mont-bell サイクルフロントバッグの軽量化カスタム

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2015年のPBPの後から、私はブルベでフロントバッグを使い始めました。

その頃からずっと愛用している、mont-bellのフロントバッグの軽量化カスタマイズの方法を述べていきます。

なお、このカスタムは私的に行っているものです。公式に推奨されたものではありませんので、自己責任でご利用ください。

目次

フロントバッグの採用動機

きっかけは、この方。

ごく普通のランドヌールに見えますが、彼は2015年のPBPを一番早く走ったBjörn Lenhardさん。現在はAPIDURAのアンバサダーも務める、ロングファストランのスペシャリストです。

彼は先頭集団と思われていた集団の前を一人で走り続けて、1200kmを42時間26分で完走しています。

「きっと、DHバーを使って、かなりエアロな装備で走ったんだろうな」と思っていた私は、彼の写真を見て驚きました。

DHバーも付いてなければ、ホイールもローハイト。もっとも驚いたのは、大きなフロントバッグを付けていたことでした。1200kmとはいえ、タイムトライアル的な走りをするのに、空気抵抗が大きいと言われるフロントバッグを使う発想は当時の私には無かったからです。

彼のインタビューを見ると、「フロントバッグに食べ物をたっぷり詰めて、なるべく止まらない作戦で走った」とのことでした。確かにPBPではチェックポイント内の移動でかなりの時間を取られます。そういった時間を省き、食べ物だけをサポートカーなどから貰えば(ルール上、チェックポイントの前後5kmの範囲でないとサポートは受けられない)、ほぼロスなしで走り続けられるわけです。


この出来事を見て、「これは普段のブルベでも活かせるのでは?」と思い始めました。

ロングライドのスピード域は早くても時速35km前後。このスピード域ならば、「空気抵抗によるロスよりも、補給による停止時間を減らせる&常に補給をし続けられるメリットが勝るのではないか」と。

早速、PBPの次のブルベであった「東北1000」に実戦投入。補給場所の少ない東北のコースでは「常に補給し続けられる」メリットをかなり感じました。道中10時間以上寝た割にはタイムも上々。やはりブルベの速度域だと、フロントバッグは短所より長所のほうが多いことが分かりました。

300km以下のブルベではオーバースペックなので付けませんが、400km以上のブルベでは以後必ずフロントバッグを付けて走っています。

mont-bell サイクルフロントバッグ

私が使っているのは、mont-bellのサイクルフロントバッグです。

【MONT-BELL】(モンベル)フロントバッグ #1130385(自転車)4548801141912

選んだ理由は以下です。

① ハンドルより上にバッグがはみ出さない。
② 割と安い
③ それなりに軽量
①は、ライトとの共存のため。意外とライトと共存出来ないフロントバッグって多いんですよね。
②は、そのままの意味。約4000円です。中華製品などと比べると高価ですが、オルトリーブやCHROMEと比べると安価です。
③は、オルトリーブやリクセンカウル、オーストリッチから出ているような箱型のフロントバッグに比べての評価です。箱型のフロントバッグは容量も大きく、中身へのアクセスも便利なのですが、軒並み500g以上と重いのです。その点、ドラム形のmont-bellのサイクルフロントバッグは、210gとなかなか軽量に仕上がっています。

もう少し軽くしたい

「比較的」軽量ではあるものの、210gという重量はライト2本分の重量があります。もう少しだけ減らせないか?と思うようになりました。

具体的に行ったのは、以下の2つの方法です。

① ストラップをタイラップ(リピートタイプ)に交換する。
② 骨組みのプラ板を薄いものに交換する。
それぞれについて方法を解説します。

① ストラップ → タイラップ

サイクルフロントバッグには、3本のストラップが付属します。ハンドルに2本、ヘッドチューブに1本を取付けて固定します。

このストラップ、取り外しは不便・走っているうちに緩んでくる等、あまり良いことがありません。その割に、3本で20gの重量があります。

用意するもの

付属のストラップ、以下の取り外し可能なタイラップに交換します。

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こちらの場合、重量は3本で10g。元のストラップより10gの軽量化となります。

取付方法

100円ショップでもリリース可能なタイラップは売っていますが、劣化速度が早いものが多いです。その点、この「リリースタイ RS-200HC」は耐熱・耐候タイプで、長く使っても劣化したりすることがありません。また、取付け方を間違えなければ緩むこともありません。

このタイラップを取り付ける時に注意したいのは、「取付け方向がある」ということです。

こちらが正しい方法です。タイラップをリリースするツマミが上を向くのが正しい方向です。

こちらはダメな例。ツマミが下を向いてはいけません。

なぜダメかというと、この向きだと、バッグとツマミが接触し、タイラップがリリースされて緩む可能性があるためです。

正しい方向で付ければ、緩むこともなく、かつ軽量でメリットだらけ。

ただ、あまり重いものを入れると予期せぬ脱落が起こる可能性があります。タイラップの耐荷重は1本で45kgまでなので相当余裕はありますが、私は入れても500gまでに留めます(中身はほぼ補給食)。キログラム単位のものを入れないようにご注意ください。

② 薄いプラ板に交換

mont-bellのサイクルフロントバッグには、形状を保つためのプラ板が入っています。

その重量は、何と90g。210gのバッグのおよそ半分はプラ板の重量なのです。これをもっと軽いものに交換すれば、かなりの軽量化が可能になります。

用意するもの

元々入っているプラ板の厚みは1mm。最初はかなり軽くしようと思って0.3mmのプラ板を使ったのですが、これはしばらく使ったら割れてしまいました。以後は0.5mmのプラ板を使っています。

私が使っているのは、ミニ四駆で有名なタミヤのプラ板です。

工作方法

このプラ板に、フロントバッグから取り出したプラ板を重ねて、油性ペンで型取りをして切り抜きます。

切り抜き後。上記は3室あるうちの真ん中の部屋のプラ板です。サイドの2室のプラ板も同様に切り抜きます。

バッグに入れるためには、少し丸くなるようにクセを付けてあげないといけません。そうしないと、中に入れた時に割れてしまいます。少し丸めた状態でドライヤーの温風を当てて、形にクセを付けます。

クセの付いたプラ板をフロントバッグに戻して出来上がりです。

0.5mmのプラ板で作った場合、元々よりも約45gの軽量化となります。

まとめ

ストラップで10g、プラ板で45g軽量化し、最終的にフロントバッグの重量は155gになりました。

なんとか許せる程度の重量になったと思います。また、上記の改造を加えた上で数年走っていますが、特に問題は起きていません。タイラップを無くしてしまった時に変えたくらいでしょうか。

軽量かつ、それなりに容量があるフロントバッグをお探しの方の参考になれば幸いです。

著者情報

年齢: 35歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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