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PBP 2023 走行時に必要な荷物
私がPBPの走行時に持つ荷物を紹介します。
あくまでも「私はこれで行く」という紹介であって、誰にでも適するものではありません。
はじめに
PBP2023において、走行時に持ち運ぶ荷物について、部位別に説明します。
前回&前々回の参加経験を踏まえて、アップデートを加えたものになります。これから2ヶ月で少し修正を加えるかも知れませんが、概ねこの通りになると思います。
なお、PBP公式サイトにも推奨装備を書いたページがあります。
自転車側の全体構成
前回の私のPBP参加時の自転車の写真を以下に示します。
バッグ構成は以下の通りでした。
- フロントバッグ
- ソフトツール缶(シートチューブ)
- ハードツール缶(ダウンチューブ下)
- サドルバッグ
今回もこちらの構成は変えない予定です。
2015年→2019年では、トップチューブバッグをフロントバッグに変えましたが、これは正解だったと思います。無補給区間が長いので、食べ物を大量に持ち運べるフロントバッグは便利でした。
空力的なことを考えるとフレームバッグのほうが良いんですが、私は太ももに擦れるのでNG。フレームバッグが気にならない人は、そちらを選んだほうが良いと思います。
サドルバッグは2015年、2019年と同じOvejanegraを引き続き使うことになりそう。もしかしたら、オルトリーブのシートパックMにするかもしれませんが。
持ち物リスト
持ち歩く予定の荷物を一覧表に纏めました。
なお、ドロップバッグに入れる荷物については、この一覧に含めていません。
- 持ち物一覧(+ボタンで展開)
-
格納場所 大分類 小分類 メーカー 製品名 個数 本体 GPS 地図表示 GARMIN eTrex32x 1 ログ取り予備 GARMIN EDGE840 Solar 1 フロントライト ハンドル CATEYE VOLT800 NEO 1 CATEYE VOLT800 1 ハブ軸 CATEYE URBAN2 1 ベル - CATEYE OH-2400 1 テールライト シートステー PLANET BIKE SUPERFLASH 65 1 シートステー CATEYE OMNI5 1 バックミラー - B&M CYCLESTAR 1 サドルバッグ - Ovejanegra Gearjammer 1 フロントバッグ - mont-bell フロントバッグ 1 ツール缶 ダウンチューブ下用 OGK TOOLBOX700 1 シートチューブ用 KAPELMUUR ツールケース 1 ボトル - ELITE FLY TEX 950ml 1 泥除け 前 SKS SLIMGUARD 1 後 Zefal Shiled R35 Road 1 サドルバッグ レインウェア ジャケット mont-bell サイクルレインジャケット 1 パンツ mont-bell バーサライトサイクルパンツ 1 シューズ(インナー) アゼアス AZ+CLEAN 1 シューズ(アウター) TATONKA VELO GAITER 1 グローブ ショーワ TEMRES 04advance 1 バイザー KABUTO Bit Visor 1 輪行袋 - pocket in PI-1 1 ナップサック - Seatosummit ウルトラシル デイパック 1 反射板 - Aardvark Reflective Yield symbol 1 その他 タイラップ インシュロック リピートタイ 2 防寒 SOL エマージェンシーシート 1 CANYON ネックウォーマー 1 コンタクトレンズ メニコン 1DAY 1 フロントバッグ サプリメント BCAA 味の素 アミノバイタル プロ 3 プロテイン 味の素 アミノプロテイン 3 塩サプリ 日本海水 ポケットソルト 1 薬 痛み止め 第一三共 ロキソニンS 2 胃腸薬 エーザイ セルベール 4 眠気覚まし エスエス製薬 エスタロンモカ 2 鎮痛薬 ノバルティス ボルタレンゲル 1 足攣り防止 ツムラ 芍薬甘草湯 2 補給食 - - ようかん、チョコレート等 - 電源 電池 Panasonic リチウム乾電池(単3) 2 CATEYE BA-3.4 1 モバイルバッテリー ANKER Astro E1 (5200mAh) 1 ANKER Type-Cケーブル 1 その他 走行計画表 - - 1 ツール缶(ダウン) パンク修理 チューブ Panaracer R'Air 25-28C 2 タイヤレバー Panaracer タイヤレバー 2 タイヤ修理 Parktool タイヤブート 1 チューブ修理 airbone パッチキット 1 携帯ポンプ TOPEAK RACE ROCKET HPC 1 修理部品 コネクトピン SHIMANO コネクトピン 11s 1 ブレーキシュー SHIMANO R55C4 1 工具 携帯ツール PB SWISS BIKE TOOL 1 チェーン工具 KMC Mini Chain Tool 1 チェーンロック - ドンキホーテ 商品名不明 1 ツール缶(シート) ケミカル チェーンオイル Vipro's De muon(小分け) 1 薬等 股擦れ防止 アース・ブルー プロテクトJ1(小分け) 1 リップクリーム ニベア Deep Moisture 1 日焼け止め CATEYE Cyclist Eye 1 洗面用具 歯磨き 無印良品 歯磨きセット 1 トイレ関係 トイレットペーパー ネピア おしりセレブ 12枚入 1 その他 ウェットティッシュ エリエール 除菌ウェットティッシュ 1 ビニール袋 - コンビニ袋 1 アイマスク - 適当なもの 1 耳栓 moldex NRR33 1 バックポケット スマートフォン - Google Pixel 6a 1 カードホルダー ブルベカード - - - 1 パスポート - - - 1 現金 200ユーロ程度 - - 1 クレジットカード - - - 1
格納場所別に、特徴的な荷物と、その荷物を選んだ理由について書いていきます。
部位別: 本体
自転車本体に付ける荷物の紹介です。
サイクルコンピューター
メインとサブで2台付けて走る予定です。
メイン
メインのサイクルコンピューターは、eTrex32xです。地図表示はこちらで行う想定。
これは山用のGPSなのですが、自転車で使うためのマウントも用意されています。
eTrexを使う理由は、「単三電池2本で最大45時間駆動するから」です。
リチウム乾電池という特殊な電池を使用することで、ほぼ2日間付けっぱなしで使うことが出来ます。
90時間のPBPにおいては、電池交換をしたり充電したりするものを出来る限り減らしたいものです(マネジメントが大変なので)。eTrexであれば、リチウム乾電池の予備を1セット持っておけば、道中に1度の交換だけで最後まで走りきれます。
サブ
サブのサイクルコンピューターは、Edge840 Solarです。
eTrexは自転車用の各種センサ(スピード・ケイデンス・心拍)と繋がりますが、パワーメーターとだけは繋がりません。
今回はパワーを含めたログを取りたいのと、パワーの調整をしながら走りたいと思っているため、パワーメーターと接続できて電池寿命の長いEdge840 Solarを選びました。
Edge840 Solarは、バックライトを切っていれば何と58時間も稼働します。 eTrexよりも長い。
更に晴れていればソーラー充電分も加わるので、60時間以上の稼働が見込めます。
充電が1回は必要になりますが、それくらいならば仮眠の際にモバイルバッテリーから充電すれば良いでしょう。
フロントライト
前回のPBPは時間外完走でしたが、その遅れの理由となったのがライトの不調でした。それもあって、今回はライトを一工夫しています。
配置は、ハンドルに2個、ハブ軸に1個とする予定です。
フロントライト
フロントライトは、左に「VOLT800 NEO」、右に「VOLT800」を配置します。
前回のPBPではVOLT800を2本使用。しかし、同時に両方が電池切れになるという事態に直面しました。10時間は持つはずなのに、2~3時間で電池切れの赤ランプが点灯してしまったのです。
原因は未だに分かっていませんが、そこから学んだのは「同じライトだけで揃えると、同じ条件で同時に不具合を起こす可能性がある」ということでした。
そこで、あえて複数種類のライトを持ち、リスクを低減することが狙いです。
まずは主砲のVOLT800 NEO。
200ルーメンで実測15時間というランタイムを誇ります。基本的にはこちらだけで走る想定。
そして、サブにVOLT800。
より暗くて明るさが欲しい場所でのサポート用に使う想定です。
ハブ軸ライト
予備ライト置き場として、ハブ軸にライトを付けます。
こちらのようなアダプタを使うことで、ハブ軸にライトを付けることが可能です。
付ける予定のライトは、CATEYE「URBAN2」です。
ハブ軸に付けることは付けますが、そこで点灯する予定は特にありません。バッグの中に入れてもかさばるので、外付けしておくだけの目的です。
ポイントは、このライトが「単三電池駆動」であること。たとえ電池側にトラブルがあっても、単三電池ならば世界中のどこでも手に入ります。その気になれば、eTrexから引っこ抜くことも可能。
VOLT800 NEOとVOLT800がどちらも不調になったときのために、最後のお守りとして電池式ライトを持とうというわけです。
テールライト
リヤは、左右のシートステーにテールライトを1個ずつ。そして、サドルバッグに三角反射板を取り付けます。
片方はPLANET BIKE「SUPERFLASH 65」。
単4電池×2本にしては明るく、そこそこランタイムも長い優秀なテールライトです。マウントが細い真円シートステーにしか付かないので、クロモリフレーム限定装備ですが。
もう片方は、永遠の定番品であるCATEYE「OMNI 5」です。ちょっと暗いですが、長持ちで重宝します。
サドルバッグには、Aardvarkの三角反射板を付けて後方の車にアピールします。
ボトル
ボトルは、950mlの大型ボトルをシングルで行きます。
理由は、シートチューブ側のボトルケージにツールケースを入れたいからです。ツールケースをそこまでして使いたい意味については後述します。
通常のボトル1本(600-700ml)だとPC間で水が不足することもあるので、1L程度は水を確保できる体制を作っておいたほうが良いと思います。
ELITEのFLY TEXボトルは、大容量かつ軽量なので良さそうです。
泥除け
フランスの天気は非常に変わりやすいです。
また、PBPの参加者は泥除け装着率が非常に高く、泥除けの付いていない自転車は雨天時には集団に入れてもらえないケースもあると聞いたことがあります。
フロント
フロントは、SKS「S-BOARD」。
ちょっと短いですが、防御力は十分。太いタイヤでも取付可能です。そしてかなり軽量。
リヤ
リヤは、Zefal「R35 Shield Road」。
割りと軽量で、防御力も高め。28Cタイヤでも十分な幅を持っています。
部位別: フロントバッグ
フロントバッグに入れる荷物の紹介です。
私は、mont-bell サイクルフロントバッグを使用しています。3エリアあり荷物を分類出来ること、見た目の割に軽量であることが気に入っています。
中央エリア
3室のうち、中央の一番大きいコンパートメントは補給食用スペースとして空けておきます。
左エリア
左エリアには電源を。モバイルバッテリーとスペアバッテリーを入れます。
モバイルバッテリー
PBPではドロップバッグが使えるので、持ち歩くモバイルバッテリーはスマホを1回充電できるだけの容量(5000mAh前後)があれば十分だと考えています。
ドロップバッグに同程度の容量のものを2本入れておき、ルデアックで入れ替える想定です。
スペアバッテリー
VOLT800にも800NEOにも使える、BA-3.4をスペアバッテリーとして持参します。
BA-4.8のスペアも持っていくかもしれません。
右エリア
右の1室には薬・サプリメントを入れます。
薬は、痛み止め・眠気覚まし・足攣り防止と国内でも一般的なものを。
胃薬
現地の水や食べ物が合わなくて調子が悪くなったことがあるので、一応胃薬は持っていきます。
前回はセルベールを持っていきました。使わなかったですが。
痛み止め
ロキソニンを持参します。
ただ、これを使うならラスト100kmまでは使わないはずです。薬で無理やり痛みを止めても悪化するだけなので。
足攣り防止
芍薬甘草湯を持参します。
足攣りに対して予防も出来、症状が出てしまってからでも即効性があります。
プロテイン
前回のPBPでは補給が糖質に偏りすぎまして、途中からタンパク質不足に陥りました。
日本ではプロテインドリンクがコンビニで買えますが、PBPでは中々タンパク質の補給が難しいのです。
PC内のレストランや街のバーやマクドナルドで肉を食べれば良いんですが、それなりに時間を取られます。今回は、なるべく座って食べようかとも思っているんですが。
それでも時間が足らない時のために、これを持参して走る予定です。回復用というよりは、タンパク質が取りたいだけ。
あとは塩分補給も兼ねてサラミなども持とうかと考えています。
部位別:サドルバッグ
サドルバッグに入れる荷物の紹介です。
主に、軽くて容積の大きいもの(ウェア類)を格納します。ここが重いと自転車の左右の振りが重くなるので。
バッグはOvejanegraのGearjammer Mサイズ。
容量は6-10リットルと、標準的な大型サドルバッグよりは一回りコンパクトなサイズです。フロントバッグがあるので、これくらいの大きさがあれば十分。
ナップサック(内袋兼用)
前回のPBPで「これはいいな」と思ったのが、受付の時に参加賞としてもらった薄手のナップサックでした。
PBPのPCは広く、駐輪場から施設内まで距離があります。
PCの中で水を汲むならばボトルを持っていく必要がありますし、貴重品は取り外して持っていきたいという場合もあるでしょう。
前回のPBPでは、PC内を歩き回る時にこのナップサックが活躍しました。中に柔らかいものだけ入れておけば枕にもなりますし、色々と便利でした。
今回も受付で貰えるかは不明なので、日本から↑の超軽量リュックを持っていく予定です。
これを、サドルバッグの内袋として使用します。そして、PC内では歩き回るためのリュックに。完全防水ではありませんが、防水性の高い生地なので、内袋としても使えるはず。
レインウェア
まずはレインウェア。フル装備を一式持っていきます。
これだけで600g程度になりますが、前述のようにフランスは天気が変わりやすいので持ったほうが良いでしょう。
そして、夜は一桁気温に冷え込むので、防寒具にも使えるものを用意すると良いです。
私はGORE-TEX採用のmont-bellサイクルレインジャケットを持っていきます。
シューズカバーはTATONKAに入れ替え。レインパンツは、バーサライトサイクルパンツに入れ替えました。
雨天対策の詳しい部分は、拙著の「雨天ライド攻略本」をご一読ください。かなり詳しく書いています。
輪行用具
輪行袋も持参します。POCKET INという200g以下の簡易な輪行袋です。
PBPで万が一リタイヤした場合には電車でパリに戻ることになるわけですが、その際に必要です。
フランスの新幹線に当たるTGVは輪行袋に入れなくても持ち込める編成と、持ち込めない編成があるそうです。持ち込めない編成の場合に輪行袋が無いと、駅でOS-500クラスの重くて大きい袋を買うことになるんだとか。
その際の保険として、簡易な輪行袋を持っておきましょう。仮眠所で寝る時の掛け布団としても使えたりします(仮眠所が寒くて2015年大会では実際に使いました)。
また、輪行袋は比較的折りたたむと固くなるので、大型サドルバッグの先端部分に詰めておくと、シートポストがサドルバッグに食い込みづらくなり、安定性が増します。
その他
仮眠所の寒さ対策でエマージェンシーシートも持っておくと良いです。mont-bellのエマージェンシーシートは小さくなるのでオススメです。
また、PBPでは昼間は反射ベストを着なくても構いません(今回の大会から昼間は「推奨」になりました)。
反射ベストを格納するためのスペースをサドルバッグに残しておくか、バンジーコードで反射ベストを括り付けられるタイプのサドルバッグを使うと便利です。
部位別:ツール缶(ダウンチューブ下)
私のフレームはオーダーフレームで、ダウンチューブ下にボトルケージを付けられるダボ穴を開けてもらっています。
こういった穴がない場合でも、ELITE VIP BOTTLECAGE CLIPSなどを使えば、ボトルケージを増設可能です。重いパーツをより下に持っていけるので体感的に軽く感じられるメリットがあります。
この位置のツール缶は雨天時に前輪の水が掛かりまくってすぐに浸水するため、私は防水化対策を施しています。
パンク修理用具
ここには、主にパンク修理用具を入れています。
最近はタイヤが太くなって高圧まで入れなくなったため、RACE ROCKET HPCを持ち歩いています。高圧だと「例のポンプ一族」の方が良いんですが。
予備チューブは、定番のR’AIRにするか、軽量化のためにTPUチューブにするか、ちょっと迷っています。
携帯工具他
携帯工具と予備ブレーキシューも格納。私のフレームはエンド一体型なので持っていませんが、予備のディレイラーハンガーも持っておいたほうが良いと思います。
ワイヤーロック
PCでは駐輪することもあるので、念のためワイヤーロックも持参します。
一応スタッフの人が見ていてはくれますが、用心は必要です。
部位別:ソフトツールケース(シートチューブ)
シートチューブのボトルケージには、ソフトツールケースを入れます。
このツールケースには、PCで使うものを一式入れています。中身にアクセスしやすい形状なのがポイントです。
なお、この手のツールケースは防水性が期待できないので、雨に備えてキッチン用のポリエチレン袋などに包んでおくと良いかも知れません。
皮膚保護クリーム
トイレで股擦れ防止のために塗るプロテクトJ1は、ダイソーの化粧容器に小分けします。
前回のPBPでも使っていた容器ですが、未だに売っている息の長い商品です。
最近はミニバージョンも売ってます。
歯磨きは目が覚める効果があるので、少し眠気があるときのために携帯用のセットを持っておくと良いです。
チェーンオイル
チェーンオイルも、皮膚保護クリームと同様、化粧容器に小分けして持参します。
ただし、最近は液体の飛行機持ち込みが厳しくなっているので、小分けにするのは現地に着いた後になります。
私はVipro’s「muon」を持参予定です。
トイレ関係
割と重要なのはトイレ関係。
海外のトイレは日本のように必ず紙があるわけでもなく、荷物を引っ掛ける親切なフックがあるわけでもありません。
そのため、一応ここにはウェットティッシュタイプのトイレットペーパーを忍ばせておきます。
また、ビブ派の人はトイレで脱いだジャージを置いておく場所を確保するため、トイレにコンビニ袋を持っていくと良いでしょう。フックなどが無くても、ビニール袋にジャージを入れて床に置くことが出来ます。
部位別:カードホルダー
PBPではスタート受付で首から下げるカードホルダーを貰えます。
ブルベカード
PBPのブルベカードは通常のブルベカードよりも大きく、冊子状になっています。
日本国内で売られている防水スマホケースには入らないので、配布されたカードホルダーを使うのが無難でしょう。
パスポート
私はお金とパスポートも一緒にここに入れて首から下げていました。
「パスポートを持ち歩くべきか?」については意見が分かれる所かと思いますが、警察に身分証明を求められた時や万が一の事故のことを考えると、海外旅行中は常に携帯しておくべきものだと思います。
首から下げたケースが盗まれるとなると、その時点で体も無事では済まないでしょうから、ここが最後の砦になると思います。
現金・クレカ
現金は200ユーロもあれば足ります。
PCでの食事が1回10ユーロとして、4日間で座って食事をするのは8回程度(80ユーロ)。
睡眠は5ユーロで3回(15ユーロ)。
シャワーは4ユーロで2回(8ユーロ)。
100ユーロあれば足りそうですが、色々と道中で買い食いなどをしても200ユーロには収まるでしょう。
ただ、売店でパーツなどを買っていたら足りなくなるので、その時のためにクレジットカードも持っておくと良いと思います。
部位別:バックポケット
普段のライドではメインの荷物格納場所となるバックポケットですが、私はスマホくらいしか入れない予定です。
空いたポケットは、補給食用の場所として空けておきます。
PBPのPC名物でもあるバゲットやバナナみたいな細長いものはフロントバッグに収まらないので、バックポケットに収納するわけです。
背中からバゲットを生やして走るのはPBPでよく見る光景なので、ぜひ一度やってみてください。硬くて噛み切るのが大変ですが。
ゼッケンプレートについて
PBP特有の事情として、「ゼッケンプレート(PBPではFrame Numberと呼ばれる)をどこに付けるか?」問題があります。
通常、ブルベではゼッケンプレートを付けることはありませんが(SR600くらい)、PBPやLELなどの国際的な長距離ブルベではしばしばゼッケンプレートが配布されることがあります。
ゼッケンプレートの存在を意識してライトやバッグの配置を決めないと、現地で悩むことになります。あらかじめ考えておいてください。
ゼッケンプレートを付ける目的
PBPのレギュレーションを見ると、以下の記載があります。
Article 8: Rules for bikes
In order to make checks easier, all riders will have their number marked on a frame badge which must remain attached to the bike throughout the ride.Article 15: Homologation, DNFs and failure to comply with the time limits
The abandoning rider should remove the frame number and keep it, as well as the brevet card.
要は、参加者かどうかの区別をスタッフがしやすいようにすることが目的と思われます。
日本ならば反射ベストでブルベを走っているかの区別は付きますが、PBPでは昼間の反射ベストは義務付けられていません。となると、傍目には参加者かどうか判断がつきにくいわけです。
このため、参加者は完走またはリタイヤするまでゼッケンプレートを付けたままでいることが義務付けられているのでしょう。
ゼッケンプレートの種類
PBPでは、前日受付で3種類のゼッケンプレートを受け取ります。
- ヘルメット前面用(シール)
- ハンドル前面用(コーティングされた紙)
- フレーム側面用(プラスチック)
設置場所
①は普通にヘルメットに貼り付ければOK。問題は②と③です。
②はハンドルにぶら下げるための穴が2箇所空いており、そこにタイラップを通すようになっています。
ただし、これの空気抵抗は馬鹿にならないほど大きいです。また、結構バタつくので走行中に気になりました。
注意してもらいたいのは、ハンドルにライトを吊り下げる運用をしている方です。
2015年の私がまさにそれだったんですが、ゼッケンプレートを付けるとライトと干渉するため、結局ハンドルの上にライトを付け変えざるを得ませんでした。
サイコンとライトがかなり近くなってしまい、サイコンのサイドボタンの操作に苦労したのを覚えています。
2019年は、フロントバッグにゼッケンプレートを直接貼り付けました。バッグ側にマジックテープの片方を貼っておき、配布されたゼッケンプレートにもう片方を貼る方法です。
③は、フレームバッグとの干渉が考えられます。横幅の広いフレームバッグを使っている方は注意が必要です。その場合には、シートチューブとシートステーの間のスペースに取り付けることになるでしょうか。
まとめ
私が持っていく予定の荷物一式を紹介しました。
こちらの記事で紹介した装備で、大体総重量は3kg程度になります(泥除けやライトは除く)。
これは全体の参加者で見ればかなり少ない方になるんじゃないかと思います。海外勢は未だにキャラダイスやパニアバッグといったかなり重い装備を付けていることが多く、バッグだけでかなりの重量になると思います。5kg以上の装備を身に着けている人も多いんじゃないでしょうか。
ロングライドにおいて持つべき荷物は、その人が「リスクをどこまで許容するか」で変わってきます。
私のPBPにおける方針は以下です。
- 行く前に機材はすべてプロの目を通して不備が無いようにしておく。
- 初物は使わない。
- 電子機器は最小限にする。
- PCでは大体のメカトラは解決可能。PCに辿り着ける最低限のものは持つ。
- 海外特有の事情に備えた特殊装備を持つ。
①~③は私の基本理念で、PBPでもキャノボでも変わりません。トラブルが起きてから対処するための物をアレコレ持つよりも、トラブルの種をあらかじめ潰しておくべきです。
ただ、前回はライトのトラブルがあったので、そのための保険については考え直しました。
④はPBP特有です。PBPのPCにおける売店の品揃えは充実しており、タイヤやチューブやウェア類は手に入ります。
また、メカニックサービスもあるので(腕には個人差があるようですが)、変速の不具合やホイールの振れ取り程度ならば対応してもらえるはずです。
予備のタイヤはドロップバッグに入れようと思っていますが、持って走ることはしません。予備スポークも持たない予定です。きちんと整備されていればそうそう問題は起きないと思うので(若干、飛行機輪行の不安はあります)。
⑤は、トイレ事情や、胃腸のトラブルに備えて胃薬を持つといったことを指しています。トイレのトラブル、内臓トラブルは侮れません。是非備えてください。
著者情報
年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。