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PBP 2019 飛行機周りの手配
PBPはフランスで行われます。陸路や海路で行く人はいないと思うので、必然的に飛行機で行くことになります。本記事では、PBP参加予定の方向けに、飛行機周りの注意点を振り返りつつ纏めておこうと思います。
やらなければいけないこと
PBPに参加するにあたって、飛行機周りでしなければならないのは以下の3点です。目安として予算も記載します。
- パスポートを手に入れる(6,000~16,000円)
- 往復の航空券を予約する(100,000~250,000円)
- 輪行手段を用意する
それぞれについて、詳細に述べていきます。
パスポートを手に入れる
航空券を購入するには、旅券番号が必要です。
旅券番号=パスポートの番号なので、渡航日に有効なパスポートを手にれる必要があります。
パスポートを作る費用
2015年のPBPの際は、私は初の海外旅行だったこともあり、10年間有効なパスポートを新規作成しました。料金は16000円です。5年間有効なパスポートならば11000円となります。
受け取りまでに掛かる時間
パスポートは、申請してから受け取れるまで最短で6営業日掛かるので、現在パスポートを持っていない人はすぐにでも申請を行ったほうが良いと思います。
再発行に注意
「パスポートなら既に持ってるから何もしなくて大丈夫!」と思う方も多いかもしれませんが、注意しなければならないことがあります。
パスポートが再発行になるケースです。パスポートが再発行になると旅券番号も変わります。
以下のような場合、パスポートは再発行が必要です。
- パスポートの有効期限が切れている場合
- 名前や本籍地が変わった場合
①は言わずもがな。期限が切れているパスポートは使えません。再発行する必要があります。
②が割と落とし穴です。私は見事にハマりました。
2017年に結婚し、本籍地が変わったため、パスポートの記載事項変更申請が必要だったのでした。
これは、6000円を支払うことで記載事項を変更したパスポートを再発行してもらうというものです。名前や本籍地が変わった場合に必要となります。こちらも即時受け取りとはならず、やはり6営業日待つ必要があります。
また、住所変更では、記載事項変更申請は必要ありません。結婚しても名前と本籍が変更にならない場合は、同様に申請の必要はありません。
往復の航空券を予約する
パスポートを手に入れたら、次は航空券の予約です。
グッディースポーツやオダックス近畿が企画するツアーならば、この辺りのことは特に考える必要はありません。
しかし、個人でフランスへ行く場合には、自分で航空券を手配する必要があります。
運賃や乗継について確認する場合は、比較サイトであるExpedia等を使うと便利です。
往路の日程
今回のPBPの開催期間は、 8/18~8/22 です。
PBPは前日車検があるので、少なくとも8/17の朝にはフランスに着いている必要があります。
しかし、大荷物を持ったまま車検会場に行くのはかなり辛いはず。一度ホテルに寄って荷物を置いていくにしても、どれだけ時間が掛かるのか中々読めません。
以上より、8/16中にフランスに着くように航空券を手配する必要があります。
私は、往路は8/15の昼の便を抑えることにしました。これならば、8/15中にフランスに到着でき、翌日を移動と休息にあてられます。
復路の日程
PBPの90時間のゴール時刻は、最終で8/22 15:00となります。80時間部門だと8/22 17:00です。
1200㎞を走ったその日に飛行機に乗って帰るのはまず不可能なので、復路の便は早くても8/23午後以降になるでしょう(70時間以内にゴールしていれば、8/22の便に乗ることは可能かもしれません)。
私は、8/24のお昼ごろの便を抑えることにしました。8/23は空港までの移動と観光にあてる計画です。
直行便 or 乗継便
日本⇔フランスの飛行機には、直行便と乗継便があります。それぞれの特徴を比較してみます。
直行便
- 早い(12-15時間程度)
- 高い(18~20万円)
- 荷物の紛失/破損のリスクが低い
乗継便
- 遅い(16時間以上)
- 安い(8~15万円)
- 荷物の紛失/破損のリスクが高い
直行便と乗継便の比較
普通の旅行とPBP遠征の大きな違いは、「自転車」という壊れやすく大きな荷物があることです。
現地について壊れていたり、紛失していたら目も当てられないので、ここは慎重に考える必要があります。
直行便の場合、荷物の積み下ろしは日本とフランスで一回ずつです。
紛失(ロストバゲージ)はまず起こりませんが、破損する可能性はあります。日本で荷物が投げられることはまず無いですが、フランスだと投げられたり重ねられたりすることは珍しくありません。
前回のPBPの時は、私はエールフランスの直行便を使いましたが、輪行箱(プラダン製)には強い衝撃を受けた跡が残っていました。恐らくフランスの空港で荷物の積み下ろしの際に付いたものだと思います。
乗継便の場合、荷物の積み下ろしは、日本とフランスでの2回に加え、乗継空港分の回数が加わります。
乗継回数は1回を上限と考えたほうが良いでしょう。他の飛行機に荷物を乗せ換えるので、その際にロストバゲージや破損の可能性は高くなります。
注意したいのは「乗継時間」。これが極端に短いと荷物の積み忘れが起きやすくなります。
「乗継時間が最低でも2時間以上ある便を選んだほうが良い」とよく言われますね。ただ、飛行機が遅延したらどうなるのかは分かりませんが……。
自転車の扱い
自転車はかなり大きな荷物です。航空会社によって扱いが異なります。異なるのは、「荷物料金を別に取られるか」「サイズ・重量制限が何cmか」という2点です。
「荷物料金を別に取られるか」について。自転車は機内に持ち込めない大きさなので、預け入れることになります。
この際にどんな料金を取るかは航空会社の裁量で変わります。普通の手荷物として無料で運んでくれることもあれば、「壊れやすいスポーツ用品は別料金」とする会社もあります。
また、自転車を預け入れるにあたって、会社によって荷物のサイズ・重量制限が異なります。
多くの会社が基準とするのが「荷物の3辺を合わせた大きさ」です。宅配便のサイズの測り方と同じですね。「縦・横・高さの合計が**cm以下」といった風に規定されます。
以下の表は、主な航空会社と自転車の荷物としての扱いをまとめたものです。
航空会社名 | 自転車の荷物料金 | 大きさ制限 | 重量制限 |
---|---|---|---|
ANA | 無料 | 3辺合計で292cm以下 超過の場合は有料 |
45kg以下 超過の場合は有料 |
JAL | 無料 | 3辺合計で203cm以下 超過の場合は問合せ |
32kg以下 超過の場合は問合せ |
エールフランス | 有料 (100$/100€) |
サイズの記載なし | 23kg以下 超過の場合は追加料金 |
アエロフロート | 無料 | サイズの記載なし | 重量の記載なし |
キャセイパシフィック | 無料 | 3辺合計で203cm以下 超過の場合は有料 |
クラスによって変化 |
フィンエアー | 有料 (100$/75€) |
サイズの記載なし | 重量の記載なし |
規約の改訂などもあるので、詳細は各航空会社のサイトを確認してください。
予約の時期
基本的には「予約が早ければ早いほど安い」です。
出走が決まっているならば、さっさと抑えてしまったほうが良いでしょう。夏休みの時期なので、埋まるのも早いはずです。
私の場合
今回、私は以下の便を1/21に抑えました。
往路: アエロフロート 8/15 12:15 成田空港-(モスクワ経由)-シャルルドゴール空港
復路: アエロフロート 8/24 11:20 シャルルドゴール空港-(モスクワ経由)-成田空港
乗継便です。往路は乗継時間が3:30、復路は乗継時間が2:40。
復路はちょっと時間が短めで怖いですが、復路は最悪ロストバゲージしてもイベントは終わっているのでゆっくり回収すれば良いかなと。航空券の購入は、アエロフロート公式から直接行っています。
アエロフロートを選んだ理由は以下です。
- 2015年時に参加者利用の実績が多かった
- 安い(往復で11万円程度)
- 自転車の荷物制限が緩く(203cm制限が無い)、追加料金なし
前回のPBPでは私はエールフランスの直行便を使いました。今回もそうしようかと思ったんですが……前回は13万円台だったのに、今回は18万円。
更に、エールフランスは自転車の荷物料金が別計算で、往復で約25000円程度掛かります。飛行機代で20万円超は辛いので諦めました。
その点、アエロフロートは料金も往復で11万円程度と安く、自転車の荷物料金が別に取られることもありません。
ただ、荷物の扱いやロストバゲージについては少々不安があります。あと、航空券を抑えた翌日にハイジャックが起きたのはちょっと嫌な感じ。といってもアエロフロートでは30年ぶりのハイジャックなので、しばらくは起きないんじゃないかと高を括っていますが……果たして。
輪行用のケースを用意する
「何に自転車を入れて飛行機輪行をするのか」を考えます。具体的には以下の手段が考えられるでしょうか。
- ハードケース
- ソフトケース
- 輪行箱(ダンボール・プラダン)
- 輪行袋
ハードケース
①は、スーツケースのような硬質素材のケースを指します。プロが使うようなバイクケースですね。
安全確実ですが、ケース自体が重い上に大きく、航空会社の制限に引っかかるケースもあります。また、値段も高価で5万円以上が相場です。
ソフトケース
②は、「OSTRICH OS-500」や「SCICON エアロコンフォート」のような軟質素材のケースを指します。
ハードケースより破損確率は上がりますが、ハードケースよりは軽く、使わない時は折りたたみも可能です。値段については1-5万円程度でしょうか。
輪行箱
③は、「バイクサンド」や「ACOR バイクポーター」と言った、ダンボール・プラスチックダンボールで出来た輪行用の箱を指します。
防御力はソフトケース以上、ハードケース未満ですが、比較的軽量なのが特徴です。値段については、1-2万円程度。自作も可能です(材料費3000円程度)。
輪行袋
④は、上級者向け。普通の輪行袋で預けてしまうパターンです。
段ボールで補強したりすることで意外と大丈夫……という声も聞きますが、私はちょっと怖くて試していません。言うまでも無く、一番軽量な飛行機輪行手段です。壊れても現地でなんとかできる方向け?
各方式の比較
航空会社の制限によって、選ぶべきケースは変わると思います。自分の使おうとしているケースが航空会社に対応しているかの確認が必要です。また、現地でケースをどうするかについても考えたほうが良いですね。
私は前回と同様に③のプラダン輪行箱(自作)を使用する予定です。何分、今回は乗継があるので、前回よりも丈夫に作ろうと思っています。
また、空港での荷物の破損を防ぐ都市伝説(?)として、以下のような話があります。
- 液晶テレビのダンボールを使うと扱いが丁寧になるらしい
- 国旗のシールを貼ると日本代表と思われて丁重に扱われるらしい
本当なのかは分かりませんが、後者は今回試してみようと思っています。
まとめ
以上、飛行機関係の手配周りについて注意点を書いてきました。纏めると、以下のような感じでしょうか。
- パスポートは早めに有効なものを用意する。
- 航空券も早めに抑える。
- 出来れば直行便が良い。
- 乗継便を使う場合は、乗継時間が短すぎないものを。
- 輪行手段は航空会社の制限を見て決める。
基本的には先手先手で動いたほうが良いと思います。