ここ10年でロードバイク界で流行った新技術

  • 2021年12月8日
  • 2021年12月10日
  • コラム
  • 76346View
  • 0件

最後は、トレーニング周りの話と、ここまでのカテゴリに分類されなかった新技術を紹介します。

 

トレーニング周り

ロード系のトレーニングについても、この10年でガラリと事情が変化しました。パワーメーターの普及は大きな変化だったと思います。

パワーメーター

パワーメーター、とりわけクランクタイプの普及がこの10年で進みました。

2010年前後もパワーメーターは存在していましたが、主流はホイールのハブで計測するタイプ。具体的には「Power Tap」が有名でした。

しかしハブタイプのパワーメーターは手組みのホイールを使わざるを得ず、またハブ自体の重量も重いという弱点がありました。

 

cyclowired

プロ選手を始めとしたトップアスリートだけではなく、アマチュアサイクリストの間でも広まりを見せるパワーメーター。様々なモデ…

2015年頃に登場した「STAGES」のクランク型パワーメーターが流行のキッカケだったと思います。

好きなホイールを使える上に、重量増は20g程度。左クランクのみを交換するだけで使え、値段も10万円以下で人気を集めました。

 

流行を決定的にしたのは、4iiiiだったと思います。実売50000円以下という低価格で実用的な精度を備えていたことで爆発的に普及しました。私も2本持ってます。

この10年で様々なパワーメーターが登場しました。以下に例を挙げます。

 

・ハブに掛かる歪みを計測するタイプ(ハブ型)
・クランクに掛かる歪みを計測するタイプ(クランク型)
・ペダルに掛かる歪みを計測するタイプ(ペダル型)
・心拍数変化で計測するタイプ(PowerCal)
・タイヤの空気圧変化で計測するタイプ(AEROFLY)
・風圧の変化で計測するタイプ(iAero)
・チェーンのテンション変化で計測するタイプ(Polar Power Sensor)
・ローラー台の負荷とスピードで算出するタイプ(ミノウラ ワットマスター)

現在でも生き残っているのはクランク型とペダル型くらいでしょうか?

パワーメーターが普及したことで、それまで主流だった心拍計を使ったトレーニングは下火になり、パワートレーニングが一般的になりました。

VRトレーニング(ZWIFT)

ここ数年で爆発的に増加したのは、ローラー台とトレーニングアプリを使用したVRトレーニングでしょう。

オンラインでバーチャルレースの行えるZWIFTが人気の火付け役であったことは間違いないと思われます。トレーニングはローラーのみという人も増えました。

 

ZWIFTでは有名な選手も時たま走っており、バーチャルながらあこがれの選手と一緒に走れる世界でもあります。写真は、カヴェンディッシュを追走したときのもの。

 

VRトレーニングと共に普及したのが、ダイレクトドライブタイプのスマートローラー(写真は、Tacx「NEO SMART」)。

パワーメーターを内蔵していることが多く、騒音も少ないため日本の住宅事情にもマッチ。大いにVRトレーニング人口を増やしました。

 

その他

アクセサリ関連と、サドルに関する技術がありました。

充電式ライト(リチウムイオンバッテリー式)

レースとは関係ありませんが、夜間走行には必須であるライト。今やすっかり充電式のライトが当たり前となりましたが、実は主流になったのはここ10年の話です。

ブルベというライトが重要なイベントに参加している私にとっては、ライトのトレンド変化は大変重要なものでした。

 

もはやすっかり古代の遺物に見えてしまう、電池式ライトの代表格「CATEYE EL-540」ですが、このライトの発売は2011年の秋です。ちょうど10年前ですね。

2012年頃まではまだまだ電池式のライトが主流でした。あまり充電式のライト自体が売っておらず、ブルベの人たちはエネループ電池を大量に持って走っていたはずです。

 

転機となったのは、2013年秋にリリースされたCATEYEの「Volt300」だったと思います。

交換可能なカートリッジ式バッテリーを採用し、100ルーメンで8時間点灯という実用的なスペックを持っていました。

このカートリッジ式バッテリーの中身は、充電可能リチウムイオンバッテリーである「18650」バッテリーです。

元々はモバイルバッテリーやノートPCに使用されていたバッテリーでしたが、2010年頃から自転車ライトの世界にも入ってきました。ライトメーカーのMoonはかなりリチウムイオンバッテリーの採用が早かったと記憶しています。TOPEAKは随分遅かったような。

リチウムイオンバッテリーの採用により、フロントライトの明るさとランタイムは飛躍的に向上。今や充電式ライトはロードバイク用ライトの定番となりました。

 

最近では、18650よりも大容量な21700・26650タイプのバッテリーを採用したライトも出てきました。

ショートノーズサドル

元々はトライアスロンで流行った、先端部分が切り落とされたような形状のショートノーズサドル。ロード界隈でも2015年頃からにわかにその数を増やし始めました。

前傾姿勢での快適性を挙げることを目的としており、これもエアロ化のための変化ということになります。

 

流行のキッカケは、SPECIALIZEDのPOWERサドルだったと思います。

その後、SHIMANO PROやPrologo、FIZIKといったメーカーも次々にショートノーズサドルを導入。今や定番サドル形状の一つとして認知されるようになりました。

3Dプリンタ製サドル

もうひとつサドル分野で最近流行しているのが、3Dプリンタで出力したパッドを使用したサドルです。

パッドの部分ごとに柔らかさを調整できるということで、より快適さを求めたサドルということになります。

 

cyclowired

フィジークから新作のレーシングロードサドル「ANTARES VERSUS EVO 00 ADAPTIVE」が登場。革新的…

初登場は2020年、FIZIKの「ANTARES VERSUS EVO 00 ADAPTIVE」だったと思います。

 

cyclowired

スペシャライズドが新作のレーシングサドル「S-WORKS POWER WITH MIRROR」を発表。3Dプリントによる…

これに追従したのがSPECIALIZED。前述のPOWERサドルのパッドを3Dプリンタ出力のものに変更。

どちらのメーカーも、アメリカのカーボン社という会社が提供するパッドを使用しています。最近では中華サドルにも似たようなものが出てきたようですが……。

 

次ページ: 選外の技術&まとめ


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019年の2回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)