CARBON HIFLEX 27.20mm220gカーボン配置を工夫
THMMondibula シートポスト25mm159gコンフォートゾーン
URSUSMAGNUS SP70025mm180gしなりを生むデザイン
Venoモーションカーボンシートポスト0mm176gしなりを導き出すデザイン

気になる製品

個人的に気になる製品をピックアップしました。

BBB「FLYPOST」

BBBのトップグレードのカーボンシートポスト。

BBBサイトより引用

クランプ部の下に大きな穴が設けられており、この形状で衝撃を吸収して乗り心地を上げる仕組みのようです。ちょっとTREKのISO-FLOWっぽさはあります。

東大和で自転車をお探しならY's Road 東大和店

「これはなんかすごい機材じゃないか!?」と思って店長におねだりして入荷してもらいました。この商品を端的に書くと・プロチー…

どうもヤグラの形状を見る限り、FOCUSのシートポストと形は同じ製品である模様。ただ、公称重量はFOCUSのほうが軽くなっています。カーボンのグレードが違ったりするのかもしれません。

Bontrager「RSL 27.2 Seatpost」

バイクプラス

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私が使っているBontrager「XXX Seatpost」の後継製品。

グラフィックと表面処理が違っているくらいで、形状は同じに見えます。公称重量も一緒。多分中身は同じでしょうね。

ERGON「CF Allroad Pro Carbon SetBack」

二股に分かれた形状が特徴的なシートポスト。「リーフスプリング機構」というようです。

見方によってはこれも機械式ギミックですが、220gと十分に軽量なので今回は一覧に加えました。

Bikeradarが2016年に行った快適性重視のシートポスト比較でも好成績を記録しています。

Canyonの完成車に採用されている「VCLS 2.0 CF Seatpost」は同一製品らしいです。これは、ERGONの社長とCanyonの会長が兄弟だからなんだとか。

ROVAL「TERRA CARBON SEATPOST」

Terra シートポストは垂直方向のコンプライアンスに優れ、路面からの突き上げを吸収してスムーズな走りを実現し、グラベル…

SPECIALIZED傘下のブランド・ROVALのグラベルロード用シートポスト。

見た目は何の変哲もないシートポストですが、伸び特性をもつ素材を特定の部位に採用することで、後部にしならせやすくなっているとのこと。

Twitter上で「気になる」と書いていたら、たまたまこのシートポストを持っていたラルート編集部の栗山さんからお借りすることが出来ました。

これは……想像以上にしなりますね。段差を越えた時に、明らかにハンドル側よりもサドル側のほうが衝撃が少ない。抜重しなくても通過できてしまうほど。このシートポストに差し替える前はBontrager「XXX Seatpost」を使っていましたが、明らかにRovalのほうが動き量が上です。

これも良し悪しで、「動きすぎる」と感じる人もいるかもしれません。シートポストがしなるということは、一時的にポジションがズレるということ。気になる人は気になるだろうと思いました。

URSUS「MAGNUS SP700」

ホイールや一体型ハンドルなどを展開するURSUSの快適性重視シートポスト。

快適性重視のシートポストには、BBB「FLYPOST」のようにサドルクランプ部の下に穴を設けることで衝撃吸収性を高める製品が多いですが、多くは正面から見た時に穴が見えます。

URSUS代理店サイトより引用

URSUSは側面から見た時に穴が見える構造になっている点に特徴があります。

セットバックが大きい割に軽量に仕上がっているのも特徴です。

Veno「モーションカーボンシートポスト」

東京サンエスのオリジナルブランド「Veno」のカーボンシートポスト。

サドルクランプ下部に穴を開ける製品と思想は似ていますが、後側の支えが完全に無いタイプ。

上野、御徒町で自転車をお探しならY's Road 上野アサゾー店

独特な形状を持ったしなるカーボンシートポスト。理屈上しなるとか小さな動きではなく目で見て大きくしなる乗り心地改善に大きく…

見た目はちょっと不安ですが、体重のある人でも問題がなかったとのこと。

まとめ

快適性重視の丸断面シートポストの調査結果でした。

各社思い思いの方法で快適性を上げる工夫をしていますが、大別すると「構造や形状で衝撃を吸収するタイプ」「カーボンの積層で変形しやすくしているタイプ」があるように感じました。

前者は、ERGON・BBB・Bontrager。後者はRoval・Ritchey・Syntaceがそれにあたりそうです。昔はゼルツを組み込んだRoubaixシートポストのようにエラストマーを挟むシートポストもありましたが、現行品には見当たりませんでした。


今回、RovalのTerraシートポストを試して思いましたが、サドルバッグの使用を考えるとサドルクランプ下部の形状は重要ですね。

穴が開いているタイプはその部分だけ太くなっていることが多いので、ストラップが回りきらない可能性があります。細すぎてもちゃんと止められませんし。

私が選ぶとしたら、サドルクランプ下部が「普通の太さ」のものを選ぶことになりそうです。

著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)