PBP 2019 国別参加人数の推移

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PBPの国別参加人数の紹介です。

目次

まえがき

ブラジルのブルベ主催団体「Randonneurs Brasil」が、2019年PBPのプレレジストレーションの国別人数を発表しました。ソースは不明ですが、合計人数と割合から見ると確からしい値になっています。

調査動機

そこで、直近5大会のPBPの国別参加人数や割合の推移を出してみることにしました。

どの国でBRMが盛り上がり、逆にどの国で盛り下がっているのかが分かるのではないかと考えたからです。

調査方法

2015年以前のデータは、カナダのブルベ主催団体「BC Randonneurs Cycling Club」が公開しているデータを使用。これまでに開催されたPBPの参加者データがExcel形式で公開されています。

なお、今回分析するデータは2003~2019までの5大会のものです。これは、日本人がチームとして初参加したのが2003年からであることに拠ります。

国別参加人数推移

2003~2019年までの、国別の参加人数の推移です。

2003~2015年までは本レジストレーションの実績数、2019年のみプレレジストレーションの数となります。2019年のPBPはプレレジをしないと本レジが出来ないとアナウンスされているので、現在の人数(7600人)より減る可能性はありますが、増えることはありません。

国別人数

参加人数は2007→2011年で一旦微減していますが、概ね増加傾向にあります。

日本とフランスのみ人数を表示しています。

日本人の参加人数は、初参加の2003年から順調に増加し、2019年は429人が参加する予定です。これは全体に占める割合でも5番目。それより上には、フランス・ドイツ・イギリス・アメリカしかいません。

イタリアやスペインよりも、日本のほうが参加人数が多いのです。ブルベブーム極まれり。

PBPの前日受付は言語別に分かれています。国旗が掲示されており、その中で好きな言語の受付に並ぶわけです。

2015年の記憶では、確かフランス語・ドイツ語・英語・イタリア語・スペイン語は少なくともあったはずです。

しかし、イタリアやスペインよりも日本人のほうが多いということは……もしかしたら、2019年は日本語受付があるかもしれません。まぁ、結局英語に回される気がしますが。

アジアの国別参加人数推移

日本のみならず、近年はアジアでブルベの人気が高まっています。各国にブルベ団体も出来、その中の精鋭たちがPBPに乗り込んでくるわけです。

アジアの参加人数推移

まず、アジア全体としての参加人数が相当増えていることが分かります。

2003年段階では25人しか参加者はいませんでしたが、2019年は1270人。PCでは結構な割合でアジア人を見かけることになりそうです。

割合を見ても、圧倒的に多いのが日本(黄緑)。そして、それに次ぐのがインドです。2019年は386人の参加を予定しています。

注目すべきは、2019年は北朝鮮からの参加者が2名いることです。

北朝鮮にブルベ団体があるかは知らないのですが、外国で認定を取ったのでしょうか? なかなか謎です。

その他、パキスタンやベトナムからも1人だけですが初参加者がいます。

国別参加割合推移

今度は人数ではなく、割合を出しています。全体を100%として、どの国が何%ほどの割合を占めるかを計算しています。

国別割合

ひと目見て気づくのが、開催国であるフランスの参加者割合の減少具合です。

2003年から徐々に減り続け、2019年は全体に占める割合が20%程度まで落ち込んでいます。

これはBRMの国際化が進んだ証左とも言えますが、今回に限れば「プレレジストレーション段階ですべての枠が埋まった」のが大きいでしょう。

毎回、PBPには当年のSRだけを取得し、記念受験的にPBPを走るフランス人の人が多いのです。こうした人達はプレレジストレーションは行わず(前年の認定がないため)、本レジストレーションで登録をするわけですが、今回はそれが出来ません。

次回はそういった人のために、開催国特別枠が出来るかもしれませんね。

国別参加人数の増減ランキング

2015→2019年で参加人数が増えている国、逆に減っている国ランキングを作ってみました。

参加人数が2015年に0人だった国、2019年に0人になってしまった国は対象外としています。

増加率ランキング

増加率ベスト10

まずは増えているランキングから。

勢いのあるアジア圏を抑えて、ルーマニアが堂々の増加率第一位。

ルーマニアのブルベ主催団体「Randonneurs Romania」のサイトを見ると、国内団体の設立が2013年だったようです。

同じヨーロッパでも、東欧ではブルベ文化はまだ一般的ではなかったということでしょうか。同様に東欧であるウクライナ、ハンガリー、リトアニアも参加者の増加が著しいことが見て取れます。

そして、アジア勢もマレーシア・インド・韓国・フィリピンが上位にランクイン。やはりアジアでのブルベ熱は高まっているようです。

減少率ランキング

減少率ベスト7

次に減っているランキング。1位は南アフリカ共和国です。

世界最大参加人数を誇るロングライドイベント「ケープタウンサイクルツアー」が開催されるなど、実は自転車に熱心な国であるはずですが、ブルベ熱は冷めているのでしょうか。

中国や台湾といったアジア圏でも減っている国があります。台湾はいろいろと国内団体の噂が聞こえてきますが、中国が減っている理由は分かりません。

そして、やはり何と言っても3位のフランス。開催国の割合が年々減っているのは気になるところですね。

まとめ

過去5回のPBPの参加者データを分析してみました。

肌で感じていた感覚と近かったですが、「盛り上がる東欧・アジア」「盛り下がる西欧」と言った事実をはっきり確かめられたと思います。

しかし日本人の参加者数が増えましたね。これは割とルート上やPCでも、心細さを感じることは少なそうです。受付も、日本語が使えて楽になったら良いのですが。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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