PBP 2023 準備記事の自己採点

この記事は約 55分で読めます。

PBP2023が終了しました。

結果は以下です。

88時間18分(認定完走)

前回のリベンジを果たし、夫婦ともに同一タイムで認定完走を果たすことが出来ました。トラッキングなどを見て応援してくださった方、ありがとうございました。

走行内容の詳細については走行レポートを御覧ください。

この記事では、今回の備忘録代わりに、事前の準備記事で書いた内容がどの程度正しかったかを確かめていきたいと思います。

 

目次

各準備記事の妥当性検証

今回のPBPに向けて、さまざまな観点から準備記事を書きました。

準備記事一覧
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2019年にも準備記事を書きましたが、前回の体験を踏まえてブラッシュアップした内容にしたつもりです。

道中で日本人の方から声をかけられた際に、「この記事は役に立った」「読んでおいてよかった」という嬉しい声も頂きました。

各記事がどれくらい妥当な内容であったのか、覚えているうちに検証しておきます。

 

登録・参加関係

登録・参加関係の記事の事後検証です。

プレレジストレーション方法の紹介

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この記事では、プレレジ(事前登録)の位置付けと方法について解説しました。

大体内容は妥当だったと思うんですが、掘り下げなかったスタート時刻について思うところがあったので書いておきます。

スタート時刻

サラッと書いたスタート時刻選びですが、結構これは重要な気がします。

90時間部門の場合、スタート時刻は「17:30 – 21:00」までから選ぶことが出来ます。スタートは15分ごとで、表にすると以下のようになります。

グループ名 スタート時刻
G 17:30
H 17:45
I 18:00
J 18:15
K 18:30
L 18:45
M 19:00
N 19:15
O 19:30
P 19:45
Q 20:00
R 20:15
S 20:30
T 20:45
U 21:00

記事に書いた通り、早い時間から埋まる傾向にあります。ただ、必ずしも早い時間にスタートすることが良いとも言えません

それぞれのメリット・デメリットを上げると以下のようになるのではないかと思います。

メリット デメリット
早い時間スタート ・トレインを捕まえやすい。
・遅くなっても、PCが撤収されない(時間外完走しやすい)。
・スタート前に寝溜め出来ない。
・往路のPCが混んでいる。
遅い時間スタート ・スタート前に寝溜め出来る。
・往路のPCが空いている。
・トレインを捕まえにくい
・遅くなってしまうと、PCが撤収されている可能性がある(時間外完走しにくい)。

どちらも一長一短というか、表裏一体です。真ん中あたりが一番バランスが取れている気もします。

ちなみに私は18:45スタートにしましたが、これは単なる「験担ぎ」です。

2015年は18:45スタートで完走、2019年は19:45スタートでタイムオーバーだったので、18:45スタートのほうが縁起が良いだろうと考えました。それだけです。どの時間スタートでも一長一短があるので、それならば気持ちよく走り出せる時間が良いかなと思いました。

本レジストレーション方法の紹介

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この記事では、本レジ(本登録)の位置付けと方法について解説しました。

特に内容に問題はなかったと思います。一つ付記するとすれば、参加者向け書類の受け取り時間はあくまで目安で、守っている人は少なかったことくらいでしょうか。受付側も特にチェックはしていませんでした。

手配関係の記事

手配関係の記事の事後検証です。

飛行機周りの手配

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この記事では、航空券の日程や、直行便 or 乗継便という話を書きました。

全体的には特に記事内容には問題はなかったと思います。ロストバゲージや自転車の破損もなく、快適な空の旅でした。

唯一、輪行箱だけはチョイスを間違えました。

航空券の日程

日程は、当初以下の予定でした。

往路 出発: 8/16 11:40 (羽田/日本時間)
到着: 8/16 17:10 (シャルル・ド・ゴール/フランス時間)
復路 出発: 8/25 20:00 (シャルル・ド・ゴール/フランス時間)
到着: 8/26 14:50 (羽田/日本時間)

しかし、ロシア上空を通過できないという事情から、下記のように日程が変更されました。

往路 出発: 8/16 9:35 (羽田/日本時間)
到着: 8/16 17:10 (シャルル・ド・ゴール/フランス時間)
復路 出発: 8/25 19:20 (シャルル・ド・ゴール/フランス時間)
到着: 8/26 15:55 (羽田/日本時間)

飛行時間が大体2時間ずつ伸びています。

ロシアを避けて北極海経由で向かった結果、このようなことに。復路はともかく、往路はかなり早い時間に家を出なければならず、結構大変でした。

スタート4日前にフランス入りする日程としましたが、時差ボケ対策・現地の食べ物に慣れる対策として有効だったと思います。

復路はゴール翌日の便で帰るという強行日程でしたが、フライトが夜ということで割と時間に余裕はありました。帰国が土曜日の夕方となり、日曜日は泥のように眠ることが出来たので悪くない日程だったと思います。

航空会社

今回はANAの直行便を往復ともに手配しました。

自転車の輸送については、事前にANAに連絡する必要がありました。往復便ともに、3月頃に「自転車を2台積み込む予定」であることを電話で連絡済みです。

自転車については割と空気圧などを細かく見られたものの、その分だけ扱いも丁寧でした。今回は破損らしい破損もありません。

羽田ではもちろん完全日本語対応ですし、シャルル・ド・ゴール空港でもフランス人職員の方が多少は日本語を話してくれます。さすが日系会社。

ただ、往復ともにPBP参加者が同じ便に集中したため、1便に自転車が50台も乗ることに。あわや乗り切らないのでは……といった状況になっていましたが、何とか積み込めたようです。元々運ぶ予定だった貨物を後の便に回して、自転車を積んでくれたという話も聞きました。

一方、エールフランスの直行便はPBP参加者もそれほど多くなく、自転車の積み込みもスムーズだったようです。

基本料金内で自転車を運んでもらえるANAに対し、エールフランスは片道100ドル/100ユーロの特別料金が必要とはなりますが、確実かつスムーズに自転車を積み込んでもらえるというメリットはありそうでした。

輪行箱

記事では「バイクポーターPROを使う予定」と書いていました。

【送料無料対象外】【QBICLE】(キュービクル)バイクポーター PRO コンパクトサイズ【輪行バッグ】(自転車)

しかし、渡仏直前に自転車を入れようとした所、どうしても横幅が足りないことに気づきました。ハブ軸部分が明らかに出っ張ってしまうのです。このままだとハブ軸が箱を突き破りそう。

2015年と2019年のPBPでもバイクポーターPROに近い仕様の自作プラダン輪行箱を作って、フランスまで往復しています。こちらもバイクポーターPROと同じ「3辺合計203cmサイズ」のはずだったんですが。

調べてみると、自作プラダン輪行箱とバイクポーターPROでは微妙な寸法の違いがありました。

  • バイクポーターPRO
    106(L)×23(W)×74(H)
  • 自作プラダン輪行箱
    106(L)×25(W)×72(H)

自作プラダン輪行箱は、高さこそ2cm低いものの、横幅は2cm広かったのです。たった2cmですが、この違いが決定的に大きかった。

ということで、今回は2015年に製作した自作プラダン輪行箱を引っ張り出してきて使うことになりました。

バイクポーターPRO、綺麗に梱包出来る人はいるんでしょうか……妻の小さいサイズの自転車でも、私のスキルでは綺麗に梱包することは出来ませんでした。

手荷物の保安検査

往路の羽田では、チェーンオイルもライトのバッテリーも特に指摘無く保安検査を通過しました。

妻はゼリー状の飲料である「即攻元気」を持ち込もうとして没収されていました。100ml以上の液体は持ち込めません。

復路のシャルル・ド・ゴールでは、さすがに大量のバッテリーが怪しまれたのか、しばらく個別検査をされましたが、特にお咎めなし。ただし、日本から持ち込んでいた全身シャンプーは没収されました。往路ではなぜ見逃されたのか……。やはり検査員次第というのはありそうです。

せっかく印刷してきたチェーンオイルのSDSですが、特に使うシーンがありませんでした。

拠点宿泊地の手配と交通手段

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この記事では、「拠点に向く街」「空港から拠点までの交通手段」について書きました。

「拠点に向く街」については特に問題はなかったと思います。一方、「空港から拠点までの交通手段」については「意外とロワシーバスは使える」という声も聞かれました。

拠点に向く街

今回も多くの日本人はスタート地点であるランブイエを含む、N線沿線の街(ヴェルサイユ、サンカンタン、トラップ、ラ・ヴィリエールなど)に滞在する人が多かったです。

N線は1時間に1本に減便されていましたが(スト or 夏休み?)、それでも乗換なしでスタート地点に到着できるのは大きい。

次回参加する方にご注意いただきたいのは、PBPの拠点に向く街「サンカンタン」のフルネームは「サンカンタン・アン・イブリーヌ」であるということです。

フランスにはいくつか「サンカンタン」という街があります。知人は間違って別のサンカンタンのホテルを予約してしまい、直前になってかなり困っていました。ホテルを予約する際には「アン・イブリーヌ」を忘れずに。

予約したホテル

「カンパニール サンカンタン・アン・イブリーヌ」というホテルを、前泊・後泊ともに利用しました。

このホテルの特徴は以下です。

  • 近くに2つのカルフール(スーパーマーケット)がある。飲食店も多数。
  • 部屋は冷暖房完備で、浴槽付き(スーペリアルームに限る)!
  • 冷蔵庫や電子レンジはないが、お湯を入れる電気ケトルあり。
  • 大会期間中は荷物ルームで自転車を預かってもらえる。
  • 徒歩5分ほどの所にコインランドリーがある。

雰囲気はビジネスホテルですが、フランスのビジホとしてはかなり恵まれた内容であったと言えます。

また、2015年まではPBPのスタート地点の街だったこともあり、非常に自転車への理解があるのもこのホテルの特徴。

ホテルの倉庫を自転車部屋として使わせてくれまして、多くの参加者がここに走行中の荷物を置いていました。

一つ不満があるとすれば、エレベーターが1機しかなかったことくらいです。非常に良いホテルでした。

拠点までの交通手段

今回、私達はボヤージュアラカルトという会社のプライベートタクシーを利用しました。

日本人メインで構成されたフランスの旅行会社で、プライベートタクシーのサービスも行っています。

車は大型のメルセデス・VIANO。ドライバーは日本人の方です。

シャルル・ド・ゴール空港からサンカンタン・アン・イブリーヌのホテルまでは約60kmで1時間半ほど。料金は片道160ユーロでした。

妻と二人で自転車2台を伴っての移動でこの料金なので、なかなか良かったと思っています。ドライバーの方が自転車乗りで、現地のサイクリスト事情を色々と聞けたのも良かったです。

ロワシーバスについて

そして今回、個人的には「ちょっと使うのは難しいだろうな」と思っていた、空港バス「ロワシーバス」について。意外にアリだったようで、使っていた方を結構見かけました。

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実際に利用されたさかきさんによれば、「キャスター付きの輪行箱なら割とアリ」とのこと。

空港バスのように車体下部の荷物入れスペースはありませんが、車内に輪行箱をおける程度のスペースはあるようです。

ロワシーバスの終点は「オペラ座の怪人」で有名なオペラ座前。ここからN線の始発であるモンパルナス駅までは3.7kmあります。徒歩はちょっとキツイかもしれません。

さかきさんは、ここからUberでモンパルナス駅まで行き、N線に乗ったとのことでした。N線に乗るには、どちらにせよUber等の車の手配は必要になりそうですね。

GPSサイコン用の海外地図データ作成

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この記事では、「GPSサイコンに入れる地図データの作り方」と、「地図データをGPSサイコンにインストールする方法」について書きました。

特に内容に問題はなかったと思います。普通にフランスで地図もルートも表示可能でした。道中でも、「地図の記事は助かりました」と数回声を掛けて頂きました。

今回のPBPは矢印看板に加えて、路面へのプリントによる方向指示も増えており、従来よりも迷いにくくはなっていたと思います。事前受付で矢印看板が配布されたことで、持ち帰る不届き者は減っていたようですし。

それでもやっぱり矢印看板が持ち帰られていた例があったようなので(特に終盤)、GPSサイコンは必須アイテムと言えるでしょう。

ドロップバッグについて

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この記事では、「ドロップバッグの意味」「サービスの流れ」「日本/海外のサービス業者紹介」「ドロップバッグの使用例」について書きました。

日本の業者によるサービス

今回も大半の日本人はグッディースポーツのサービスを利用していました。

預け入れ場所は4箇所から選べましたが、私は「ベストウェスタン サンカンタン」で預け入れ。

なお、今回はルデアックでのバッグ配置の場所がいつもとは違っていました

2019年のドロップバッグ配置場所

2015年と2019年は、駐輪場に面した、こちらの屋根付きのベンチ前にドロップバッグが置かれていました。

2023年は、この場所に公式のメカニックサービスが陣取っていました。日本勢のドロップバッグは、ここから階段を降りて左手の建物に置かれていました。

提供: はまいぬさん

今回はスペースに余裕があったためか、ドロップバッグ置き場の建物の入口に着替え用のテントを置いてくれていました。私は使いませんでしたが、シャワーを使わずに着替えられるのは有り難いですね。次回もあったら素敵です。

それに加えて、グッディーの方がお湯を用意してくれていたという話も聞きました。アルファ米の補給食を持ってきた人が多かったと思いますが、なかなかPC内でお湯って手に入らないんですよね。これも素晴らしいサービスでした。

海外の業者によるサービス

今回のPBPは、JFTCyclingのドロップバッグサービスを使っている日本人をそれなりに見かけました。

グッディースポーツは配置場所がルデアックのみですが、JFTCyclingはフジェール・タンテニアック・ルデアックの3箇所を選ぶことが出来て便利だったようです。

通信手段の手配

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この記事では、「フランスのネット接続」「おすすめの通信手段」について紹介しました。

通信手段

今回、私は予告通り以下の通信手段を選択しました。

  • メイン回線として、SIMフリーのスマートフォン+Orangeの物理SIMカード(Amazon購入)
  • サブ回線として、airaloのeSIMを契約

メイン回線は、「フランスのDocomo」的な存在であるOrange社のSIMカードをAmazonで購入して持参しました。

前回と同様ですが、シャルル・ド・ゴール空港でSIMカードを入れ替え。

特に操作をする必要もなく、SIMカードを入れ替えて再起動したら現地の回線を掴みました。スマホの種類によっては元々のAPNプロファイルを削除する必要があったようですが、Orange Holidayを買った人は概ね問題なく使えていたようです。

通信速度

Orangeの通信速度

ホテル室内で通信速度を測定してみた所、「5G」表記ながら速度はそれなり。

一方、eSIMのairaloはかなり良い速度が出ています。しかし、掴む回線はブイグテレコムの回線ということで若干不安に。

繋がりやすさ

基本的にはメイン回線であるOrange Holidayの回線を使っていましたが、パリの街中からPBPルート上まで安定してネット接続が出来ていました

ただし、PBPルート上の1箇所(復路のモルターニュ~ドルー)のみ、圏外になってしまいました。airaloに切り替えてみましたが、やっぱり圏外。一応街中なのに、この辺りの人たちはスマホでの通信をどうしているのかが気になりました。

通信容量

通信容量8GBのSIMを買いましたが、10日間で2.1GBしか使用しませんでした。

ホテル滞在時はホテルのWi-Fiを使っていましたし、スタートからゴールまでは地図アプリとTwitterくらいしか使っていなかったというのもありますが。

一応、走行中は妻に向けて位置情報共有をずっと行っていましたが、こちらも大した通信容量にはならなかったようです。

 

ルール関係の記事

手配関係の記事の事後検証です。

ルールの変更点

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この記事では、2023年PBPのルール変更点について書きました。

荷物預かりサービスの追加

今大会から、スタート地点で荷物を預かってくれるサービスが追加されました。

ランブイエの国立羊牧場の敷地(スタート受付を行った場所)で実施されていました。

輪行箱などの大物もゴールまで預かってくれたということで、助かった人も多かったようです。

エアロバーの全面解禁

2019年大会で部分的に解禁されたエアロバー。

2019年大会では「ブレーキレバーより前に出てはいけない」という制限がありましたが、2023年大会ではそういった文言が削除。事実上の全面解禁となりました。

スタート会場の駐輪場を見ても、エアロバーを付けている人は非常に多かったです。全体でも2~3割の人が付けていた印象があります。やはり単独走でコレがあると有利ですからね。

私はフロントバッグやライトとの共存が上手く行かずに取り付けを諦めましたが、使えるなら使いたいアイテムです。

大きな動きがあったのは、80時間部門。元々PBPはレースとしてスタートしたイベントであり、今でも80時間部門の先頭はレースをやっています。

Global Cycling Network
Paris-Brest-Paris: Nick DeHaan wins, breaks the modern record time American rider Nick DeHaan, a newcomer to the French ultra-endurance event, averaged 29.18kph for the 1,219km route.

今大会では、歴代最速の記録が出ました。最速記録の方の自転車を見ると、やはりエアロバーが付いています。

今大会も80時間部門で最速を目指していた三船さんによると、エアロバーによるペース変化の影響がかなり大きかったようでした。

これまで必ずタイム上位には地元フランス勢が入っていましたが、今回は4番目までのタイムがフランス勢以外でした。

もしかしたら、これを受けて次回は再度DHバー規制が入る可能性はありますね。PBPはフランス人への優先度を高くしているように思われるので。

反射ベスト要件

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反射ベスト要件については2019年大会と特に差はなかったのですが、気になったことをいくつか。

車検でのチェック

今回は当日車検でした。

こんな感じで関門が設けられており、そこでライト・反射ベストをチェックされました。

特に製品タグなどは見られることはなく、単純に見た目で判断しているようでした。

私は、「ろんぐらいだぁす!」の反射ベストでしたが、特に何も言われず。反射材のパターン的にも公式ベストとほぼ同じですからね。

2023年大会の公式ベスト

2023年大会も、参加者には公式反射ベストが配布されました。

今回も、ベースとなっているのはL2S社「Visioplus」というモデルです。

見た目的には前回大会までと全く変わってないんですが、今回は従来と生地の質感が若干異なっていました

いつもより、生地が硬めのものに変わっています。私は今回使わなかったんですが、使った方の話を聞くと「従来モデルより防寒性が高かった」とのことでした。

フランス国内の交通ルール(2019年の記事)

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こちらの記事では、フランスの交通ルールや走行時の注意点について書きました。

たった4年で交通ルールが変わることはないだろうと思って2023年版の記事は書きませんでした。が、1点だけ気になったことがあったのでここで書いておきます。

ゾーン30と、せり出した縁石

PBPのルートが通過する街の多くでは、中心部に「ゾーン30」というエリアが設けられています。

街の入口に「ゾーン30ここから」的な文字が路面に描かれており、街の出口に「ゾーン30ここまで」の表示があります。大抵は、街の外の道路よりも街の中の道路のほうが一段高くなっています。

JAF(日本自動車連盟)
住宅街などで見かける「ゾーン30」って何の標識ですか? 「ゾーン30」は、幹線道路等で囲まれた住居地域全体に交通規制や安全対策を実施することで、その地域の人が、クルマからおびやかされることなく安心して生活できる区域をつ...

近年、フランスだけではなく日本でもこの「ゾーン30」とされるエリアは増えています。要は「車両が30km/h未満で走行するべきエリア」ということです。

日本ではそれほど派手な仕掛けはありませんが、フランスの「ゾーン30」エリア内にはハンプ(意図的に設けられた段差)など物理的な障害物が置かれており、気づかないと転倒するおそれがあります。

中でも驚いたのが、この車線を絞るような縁石です。これ、2019年には見た覚えがありません

近くでこの縁石を見てみると、相当新しかったです。おそらく、この4年の間に導入されたものでしょう。街中に集団で入って、前の人が避けたら眼の前にコレが……という展開が想像できるだけに中々怖いです。

次回参加される方は、コレに気をつけてください。基本的には街中にしか出現しません。

 

コース関係の記事

コース関係の記事の事後検証です。

コースプレビュー

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この記事では、2019年のコースと2023年のコースの差分について書きました。

新ルートの感想

今大会もPCの配置こそ変わっていませんが、その途中のルート自体は結構変わっています。

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中でも大きく変わったのが、復路の最初の区間(ブレスト→カレ・プルゲール)。これまでのPBPにはあまり登場しなかった、6~8%台の長いアップダウンが出現し、参加者を苦しめました。

一方で易化している区間もあり、コース全体での難易度はそれほど変わらなかったように思います。

距離と獲得標高の実測値

GPSログ(Stravaアップ後)での総距離と獲得標高を示します。

総距離 獲得標高
2019年 1226km 11234m
2023年 1227km 11391m

2023年コースの発表当時は1219kmとされていましたが、何回かのコース変更が入った結果、総距離は1227kmまで増加。

獲得標高については150mほど増えていましたが、これくらいは計測誤差の範囲な気もします。

PBPコースの獲得標高の体感値

今回でPBPは3度目ですが、毎回11000mも登った感じはありません。肌感覚では7~8000mくらいです。

PBPのコースは確かにアップダウンだらけなのですが、日本と違って谷底部分に信号がありません。すると、ダウンヒルの勢いで次の坂の1/3くらいは登れてしまうわけですね。このため、獲得標高が1/3ほど割り引かれたように感じるのだと思います。トレインを上手く使えれば、更に体感の獲得標高は減るはずです。

PBPは「100kmで獲得標高1000m」なコースではあるんですが、日本国内の「100kmで獲得標高1000m」とはだいぶ体感が異なります。

PBPでは、是非「位置エネルギーを無駄にしない走り方」を心がけてみてください。楽に走れると思います。

シークレットPCの傾向と対策

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この記事では、PBPコースの往路と復路に1箇所ずつ設けられる「シークレットPC」について書きました。

2023年のシークレットPC

2023年のシークレットPC配置は以下の通りでした。

  • 往路: Canihuel (477km地点)
  • 復路: Pleyben (660km地点)

2019年以前の大会では「WP(Welcome Point)がシークレットPCになる確率が高い」という傾向がありましたが、今回は往復共にWPではない街がシークレットPCとなりました

あらかじめWPとして場所を明かしていると、「ここは寄らなくても良いから意志を持ってスルー」という人が多かったのかもしれません。日本人の方でも数人、それでシークレットPC不通過だった人の話を聞いたことがあります。

今回は完全に不意打ちでシークレットPCが出現したわけですが、その分だけ素通り出来ないように工夫されていた気がします。ルートの動線としても、シークレットPCの敷地内を通るように誘導されていたので、スルーした人はいなかったんじゃないでしょうか(ショートカットした人以外は)。

なお、事前の私の予想は以下でした。

  • 往路: Saint-Nicolas-du-Pélem (483km地点)
  • 復路: Gouarec (732km地点)

往復共にハズレ。往路はサンニコラの隣町だったのでニアピン賞だったかもしれません。

過去6大会のシークレットPCまとめ

せっかくなので、過去のシークレットPCのまとめも最新版に更新しておきます。

開催年 往路 復路
2003年 Saint-Martin-des-Pres(478km) Illifaut(820km)
2007年 Corlay(488km) Illifaut(820km)
2011年 Quedillac(WP/389km) Illifaut(820km)
2015年 St.NICOLAS-DU-PELEM(WP/494km) Maël-Carhaix(710km)
2019年 St.NICOLAS-DU-PELEM(WP/488km) St.NICOLAS-DU-PELEM(WP/843km)
2023年 Canihuel (477km) Pleyben (660km)
こう見ると、2023年の復路はちょっと異例な場所ですね。カレ・プルゲールよりも西側にシークレットPCが設置されたのは、私が知る限りでは初めてです。

マイマップの紹介

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この記事では、PBP用に作ったGoogleマイマップを紹介しました。

2019年のときと同様、走っている時にはほとんど使わず。PBPはバカンスシーズンの真っ只中なので、やっていない店も多いのです。

ただ、これを作る過程で何度も見た「公衆トイレの外観」から、公衆トイレの出現パターンをある程度掴めたのが良かったです。

今回はやたら公衆トイレを利用しました。

 

イベント中に必要な知識の記事

手配関係の記事の事後検証です。

PCの構造と設備

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こちらの記事では、PC&WP内の設備について解説しました。

今回も大きく変化したところはなかったと思いますが、差分がいくつかありました。

充電ブースの充実

2019年大会にはチラホラと見られる程度だった電子機器の充電ブースですが、今回はわかりやすく増えていたように思います。

特に凄かったのはケディヤックで、コンセントがズラリ並んだ様は壮観でした。

ランドヌールの電子機器依存度の高まりを感じます。

タッチ決済可能な場所の増加

PBPのPCでの支払いは、従来もクレジットカードの利用可能であることは多かったのですが、今回はクレジットカード決済、中でもタッチ決済に対応している場所が増えていた印象です。

今回のPBPに備えてタッチ決済対応のクレジットカードを作りましたが、会計がスムーズで非常に楽でした。

なお、未だに現金しか使えない施設(仮眠所など)もありました。

レストランに塩が置かれるように

PBPのレストランの食事でよく言われるのが「塩分が薄い」という話です。

本当に塩分が薄いのか、それとも食べる側の身体に塩が足りていないからそう感じるのか。

それは不明ではあるのですが、恐らく運営側にも「塩気が足りない」という声が届いていたのでしょう。今回のPBPは、PCのレストランで塩が置かれるようになっていました

っきぃさん提供

提供方法はPCによって違うようですが、写真のように塩の入ったビンが置かれたり、小分けにされた塩が置かれたりしていたようです。

私は今回のPBPではほとんどPCで食事をしなかったのですが、これは嬉しい変化。

謎スープの正体判明

PBPのレストランで必ずと言ってよいほど出てくるスープがあります。

写真左下のスープです。

味はカボチャと人参がメインのポタージュスープといった雰囲気。野菜不足に陥りやすいPBPでは身体に染み入る美味さで、参加者の心には深く刻み込まれているはず。

このスープ、どこでも大体同じ味だし、どういうスープなんだろう? 参加者の間では「謎スープ」と呼ばれていました。

実はコレ、既製品のスープを温めて出していただけだったようです。

La Potaregeというスープみたいですね。またフランスに行くことがあればカルフールを探してみたいと思います。

利用料金の高騰

仮眠所やシャワーといった、施設の利用料金が少し値上がっていたように思います。

2019年比較で+1ユーロずつくらいは平均で上がっていたような。「シャワー:3€/仮眠:4€」が、「シャワー:4€/仮眠:5€」くらいになった感じです。

世界的な原価高騰の折、仕方ないのかもしれません。

売店のアイテム充実

PC内にはサイクルパーツを販売する売店コーナーがあります。

2019年大会で売っているアイテムは聞いたことのないようなメーカーのパーツが多かったんですが、今回は有名メーカーのしっかりしたパーツが増えていたように思います。

たとえ道中でパーツが破損しても、このクオリティのアイテムがPCで手に入るなら安心です。

走行時に必要な荷物

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この記事では、PBP走行時に持つ荷物について紹介しました。

ほぼここに書いた通りの持ち物で走りましたが、今回のPBPでは異様な暑さに見舞われたため、一部の装備を変更しています。

あと、胃薬については複数種類を持つべきでしたね。

シングルボトル→ダブルボトル

当初は涼しくなることを見越して、1リットルのロングボトルを1本だけ持つつもりでした。

しかし、渡仏後の天気予報を見ると連日30℃超の真夏日が続く予報が。これはダブルボトルにしないと、道中で水が足りなくなることは容易に想定できました。

そこで急遽、シートチューブ側用のドリンクボトルを現地で購入し、ダブルボトル体制に変更。

シートチューブ側には元々ツールボトルを入れていて、その中には歯ブラシ・メガネ拭き・プロテクトJ1などを格納していました。こちらの中身はジップロックに移し、バックポケットに入れることにしました。

予報は当たり、PBP中はドリンクがいくらあっても足りない状態に。ダブルボトル体制に変更したのは正解でした。

懸念のフロントライト

前回のPBPでは全てのライトをVOLT800で固めました。

その結果、予備バッテリーを含めて全てのバッテリーが同時に不具合を起こすというトラブルに見舞われ、タイムオーバーの引き金となりました。

結局今に至るまで「なぜバッテリーが同時に不具合を起こしたのか」の原因は特定できていませんが、私は「フランスで充電した際に使ったアダプタに問題があったのではないか」と推測していました。

フランスは日本とコンセントの形状も違いますし、電圧も220Vと高圧です。日本から持ち込んだ電子機器はアダプタを介して充電するわけですが、ここで何らか問題が生じたのではないか?と。

恐らくですが、バッテリーの安全装置が作動して、休眠状態になってしまったのではないかと推測しています。トラブルの起きたバッテリーも、日本に帰ってきて充電したら普通にその後は使えていますし。

そこで、今回はライトのバッテリーは全て国内で充電したものをフランスに持ち込みました

また、ちゃんと充電されているかをテスターでチェックするという念の入れよう。我ながら執念を感じます。

ライト構成も冗長性を強く意識した構成としました。

  • ハンドル上(右側): CATEYE「VOLT800 NEO」
  • ハンドル上(左側): CATEYE「VOLT800」
  • ブレーキ上: CATEYE「URBAN2」

「同じライトで固めると、同じ原因で全滅する」という学びから、あえて違う種類のライトを3個用意。

最後の砦は、ブレーキにこちらのマウントを利用して取り付けた「URBAN2」。

これは乾電池式ライトなので、万が一VOLTが両方とも死んでも、電池を入れ替えれば使えます。構造も単純で、防水性もしっかりしているのでそうそう壊れることもないでしょう。乾電池ならばPCの売店でも必ず売ってますし。

これだけ対策をした甲斐があって、ライト関係のトラブルは今回一切起きませんでした

改めて思いましたが、VOLT800 NEOは現状で最高の自転車ライトです。明るさ・照射範囲・点灯時間・安定性……どれを取っても隙がない。

PBPという、世界の自転車ライト見本市のような会場においても、これに勝るライトはそうそうなかったはず。

CATEYEの皆様、素晴らしいライトを作っていただいてありがとうございました。おかげでPBPをまた完走することが出来ました。

サイクルコンピューター

今回はサイコンは2台体制で臨みました。

今回はマップ&ルート表示用に「eTrex32x」。

電池はリチウム乾電池を使い、電池交換は道中で1回のみでした。ログは最初から最後までしっかり取得できました。

パワー計測とトラブル時のサブ用として「Edge840 Solar」。

トラブルを防ぐため、ナビゲーションやクライムプロなどの割り込み機能は全てOFFにしています。画面の明るさは昼も夜も10%にしました。

パワーが表示できているとPBPにおける無限アップダウンの登りで踏みすぎないように気をつけられて良かったです。

毎日カンカン照りだったこともあり、1日に2時間ずつ稼働時間を増やすことが出来ました。

画面の明るさ10%だと、Edge840 Solarは41時間稼働することは確認済みです。寝ている間は電源を切っていたこともあり(実走行時間は61時間程度)、道中の充電は5000mAhのモバイルバッテリー×1本だけで最後まで走り切ることが出来ました。

ゴール時点で、バッテリー残量は53%と半分以上残っていましたので、もう少し小さいモバイルバッテリーでも十分だったかもしれません。

胃薬

今回のPBPにおいて、唯一のトラブルらしいトラブルが「胃酸過多」でした。

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一応、トラブルに備えて「セルベール」は持っていたのですが、全く効かず。それもそのはず、セルベールは胃酸過多に効く薬ではありません。

「胃薬」と一口に言っても、症状によって適切な薬は異なります。ということは、複数種類の胃薬を持っていく必要があったのでした。

結局、今回はブレストの街中にあった薬局で胃酸を抑える薬を購入しました。翻訳ソフト様々。

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次に行くことがあれば、こういった胃酸を抑えるような胃薬も持っていこうと思っています。

サプリメント

今回、持っていって非常に助かったサプリメントが「ポケットソルト」です。

何度も書いていますが、今回のPBPは非常に暑く、大量に汗をかきました。

PBPでは塩分を手に入れるハードルが高いです。今回のように暑くなると、塩分不足によって体調を崩したり、脚を攣ったりすることが考えられます。

念のため持っていたこのポケットソルトには非常に助けられました。

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もう一つ、やたらと効き目があったように感じたのはこちらの「スーパーメダリスト9000」です。

500mlの水に溶かして飲むタイプのアミノ酸サプリメントですが、飲んで30分後くらいからかなり脚が回るようになりました。

成分を見るとカリウムも含まれており、足攣りを陰ながら防いでいてくれたように思います。

機材の選び方

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この記事では、PBP走行時の機材と、そのメンテについて書きました。

機材メンテ

渡航前に、いつもお世話になっているサイクルキューブさんで機材チェックとメンテを行って頂きました。

おかげで機材トラブルなどは一切起こりませんでした。やはりプロの目で見てもらうことは重要です。

タイヤとチューブも渡航直前に新品に交換しました。

使用した機材

ほぼこの記事に書いた通りの内容で実際に走りました。

唯一、変更したのは足回り。タイヤとチューブです。

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タイヤのチョイスについては最後まで迷いましたが、結局ド定番のGP5000を選択。太さも25Cにしました。PBPコースの路面は割と綺麗なので。

道中のパンクも一切なく、帰国後にタイヤの表面をチェックしましたが切り傷などもほぼ無し。やっぱり定番には定番たる理由があります。

タイヤが25Cになって軽くなったので、チューブはムリにTPUとはせず、乗り心地の良いR’Airに変更しました。

他の人の機材

PBPで楽しいのは、他の人の機材の見学です。

「ぼくのかんがえた最強のロングライド装備」で皆PBPに臨んでいるわけで、そこにはロングライド界隈らしい機材のトレンドが見て取れます。

まず、ディスクブレーキ比率は前回に比べてかなり増えました

FacebookのPBPコミュニティにアマチュア写真家の方が参加者の走行写真をアップしていたので、198人分のブレーキシステムをカウントしてみたのですが……

リムブレーキ: 87人(44%)
ディスクブレーキ: 111人(56%)

ということで、PBPの舞台でもディスクブレーキのほうが多数派になっていそうです。

プロレースの世界では数年前からディスクブレーキが100%になっていますが、ブルベの世界もそうなりつつあるのかもしれません。リムブレーキ派としては悲しい。

ディスクも多いですが、ハブダイナモの比率も高かったです。

ハブダイナモのライトの光はチラつきがあるので、夜中に走っていると光の具合で分かります。私の見た中では全体の2-3割はハブダイナモだったはず。これは増えても減ってもいない気がします。

フロントライトは特定のメーカーが人気ということはなかったように思いますが、テールライトは圧倒的にCATEYEのOMNIシリーズが多かったです。

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現代のテールライトって「とても明るいけど短時間しか持たない」ものが増えていて、ブルベのような長時間持つ製品がほぼないんですよね。特にブルベでは「点滅禁止」なので、「点灯」で長時間持つ製品が重宝されます。

その点、OMNI5は単4電池2本で、点灯60時間。PBPの長丁場でも電池交換は1回で済みます。寝ている間と昼間は消灯すると考えれば、電池の交換は必要ないかもしれません。

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リチウム乾電池を使った所、結局スタートからゴールまで電池を交換する必要はありませんでした。

走行時のウェア

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この記事では、PBPが開催される時期のフランス北部の気候と、ウェア運用について書きました。

……全部の記事の中で一番内容を外してしまった気がします。ここまで暑くなるとは予想外でした。書いた本人も相当苦しみました。

PBP期間中の天気

今回のPBPはかなり暑かったです。

こちらは2023年のPBPの気温実測データです。

最低気温は12℃、最高気温はなんと33℃でした。

比較として、2015年と2019年の気温データを示します。どちらも、データの取得方法は今回と全く同じです。

過去2大会は一桁気温にまで落ちた時間帯があり、特に2019年大会は毎晩のように一桁気温となりました。

トラベル Watch
【荒木麻美のパリ生活】40℃超えの日も。“熱波日”急増中のパリの夏 気候変動対策のために500のプロジェクト...  熱波の定義はパリの場合、日中の最低気温が31℃、夜間の最低気温が21℃の日となります。フランスに歴史的熱波があったのは2003年のこと。約1万5000人の死者が出ました。

2015年も2019年も直前に「フランスに熱波被害」的なニュースが出ていたものの、大会期間中はここまで冷え込みました。

今回も熱波に関するニュースは出ていたものの、「どうせ今回も寒くなるだろう」と思っていたのですが。

蓋を開けてみれば、今回は本当にフランス北部も暑くなりました

パリ在住の方に話を聞いても、例年であれば8月後半は秋の気候になるとのことですが、今年は異常気象がフランス北部にも達していたようです。

これまでのPBPでは寒さへの備えが定跡とされてきましたが、今後は暑さにも備えないとならないかもしれません

走行前の準備

シャルル・ド・ゴール空港に到着した時点でも既に暑く、これまで知っていたフランスの気候とは異なっていました。

スタート前日に至っても、気温は30℃。

往路の予報

復路の予報

予報も変わらず、毎日30℃近辺までは上がりそう。

この期に及んでも「そうは言っても寒くなるんでしょう?」とは思っていたんですが、こういう予報が出ている以上は高温に備えなければなりません。

日本からは長袖ジャージを中心に持ってきており、半袖は1着だけ。

そこで、現地で急遽「NAKAMURA」という謎ブランドの半袖ジャージを購入。結局このよく分からないジャージでゴールすることになりました。

ボトルも当初シングルボトルの予定でしたが、2本目のボトルを現地で購入してダブルボトル体制にしました。

日焼け止めも不要だろうと思って持ってきていなかったので、こちらも購入。日本でも「肌に優しい」と定評のある、ラロッシュポゼの日焼け止めにしました。

結局、スタートの朝に決めたウェア戦略は以下のとおりです。

  • スタート→ルデアック
    薄手長袖インナー+半袖ジャージ
  • ルデアック→ブレスト→ルデアック
    薄手長袖インナー+薄手長袖ジャージ
  • ルデアック→ゴール
    薄手長袖インナー+半袖ジャージ

ルデアックにはドロップバッグがあるので、そこで2回着替えるチャンスはあります。

ルデアック~ブレスト間はフランスの中で冷え込みが厳しい場所として知られているので、ここだけは長袖ジャージを選択。残りは半袖に切り替えました。

夜間はモンベルの腹巻きを装着し、それでも寒ければレインジャケットを着る想定でした。

走行中の気温

気温グラフは前に示した通りで、昼は最高で33℃、夜は最低で12℃になりました。

平均気温で見ると、2015年と2019年に比べ、上に5℃ほどシフトしています。

元々の記事では「5~30℃に対応できるウェアを」と書きました。下限は想定範囲内ですが、上限は想定よりも3℃高かったことになります。

私のスタート時刻は18:45でしたが、その時点で気温は30℃を超えていました。フランスでは16-18時が一番暑い時間帯。気温が下がり始めるのは20時ごろからです。待機中にボトルの水を結構飲んだ記憶があります。

最初の夜に道中の最低気温の12℃まで落ちましたが、腹巻き+反射ベストで特に寒いとは感じませんでした。特に腹巻きの保温効果はかなり強力だったと思います。

結局、レインジャケットはゴールするまで一度も出番なし。ゴール直後に雨が降り出し、そこで初めてレインジャケットの出番となりました。

レインジャケットはかなり空気抵抗が大きいので、最後まで着なくて済んだのは幸運でした。

昼間は本当に暑く、半袖の人がほとんど。私は長袖インナーで通しましたが、正直失敗だった気はしています。

昼は半袖インナー、夜はアームカバーという体制のほうが今回の気温では適切だったはず。

ただ、日本の真夏ほどの殺人的な暑さではないので、日本における暑熱順化をしていて、かつ対策を心得ていれば対処は出来ました。

一番暑い時間帯は、掛け水で凌いでいました。しかし、フランスは湿度が低いので水が乾くのも早く、かなりの頻度で掛け水を行う必要がありました。

もう一つ困ったのが、「氷が入手できない」ということ。

日本でこの気温の中を走るならば、コンビニ休憩で毎回ロックアイスを買います。半分はボトルに入れ、半分はストッキングやビニール袋に入れて身体の冷却用にするわけです。

しかし、フランスでは氷を置いている店がとにかく少ない。大規模なスーパーなどではロックアイスが売られていたようですが、ルート沿いの小さい店にはロックアイスがありません。

他の方の話を聞くと、バーで飲み物を頼んだ際に「氷はないか?」と聞くと出してくれることが多かったようです。走行中はそこまで思い至りませんでした。

氷で冷却できなければ、適度に休みを入れるしかありません。

日本では日陰でもそこまで涼しくならないことが多いのですが、フランスの日陰は明らかに気温が下がります。湿度が低いからでしょうか?

そのため、一番暑い時間帯は30分に1回程度、日陰で1-2分休むことを繰り返していました。PBPルートはほぼ信号がないので、信号で停まったと思えば大した損ではありません。

もしくは、屋内で食事をしつつ休憩や、暑い時間帯にあえて仮眠所で寝るという対策も取っていました。

一番暑い時間帯にムリをしても熱中症リスクを高めるだけ。この時間帯は走行を減らし、補給や休息に充てることを考えていました。

従来であれば、「夜間走行を減らして低体温リスクを下げ、昼間の走行時間を増やす」のがPBPの定跡でもありましたが、今回は「気温の高い時間の走行を減らして熱中症リスクを下げ、夜間の走行時間を増やす」対応が要求された気がします。

今後のPBPは「5~35℃を想定してウェアをフランスに持ち込み、直前の予報を見てウェアの選定を行う」と言った対応が必要になりそうです。

なお、ゴールした翌日は薄曇りで小雨。昼間でも気温は19℃でした。PBPの終了と同時に一気に秋が到来した形です。

気温と完走率

2019年のPBPは冷え込みによって、とりわけアジア地域の完走率が大きく低下しました。

真夏のアジアから来た人間がフランスの夜の寒さに対応するのは難しかった結果でしょう。

これに対し、2023年のPBPは一番寒い時間でも12℃までしか落ちませんでした。

2023年の非公式リザルトは「PBPresult.com」から見られますが、今回は全体の完走率も8ポイント上昇。そして、アジア地域の完走率は大きくジャンプアップしています。

どなたかが書いていましたが、途中で話したインド人参加者が「今年は俺たちの年だ」と言っていたそうです。

2019年のインドの完走率は14%でしたが、今回は48%まで上昇していました。

日本でも暑い中を走っていた人は何とか耐えきれたのではないかと思います。私はローラーと夜練ばかりで暑熱順化が足りていなくて苦労しました。

ドロップバッグに入れる荷物

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この記事では、「ドロップバッグに何を入れるか」「どのように入れるか」について書きました。

書いた内容は大体妥当だったと思いますが、いくつか「入れておけばよかった」というものはありました。

シャワー用具

前回はドロップバッグに入れていたバスタオルを入れ忘れました。

ルデアックのシャワー室は前回から布タオルを出してくれるようにはなりましたが、この布タオルはいわば「シーツ」で全く吸水してくれません。

身体と頭を拭くのにかなりの時間が掛るので、PC滞在時間が増えてしまいました。バスタオルは必須です。

大会後に15さんから教えていただいたこちらもコンパクトで良さそう。私は早速購入しました。

スタート前日・当日の過ごし方

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この記事では、「スタート前日・当日にどう動くのか」を書きました。

内容は概ね問題なかったと思います。

ランブイエの配置図

ランブイエの配置図もピタリ正解。

実はACPに問い合わせたら配置を教えてくれたのでした。その情報は全体に展開したほうが良いのでは、とは思いましたが……。

前日受付の日本語対応

前回までの大会では、前日受付では英語の受付に並ぶ必要がありました。

今回も私は英語の受付に並びましたが、時間帯によっては「日本語を話せるフランス人」の方がいて、その方が対応してくれたようです。写真の日本の国旗の下にいらっしゃったようですね。ありがたい。

次回も日本語受付があるかは分かりませんが、もし日本の国旗があればその下に行ってみても良いでしょう。

前日受付で受け取ったもの

今回のPBP前日受付で受け取ったものが以下です。

  1. 参加者識別リストバンド
  2. ブルべカード
  3. 反射ベスト
  4. ブルべカードケース(首から下げる)
  5. ハンドルバーバッジ・フレームバッジ
  6. ジャージ (申し込んだ人だけ)
  7. ミールチケット (申し込んだ人だけ)
  8. 記念ボトル
  9. 案内看板(レプリカ)

①~⑦は、受付でナップサックに入れて手渡されます。

⑧~⑨は、受付の建物を出て右手にあったテントでもらいました。

こちらがナップサック。反射材付きで、夜間も目立つ便利グッズ。

私は今回のPBPでも常にコレを持ち歩き、PC内を歩き回る際に必要なものを入れていました。

前日受付の駐輪場

今回のPBPは車検が当日でした。よって、前日受付に自転車を持ってくる必要はありません。徒歩で来てもOKでした。

ただし、駅から受付会場までは約3kmあるため、多くの参加者は自転車で前日受付に訪れます。

前日受付の会場横には駐輪場があり、ここに自転車を置くわけですが。ここから出る際にはかなり厳しいチェックが入ります(恐らく盗難防止策)

受付でもらったフレームバッジとハンドルバーバッジを取り付けた上で、手首に参加者識別用のリストバンドを付けないと、駐輪場から自転車を持ち出すことは出来ません。入り口のスタッフに止められます。

こちらのリストバンドは一度付けると外せないタイプ。結局、スタート前日に装着して、帰国まで付けっぱなしでした。

翌日の準備

フレームバッジとハンドルバーバッジを取り付けるためのタイラップは、受付でもらったセットに含まれています。

ただ、タイラップの余った部分を切るための工具は何かしら必要です。私は国内でミニ爪切りを買って持参していたので、それを使用しました。

ウェルカムミール

ウェルカムミールはスタートゲート横の大テント内で提供されました。利用するのにはミールチケットが必要です。

ご覧の並びようで、着席までに20分くらいは掛かりました。それなりに余裕を持ってスタート会場に来ている必要はありました。

2015年はバイキング形式、2019年は弁当形式でしたが、2023年はスタッフによる配膳形式に変わっていました。

メインの食材は魚と肉から選べたり、デザートにも選択肢がありました。味もなかなか美味しく、スタート前にエネルギーチャージが出来ました。

当日の車検

今回のPBPは当日車検でした。スタート30分前くらいに流れ作業で行われます。

こちらのテントで行われましたが……あんまり細かく見られていなかった気はします。

ライトの点灯は前後ともにチェックされましたが、反射ベストは「着ているかどうか」くらいで、規格への準拠を正確には見ていなかったように思います。もっとも、直前に「この反射ベストはダメ」と言われても困るのですが。

スタート待ち

今回のスタートゲートの脇にはMCが陣取っており、音楽を流しながら参加者を煽って盛り上げてくれていました。

2015、2019年のスタートと比べてもかなり盛り上がったスタートだったと思います。

パスポートの携帯方法

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特に内容に問題はなかったと思います。

今回も私はパスポート原本をブルベカードケースに入れて常に持ち歩いていました。

走行計画の立て方

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だいたい問題はなかったですが、走行中に1点「これは良くないな」という点に気づいてアドリブで走行計画を修正しています。

計画と実績

計画は、記事にも掲載した自作の「PBP2023_計画シート」を使って立てました。

走行データ(計画値)

そして、実績データが以下です。

走行データ(実績値)

88時間58分で走行する計画を立て、実際にはそれよりも40分早い88時間18分での完走となりました。

見積が狂った区間

ほとんどの区間で想定した区間時速よりも早く走れました。

しかし、大幅に想定より遅かったのが「ブレスト→カレ」の区間です。計画では「時速17.0km」でしたが、実績は「時速14.3km」と大幅な遅れ。

この区間は今回のPBPで初めて導入された区間でした。2015年、2019年では全く通らず、リピーターも初見のルートです。

この新ルートがなかなか凶悪でした。その他の区間に比べると1つ1つの坂の斜度がキツく、長めだったのです。

ブルターニュ地方としては異様に暑い日で日陰の少ないルートだったことも影響し、多くの参加者にとっては一番苦しめられた区間になったのではないでしょうか?

2015年、2019年は来た道をそのまま戻るようなルートになっており、往路で通ったRoc’h Trevezelをもう一度登り返していました。こちらのルートはあまりキツくなく、そのイメージを持っていたリピーターはギャップで一層キツく感じたのだと思います。

2027年もこのルートが継続される場合、覚悟が必要な区間です。少し想定速度を遅めに見積もったほうが良いでしょう。

仮眠場所の変更

3日以上のロングライドで個人的に重視しているのが「どれだけ寝られるか」です。

特にPBPはしっかり寝ておかないと、後半に「ゾンビ」状態となります。こうなってしまうと完走はおぼつきません。

今回はだいたい計画通りの場所で想定した長さの睡眠を取れましたが、3回目の夜以降の仮眠場所は大きく変更となりました。

当初計画していた仮眠場所と、1日あたりの走行距離を示します。

当初の仮眠計画
日数 走行区間 走行距離
1日目 START → ヴィレンヌ 202km
2日目 ヴィレンヌ → サンニコラ 281km
3日目 サンニコラ → ブレスト → ケディヤック 362km
4日目 ケディヤック → モルターニュ 256km
5日目 モルターニュ → GOAL 123km

1日目と2日目は計画通りの場所で宿泊しました。

ただ3日目は「可能ならばホテルに泊まろう」と思って抑えておいたルデアックのホテルに宿泊することにしました。ルデアックから更に60km走ろうという気が起きなかったというのもあります。

この結果、以下のようになりました。

3日目夜時点の仮眠計画
日数 走行区間 走行距離
1日目 START → ヴィレンヌ 202km
2日目 ヴィレンヌ → サンニコラ 281km
3日目 サンニコラ → ブレスト → ルデアック 301km
4日目 ルデアック → モルターニュ 317km
5日目 モルターニュ → GOAL 123km

3日目の走行距離は362→301kmに減りましたが、4日目の走行距離が256km→317kmに伸びてしまいました。

疲れの貯まる4日目に1日317kmを走ることは現実的ではありません。4日目の夕方にこの事実に気づき、更に仮眠計画を変更しました。

4日目夜時点の仮眠計画
日数 走行区間 走行距離
1日目 START → ヴィレンヌ 202km
2日目 ヴィレンヌ → サンニコラ 281km
3日目 サンニコラ → ブレスト → ルデアック 301km
4日目 ルデアック → ヴィレンヌ 236km
5日目 ヴィレンヌ → GOAL 204km

1日あたりの走行距離を見ると、なかなかバランスの良い配分となりました。3日目をピークとして徐々に1日あたりの走行距離を減らすことが出来ました。

3日目辺りまでは制限時間がキツいので1日に300km近くは走らないといけませんが、その後は徐々に1日あたりの走行距離を減らす方が人間の疲労を考えると理想的な気がします。

600kmまでのブルベであれば1日に350kmくらい走ることは普通にありますが、1000kmを越えてくる場合は1日の上限を300kmくらいで計算した方がムリのない計画になると思います。その意味で、当初立てていた計画はちょっと無謀でしたね。

今後はクローズタイムだけではなく、「1日あたりの走行距離」も考慮して計画を建てようと思いました。

1日目の仮眠の重要性

今回、とても大きかったと感じたのが「PC1のヴィレンヌ(202km地点)で長めに寝た」ことです。

「最初の夜は元気なので、ドロップバッグの置いてあるルデアック(436km地点)まで一気に走る」

という方もいると思います。600kmで終わるブルベならばそれでいいんですが、PBPは1200km。日付にすれば5日間通しての戦いです。最初の夜に寝なかった分の睡眠負債は3日目あたりに取り立てがやってきます

最初の夜にいきなり貯金を切り崩すのは勇気が要りますが、ここで「あえて寝る」ことが3日目以降に崩れないために大事なんじゃないかと思っています。

ここで一度寝たことで、ルデアックより一つ先のサンニコラまで2日目に走ることが出来ました。仮眠をするならルデアックよりもサンニコラのほうが環境が良いのです(暖房が効いてる)。

計画を立てる意味

計画を実行に移すと色々と予定外のことが起きるわけで、それに対処しつつ最終的な目標(今回は90時間以内の完走)を達成する必要がありました。

一度間に合うように立てた計画があれば、ある区間で遅れた場合に「ここで取り返せば何とかなる」という判断をすることが出来ます。計画がないと、果たして本当に間に合うのかをその場で判断するのは難しいでしょう。

やはり、一度具体的な計画を立てておくのはPBPに限らず大切だと思いますね。

直前準備内容

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出国前日に書いた直前準備内容の記事です。

特にヌケモレは無く、フランスで困ることはありませんでした。

必要なフランス語の単語・熟語 (2019年の記事)

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この記事に書いた内容でほぼ網羅できていたと思います。

フランス語の発音を聞ける仕組みを2023年に追加しましたが、これは現地で結構役に立った気がします。

フランス語って、日本人が文字列から想像する発音と結構違うんですよね。

PC仮眠所情報まとめ (2019年の記事)

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2019年のPBP終了後に、各PC/WPの仮眠所情報を収集して書いた記事です。

この記事の情報は2023年の自分にとって物凄く役に立ちました。

ボランティアの方が一生懸命用意してくださっている仮眠所ですが、「寝やすい」「寝にくい」仮眠所がどうしても存在します。

今回は寝やすいことが分かっていた仮眠所を利用し、快適な睡眠を取ることが出来ました。

PC設備配置図 (2019年の記事)

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2019年のPBP終了後に、各PC/WPの設備は位置情報を収集して書いた記事です。

自分の記憶と参加者の皆さんから寄せられた情報により、各PC内の配置図を高い精度で作成することが出来ました。

そして、各PC内の施設配置は毎回そこまで大きく変わることはありません。食堂やトイレといった施設は場所の変えようがありませんからね。「2023年大会も、2019年大会の配置を踏襲するはず」と考えました。

PC内の施設配置図一覧をPDF化

今回のPBPでは、このPC内の配置図一覧をPDF化してスマホからいつでも見られる状態にしていました。

予想通り、今回のPBPでも各PCの施設配置はほぼ同じでした。この配置図があったことで迷うこと無く効率的に施設を回ることができ、時短に貢献してくれました。

 

その他の記事

その他の記事の事後検証です。

海外ライド向けアプリ

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PBPの道中で使いそうなアプリについて紹介しました。

大体どのアプリも使いましたが、一番使ったのは公衆トイレ探索アプリ「Flush」でしょうか。

翻訳アプリは、VoiceTraを中心に使用しました。フランス語への翻訳後の文を再度日本語の翻訳してくれるので、意図通りの内容になっているかを確認できる点が良かったです。

文字列翻訳はGoogleレンズの画像翻訳が便利でした。

 

まとめ

書いた記事の内容は「概ね妥当であった」と自己評価します。

唯一、ウェア選びの記事だけは外してしまいました。8月のフランス北部がここまで暑くなるとは本気で予想外でした。温暖化恐るべし。

「PBPと言えば寒さ対策」がこれまでの常識でしたが、今後は「PBPは暑さも寒さも対策が必要」という時代になりそうです。

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2019年の「準備記事の自己採点」のまとめでは「次はトレーニング面の記事も書く」と宣言していましたが、結局こちらは書かずじまいでした。

効果が出るトレーニング内容って人によって違うので、「これ!」と必ずしも断言できないんですよね。

「私はこれをやりました」という紹介くらいはしようかと思ったのですが、あまり内容のある記事にならなそうだったので書くに至りませんでした。

一応完走は出来たので、実際にこの4年間にやっていたトレーニング的なことを箇条書きにすると以下のとおりです。

  • 毎年、SRを取る
    2020-2023年は、200/300/400/600kmのブルベは最低毎年1本ずつ走り、SRを取得。
    1000km以上のブルベは1本も参加せず。
  • 毎週末、100kmライドをノルマとする
    ブルベのない週末は、土日のどちらかで100km前後のライドを必ず行っていた。
  • 直前期に夜スタートの200kmライドを行う
    6月・7月と、PBPに似た環境を再現するために夜スタートの200kmライドを行った。

……ホントに最低限のことしかやっていませんね。

これで何とかなったのは、私も妻も2019年以前に1000km以上のブルベに参戦歴があり、超長距離で起こるトラブル対処法を身に着けていたことは大きいと思います。

1000km以上走って初めて出てくる身体トラブルってありますからね。私の場合は足の裏が痺れて痛くなるのですが、これをなるべく出さないようにスタートから気をつけていました(PCでは積極的に靴を脱いで足裏を休ませるなど)。自らの睡眠と眠気の出方についても、長い距離を走らないと分からないことは多いです。自分を知る意味で、PBP前に1000km以上のブルベに参加することは意味があると思います。

その他の基本的な技術やフィジカル面は、PBPにエントリー出来ている時点である程度身についていると言えるでしょう。だからこそPBPのエントリー資格は「当年のSR」とされているはず。

600kmまでのブルベで、ロングライドの基本的なエッセンスは体験できている。あとはそれをどう応用するか。

PBP2023のスタート地点

そして、最も大切なのは「スタート地点に如何に良い体調で立てるか」じゃないかと思います。

いくら厳しいトレーニングを積んでも、スタート前に体調を崩してしまっては練習の成果を発揮することは出来ません。そして、PBPは「海外ブルベ」「夜スタート」という体調の崩しやすい条件が揃っています。

逆に、そこそこのトレーニングであっても、万全の体調で立てれば勝機はあるはずです。実際、今回の自分たちがそうでしたので。


今回のPBPに向けて作成した準備記事は、次回にも使える部分は多いはずです。

次回2027年の参加を考えている方は、是非これらの記事を読んでいただければと思います。

 

著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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