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PBP 2023 プレレジストレーション方法の紹介
PBP2023のプレレジストレーション(以下、プレレジ)が、1/14より始まりました。
この記事では備忘録としてプレレジの手順を画面とともに紹介します。
プレレジストレーションとは
PBPでは開催前年度にブルベを完走した人を対象に「プレレジ」を実施しています。
プレレジについて
プレレジは、日本語でいうと「優先エントリー」を意味します。
PBP開催の前年度に、BRMの認定を取った人に優先エントリーの権利が与えられます。
2023年大会のプレレジの対象となるのは、2022年度のブルベの認定です。2022年度に完走したブルベの認定距離が長いほど、先にエントリー出来ます。
以下にプレレジの日程を示します。
2022年度のブルベ認定状況 | プレレジの開始日付 |
BRM1000km、またはRM1200km以上を完走 | 2023/1/14 |
BRM600kmを完走 | 2023/1/28 |
BRM400kmを完走 | 2023/2/11 |
BRM300kmを完走 | 2023/2/25 |
BRM200kmを完走 | 2023/3/11 |
認定なし | 2023/3/25 |
なお、プレレジを行っただけではPBPのエントリーは確定となりません。プレレジはあくまで「仮エントリー」です。
2022年11月~2023年7月の期間に、BRM200/300/400/600の認定を取得し、本レジストレーション(以下、本レジ)を行って初めてエントリー確定となります。
エントリー関係の日程感をまとめると、だいたいこんな感じです。
プレレジの目的
PBPの参加枠は全部で8000人。
うち2500人分はフランス人用に確保されており、外国人は5500人エントリー可能です。
2015年大会まではプレレジで枠が全て埋まることはありませんでしたが、2019年大会はプレレジの途中で枠が全て埋まりました。
プレレジの後の本レジではキャンセル者分の枠が解放され、前年にブルベの認定がない人もエントリーすることは可能でした。
プレレジの最大の目的は「スタート時間を選ぶ」ことです。
スタート時間を選ぶ意味
PBPでは15分毎に300人程度のウェーブスタートとなります。プレレジでは、このウェーブ(スタート時間)を予約することが出来るのです。
一番参加人数が多い90時間部門の場合、17:30-21:00の中から好きなウェーブを選択可能です。
各々の戦略によって早い時間にスタートしたい人もいれば、遅い時間にスタートしたい人もいると思いますが、大体早いスタート時間から先に埋まっていきます。
「早くスタートして早くチェックポイントに付いたほうが施設が混まない」と考える人が多いからだと思いますが、そこまで気にしなくても良いと私は考えます。
プレレジの注意事項
プレレジは、フランス現地時間の土曜日/昼12時からオープンとなります。日本時間では土曜日/午後8時です。
前回大会に比べると随分楽になりました。前回は「月曜日/朝8時」だったので通勤時間帯に直撃。わざわざ有休を取ってプレレジに備えた記憶があります。
あと、プレレジの開始時刻は異様にエントリーサイトのサーバが重くなります。
世界中からアクセスが集中するので仕方がありませんが。サーバーエラーになっても諦めないようにしてください。
手順: ACPサイトへの会員登録
PBPのプレレジ・本レジは、主催するACP(Audax Club Parisen)のサイトから行います。
プレレジを行うためには、まずはACPサイトの会員登録を行う必要があります。
前回のPBPのために作られたエントリーシステムですが、今回も引き続き使用されています。
2019年にアカウントを作成済みの人は、その時に作ったアカウントを使用可能です。私は2019年にアカウントを作成済みだったので、今回は新規作成していません。
アカウントの作成
まずは、ACPサイトにアクセスします。
言語設定の切り替え
画面表示がフランス語になっている場合には、国旗マークの中からイギリス(英語)を選びましょう。
日本の国旗もありますが、日本語にはなりません。英語になるだけです。
ログイン画面に遷移
Loginリンクを押し、ログイン画面に遷移します。
ログイン画面が表示されました。
アカウント作成画面に遷移
今回はアカウントを新規に作成する前提で説明を続けます。
「Create an account」リンクを押し、アカウント作成画面に遷移します。
アカウント作成画面が表示されました。
ユーザー情報を記入する
新規ユーザー作成に必要な情報を記入します。
「Current Federation」欄は、日本人であれば「Non French」を選びましょう。
「General Data Protection Regulations」のリンクから各種注意事項を読み、チェックボックスをチェックしてください。
ユーザー登録を実行する
「Registration」ボタンを押し、ユーザー作成を実行します。
初期ページに戻されますが、作成したユーザーでログインした状態になります。画面右上にログインユーザー用のメニューが表示されるはずです。
プロフィール・住所を入力する
画面右上の「My account」リンクをクリックします。
「Username」の領域は、メールアドレスやパスワードを変更するための領域なので、特に触る必要はありません。
下半分の「Registered Profil」「Address」の領域は記入が必要です。こちらの情報を使って、プレレジ・本レジを行うためです。
必要事項を記入していきます。
まずはRegistered Profil領域から。
ここで記入した情報を用いて認定番号を検索するので、記入内容は普段ブルベに参加する時に使用している内容を使います。
記入要領は以下の通り。
- Last Name
名字をローマ字で入力します。- First Name
下の名前をローマ字で入力します。- Date of birth
誕生日を選択します。- Gender
性別を選択します。- Nationality
国籍を選択します。- Telephone number
電話番号を入力します(日本国内なら、+81始まり表記)
次に入力するのはAddress領域です。
PBP終了後、半年くらいで参加賞やブルベカードが返送されてきます。その送り先をここに登録します。記法は海外式(番地から先に書く)です。
記入要領は以下の通り。
- Street(number & name)
番地と町名を入力します。- Additional data
建物名と部屋番号を入力します。- Zip Code & Town
郵便番号と県名と市区町村名を入力します。- Country:
「JP-JAPAN」を選択します。
記入が終わったら、「Save」ボタンを押します。
所属クラブの登録
これは恐らく必須ではないですが、所属クラブを登録することも出来ます。
「Add a club」ボタンを押します。
所属クラブを選択します。
書き方の指導は特にありませんが、恐らく下記のような感じで記入するのが適切かと思います。
- ブルベスタッフや賛助会員
自分の所属クラブ- AJ会員
Audax Japon- それ以外の人
Inidividuel Japon
以上で、参加者情報の登録は完了です。
登録情報の確認
きちんと登録ができているかどうか、「Results」ページで確認します。
Resultsページは、過去のブルベ認定情報を確認できる画面となります。事前登録の際には2022年度のブルベの認定番号が必要となります。
認定番号は通常、返送されたブルベカードに「Homologation」として掲載されていますが、ブルベカードが見つからない場合などはここから検索可能です。
BRMの結果を確認する
画面中央の「BRM」リンクを選択します。
画面が切り替わり、完走済みのブルベ情報が表示されれば、正しく参加者情報とデータベースの紐付けがされています。
ここで結果が表示されない場合は参加者情報の綴りにミスがあるので確認したほうが良いでしょう。
また、この画面で検索できるのは、BRMのみです。RMの認定情報の検索は、RMのサイトから行う必要があります。
手順: プレレジストレーション
いよいよプレレジです。私は2022年度に600kmブルベを完走したので、1月28日の午後8時からの受付でした。
ここではパソコンからの手順を説明しますが、スマホからの手続きも可能です。
事前に用意するもの
プレレジの前に用意するものが2つあります。
- Paypalアカウント
- 2022年に完走したブルベの認定番号
Paypalアカウント
プレレジには、デポジットとして50€が必要です。
デポジットは本レジ時にエントリー料金から差し引かれます。不参加の場合には、デポジットは返却されません。
支払い方法はPaypalのみ。クレジットカードでは支払うことが出来ません。
事前にPaypalアカウントを作り、支払い可能な状態にしておいてください。
2022年に完走したブルベの認定番号
2022年に完走したブルベの認定番号(Homologation)が必要となります。
先述の通り、ACP会員サイト内の「Results」ページからBRMの認定番号を検索可能です。
RMの認定番号は、RMのサイトから認定番号を検索します。
プレレジの実行
プレレジの手順を進めていきます。
ACPサイトにログイン
まずはACPサイトにアクセスし、「Login」リンクを押します。
作成しておいたアカウントのメールアドレスとパスワードを入力し、「Connect」ボタンを押します。
ログインが完了し、Registrationsページが表示されます。
ユーザー情報登録
Paris-Brest-Parisの左隣にある「Inscrivez-vous」ボタンを押します。
すでにユーザー情報が登録されていれば、各情報は自動的に入力されているはずです。
未入力の方は、「手順: ACPサイトへの会員登録」の手順でユーザー情報の記入を行います。
記入が終わったら、「Save」ボタンを押します。
認定番号の入力画面が表示されます。
認定番号の入力
Homologation number欄に、控えておいた2022年度の認定番号を入力します。
「Pre-register!」ボタンを押します。
入力した認定番号に対応するイベントが表示されます。
ブルベの認定番号は、600kmなら600kmカテゴリの中で一意になるように採番されていますが、他のカテゴリ(400kmや300km)と認定番号が重複することがあります。今回はタイの400kmブルベの認定番号と重複してますね。
正しいのは上のイベントなので、上の行の☑ボタンを押します。
参加者情報の確認
参加者情報が表示されるので、内容を確認します。
「Club」欄の左側に表示されているラジオボタンをチェックします。恐らく、リザルトに掲載される所属団体にはここで選んだものが使われるはず。
問題がなければ、「Confirm」ボタンを押します。
プレレジ情報の入力画面が表示されます。
前半はすでに入力した情報が表示されているだけなので、実際に記入が必要となるのは「Type of cycle used」領域からです。
車種の選択
「Type of cycle used」では、参加する車種を選びます。
PBPでは、タンデム自転車・三輪車・リカンベントと言った特殊な自転車は少し早い時間のスタートとなります。
普通のロードバイクやランドナーで参加する方は、「Bicycle」を選択します。
参加部門の選択
「Choice of departure」では、参加部門と出発時間を選びます。
PBPはBRMの最高峰とされていますが、制限時間が3種類から選択可能となっています。
- Departure1
80時間部門です。8/20の16:00-17:30スタートとなります。脚に自信がある人向けの部門です。- Departure2
90時間部門です。8/20の17:30-21:00スタートとなります。普通の参加者はここです。- Departure3
84時間部門です。8/21の5:00-6:30スタートとなります。朝にスタートしたい人向けの部門です。
私は前回同様、90時間部門を選択しました。
スタート時間の選択
参加部門を選ぶと、「Choose your departure time」のプルダウンメニューにスタート時間の候補が表示されます。
私は18:45スタートのLグループを選択しました。
グループ名の後に書いてある数字は、残りの席数となります。これが0になると、それ以上登録することは出来ません。なぜかマイナスになっているものがありますが、排他処理が上手く実装されていないんでしょう(プログラマ視点)。
本稿執筆時点で、17:30のGグループ~19:30のOグループまでは全て定員となっています。
プレレジの実行
規約に同意するチェックボックスに☑を入れ、「Enregister la preinscription」ボタンを押します。
「Recorded data」と表示され、Entry Number欄に「PBP-」から始まるエントリー番号が表示されます。
これで一旦プレレジの作業は終了です。
デポジットの支払い
プレレジを有効にするためには、参加費の一部をデポジットとして支払う必要があります。いわゆる前金。参加をキャンセルしても、デポジットは返却されません。
「Make the payment」ボタンを押すと、Paypalの支払画面へと遷移します。
50€を支払いました。
完了メールの受信
支払いが成立すると、プレレジ完了のメール(表題: PBP-(Entry No) Pre-registration in Paris-Brest-Paris 2023)が送られてくるはずです。
プレレジ結果の確認
ACPサイトにログインし、「Entry: PBP-(Entry No)」という番号が表示されていれば、正常にプレレジが完了しています。
プレレジ完了直後は、「Modify」ボタンを押すことで、スタート時間等は後から変更も可能となっています。
数時間から数日でACPによるデータチェックが入り、チェックが終わるとスタート時間は確定、変更はできなくなります。
ACPによるチェックが完了すると、「Valide」と表示されます。
Consultボタンを押すと登録内容を確認することは出来ますが、変更はできません。
まとめ
PBPのプレレジストレーションの方法を紹介しました。
2019年大会は参加を早くから決めていたので、前年に1000km以上の認定を取得して臨みました。
2023年大会は直前まで参加を迷っていたため、前年の認定は600kmまで。それでも2番目のプレレジ枠でエントリーが出来たわけで、認定を取っておいて良かったです。
1000km以上のプレレジ枠はそこまで荒れなかった記憶があるんですが(そもそも認定を持ってる人数が限られる)、600kmのプレレジ枠はなかなか強烈でしたね。15分くらいで600枠くらいが埋まりました。
とはいえ、何とか18:45スタートの枠には潜り込めたので良かったです。2015年のPBPは18:45スタートだったので、なんとなく安心感があります。
本レジと、半年後のPBP本番に向けて、しばらくはブルベに集中する日々になりそうです。
なお、前回大会は、プレレジ後に「スタート時間を勝手に30分前倒しされる」という処置を取られました。
エントリー希望者殺到で急遽枠を増やすことになり、スタート時間を前倒ししたとのことですが……今回はそういった混乱がないことを願います。
著者情報
年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。