GHISALLO「GE-110」を注文

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GHISALLOのエンデュランスロード「GE-110」を注文しました。

気になっている方向けに、購入の動機と各パーツの実測重量を書いていきます。

目次

購入まで

結構長いこと「欲しい」とは思っていたんですが、実際に買うまでには1年ほど掛かりました。

サイクルモードでプロトタイプを見る

初めてGE-110(のプロトタイプ)を見たのは、2022年4月のサイクルモードでした。

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「ブルベをターゲットに製作」というキャッチコピーには惹かれたものの、その一方で「大丈夫なんだろうか」という思いもありました。

それまでにも何度か「ブルベ用」を冠した製品というものは出てきていましたが、現場をちゃんと見ているのか疑問に思う製品も多かったことが理由です。

ご自身でブルベにも精力的に参加している三船さんが監修ということで問題はなさそうとも思いましたが、どこまで関わっているかもこの時点では知りません。

LELでの最終テスト記事を読む

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2022年8月に開催されたLEL(1500kmブルベ)に三船さんがGE-110の最終プロトタイプで参加・好記録で完走したという記事を見て、「思いのほかしっかり監修された製品なのだな」という印象を持ちました。

一口に「監修」と言っても、単純に名前を貸しているだけのものから、しっかり設計にまで目を光らせているものまであるはずです。今回は後者なのだろうと思えました。

一度目の試乗

GE-110の発売は2023年2月と発表されましたが、それに先駆けて2022年12月に試乗会が行われました。

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興味があったので、喜び勇んで試乗。

乗ってまず思ったのは、「従来のエンデュランスロードの乗り味とは違う」ということ。わざとらしく剛性を落として……という感じはなく、乗り味は「レース向けの普通のロードバイク」。

それでいて、積載に必要なアイレットはたっぷり装備。フォーク横のアイレットは省略されたものの、いわゆるロードバイクでは最大級のアイレット数のはずです。

個人的にはずっと従来の「剛性を落としてサスペンションを付けて……」みたいなエンデュランスロードの風潮には違和感がありました。その一方で、「荷物が積みやすいTCRみたいなバイクが出ないかな」とも思っていました。

GE-110はまさにその「あったらいいな」が形になったようなバイクだったわけです。ケーブル完全内装だったり、泥除けへの対応があまり考えられていない点には違和感があったものの、「気になるフレーム」の筆頭に躍り出ました。

……が、その直後にPBPへの参加が家庭内会議で決定されたので、一旦GE-110の話は棚上げにすることに。

金銭的な問題もありますが、PBPのための機材選びには大変なリソースを取られることが分かっていたので、大物のフレーム購入検討はしていられないという判断です。

この時の試乗の感触が良かったので、直後に寄稿させてもらったサイスポの「欲しい物」を挙げるコーナーでは、GE-110を取り上げさせて頂きました。

二度目の試乗

2023年6月、幕張で開かれた試乗会に参加しました。

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この日の目的は、「積載状態での試乗」。

1度目の試乗では荷物無しで乗ったわけですが、GE-110は「荷物積載状態でも走行への影響が少ない」というのが売りだったはず。その状態で乗ってみたいと思ったのです。

そういった声が多かったようで、幕張の試乗会では「1リットル入りのペットボトルを4本付けた試乗車」が用意されました。

実際にその状態で試乗してみました。

普通、これだけ荷物を積むと自転車を横に振るような動きをすると「(荷物に)持っていかれる」ような感触があるわけですが、そういった感触がほとんどありませんでした。

ちょうどその日に会場にGE-110の設計担当者であるフカヤ・牧さんが来られていたのでその秘密を聞いてみました。

単純に「ボトルケージの位置を自転車の重心位置に近づけている」ことに加えて、「ボトルケージのアイレット周辺のカーボン積層を強化している」というのが工夫の正体でした。

ここが弱いと自転車を左右に振った際にボトルケージの根本が揺れてしまい、結果として荷物全体も揺れることになります。荷物がフレームと違うリズムで揺れることで、自転車全体の挙動に影響を及ぼすことになるわけですね。また、重すぎる荷物を付けるとアイレット自体がモゲる可能性もあります。

ではそこを強化するとどうなるか。荷物が揺れずに自転車の動きに追従するので、挙動が安定します

普通のロードバイクでは絶対にやらない工夫ですし、思いついても実行には移さないでしょう。普通のロードバイクはレースの道具であり、積載については特に考える必要がないからです。

今回、ターゲットをブルベ(と国内のロングライド)に絞ったことで、こういう思い切った工夫が可能になったわけですね。実に面白い。この辺りは三船さんの要望が反映されているとのことでした。

……とはいえ、この時期はPBPの直前期だったので、購入検討はまた保留しました。

購入検討

2023年8月、PBPが無事に終了。しばらくは物欲も減退していましたが、10月になると物欲が復活。保留にしていたGE-110の購入検討を始めることにしました。

競合製品の分析

GE-110は実際に試乗してみて「欲しい」とは思えたのですが、現状のエンデュランスロード界では他にどういう製品があるのか気になって分析してみました。もっと私の用途に合う製品があるかもしれないですし。

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調べた結果がこちらの記事です。

予算が許せば気になるフレームはありましたが、予算も考慮するとやはり私にはGE-110が最適という結論になりました。

ポジションの再現検討

一番手こずったのがここです。

GE-110の乗り味は「オールラウンドなロードバイク」だったのですが、唯一「ハンドルの高さ」だけは従来のエンデュランスロードと共通でした。

普通に組むとハンドルが高すぎるため、何とかポジションを出すために「ステム探し」を行いました。

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その検討をまとめた記事がこちらです。

FSAのSL-K MTBステムで何とかポジションが出ることが分かりました。

注文

一番の懸念事項だったポジション問題が解決した12月中旬、サイクルキューブさんからGE-110の注文を行いました。

ちなみに私はこちらの店に10年以上通って、今回が初めてのフレーム購入でした。パーツ購入やら整備ではずっとお世話になっていたのですが、これでようやく「客」になれた気がします。

そしてこちらが店に届いたフレームセットです。専用の緩衝材入りの箱で届くというのが何か嬉しい(店側としては処分が大変だそうですが)。

最近、限定カラーの「シャイニングホワイト」が出ましたが、私は黒寄りのフレームが好きなので「オキシダイズドシルバー」を選びました。

シートポスト・ハンドル・ステム(いずれもフルカーボン)が付属して253000円(税込)。今の時代にはかなりのお値打ちフレームです。

重量測定

せっかくなのでフレームと付属品の重量測定を行いました。

スルーアクスルシャフトは測り忘れたので、組み上がり後にまた測定します。

フレーム本体

Mサイズで実測920gでした。Sサイズ未塗装で公称850gなので、だいたい予想通りの重量です。

フォーク

実測376g。

公称が未塗装・コラム未カットで400gのはずなので随分軽いですね。実使用時には350gを切りそうです。

ステム

実測175g(10°/100mm)。

かなりゴツめのフルカーボンステムということで重量もそれなりにあります。使用者の方いわく、剛性もかなり高いとのこと。

ハンドル

実測277g(C-C:420mmサイズ)。

フルカーボンのハンドルとしては重量級ですが、エアロ形状かつフル内装用の穴が開いている(その分だけ強度が要求される)のでこれくらいの重量にはなるでしょう。

シートポスト

実測175g(27.2mm径)。

こちらはかなり軽いですね。27.2mm径で350mmほどの長さのカーボンシートポストでは200gが相場ですが、そこを25gも下回っています。

人にもよりますが、適切な長さにカットすれば150gくらいになりそうです。

予定構成

現在の予定パーツ構成を書いておきます。

基本的には、INFINITO CVからのパーツ載せ替えになります。ブレーキはワイヤーで引く機械式。変速も電動ではなく機械式です。

ブレーキ

メカニカルディスクブレーキのGROWTAC「EQUAL」を使います。

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コンポーネント

EQUALブレーキを引くためには、リムブレーキ用のSTIが必要です。

これまでINFINITO CVで使っていたST-9001を引き続き使用します。

クランク(FC-R9100-P)、FD(FD-R8000)、RD(RD-R8000-SS)もINFINITO CVから流用します。

ホイール

アルテホイール(WH-R8170-C36/C50)を付ける予定です。

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後輪のみ、GROWTACのEQUALハブで組み直しています。

ステム

前段で述べた通り、今回ポジションを出すのにはFSA SL-K MTBステムくらいしか選択肢がありませんでしたのでコレを使います。

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ヘッドパーツは、同じくFSAのSRS No.69。トップキャップからケーブルをフレーム内に引き込むためのヘッドパーツです。ハンドルを少しでも下げるためにこちらを導入します。

ハンドル

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9月いっぱいで3Tが日本から撤退してしまいましたが、その影響なのかハンドルが投げ売りされていました。

私が普段使うハンドルは、C-C400mmなんですが、今回は思う所あってC-C420mmのハンドルを試そうと思っています。

ちょうど投げ売りされていた中に「ERNOVA TEAM 420mm」があったので購入。ERGONOVAの後継品なので、普段使っているものと形は同じで慣れています。今回はこれを取り付け予定。

シートポスト

ここは未だに迷っています。

ROVAL「Terra」か、Bontrager「XXX」が有力でしたが、付属のシートポストも案外軽い。組み上げまで少し迷ってみます。

サドル

INFINITO CVに付いている、Fabric「Scoop Radius Pro」を流用します。

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自家塗装したサドルです。今回はフレームに赤成分がないので積極的に入れていきます。

ボトルケージ

妻からクリスマスプレゼントでもらったBOMA「BC-22」を取り付ける予定です。実測27g。

塗装の感じがGE-110のフレームと似ていたので、合わせると良い感じになるかなーと思ってリクエストしました。実物は予想以上に良い色でした。

バッグ類

GE-110はトップチューブにアイレットが装備されています。つまり、ボルトオンタイプのトップチューブバッグが使えます。これ、憧れてたんですよね。

憧れるあまり、こんな日曜大工をしたりもしましたが、GE-110ならば何もしなくてもボルトオンタイプのトップチューブバッグが付きます。

とりあえず、ボルトオンタイプの中で一番全長が短い(膝が当たりにくい)TOPEAKのこちらのバッグを買ってみました。

まとめ

実に3年ぶりのフレーム購入となりました。

当初、「ブルベ用に設計」というワードには身構えました。しかし、試乗をした上で設計者のお話を聞いてみると、思いのほか真剣に「ロングファストライドとは何か?」に向き合って作られたフレームであることが分かりました。

VOLT800 NEOもそうですが、こういった「現場の声をちゃんと拾った」製品は非常に魅力的です。そういった製品はちゃんと評価された上で、しっかり売れて欲しいと思います。それがより良い次世代バージョン誕生の礎となるからです。

そんな理由もあって、今回は購入を決めました。


購入に至った理由はもう一つあります。

私にとっての「初めてのロードバイク」の後継機にあたるのがGE-110だからです。

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15年前、初めて購入したロードバイクがGHISALLO「GC-3」でした。キャノボを初めて達成した時に乗っていたのはこのフレームです。

GHISALLOのカーボンフレームは、この「GC-3」を最後にリリースされず。そこから14年の沈黙を経て発表されたのが「GE-110」でした。

私にとっては15年ぶりの原点回帰ということになります。


ショップが大変忙しいので、組み上がりは1月の中旬以降になりそうです。

それまでの間はパーツ構成をもう少し考えながら楽しみに待ちたいと思います。

著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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