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PBP 2023 海外ライド向けアプリ
PBPの道中で役立つスマートフォン用アプリの紹介です。
2015年/2019年の参加の経験を踏まえて、アップデートを加えたものになります。
はじめに
本記事では、フランスに到着してからスタートまでの移動や、PBPの道中で役立つスマートフォン用アプリを紹介します。
通信手段の用意
たいていのアプリはインターネットとの通信を前提として動作します。
PBPの道中でアプリを使いたければ、道中でも途切れず通信できる通信手段が必要となります。

通信手段の手配方法については↑の記事にまとめています。
オススメは、Orange HolidayのSIMカードです。フランスの田舎道に強い。
アプリのダウンロード
フランスに到着してからでもアプリのダウンロードは可能だと思われますが、通信容量や通信速度の問題がある可能性があります。
なるべく国内でダウンロードしてから渡仏したほうが良いと思います。
アプリ: 翻訳系
PBPはフランスで行われます。
「そうは言っても英語は大体通じるでしょ」と思っていたのですが、そんなことはなかったです。パリ近郊の店では英語が通じることも多いんですが、PCのボランティアスタッフや私設エイドの方には通じない場面もしばしば。そりゃフランス語の国ですからね。
ちなみに、PBPではしばしば多国籍な集団の中で走ることになりますが、会話は英語で交わされることが多いです。
PBPのPC内の掲示物は、フランス語と英語が併記されている場合が多いのですが、フランス語のみの場合もあります。ピクトグラムが付いていればよいのですが、文字のみのことも。
こういった時のために、フランス語に対応した翻訳アプリは最低一つ入れておいたほうが良いでしょう。
Google翻訳
定番の翻訳ソフトです。
日本語/フランス語/英語はもちろん、かなりの数の言語の翻訳に対応しています。オフライン辞書にも対応しており、ネットにつながらない場所でもテキスト翻訳は可能です。
会話モード
PC内でフランス語話者の方との会話をしたい時に役立つのが「会話モード」です。
2人が互いに発言し、それぞれの言語で翻訳して音声まで出してくれる機能です。
PC内でスタッフの人と会話したい時などに役立つでしょう。
カメラでリアルタイム翻訳
カメラに写った外国語の文字列をリアルタイムに翻訳できる機能もあります。
カメラを向けると、看板に書いてある「Couchage」という文字を翻訳、上書きして日本語で表示してくれます。「睡眠」、つまり仮眠所を意味することが分かります。
PC内の掲示物が読めない時などに使うと良いでしょう。単語を打ち込んで翻訳するより早いはずです。
VoiceTra
国産の音声認識翻訳アプリです。日本語/フランス語/英語に対応。
音声翻訳
本アプリには、カメラのリアルタイム翻訳等はなく、音声翻訳のみが搭載されています。
機能的にはGoogle翻訳の会話モードと大差はありません。
ただ、「翻訳された文章が自然であること」「翻訳後に再翻訳して意図通りの内容か確認できること」という点でメリットがあります。
より正確に意図を伝えたい会話の場合にはこちらのアプリのほうが良さそうです。
話す翻訳機
Androidのみ対応ですが、会話に特化したインターフェースを持つアプリです。
会話モード
画面の上下で2分割されており、両方に「話す」ボタンが付いています。会話をする2者の間にスマホを置いて交互に話せるわけですね。
Google翻訳も、VoiceTraも、片方が話す際にはスマホを渡す必要がありました。このアプリならばスマホ本体は動かさずに会話が可能です。
翻訳された文章を見るとGoogle翻訳と全く同じなので、エンジンはGoogle翻訳と同じなのかもしれません。
アプリ: 地図系
現在地確認、次のPCまでの距離の確認に使える地図アプリです。
2015年はオフライン地図の代名詞的な存在である「MAPS.me」を入れていきましたが、現在は「Google Map」がオフライン地図に対応したのでこちらを使う予定です。
Google Map
言わずとしれた有名マップアプリ。
オフラインマップ
あらかじめ、指定地域のマップデータをスマホにダウンロードしておくことで、オフラインでも地図を表示可能にする機能です。
過去のPBPでは街と街の間で通信状態が悪くなったり、圏外になったりすることがありました。そうした際でも、地図を表示可能なのは心強いと言えます。
マップをダウンロードしておくと、オフラインでもここまで細かく表示できます。スポット情報は限定的にしか表示されませんが、営業時間までは見ることが出来るようでした。
自転車や徒歩モードのナビは出来ませんが、車モードのナビであればオフラインでも実行可能になります。
位置情報共有
キャノボでもおなじみ、現在位置の共有機能があります。
参加者同士で位置情報を共有しておけば、トラブルの際の合流に役立つでしょう。
マイマップ
事前に作っておいたスポット情報やルート情報をGoogle Mapに重ねて表示できるのが「マイマップ」機能です。

PBPのルート周辺のスポット情報をプロットしたマイマップがこちらの記事にありますので、ご活用ください。
乗換案内
調べてみましたが、フランス全土の国鉄・私鉄をカバーした乗り換えアプリというものは見つかりませんでした。
GoogleMapの乗換案内機能で探すのが一番確実かと思います。
アプリ: 天気系
走行計画を立てるにあたり、天気は重要なファクターです。
単純な天気予報だけではなく、風向きや雨雲の動き、ルートに沿った天気を確認できるアプリを紹介します。
Windy
チェコ産の多機能天気予報アプリです。
アプリ名の通り、風の様子(風向・風速)を見るためのアプリですが、その他にもかなりの数の機能があり、かつ全世界に対応しています。もちろんフランスにも対応。
基本画面
アニメーションで風向きが表示されます。
最近はこういった表示の天気予報アプリが増えましたが、元祖はWindyだった気がします。
気象レーダー
雨雲を表示する気象レーダー機能も搭載しています。
Epic Ride Weather
サイクリングのルートに沿った天気(気温・雨量・風速・風向)を表示可能なアプリです。有料。

使い方は、こちらの記事にまとめてあります。スタート当日の朝に往路分の予報を、ブレストで復路分の予報を見ようと思っています。
アプリ: トイレ系
食料調達もそうですが、日本のランドヌールはトイレもコンビニに依存しています。フランスには24時間営業のコンビニはありません。
2015年、私は山の中で腹痛になり、尊厳の危機を迎えました。この時はホテルを見つけてトイレを借りられましたが、他にも使えるトイレの選択肢を増やしておくべきでした。
以下は公衆トイレを探すためのアプリの紹介です。
Flush
世界対応の公衆トイレ検索アプリ。
現在地近くの公衆トイレを探せます。公称ポイント数は20万。

使い方は、こちらの記事にまとめてあります。
Where is public toilet
Flushと同様の公衆トイレ探索アプリ。
Androidのみ対応。公称ポイント数は28万。
私はFlushをメインで使って、それでも周りに見つからなければ、こちらを使う予定です。
アプリ: めざまし系
PBPの仮眠所は指定時間に起こしてくれるサービスをやっている場所もあります。
ただ、結構忘れられたりもするので自分でアラームを設定する必要があります。そのための目覚ましソフトの紹介です。
スマートアラーム
フリーの目覚ましソフトです。Android専用。
このソフトの良いところは、イヤホンのみからアラーム音が出るように設定できること。
PBPの仮眠所は狭い感覚で多くの人が寝ているわけで、ここで大音量のアラームはかなりの顰蹙を買います。
かといって、振動のみだと起きられるか不安。ということで、イヤホンのみから音が出せるこのソフトを重宝しています。
Bluetoothイヤホンを使うと本体から音が出なくなるんですが、アラームの音だけは鳴っちゃうんですよね。これを制御しようと思うと、特殊なアプリを使うしか無いと思います。
イヤホン目覚まし時計
フリーの目覚ましソフトです。iPhone専用。
機能的にはスマートアラームよりは少ないですが、イヤホンからのみアラームを鳴らすことが出来ます。
まとめ
PBP完走に役立ちそうなアプリを紹介しました。
最初に書いたように、アプリはインターネット回線がないと動かないことが多いです。まずは確実な回線をゲットするのが優先事項。
オフラインで動くアプリに関しても、あらかじめデータのダウンロードが必要なことが多いです。日本にいるうちにやっておきましょう。
著者情報
年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。