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Northwave「Celsius XC GTX」ファーストインプレッション
Northwaveのウインターシューズ「Celsius XC GTX」を買ってみました。
購入まで
サイクルスポーツを読んでいると、ウインターシューズの特集が目に入りました。
サイスポのウインターシューズ特集
サイクルシューズにも「冬用」というのがありまして、足首まで覆う防寒性の高い「ウインターシューズ」を各メーカーが出しています。
サイスポ2023年1月号では、それらのシューズを紹介する特集が組まれていました。
私は足先・指先が冷えに弱いので冬になると色々と対策をしていますが、「これ!」という決定版の対策には出会えていません。
過去に購入したウインターシューズ
実は、過去にも一度ウインターシューズを注文しています。
2014年に購入したシマノのMW81。確かに防寒性は高かったのですが、足首が固くて動かしにくいという点が気になりました。
最大の問題はこの足首部分。「WATER RESISTANT」という記載がありますが、完全防水というわけではありませんでした。
冬の雨ブルベで使用し、ここから浸水。ウインターシューズは防水性が高いので、一度水が入ると抜けてくれません。中まで浸水したシューズで冬のブルベはかなりキツく、酷い目に遭ったことを覚えています。
最近のウインターシューズはどうなのか?
以来、しばらく敬遠していたウインターシューズですが、最近はどうなのか?
Cyclowiredのこちらの記事には以下の記載がありました。
ノースウェーブのウィンターシューズの特徴は「クライマフレックスカラー」というハイカット部分を含む構造と、それらに用いられるゴアテックス社の素材にある。ハイカット部分に柔軟なネオプレン素材を使用することで、足首を生地で覆ってしまってもペダリングや歩行の動作を妨げにくく、着脱も容易に行えるようになっている。
さらに、クライマフレックスカラーにはゴアテックス社の防風防水メンブレン”Gore-Tex Rattler”素材を使用し、冬場の身を切り裂くような冷風や雪、水分の侵入を許さない性能を実現。このメンブレン+ネオプレン部分は足首部分だけではなく、足の甲まで続いており、高い防風性能に加え包み込むなフィット感ももたらした。
足首部分はただのネオプレーンではなく、ゴア社の「Gore-Tex Rattler」という防水素材を使っているとのこと。これは期待できる。
私はブルベではSPDペダルを使っているので、今回はNorthwaveの「Celsius XC GTX」を購入したのでした。
ファーストインプレッション
まだチョイ乗りしかしていませんが、感想を書いておきます。
重量
43サイズ、左右セットで889gでした。クリートは付けていない状態です。
普通のSPDシューズ(片足320gくらい)に、シューズカバー(片足100gくらい)を付けて850g。それよりも40gほど重いことになります。
装着
ウインターシューズの特徴として「履きにくい」というのがあります。
防寒性を高めるためだと思うのですが、足首部分が割りとタイトに作られていて、更に口が広く開かないモデルが多いのです。
Celsius XC GTXもやはり履きにくいです。一応、ループが2つ付いていて、これを前後に引っ張ることで履きやすくなる……と説明されていますが、履きにくいです。
あと、ベルクロ式ではないので足首部分はフィット感の調整ができません。防水性を高めるためだとは思うのですが、ちょっと残念な部分ではあります。
クロージャーはBOAのようでBOAではない、Northwaveオリジナルの「SLW2ダイアル」を採用。
ダイヤルは締まる方向にしか回せません。上に付いているボタンを1回押すと微妙に締まり、ボタンを引き上げると一気にリリースが出来るという仕組み。最初はリリース方法が分からなくて戸惑いました。
フィット感
Northwaveのシューズは海外モノとしては珍しく、日本人の足形にもフィットするものが多いです。感触としてはシマノのノーマル幅シューズに近い感じ。
ただ、今回は若干横幅がキツいようには感じました。小指が微妙に当たる感じ。あまり伸縮しないウインターシューズだからですかね。
足首部分は若干硬いものの、シマノのものよりは動かしやすかったです。
防寒性
さて、期待した防寒性はどうだったか?
5℃くらいならばシューズカバー無しでも指先が痺れてくることはありませんでした。ただ、2℃くらいまで降りてくると少々厳しい。もう少し低くても行けるかと期待していたんですが……。
本製品の対応気温は-3℃までとなっていますが、欧米人の感じる-3℃と、日本人の感じる-3℃では意味が違うのかもしれません。
ポジションの違和感
このシューズを使ってみて一番気になったのは、「なんかサドルを低く感じる」という点です。
サドルを低く感じる……ということは、普段履いているシューズよりも靴底が厚い可能性があるということです。靴底が厚くなれば、足はその分だけ上に持ち上げられるわけで、サドルが低くなったように感じるわけですね。
ウインターシューズは防寒性を高める意味で、靴底を厚くしている……というのは十分に考えられる話です。
そこで、デジタルキャリパーゲージという計測機器を買ってみました。これを使って、クリート取り付け部分の厚みを計測して比較します。
まず、普段履いているSHIMANO「XC100」を計測。インソールを含んだ厚みは13.1mm。
次に、Celsius XC GTXを計測すると、20.2mmもありました。XC100よりも7.1mm厚い。つまりサドルが7.1mm下がったのに等しい変化があったわけです。違和感は間違っていませんでした。
インソール同士の厚みを比較してみましたが、こちらは大きな違いはなし。純粋に靴底が厚いということのようです。
防水性
足首部分に水を掛けて擦り付けてみましたが、裏側への浸水はなし。さすがに防水性はしっかりしているようです。
その他
誇らしげに刻まれる「GORE-TEX」の文字。ランドヌールはGORE-TEXに弱い。
まとめ
とりあえず40kmほど乗ってみましたが、早速イマイチな点が多く発見されてしまって頭を抱えています。
特に靴底が7.1mmも厚いというのは結構な問題。私の体はこの手のポジション変化に割りと過敏でして、以前スタックハイトの高いペダルを使って足首を痛めたことがあります。7mmも違ってしまうと、また足首の故障につながる可能性は十分にあるはず。
対症療法として「冬の間だけサドルを上げる」というのも考えられますが、2台あるロードバイクの両方のポジションを変えるのにも抵抗があります。
もしかしたらこのままお蔵入りになるかもしれません。結構高かったんですけどね……。
著者情報
年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。