SwissStop Catalystを購入

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SwissStopのディスクローター「Catalyst」を購入しました。あまり知られていない製品だと思うので、軽くご紹介します。

目次

概要

SwissStopは、その名の通りスイスのメーカーです。

SwissStop

有名な製品は、なんといってもブレーキシュー。Black Princeと言えば、とても良く効くブレーキシューとして有名です。

しかし、ブレーキシューを必要とするのはリムブレーキのみ。MTBは随分前にディスクブレーキへと移行し、ロードバイクもディスクブレーキのほうが主流になってきました。

ディスクローター

そんなご時世を反映し、製作されたのがディスクローター「Catalyst」です。

いつごろ発表されたのかは特定できませんでしたが、少なくとも2016年には発表されていた模様。

ロードバイク専用というわけではなく、シクロクロスやクロスカントリー、ダウンヒルからe-bikeまで対応していることが謳われています。

SWISS STOP スイスストップ Disc-32 EXOTherm2 ブレーキパッド ブレーキ 自転車

対応する専用のブレーキパッドもリリースされています。ただ、各社のブレーキパッドと互換性はあるようです。

購入動機

次に私がこれを買った理由です。

横風対策

今まで使っていたディスクローターはSHIMANOのRT-MT900。MTB用の最高グレードであるXTRの製品です。

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これもDura-Aceのディスクローターよりは表面積が少ないのですが、それでも強い横風が吹くと前輪が持っていかれる感覚がありました。SHIMANOのローターって、放熱性を重視しているので放熱フィン(黒い部分)があるだけ面積が大きいのです。

普通に考えればローターの面積よりも、リムの面積のほうが大きいわけで、風の影響はリムハイトに依存しそうな気もしますが……多少なりとも効果があれば良いなと。

放熱フィンが無い他メーカーで、ロード用のディスクローターを出しているメーカーは、CampagnoloやSRAMもあります。

しかし、SwissStopは周りに使っている人が一人もいませんでした。あえてそこに手を出してみるのも面白いかと思い、興味を持ちました。

しかし、こうやって並べてみると面積は大して変わらない気もしますね……。

一時的な騒音対策

SHIMANOのディスクローターは、アルミの芯をステンレスでサンドイッチする構造(アイステクノロジー)を取っています。

この構造は放熱性は高いんですが、異素材の組み合わせなので、高熱下ではどうしても若干変形してしまいます。

SHIMANOのローターを使っている方は分かると思うんですが、強いブレーキを掛けた直後に「シャンシャンシャン……」としばらく音がすることがあります。でも、暫く経つと音はしなくなる。そんな経験は無いでしょうか。

これは、高温状態で一時的に変形したローターがパッドに擦ることが原因だと思われます。しかし、それは一時的なもので、ローターが冷えてくると元に戻って音がしなくなるわけです。

アイステクノロジーは恐らくシマノが権利を持っている技術です。他社は基本的にはステンレスの一枚板であることが多く、SwissStopも例外ではありません。

別に強いブレーキを掛けても時間が経てばもとに戻るわけですが、個人的には結構音が気になっていました。これを何とかしたかったのも、Catalystを購入した目的です。

実物の紹介

手元に届いたので、写真を交えながらファーストインプレッションです。

重量

まずは重量から。

160mm/センターロックで、実測139g。2枚買いましたが、2枚とも同重量です。

 

モデル名 公称重量
SM-RT900 (DURA-ACE) 118g
SM-RT800 (ULTEGRA) 128g
RT-MT900 (XTR) 108g
RT-MT800 (XT) 109g

参考までにSHIMANOの各種ローター(160mm/センターロック)の重量です。

重めであるアルテグラのローターより更に+11g。Catalystはかなりの重量級のディスクローターであると言えます。

耐久性

競合製品よりかなり重いCatalystですが、耐久性には自信があるようです。

明確なソースは見つかりませんでしたが、かつては「他社の10倍持つ」と主張していたとか。ディスクローターは大体10000km程度は持つようですが、その10倍だと10万km。さすがにそれは無いのでは……。

材料は他社も同じステンレスだろうし、何故そんなに持つといえるのかは謎です。さすがにマズいと思ったのかは不明ですが、現在は公式サイト上には「摩耗しにくい」と書かれるに留まっています。

エッジは綺麗に丸められており、更には摩耗インジケーターも設けられています。この写真の黒丸が消えたら交換せよ、ということですね。

その他の特徴

パッケージの裏面には色々こだわりが書かれています。

一見するとローターのエアロ性能を確かめているような図が載っていますが、説明を読むと「冷却に最適な形状を探るためのシミュレーションを行った」ということのようです。SHIMANOのアイステクノロジーとは別アプローチで冷却効率の最大化を目指したようですね。

台湾産。信用できる。

インストール

とりあえず前輪だけローターを交換してみました。横風の影響を見るなら、とりあえず前だけで十分なので。

SHIMANOのローターとはセンター位置が微妙に異なるようで、ブレーキキャリパーの位置調整が必要でした。

実走

20kmほど走ってみました。

馴染みを出す程度の距離しか走りませんでしたが、何となくローター自体の硬さを感じました。もう少し馴染みが出てくると感想は変わるかもしれません。

強くブレーキを掛けた後の音鳴りは抑制されていたと思います。ここは狙い通り。

まとめ

放熱性と耐久性を重視したディスクローター、というのが第一印象です。ただし、重い。そこは性能のトレードオフでしょうか。

今日は特に風が無かったので、もう少し風が吹く日に性能を試してみたいと思っています。あんまり変わらない気はするけれど。

 

著者情報

年齢: 36歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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