新型デュラエース(R9200) 試乗レポート

  • 2021年11月14日
  • 2021年11月15日
  • コラム
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TREK BICYCLE 六本木店で、新型デュラエースに試乗してきました。

試乗の経緯

今日は先日作ったアイウェアのフィッティング調整が目的で都内に赴きました。

そこで思い出したのがこちらの記事。そろそろ新型デュラエースを触ってみたいと思っていたので、寄り道をしてみることにしました。

神保町店に赴くも……

目的のアイウェアの調整は御徒町で行うわけですが、御徒町から一番近いTREK直営店は神保町。試乗車も、私に合う54サイズがあるので、こちらに伺ってみることに。

つい昨日ミステリーブルベで前を通ったばかりなので1日ぶりの訪問。しかし……

「すみません、当店の試乗車はメディア貸出中で……」

ということで乗れませんでした。

そこでご案内頂いたのが青山店と六本木店。

まず青山店に電話を掛けてみると、こちらは試乗車が回ってきていないとのこと。Cyclowiredの記事中にも名前はなかったですし、仕方ないですね。

次に六本木店に電話を掛けてみると、こちらには試乗車があるとのこと。ただしサイズは52。ちょっと小さいですが乗れないことはないでしょう。六本木店に行ってみることにしました。

六本木店へ

新御茶ノ水から千代田線で電車に揺られ、乃木坂駅から1kmほど歩いて「TREK BICYCLE 六本木店」に到着。(多分)初来店。

レジで新型デュラエース搭載車に試乗したい旨を話すと、特に先客もなかったのですぐに試乗のご案内を頂くことが出来ました。試乗の手続きは以下のような感じ。

・身分証明書の提示
・試乗の申込書を記載
・ペダルの種類とサドル高を指定
あとはヘルメットをお借りして、いざ試乗へ。

R9200(電動変速・油圧ディスク) 試乗レポート

六本木店の周囲を、坂を含めて走行。家を出てから試乗に行くことを思い付いたので、思いっきり普段着にフラペで乗ってます。

部位ごとに感想を書いていきます。

STI

まず一番気になっていたSTIから。

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私はシマノの前世代の機械式変速・油圧ブレーキのSTIがあまりに重すぎて、リムブレーキ用STIの使えるメカニカルディスクに移行しました。それくらい、STIの重量というのはフィーリングに与える影響が大きいことを知っています。

最新の電動油圧、そして無線化したSTIである「ST-R9270」はどうなのか?

 

結論から言うと、「軽い」です

立ち漕ぎや信号加速でも、STIの重量に起因する「重ったるさ」は無し。さすが電動デュラエース。

無線式になったおかげで、ハンドリングも軽くなっていました。カーブの際もハンドルが軽いです。

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スペック上の重量は左右で350gと、前世代のR9170よりは増量していますが、気になるほどの重量ではないです。少なくともフレームの性能をきちんと引き出せるだけの軽さに仕上がっていると思いました。

 

STIの頭の部分は「握ってエアロポジションを取りやすくした」そうですが、確かに握りやすいです。まぁ、別に無くても私は困らないとは思いますが……(それよりも軽くして欲しい)。

 

なお、シマノの油圧STIに共通の動きである「レバーが本来とは逆向きに動く」仕様はR9270でも踏襲されています。これ、異音の原因になるので個人的には嫌いなんですけどね。

変速周り

「とにかく変速が早い」という話は本当なのか?

 

いや、本当に変速が早かったです。

特にフロントは爆速と言っても良く、R8050(電動アルテグラ)を使っている私からしても別次元に感じました。

 

リヤももちろん軽いんですが、フロントほどの感動はなかったです。

「踏みながら変速しても大丈夫」という話を聞いて半信半疑ながらやってみましたが、これも本当でした。

ただ、自分で使うとしたらやっぱり変速時はトルクを緩める気がしますが。そちらのほうがドライブトレインに対して優しいと思いますしね。

 

あまり見ない角度のRD写真。このリアディレイラーだけで8万円です。

ブレーキ周り

制動性能は従来のアルテグラでも不満はありませんでした。

個人的に問題だと感じていたのは、「パッドとローターとの間で擦れ音が発生しやすい」ということ。特に坂で立ち漕ぎをするような、自転車を捻る動きをする際に擦れ音が出ていました。

こう言った声は他にもあったようで、R9200ではパッドとローターのクリアランスを10%してきました。実際その成果はあったのか?

 

試しに六本木の坂で立ち漕ぎをしてみましたが、ローターとパッドが触れるような音はせず。たった10%と言えどクリアランスを広げた効果はあったように思います。

 

一応クリアランスの写真も撮影してみましたが、目で見ても分かりませんね。

ただ、クリアランスが広がったことで、レバーを握ってからパッドがローターに触れるまでの握り量は若干増えている感じ。これが調整可能なら良いのですが、油圧だと手動調整は難しそうです。

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グロータックのEQUALブレーキはそういった調整は可能です(布教)。

クランク周り

R9270クランク、写真だと微妙な印象を受けましたが、本物は中々カッコよかったです。

そして、FDもクランクに合わせて黒くなっているのは良いですね。クランクとの一体感があります。

 

面白かったのは、クランクの「DURA-ACE」の文字の部分が凹んでいること。

なんでも、シューズでクランクの文字を擦って消してしまう人が多いから、それを避けるための処理だとか。私のDURAクランクも「U」の字が消えてますし、何気に嬉しい処理かもしれません。

試乗車について

今回の試乗車は、「EMONDA SLR9 R9200」という、TREKのフラグシップ完成車です。

お値段、なんと1,424,500円

超高級車です。私にはちょっと買える気がしません。

乗り味は素晴らしかったです。高いだけのことはある。登りの反応も良く、下りの安定感も素晴らしい。うちの子(INFINITO CV)が一番可愛いとは思っていますが、このフレームも実に良いフレームです。

ただ、その良さを実感できるのは、R9200(電動変速・油圧ディスク)が、フレームの良さを消さないコンポーネントだからです。

恐らくR8020(機械式変速・油圧ディスク)が付いていたら、このフレームの良さも覆い隠されてしまうでしょう……

こちらの試乗車はペダルレス状態で6.7kg。ペダルが付いても7.0kg。ディスクロードとしてはかなり軽く仕上がっていました。

R8100(電動変速・油圧ディスク) 写真だけ

TREK BICYCLE 六本木店には、新型アルテグラの車体もありました。現実的に買えるとしたら、デュラではなくアルテの方なので注目。

こちらは試乗車ではなく売り物だったので写真だけ撮らせて頂きました。

 

まずはレバー。こちらはデュラとの違いはあまり見えません。重量はデュラ比較で+41g。

 

一方、クランク周りはデュラと差別化が激しい部分です。ロゴの部分の凹みもなく、ディレイラーも従来の銀色。

 

ディレイラーもクランクと同じくつや消しカラー。

まとめ

R9200、非常に良かったです。……買えないけど(セットで45万円)。

とりあえず、「将来的に電動油圧にしてもそこまで不満は無さそうだな」という確証が得られたのは良かったです。

私はグロータックのEQUALブレーキで満足してしまったので特に乗せ換える気はないのですが、いつまでもリムブレーキ用STIが供給されるとは限りませんからね。いよいよとなった時に、移れる先があるというのは重要です。

R9200は、個人的には地獄だった「機械式変速・油圧ブレーキ」のコンポと違って、ちゃんとフレームの性能を引き出せるコンポとして仕上がっていると感じました。

デュラエースでこの完成度なら、アルテグラも悪くはないことは予想できます。……まぁアルテグラでも相当高いのですが(セットで28万円)。

シマノもアルテグラ以上のグレードでは「機械式変速・油圧ブレーキ」の方式は廃止しましたし、今後私のように「ハンドルが重い!!」と悩む人は出てこなくなるはずです。

しかし高いよなぁ……。


最後に、試乗車を用意して下さったTREK BICYCLE 六本木店の皆様に感謝を申し上げます。EMONDAの印象が良かったので、将来の一台の選択肢に追加しようと思いました。

著者情報

年齢: 37歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019年の2回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間13分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)