2019年PBPのコースっぽいものが見つかったようなので、記事を書いてみます。
スタート地点の変更
2015年までのPBPは、サンカンタン=アン=イブリーヌという街がスタートでした。パリから約20kmくらい西にある街で、ナショナルベロドローム(屋内自転車競技場)がある自転車の街です。そのベロドロームを前日受付とゴール受付で使うという、なかなか豪勢なスタート地点でした。
しかし、2019年のPBPはスタート地点が変わります。公式パンフレットによると、スタートはランブイエ(Rambouillet)という街になるとのことでした。ランブイエという街は、サンカンタンよりさらに西。PBPの折り返し地点であるブレストは、フランスの西の果て。スタートが西にずれるとなると、「2019年コースの距離は短くなるのではないか」と予想されていました。
例年であれば、開催前年の年末には、コースも含めて必要情報は公式サイトに出揃っているのですが、今回はいろいろ準備が遅れているのか特に現在まで告知はありません。それどころかPBPの公式サイトは2018年12月18日現在、未だに2015年のままです。
2019年のコースが見つかる?
今月7日、RUSA(Randonneurs USA)のサイトに、以下のページが作成されました。
2019 GPS Tracks
http://pbpwiki.rusa.org/planning/2019-gps-data
OpenRunner(フランス版のルートラボのようなサイト)にアップされていたPBPのルートらしきものを見つけたという記事でした。2015年にもOpenRunnerに区間ごとの公式ルートがアップされていたので信頼度は高そうです。
RUSAによれば、「このファイルはACP公式のものだと確認された」とはあるのですが、ACPのサイトに上記のルート情報はまだ掲載されておらず、今後変更の可能性があると考えたほうが良いでしょう。
2019年ルートの変更点概要
ただ、せっかくルートが出てきたので、比較してみることにしました。正式発表時に全然違うコースになっている可能性もありますのでご注意ください。
(1) コースプロファイル
スタート/ゴール地点が西(サンカンタン→ランブイエ)に移動すると言うことで、やはりコース距離は短くなっています。
2015年: 1231.7km/11733m↑
2019年: 1216.5km/10057m↑
どちらもRideWithGPS調べです。PBPって、「1200km」といいつつ、実は1232㎞もあったんですよね。信号もあまりないですし、厳しい峠も無いので早く走ることは出来るのですが、さすがにこれは長すぎるんじゃないかと思っています。
そのためか、2019年は距離が15.2km減り、獲得標高も1676m減っています。さすがに獲得標高が減り過ぎな気はします。GPXファイルのポイント数を見ると、2019年版は2015年版の1/3しか無いので、ある程度間引かれているのでしょう。それでも獲得標高は減っていると思います。スペックだけ見れば易化したと言えますが、何らかの罠(激坂とか)がある可能性もあるので油断は出来ません。
(2) PCの配置
OpenRunnerのルートを見る限り、PCの配置には変更が無いようです。スタートとゴールのみ変わります。ただ、従来の大会ではシークレットPCが必ずあるので、次回もあるでしょう。
START: Rambouillet
PC1: Villaines-la-Juhel
PC2: Fougeres
PC3: Tinteniac
PC4: Loudeac
PC5: Carhaix-Plouguer
PC6: Brest
PC7: Carhaix-Plouguer
PC8: Loudeac
PC9: Tinteniac
PC10: Fougeres
PC11: Villaines-la-Juhel
PC12: Mortagne-au-Perche
PC13: Dreux
GOAL: Rambouillet
PBPでは、PC並みの設備を持ちながらチェック不要な「ウェルカムポイント」と呼ばれるものもあります。チェックが無いので寄らなくても構わないのですが、シークレットPCになっている場合もあります。PBPではPC間の距離が長いので、補給だけでも買っておいたほうが良いでしょう。
往路の変更点
スタート地点がランブイエに移動します。スタート場所を確認すると、ランブイエ駅から1.5㎞くらいと比較的アクセスは良さそうな場所ですね。コンデ=シュル=ヴェグルという街で2015年のルートに合流します。
1つ目の差分は、最初のウェルカムポイントであるモルターニュ=オ=ペルシュを出た後です。マメール(Mamers)という街からルートが変わります。2015年はマメールとフレセイ=シュル=サルトの街の間はほぼ直線で結ばれていましたが、2019年のコースは一度南下し、その後北上するコースになっています。距離を単純に稼ぐためかもしれませんが、あからさまなショートカットがあるあたり、シークレットPCの香りを感じます。
次の差分は、PC2であるフジェール(Fougeres)の街への入り方。何故変わったのかは定かではありませんが、微妙に変わっています。
次の差分は、PC4であるルデアック(Loudeac)の後、サン=マルタン=デ=プレの街とコルレーの街の間のルートです。2015年は北側に遠回りしていましたが、2019年はほぼ直進のルートを取ります。
その後は細かい路地の差くらいで、あとは2015年とほぼ同じでした。
復路の変更点
ブレストから折り返してしばらくは2015年と同じですが、PC7のカレー=プルゲール(Carhaix-Plouguer)と、次の街であるマエル=カレ(Mael-Carhaix)の間が異なっています。2015年は北側のルート、2019年は南側のルート。距離は大きく変わらなそうです。
次の差分は、ロストレネン(Rostrenen)という街の手前。2015年は直接、ウェルカムポイントであるサンニコラ=デュ=ペルムへと向かっていましたが、2019年は2つの街を経由するコースになっています。ここもショートカット可能なのでシークレットPCの香りが。
次の差分は、コルレー(Corlay)の街から、トレヴェ(Treve)の街の間。2015年は北側のルートで、2019年は南側のルート。距離には差は無さそうです。
次の差分は、往路でも変更のあったフレセイ=シュル=サルトの手前から。往路ではこの街の中を通過していましたが、復路は通過しないコースに変わっています。2015年の際は復路のみ通過で往路は通過していなかったので、逆パターンになったということです。その後、またマメールの街の前で道が別れます。2015年は北側、2019年は南側。距離はあまり変わらなそうです。
次の差分は、ラストPCであるドルー(Dreux)のPCを出た後の街の抜け方が変わっています。変えた理由は不明。
最後は、ゴール地点の移動。スタートでも使ったランブイエまで戻ってきます。
まとめ
この2019年コースが正しいと仮定すれば、コース難易度的には低下しているように見えます。スタート地点であるランブイエのアクセスが従来より悪くなったことを除けば、完走はしやすくなっているんじゃないでしょうか。15km減るのは大きいです。ブルベペースでも1時間違いますので。
ちなみに、私は前回のスタート地点であるサンカンタン近くのトラップという街に宿を抑えています。距離にしてランブイエから20km、直通の電車で25分ほどなので、輪行でアクセス予定です。
2019/1/7追記: コース確定
PBP 2019のサイトが公開されました。コース紹介のURLはこちら。
リンクされているOpenRunnerのURLを確認しましたが、この記事の冒頭で紹介したRUSAのサイトのものと同一でした。2015年からのコースの変更点も同じだと思います(微妙に修正される可能性あり)。
(完)