この記事は約 5分で読めます。
eTrexでRWGPSのルートデータを使う際の注意点
AJ神奈川主催のブルベ「興津400」に参加してきました。今年初の400kmブルベです。
3月中旬から国内ブルベは自粛となり、ようやく9月頭に再開となりました。自粛開始までのブルベはルートラボで作成したルートをeTrex(GPSサイクルコンピュータ)に入れて走っていましたが、3月末でルートラボはサービスを終了。以後はRide with GPS(RWGPS)を使ってルートを作成しています。
今回はRWGPSに移行してからの初400kmブルベだったわけなのですが……ここで見事に罠にハマりました。eTrexシリーズ+RWGPSという組み合わせの方は多いと思うので、情報共有をしておきます。
トラブル内容
ブルベスタート直前、いつものようにeTrex30にルートをロード。そこで、ある違和感を持ちました。
「Distance: 154.8km」……???
今回のブルベは、ほぼ往復コース。ただし、所々往路と復路で違うコースを通る箇所があったので、折返しのチェックポイントでルートを分割。200kmずつ、2ファイルでデータを作成したはずでした。
しかし、画面に表示されたルートデータの距離は154.8km。46km足りません。
トラブル原因
今回は、「eTrex30+RWGPSで作ったルートデータ」という組み合わせが原因でした。
eTrex 30の制限
私が使っているのは、既に廃番となっている「eTrex 30」という機種です。eTrexシリーズは乾電池駆動で信頼性が高いことから、ブルベ界隈では使用者が多い機種となっています(最近はEdge530のほうが多そうですが)。
eTrexシリーズでは、「.gpx」という形式でルートデータを保存・読み込みます。
実は、eTrexシリーズでは、扱えるGPXファイルのポイント数に上限があります。10000ポイントを超えたGPXファイルは、そこから先が問答無用で読み取られなくなります。
現行品である「eTrex 30x」「eTrex 32x」もこの制限は残っています。同じく興津400を走った妻はeTrex 30xを使用していましたが、やはり154kmでルートが切れていました。
RWGPSの特徴
RWGPSで作成されるルートは、距離あたりのポイント数が多めです。ルートラボと比べて、2~3倍のポイント数になることも珍しくありません。
この画面は、「轍(わだち)」というフリーソフトのものです。GPXデータを操作できるので、よく使っています。確かに今回作ったルートは10000ポイントを超過していることが分かりました。
発生理由
「10000ポイントを超えたルートデータを、eTrex30に入れたため、ルートが途中で途切れた」というのが、今回のトラブルの原因です。
13000ポイントのうち3000ポイントがカットされたので、約23%の損失。200kmの23%は46kmなので、計算も合っています。
ちなみに同じ150kmのルートデータでも、伊豆高原300のデータは5000ポイントほどしかありませんでした。道の複雑さでもポイント数は変わってきそうですね。
対策
対策はいくつか考えられます。
対策①: eTrex以外を使う
「1ファイルあたり10000ポイントまで」というのは、eTrexシリーズの制限です。Edgeシリーズの最新機種にはそういった制限は(仕様表には)ありません。
電池の持ちも良いEdge530はブルベにも向くでしょう。
ただ、ポイント数の多いルートデータはファイル容量も大きくなるので、読み込み時間が増えます。Edgeシリーズでも、ポイント数の多いルートデータは避けるべきです。
対策②: 分割数を増やす
eTrexシリーズの「10000ポイント制限」は、あくまで1ファイルあたりの制限です。ならば、分割数を増やせば、1ファイルあたりのポイント数を減らすことができます。
多くの方がやっているのが、「チェックポイントごとにルートを分割する」という方法。ブルベではチェックポイント(PC)が、大体50-80kmごとに設けられています。RWGPSを使った場合でも、この距離であれば10000ポイントを超えることはありません。
ただ、時々「チェックポイント間距離が200km」みたいなコースもあるので、そういった時にルートが途中でカットされる可能性はあります。
対策③: ポイント数を間引く
1ファイルあたりのポイント数を減らす方法です。
先程紹介したフリーソフト「轍」には、間引き保存機能があります。ルートの形はほぼそのままに、不要なポイントを間引いてくれる機能です。ポイント数が減るとルート距離は若干減りますが、それでも0.1%程度の変化しか見られませんでした。
こちらが間引き後のルートデータをeTrex30に入れてみた図です。ちゃんと「200.4km」と表示されていますね。
こういった間引き機能はRWGPSにもあるのですが、何故か500ポイント固定です。さすがに13000→500ポイントに圧縮したら、ディテールはほぼ消失。カクカクの変なルートになってしまいます。この機能は使わないほうが良いです。
他の間引き手段としては、Garmin純正のソフトウェアである「BaseCamp」を使う方法があります。方法についてはadiasさんの記事が詳しいです。
まとめ
「eTrexシリーズ+RWGPSでの運用の場合は、ポイント数に注意!」というお話でした。
今回はカットされてしまった部分のルートは、キューシートを見ながら走りました。本来はこちらの方が王道ななのですが。
今回のトラブルが起こるのは、概ね150km以上の距離なので、ブルベ以外では中々遭遇しないはず。ただ、ブルベで未だにeTrexシリーズを使っている人は多いので注意が必要だと思います。
今後、私は「対策③: ポイント数を間引く」の方法を取る予定です。
著者情報
年齢: 36歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] […]