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ORTLIEB サドルバッグの垂れ下がり防止法
発売からかなりの年月が経ちますが、未だに人気のある「オルトリーブ サドルバッグ」。
大型サドルバッグ登場の影響もあり、ブルベで本製品を使う人の数は減りつつあります。ただ、未だに使用している人は多く、根強い人気を感じます。防水かつ取扱いに特別な手間が要らないのが理由だと思っています。最近、このサドルバッグは「2」にリニューアルされました。
本記事では、割と後側に垂れ下がりがちなこのサドルバッグを適切な角度で取り付ける方法を解説します。
適切な角度で取り付けるコツ
ちょっと気になるのが、サドルバッグの取り付け角度です。
↑の写真のように、サドルバッグの後ろ側が垂れ下がっている人を結構な確率で見かけます。
単純に垂れ下がっているだけならば大きな問題ではないのですが、タイヤと擦ってしまうと破損の原因となります。シートポストの出しろが少なく、サドルバッグとタイヤのクリアランスが小さい人ほど、取り付け方には気を付ける必要があるでしょう。
これが理想的なサドルバッグの角度。バッグの後端が上がっており、タイヤとのクリアランスが十分に確保されています。私の普段のポジションだと、シートポストのセットバックが大きい上にサドルを後ろに引いているので、ここまで後端が上がることはないのですが、あくまで理想。
特にマニュアルには記載は無いのですが、このサドルバッグを上手く付けるには少しコツがあります。具体的には、アタッチメントの取付位置が重要になります。オルトリーブのサドルバッグは、サドル側のアタッチメントにバッグ側のアタッチメントを取り付ける形になるので、それぞれに分けて解説します。
サドル側のアタッチメント
サドルレールを上下から挟み込むこちらのアタッチメントの取付位置について。
サドルレールは地面に平行な部分(Aとする)と、地面から垂直(実際には少し斜め)な部分(Bとする)に分かれています。
アタッチメントの取付位置は、AとBの間か、Bに取り付けるのが望ましいです。Aに取り付けてしまうと、それだけでサドルバッグの後ろ側が垂れ下がる原因となります。逆にBに取り付けるとレールの角度によってはサドルバッグの後ろ側が上がり過ぎてしまうこともあります。現実的には、AとBの間に取り付ける人が多いはずです。
バッグ側のアタッチメント
バッグ上部に付いているこのパーツです(仮にアジャスターと呼びます)。
このアジャスターは、前後位置を4パターンから選ぶことが可能。矢印の付いたツマミを、左右同時につまむと、前後に移動出来ます。
理想は、この位置。サドルバッグに対してアジャスターを一番後ろに付けています。この位置だと、相対的にサドルバッグ全体が前に移動するため、前傾することになります。前傾するので、サドルバッグの後ろ側は上がる……というわけです。
ただし、アジャスター一番後ろに付けるとサドルバッグが付かなくなることもあります。セットバックの小さいシートポストを使い、更にサドルを前に出している場合です。シートポスト~サドル側のアタッチメントに十分な距離が無いため、サドルバッグの先端部分がシートポストに当たってしまうわけですね。
この場合は、「アジャスターをなるべく後ろに付ける」が解決策となります。
それでも垂れ下がる場合
この対策をしても後ろ側が垂れ下がる場合、サドルバッグが耐荷重を越えている可能性があります。あまり知られていませんが、このサドルバッグの耐荷重は3kgです(S~Lサイズ共通)。バッグ自体の重量が300g程度あるので、中身に入るのは2.7kg程でしょうか。
収容能力があるからといって、あまり重いものを入れるのは推奨されません。過度な積載はアタッチメント破損の原因になりますので注意しましょう。
また、耐荷重内であったとしても、先ほどの例で、
→Aに付ける
・アジャスター
→一番前に付ける
という組み合わせは危険です。
サドルレールに取り付けたアタッチメントから、サドルバッグ後端の距離が遠くなるため、テコの原理により支点となるサドルレールやアタッチメントに大きな負荷が掛かります。サドルレールそのものの破損や、アタッチメントの破損に繋がるので、そういった意味でもアタッチメント位置の調整は重要です。
まとめ
シートポストのセットバック量、シートポストに対するサドルの前後位置で前傾の度合いは変わりますが、少なくともサドルバッグの後ろが垂れ下がるような状態は回避可能だと思います。
是非、適正なアタッチメント位置の調整を行ってみてください。
今回は古いタイプのサドルバッグで解説しましたが、「サドルバッグ2」でも同様の方法を使えるはずです。
レビュアー情報
年齢: 35歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。