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ここ10年でロードバイク界で流行った新技術
本記事は、【ロードバイク Advent Calendar 2021】 8日目の記事として作成されました。
ここ10年(2012年~)でロードバイクの周辺で流行った技術を思い出してみる……という記事です。
現在も継続発展中の技術もあれば、一瞬の煌きを放って廃れてしまった技術もあります。「え、これ意外と最近なんだ!」「そういえばこんな技術もあったなー」と話の種にでもして頂ければ幸いです。
まえがき
2021年現在、ロードバイク界隈はかつてない変革の真っ只中にあります。
その「かつてない変革」は、言うまでもなく「ディスクブレーキ化」のことです。
最大の変化「ディスクロード」
100年以上、ロードレースの世界で標準であったリムブレーキの席に、ディスクブレーキが座ろうとしているのは皆様ご承知の通り。
個人的には最初に手にしたディスクロードの出来が酷いものだった&別にリムブレーキで何も困っていなかったこともあり、ディスクロードへの移行には慎重な姿勢でした。
だがしかし。2021年12月現在、各メーカーのミドルグレード以上はすっかりディスクロード一色。リムブレーキのロードバイクはエントリーモデルのみに追いやられました。大手メーカーからは新作ホイールも発売されなくなり、既に存在するラインナップも次々と廃版に。
半ば強制的にリムブレーキ時代の終焉を告げる「蛍の光」を聞かされている状態となっています。
正直、私は10年くらいは移行期が続く or どこかでリムブレーキ回帰が起こるのではないかと2017年頃は考えていました。
ディスクロードも登場時の勢いはかなり弱く、数年で消えそうに見えました。登場しては数年で消えていった数多の「新技術」と変わらないものに思えたわけです。軽量を是とするロードバイク界が重量増となるディスクブレーキ化を選ぶはずがない。そう思っていました。
しかし、業界の盟主・SHIMANOが全面的にディスクロード化を推し進め始めると、ものの数年でロードバイクはディスクブレーキ一色になりました。私の予想は完全に外れたわけです。
流行り廃りを振り返る
振り返ってみると、ここ10年間だけでもロードバイク界には色々な流行り廃りがありました。
ディスクブレーキ化ほどではありませんが、流行った技術は多数。中には短期間で消えてしまったものもありました。
そうした新技術の流行り廃りを振り返ることで、何かしら発見があるのではないか?と思い、この記事を書いてみることにしました。
ただの懐古になるかもしれませんが、しばしお付き合いください。
この記事の対象とする範囲
あまり手を広げすぎても収拾がつかないので、この記事の対象とする範囲を最初に定義します。
① ロードバイク関連で流行った技術であること
あくまでロードバイク関連に限定します。
グラベルロードやシクロクロス、TTバイクなどは今回は対象外です。まず、私が全然知らない。
そして、大抵のロードバイクの技術は先行してMTBの世界で一度流行っているものですが、ロードバイク界隈で流行った時期を基準とします。
② 2012年以降に一般化した技術であること
ここ10年ということで、2012年以降に一般化した技術を対象とします。
全くの新技術でなくても、リファインされた過去技術のリバイバルも対象です。
なお、電動変速(2009年~)やGPSサイコン(2008年~)など、それより前にある程度一般化していたものは対象外です。
ちなみに2012年のツール・ド・フランス総合優勝者は誰だったかと言うと……
チームSKYのブラッドリー・ウィギンスでした。総合2位は同じくチームSKYのクリス・フルーム。
2012年は、ここから長く続くSKY(INEOS)時代の幕開けの年です。彼らが作ったトレンドはかなり多かったように思えます。やっぱり時代の第一人者のやることは流行りますからね。ただ、一番大きな波であるディスクブレーキ化に最後まで抵抗したのもまたSKYだったりするのですが。
そのウィギンスの優勝バイクがこちら。
リムブレーキ、カーボンチューブラー、一般的なステムとハンドル、楕円チェーンリング。もはや「懐かしさ」を凝縮したようなマシンに見えてしまうのが怖い所。
③ 世界的に流行った技術であること
全世界で流行った技術を対象とします。さらに、複数の大手メーカーが追従していることも条件です。
日本で局所的に流行ったもの(RWS、例のポンプ、ナカガワワッシャーなど)は対象外です。
それでは、次ページからカテゴリ別に「この10年で流行った新技術」を見ていこうと思います。