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PBP 2023 ドロップバッグに入れる荷物
私がPBPでドロップバッグに入れるものと、その理由を紹介します。
はじめに
PBPでドロップバッグに入れるものについて紹介します。
前回参加の経験を踏まえて、アップデートを加えたものになります。
以下のものは別記事で紹介します。
- 走行時に持つ荷物(ライトや泥除けなどもこちら)
→ PBP 2023 走行時に必要な荷物 - 走行時の機材
→ PBP 2023 機材の選び方 - 走行時に着るウェア
→ PBP 2023 走行時のウェア
基本的な考え方
こちらの記事に書いたドロップバッグサービス、今回も私は利用する予定です(既に受付は終了しています)。
置かれる場所
グッディースポーツのドロップバッグは、ルデアック(Loudeac)という街のPCに置かれます。
往路(445km)と復路(783km)、どちらも通るため、2度中身を入れ替えるチャンスがあります。
こちらは2019年大会のドロップバッグ受け取り場所の様子。
ベンチの取り付けられた壁の裏が仮眠所になっていました。グッディースポーツさんはかなり良い場所を抑えてくれていました。
どうもこの場所取りは各国で早いもの勝ちらしく、今回はどの場所に置かれるかは分かりません。ルデアックに行ってから探すことになるでしょう。
ちなみに、日本の手前に置かれているのは、インドのドロップバッグサービスだったようです。
バッグのサイズ
2015年と2019年は、こちらの薄手のボストンバッグが提供されましたが、今回は自分でバッグを持ち込む必要があります。
バッグの要件は「横50cm x 縦30cm x 深さ30cm」以内。
これは前回まで提供されていたバッグのサイズと同一なので、それに合わせているのだと思います。
杓子定規に計算すれば45リットル入るはずですが、実際には35リットル程度が限界です。とはいえ、かなりの量の荷物を詰め込めます。
闇雲にモノを入れても、取り出すときに迷うだけ。入れるものをよく考え、取り出しやすい状態にしておく必要があると考えます。
基本的には「着替え」「電源」が必須のものとなるでしょう。あとは個々人が考える、所持品の予備を入れることになると思います。
考え方
私は以下のような考え方でバッグに入れるものを決めています。
着替え
日本ならばコインランドリーで洗濯・乾燥をする運用も可能です。途中で泊まるホテルにコインランドリーがあれば完璧。
しかし、PBPコース上のホテルにはそういったことは望めません。そもそも、数千人がコース近くのホテルを予約するので、半年以上前に予約をしないと取れません。
PBPのコース上にもコインランドリーはありますが、海外のコインランドリーをいきなり使いこなすのは難しいでしょう。
かといってサドルバッグに入れるにはウェアは嵩張るものです。このため、もっとも優先的にドロップバッグに入れるべきは着替えになるでしょう。
電源
電源もルート上で手に入れるのは難しいです。
2019では、カフェも含めほぼクレカ(タッチ決済も)が使えました。入口や道端にある屋台などは現金だったような。あと、ブレストの充電写真です。探せば大抵コンセントはありました。 pic.twitter.com/7P4RsphtP6
— Hide 🇫🇷B089 (@transamhide) July 1, 2023
PC内に充電コーナーがある場合もありますが、必ず存在しているわけではありません。
PCの売店でも電池は買えますが、一般的な単3電池と単4電池くらいのもの。
バッテリーが大容量となった昨今のスマホや、ライトを充電するためにはモバイルバッテリーが必要になります。これも持って歩くにはかなり重いですし、使い切ってしまえばただの重りです。
これも優先してドロップバッグに入れるべきものです。
その他
それ以外の必要なものは個々人のスタイルによって変わってくると思います。
基本的には持ち物の予備になると思いますが、例えば以下のようなものが考えられるでしょう。
- 睡眠グッズ
- 入浴グッズ
- 防寒グッズ
- レインウェア
- 化粧品
- スペアパーツ(ライト・タイヤ・チューブ等)
- 補給食
- サプリメント
PBP中、自分が欲しくなるものを想像して中身を考えましょう。
「現地では手に入らないもの」「手に入れようと思ったら値段が高いもの」を優先して入れるのがコツです。
格納方法
私は10リットルの袋を3つ買ってきて、中身を大きく3分割します。
3分割の内訳は以下です。
- 往路取得用
往路で取得する、着替え・電源・サプリなどを入れる。- 復路取得用
復路で取得する、着替え・電源・サプリなどを入れる。- 共通
その他、必要になりそうなものを入れる。
①と②はほぼ同じで以下のような中身になっています。
左上から、着替え・補給食・サプリメント・ライト予備バッテリー・モバイルバッテリー・トイレットペーパー・使い捨てカイロです。
往路で取得するアイテムは、その後の一番寒い区間(ルデアック~ブレスト~ルデアック)で使うものなので、その他の区間よりも寒さに対する備えを追加しています。
私のドロップバッグの中身
現時点で考えている私のドロップバッグの中身を紹介します。
- ドロップバッグの中身一覧(+ボタンで展開)
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大分類 中分類 小分類 メーカー 製品名 個数 往路取得用
(ルデアック~ブレスト
~ルデアック用)着替え 頭 PACE ヘルメットライナー 1 上半身 mont-bell ジオライン M.W. サイクルアンダーシャツ 1 Santic サイクルジャージ長袖 1 下半身 PearlIzumi プリザーブ バイクタイツ 1 手 イチーナ ピタクロタッチ(インナーグローブ) 1 足 DeFeet Woolie Boolie Socks 1 サプリメント BCAA 味の素 アミノバイタル プロ 4 アリスト スーパーメダリスト 9000 1 回復用 アスリチューン スピードキュア 1 プロテイン 味の素 アミノプロテイン カシス 3 ジェル 梅丹本舗 サイクルチャージ(ゴールド) 1 足攣り クラシエ 芍薬甘草湯 1 補給食 - - 色々 - 電源 モバイルバッテリー ANKER Astro E1 (5200mAh) 1 ライト用バッテリー CATEYE BA-4.8 1 CATEYE BA-3.1 1 トイレ - ネピア おしりセレブ 1 睡眠用 アイマスク 花王 蒸気でホットアイマスク 1 防寒 身体用カイロ ロッテ 貼るホカロン ミニ 2 靴用カイロ 桐灰 靴下用カイロ 1 復路取得用
(ルデアック
~ランブイエ用)着替え 頭 PACE ヘルメットライナー 1 上半身 mont-bell ジオライン L.W. ラウンドネックシャツ 1 Santic サイクルジャージ長袖 1 下半身 PearlIzumi プリザーブ バイクタイツ 1 手 イチーナ ピタクロタッチ(インナーグローブ) 1 intro Stinger 4 1 足 Drymax サイクルクルー 1 サプリメント BCAA 味の素 アミノバイタル プロ 4 アリスト スーパーメダリスト 9000 1 回復用 アスリチューン スピードキュア 1 プロテイン 味の素 アミノプロテイン カシス 3 ジェル 梅丹本舗 サイクルチャージ(ゴールド) 1 足攣り クラシエ 芍薬甘草湯 1 補給食 - - 色々 - 電源 モバイルバッテリー maxell MPC-CS5000 (5000mAh) 1 ライト用バッテリー CATEYE BA-4.8 1 BA-3.1 1 トイレ - ネピア おしりセレブ 1 睡眠用 アイマスク 花王 蒸気でホットアイマスク 1 防寒 身体用カイロ ロッテ 貼るホカロン ミニ 2 共通 電源 電池 Panasonic リチウム乾電池 (単3) 8 Panasonic リチウム乾電池 (単4) 4 モバイルバッテリー ANKER PowerCore 13000 (13000mAh) 1 ライト用バッテリー CATEYE BA-3.1 1 CATEYE BA-2.2 2 CATEYE CRA-001 急速充電クレードル 1 CATEYE CRA-002 急速充電クレードル 1 ケーブル CATEYE 充電ケーブル(microUSB) 2 ANKER Type-Cケーブル 2 防寒具 レインジャケット mont-bell ULサイクルレインジャケット 1 ウインドブレーカー KAPELMUUR クリアレインジャケット 1 シューズカバー mont-bell レインシューズカバー 1 防水ソックス DexShell ULTRALITE BIKE SOCKES 1 睡眠用 アイマスク 花王 蒸気でホットアイマスク 2 耳栓 MOLDEX NRR33 2 シャワー用 ボディスポンジ - - 2 全身シャンプー ラックス アスレジャー 1 バスタオル - - 1 フェイスタオル - - 2 洗浄用 ボディペーパー 花王 ビオレu 全身スッキリシート 1 シャンプーペーパー 花王 メリットデイプラス 1 サプリメント 回復用 アスリチューン スピードキュア 5 クレアチン Kentai パフォーマンスタブ クレアチン 50 BCAA 味の素 アミノバイタル プロ 4 アリスト スーパーメダリスト 9000 2 meiji VAAM ATHLETE 2 プロテイン 味の素 アミノプロテイン カシス 5 ジェル 梅丹本舗 サイクルチャージ(ゴールド) 1 サイクルチャージ(ブラック) 1 サイクルチャージ(レッド) 1 足攣り クラシエ 芍薬甘草湯 4 熱中症対策 日本海水 ポケットソルト 1 薬 痛み止め 第一三共 ロキソニンS 12 眠気覚まし エスエス製薬 エスタロンモカ 12 胃腸薬 エーザイ 新セルベール 9 テーピング MUELLER テーピングテープ 1 睡眠導入 皇漢堂 リポスミン 12 予備アイテム フロントライト CATEYE VOLT800 NEO with BA-4.8 1 CATEYE VOLT800 with BA-3.4 1 テールライト CATEYE OMNI5 with エネループ 1 Planet Bike SUPERFLASH 65 with エネループ 1 GPS Garmin eTrex 30x 1 ブレーキシュー BBB ウルトラストップ 4 反射ベスト L2S Visioplus L 1 タイヤ Continental GP5000 25C 1 チューブ Panaracer R'Air 23-28C 2 袋の外 着替え ポンチョ subaru 目隠し用ポンチョ 1
以下は意図の解説です。
着替え
往路と復路で2回着替える予定なので、2回分の着替えを上下フルセットで用意しておきます。
こちらの記事で書いた「基本モード」を2セットです。
ただし、往路で取得する分は、その先の区間が寒いため、インナーとソックスを厚手のものに変更しています。靴用カイロも忍ばせました。
着替えは1セットずつ、衣類用の圧縮袋に入れておくと良いです。
荷物のカサも減りますし、脱いだ汚れ物からニオイが出ないように密封することも出来ます。衣類の圧縮袋は100円ショップでも買うことが出来ます。
電源
自分が道中必要な電子機器を、PBPの期間中動かせるだけの電源を入れます。
私の場合、常に使う電子機器は以下のとおりです。
- Garmin eTrex32x: 単3電池×2本
- Garmin Edge 840 Solar: 内蔵リチウムバッテリー
- CATEYE VOLT800 NEO, VOLT800: BA-4.8、BA-3.4
- CATEYE OMNI5: 単4電池×2本
- スマートフォン: 内蔵リチウムバッテリー
eTrex32x用
eTrex32xは、45時間稼働する「リチウム乾電池」を使用します。
スタート時点に入れた電池と予備電池1セット(持ち歩く)で足りるはずですが、念の為2セットを共通の袋に入れておく予定です。
VOLT800 NEO, VOLT800用
VOLT800 NEOはローモードで13時間、VOLT800は10時間稼働することを確認しています。
スタート時点でハンドルにライト2本(左: VOLT800 NEO, 右VOLT800)と予備カートリッジバッテリー1本(BA-3.1)を持って走ります。
往路用と復路用の袋には、それぞれBA-4.8とBA-3.4を1本ずつ入れます。
共通の袋には、家にあった余りのカートリッジバッテリーを入れておきます。
OMNI5用
OMNI5はスタート時にはリチウム乾電池を入れておく予定です。
ドロップバッグには、共通の袋に予備の電池を入れておきます。
点灯のみで60時間持つとされていますが、明るさを保つのは30時間程度です。恐らく電池交換は道中1回で済むと見ていますが、念の為2セットをバッグに入れておきます。
Edge840, スマートフォン用
Edge840とスマートフォンは、仮眠中にモバイルバッテリーから充電を行う想定です。
往路用と復路用の袋には、それぞれ走行中に使用するための小型モバイルバッテリーを入れます。
同時に2ポートで給電できるモバイルバッテリーを共通の袋に入れておきます。
レインウェア
レインウェアはサドルバッグに上下一式を入れて走るつもりですが、予備のレインウェア一式をドロップバッグに入れます。
仮にどこかでレインウェアが水没した場合、乾かす時間も場所もありません。となると、予備のレインウェアが必要となるわけです。
あまりレインウェアの予備を持っている方はいないかも知れませんが、個人的にはあったほうが安心だと思います。
もしも、とても寒かった場合には追加の防寒具にもなりますしね。
補給食
食べ物は基本的にPCで手に入ります。沿道でも私設エイドがあります。
ただ、日本の味が恋しくなっても、中々手に入れることはできません。そんなときのために、日本的なものを入れておこうと思っています。
サプリメント・薬
サプリメントと薬類も入れておきます。これらはほとんど持って走るものの予備となります。
トイレ用具
フランスのトイレには紙があるとは限りません。
おしりセレブは持って走りますが、使ってしまったときのために予備を入れておきます。
シャワー用具
シャワー室で使うための用具です。
前回のルデアックのシャワー室は全身シャンプーが置いてあった上に、布タオルになっていましたので、ほとんど必要ないかもしれません。
ボディスポンジ
シャワーであると助かるのが「ボディスポンジ」です。
2015年に参加した際は、石鹸があっても泡立てられなかったので上手く体を洗えなかったのです。それが原因で、股擦れを起こしてしまいました。
今回はそれを防ぐべく、ホテル用のアメニティをAmazonで購入しました。
睡眠用具
仮眠室で使うための用具です。アイマスクとイヤホン(耳栓代わり)を用意しておけば良いと思います。
夜の仮眠所は寒いので、ブランケット的なものを用意しておいても良いでしょう。
着替え用アイテム
今回はルデアックではシャワーを浴びずに着替えるだけという可能性があるため、シャワー室を使わずに着替えをするためのアイテムを買いました。
防災グッズの着替え用アイテムです。3つの袋の外に入れておきます。
予備アイテム
その他の走行に必要な予備アイテムです。
予備ライト
ライト故障の可能性を考え、前後ライトを2つずつドロップバッグに入れます。
VOLT800とVOLT800 NEOの本体を1本ずつ入れておきます。
反射ベストも前日受付で貰ったものを予備として入れておきます。
PBPのベストは割と初期不良が多いので、それを着て本番を走るのはリスキーだったりします……。私は日本から持参したベストを着て走る予定です。
予備チューブ・タイヤ
そしてチューブとタイヤ。これらも1本ずつ予備として入れておきます。PCでも買えますが、好みのタイヤが売っているとは限りませんので。
とりあえずGP5000を入れておけば安心。
チューブは安定のR’Airです。
まとめ
ドロップバッグに入れるべきものと、私の例を紹介しました。
繰り返すと、「着替え」「電源」を忘れずに。そして、自分が必要な予備装備を入れます。
選ぶポイントは、「現地では手に入らないもの」「手に入れようと思ったら値段が高いもの」です。液体は日本から持ち出せない場合があるので、航空会社の規約を調べておきましょう。
著者情報
年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。