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膝に当たらないトップチューブバッグ探し
「膝に当たらないトップチューブバッグ」探しの遍歴をまとめた記事です。
万人に当てはまる対策ではなく、あくまで私個人のケースの紹介になります。
探し始めた経緯
まずは「膝に当たらないトップチューブバッグ」を探し始めた経緯から。
使えなかったトップチューブバッグ
もうブルベを始めて10年以上が経ちますが、トップチューブバッグとフレームバッグはほとんど使ってきませんでした。
理由は、膝にバッグ(とストラップ)が当たることが気になるからです。
一緒に走ったことがある方は知っているかもしれませんが、私はかなり膝を内側に入れてペダリングします。膝の軌道にバッグがあると当たってしまい、これが気になりました。避けてペダリングをしてみたことはあるんですが、膝に痛みが出てしまって断念。
「ならば」と細いトップチューブバッグを使ってみたことはあるんですが、バッグを固定するストラップが膝に擦ってしまうことが気になりました。
イライラしながら走るのも嫌なので、トップチューブバッグ&フレームバッグの使用は諦めることにしました。
とはいえ、アクセスしやすいところに補給食を入れておく場所は欲しい。このため、膝には絶対に当たらないフロントバッグを使ってきました。
GE-110を購入
先日、新車「GE-110」を購入しました。
このフレームの特徴の一つが「トップチューブバッグ用のアイレットが付いている」ということ。
ここに2本のボルトを使ってトップチューブバッグを取り付けます。
こういった取り付け方式のことを「ボルトオン」と呼びます。
ボルトオンであれば、トップチューブバッグに巻くストラップが無くなります。理屈の上では、バッグそのものが細ければ膝に当たることはなくなるはず。それに、せっかくトップチューブ上にアイレットのあるフレームを買ったわけですから、活用したいのが人情というもの。
こうしてボルトオン方式のトップチューブバッグを探してみることにしたのでしたが……これが中々の沼でした。
トップチューブバッグの要件
今回のトップチューブバッグ探しの要件は以下の通りです。
- ペダリング時に膝に当たらないこと
最低限、シッティングでのペダリング時に膝に当たらないものであること。ダンシング時は多少は許容。- ボルトオン方式で取り付けられること
ストラップをトップチューブに巻く方式は使用しない。ボルトオンに対応していないバッグの場合にはボルトオン改造を行う。- 容量は小さくてOK
次のチェックポイントまでの補給食を入れる用途で考えているので、容量は0.5Lもあれば十分。
これらの要件を満たすトップチューブバッグを探していきます。
バッグ探しの流れ
トップチューブバッグを色々試しながら、自分の要件を満たすものを探し当てるまでを紹介します。
① DEUTER「エナジーバッグ(改造版)」
まずはドイター「エナジーバッグ」です。このバッグは本来、ボルトオン対応ではありません。
製品名 | DEUTER「エナジーバッグ」 |
重量(公称値) | 70g |
サイズ(公称値) | 幅: 40mm 全長: 190mm 高さ: 90mm |
容量(公称値) | 500ml |
以前、こちらの記事での改造素体に選ばれ、ボルトオン対応に自分で改造しました。まずはこれを取り付けてみようと思ったのですが……
残念ながら、フレームとバッグでボルトの位置が合わず。取り付けることが出来ませんでした。
実はこれはボルトオン方式のトップチューブバッグではありがちな問題です。アイレットの位置はフレームによってバラバラ。統一規格がありません。
このため、「バッグとフレームの相性」という問題があります。ボルトオン方式のトップチューブバッグを買う際にはご注意ください。
② TOPEAK「FASTFUEL BAG BOLT-ON」
次に試したのは、標準でボルトオン方式に対応したTOPEAKのFASTFUELです。
製品名 | TOPEAK「FASTFUEL BAG BOLT-ON」 |
重量(公称値) | 70g |
サイズ(公称値) | 幅: 40mm 全長: 187mm 高さ: 82mm |
容量(公称値) | 500ml |
こちらの記事でボルトオン方式に対応したトップチューブバッグを調べましたが、その中でも最も全長が短く(187mm)、幅も40mmと細いタイプです。
アイレット位置も調整幅が持たされており、大抵のフレームには対応しそうです。
取り付けてみると、横から見たサイズ感はいい感じ……だったのですが。
……キミ、ちょっと幅が太くない?
GE-110のトップチューブ幅は手前に来るほど細くなりますが、この位置でも幅40mmほどのはず。それよりも明らかに幅が広い。
実測してみた所、幅は48mmもありました。公称40mmなので8mmオーバーです。これはちょっとズレすぎ。
ペダリング時には私の膝はトップチューブのギリギリを通過するのですが、案の定バッグの側面に膝が当たってしまいました。
ちょっとこれでは採用することは出来ないので使用見送りとなりました。
③ TIOGA「ADV トップチューブバッグ(改造版)」
続いては、TIOGAのトップチューブバッグです。これはボルトオン非対応ですが、幅が細い&全長が短いということで改造素体に選びました。
製品名 | TIOGA「ADV トップチューブバッグ」 |
重量(公称値) | 70g |
サイズ(公称値) | 幅: 40mm 全長: 180mm 高さ: 85mm |
容量(公称値) | 500ml |
TIOGAのバッグはTOPEAKのFASTFUELに比べると確かに全長が短め。
底面に穴を開けてボルトオン改造完了です。
いい感じに取り付けられましたが……やっぱり膝に擦りました。多少、全長が短くなったので擦らないかなぁと思ったんですが。
こちらも公称40mmに対して、実測44mmありました。この4mm差が小さいようで大きい。トップチューブより少しでもはみ出すと私の膝には当たってしまうようでした。
④ TOPEAK「トライバッグ(改造版)」
次に試したのは、TOPEAKに昔からあるクラシカルなトップチューブバッグ「トライバッグ」です。
TOPEAKのトップチューブバッグの中で最も全長が短く、140mmしかありません。
製品名 | TOPEAK「トライバッグ」 |
重量(公称値) | 59g |
サイズ(公称値) | 幅: 40mm 全長: 140mm 高さ: 102mm |
容量(公称値) | 600ml |
TIOGAのバッグと比べても40mmも短いトライバッグ。さすがにこれなら膝に擦らないだろうという考え。
手早くボルトオン改造。全長が短すぎて、穴の位置が後端ギリギリです。
かなり短くて良い感じ。これならば膝に当たることもないだろう!と思ったのですが。
やっぱり膝が当たりました。ただし、これまで膝が当たっていたバッグの底面には当たらず、バッグの上側に膝が当たったのです。
具体的にはこの指で示したあたり。膝が上がり切る時にトップチューブの真上に膝の先が入ってしまうらしく、バッグの上側に当たるという事態が起こりました。
私はこれまで「幅」と「長さ」しか見ていませんでしたが、「高さ」も考えなくてはいけなかったのです。
重ね合わせると分かりますが、トライバッグはかなり高さがあります。特に後端の高さが大きいわけですが、ここに膝がヒットしてしまうわけですね。
さすがにもうこれでダメだと自分に合うトップチューブバッグはもう無いか……と諦めかけていました。
⑤ XLAB「STEALTH POCKET 200 XP」
ここで、フォロワーの「ゆー」さんからオススメいただいたのがXLAB「STEALTH POCKET 200」でした。
XLABはトライアスロン用品のブランドで、トップチューブバッグを多数ラインナップしています。
ボルトオントップチューブバックといえば、XLABのコイツが程よいサイズ感で良かったですね pic.twitter.com/05cUr2CD7f
— ゆー@冬チャリ (@YN_Chinook) September 28, 2022
こちらのバッグの特徴は、高さが非常に低く、手前に来るほど低くなっていること。そして、幅が38mmと非常に細いのも特徴。
ただし、全長は213mmと、これまで試した中でもっとも長いです。幅が細く、高さが低いとは言え、果たして他に問題が出ないものか……と気になりましたが、買ってみることにしました。
製品名 | XLAB「STEALTH POCKET 200 XP」 |
重量(公称値) | 76g |
サイズ(公称値) | 幅: 38mm 全長: 213mm 高さ: 64mm |
容量(公称値) | 380ml |
注文から結構時間が掛かって届きました。
実測重量は63gと、公称よりやや軽い。
良いなーと思ったのは、中にプラ板の骨組みが入っていること。
以前、同社のトップチューブバッグを使ったことがあるんですが、中に骨組み的なものが全く入っておらずにフニャフニャでした。ファスナーを閉めるときに変形してしまい、上手く閉められなかったのです。今回は骨組みが入ったことで、そういったこともなくなっていました。ちゃんと改良されていますね。
すごいのが、手前に来るほど幅が狭くなっているという構造。きっとこのバッグを設計した人は私と同じように膝に当たる悩みを持っていたのでしょう。
一番狭い手前側の幅はなんと実測31mm。細い!
取り付けた様子。手前に来るほど細く・低くなっていることが分かります。
ヘッドチューブに巻くストラップはありませんが、高さが低いので安定しています。
そして実走の結果ですが……ついに膝に全く当たらなくなりました!
手前に来るほど細く・低くなっている構造のおかげで全く膝に当たりません。ほんとコレを設計した人は私と同じ悩みを持っていたとしか思えなくなってきました。
全長は長いですが、こちらは特に気にならず。信号停止の時に少しバッグの後端の上に座るような形にはなってしまいますが、ペダリングには全く影響がありません。
容量は380mlと小さめではありますが、補給食を入れるだけなら十分です。そして、赤黒党の私にとっては色も完璧。
ようやく、理想のトップチューブバッグが見つかりました。
まとめ
なんとか最終的に要件をすべて満たすトップチューブバッグを見つけることが出来ました。
私のペダリングが膝を内側に入れないペダリングならばこんな苦労をすることもなかったんですが、今更染み付いたペダリングを変えることも出来ず。
もはやオーダーメイドしか無いのか……と思っていましたが、過去に印象が良くなかったXLABが理想のバッグを作っていたとは思いませんでした。気になっていた部分はちゃんと改良が加えられていましたし、何より設計が「意地でも膝に当たらないようにする」と感じられてよかったです。価格は相場より高いですが、これだけこだわっていれば納得感があります。
次のブルベはGE-110で走る予定ですが、そちらにはXLABのトップチューブバッグを付けていこうと思っています。
著者情報
年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。