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「4iiii」、2本目を購入
4iiiiのパワーメーター「PRECISION」を購入しました。今回で2本目です。ProBikeKitで購入しました。
概要
4iiiiは、カナダのブランドで、主力製品はクランク型のパワーメーターです。ローラー台も作っていますが、あまり売れてはいない様子。
4iiiiについて
元々は格安パワーメーターとして知られていましたが、ペーター・サガン擁するBora-Hansgroheが採用し、一気に知名度が上昇しました。
現在はトライスポーツが代理店となり、国内でも購入可能です。
2021年は、フルームが所属するIsrael Start-Up Nationが4iiiiのパワーメーターを採用しています。
4iiiiのパワーメーター
シマノのクランクにパワー検出用のセンサーを付けた形で販売されています。
3種類の製品があり、それぞれDURA-ACE/ULTEGRA/105のグレードがラインナップされています。
PRECISION PRO(電池式/両側計測)
左右のクランクにそれぞれセンサーが付いたパワーメーターです。コイン電池式のみの展開となっています。
PRECISION(電池式/片側計測)
左クランク側のみにセンサーが付いたパワーメーターです。コイン電池式。
CR2032電池1枚で100時間動作します。
Podiiiium(充電式/片側計測)
左クランク側のみにセンサーが付いたパワーメーターです。USB充電式。
1回の充電で60時間動作します。
2本目の4iiii
今回購入したのは、「PRECISION」のDURA-ACE R9100モデル。つまり、コイン電池式の片側モデルになります。
購入価格は約40000円でした。安い。
用途
現在納車待ちのBianchi Oltre XR4用に購入しました。
2月半ばには納車されるだろうと思っていたので、納車後に届くと思っていたのですが……何か色々あって納車は3月になりそうです。先にパワーメーターが届いてしまいました。
「でもどうせ新車でデュラを買うなら、シマノのパワーメーターでも良いのでは?」と思われる方もいると思います。
既に所有しているディスクロードにはシマノのパワーメーターを取り付けて使っています。
確かに値段を考えるとシマノのパワーメーターは両側計測モデルでは破格の安さなのですが……しばらく使ってみてイマイチ感が今の所は勝っているので今回は採用しませんでした。あえて新品のR9100クランクを買った上で、左側だけを4iiiiのパワーメーターに差し替える予定です。
4iiiiを選んだ理由
4iiiiのパワーメーターは、2019年のPBP前に1本目を購入しています。今回と同じく「PRECISION」ですが、この時買ったのは6800アルテグラのモデルでした。
これが思いのほか良い感じ(というか不満らしい不満がなかった)だったので、今回の2本目購入に繋がったわけですね。
ここから、なぜリピート購入に至ったかの理由を書いてみたいと思います。シマノのパワーメーターではなく4iiiiを選んだ理由も併せて述べます。
意外と正確
上の1本目の記事にも書いたのですが、出力されるパワー値が「確からしい」んですよね。
どうも初期の「格安パワーメーター」のイメージが拭い去れず、最初は「まぁ適当な値を出すんだろうな」と思っていたのですが、我が家で一番正確なパワーメーターを持つ(はず)のTacx Neoのパワー値とほぼ誤差なしのデータが出てきて驚きました。
プロチーム採用実績は伊達では無いようで。
実は自動温度補正
パワーメーターは、「歪みセンサ」という「どれだけ歪んだか」を判定するセンサを使ってパワー値を推定しています。
ただ、モノの歪み方って温度によって微妙に変わるので、補正をしないと温度によって出力されるパワーが変わってしまうことになります。一般的に、気温が低くなるほどパワー値が小さく、気温が高くなればパワー値が大きく出ます。
シマノのパワーメーターは冬場になるとパワー値が小さく出ている感じがあります(体感的に20Wくらい低い……)。
4iiiiはそういったことはありませんでした。どうやら自動的に温度に合わせて出力値を補正してくれるようです。なんか昔は温度補正に対応していなかった気がするのですが、いつから対応しだしたのでしょうね……?
出力値がアプリで弄れる
PRECISIONは片側計測なので、片足の出力値を2倍にした値がサイクルコンピューターに表示されます。
となると、左足のほうが踏む力が強い場合には実際のパワーより大きく出てしまうわけですね。逆に右足が強ければ実際より小さく出ます。
そういったことへの対策のためか、出力値を自分で好きに調整することが出来ます。私は係数を今は「0.95」にして使っています。
シマノのパワーメーターにはこの機能はありません。
動作時間の長さ
これは充電式ではなく、コイン電池式を選んだ理由になります。
充電式は60時間、コイン電池式は100時間動作です。
コイン電池式のPRECISONはPBP(1200km/90時間)でも使用しましたが、問題なく最後まで使うことが出来ました。しかし、充電式であれば恐らく電池切れになっていたことでしょう。動作時間が長いのに越したことはありません。CR2032電池ならコンビニでも買えるので、突然の電池切れでも安心。
ちなみにシマノのパワーメーターは300時間動作です。動作時間ならシマノが圧勝なのですが……他の理由で選外となりました。
防水性能も確か
PRECISIONは「IPX7 IPX5」相当の防水性能を持っています。IPX7は「水に沈めても平気」、IPX5は「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」という意味です。
PRECISIONを取り付けて大雨のブルベも何度か走っていますが、動作不良は一度もありません。
ちなみに充電式のPodiiiiumはIPX7ではありますが、IPX5には対応していません。噴流水には弱い、ということかも。充電式を避けたのはこれが理由でもあります。自転車で使うならば水に沈めるよりも、水が噴射されるような状況の方がありがちなはずですからね。
取り付けが簡単
4iiiiのPRECISIONの取り付けは簡単です。左クランクを外して、交換するだけ。トルク指定はありますが、難しいのはそれくらいです。
シマノのパワーメーターは取り付けが結構難しいです。両側パワーメーターということもありますが、クランク軸の中を通して左右を有線で連結する構造はちょっとキツいものがありますね。フレームに磁石を貼らないとなりませんし、その位置決めも意外とシビアです。
めだたんぼーが使える
オチのように使って申し訳ないですが、真面目にこれが結構大事なのです。
めだたんぼーはロードバイク用の簡易スタンドなのですが、私はこれが大のお気に入りでして。出先で写真を取るためにいつも持ち歩いています。
このように、クランクキャップに挿して使います。4iiiiは左クランクにセンサを取り付けただけのものなので、もちろん使うことが可能です。しかし……
シマノのパワーメーターはこの通りなので、めだたんぼーは使えません。出先で何度写真を撮るチャンスを逃したことか。
めだたんぼーが使えるクランク型パワーメーターって珍しいので、割と本気で選んだ理由の一つになっています。
まとめ
手軽に付けられて、安いけれどそこそこ正確。ちゃっかり温度補正機能も付いた片足計測パワーメーターです。
「左右の出力差を見たい!」「より正確なパワーを知りたい!」という人には向きませんが、私みたいにゆるくペース管理がしたい程度の用途であれば必要十分なパワーメーターだと思います。クランク型なのでポジションの影響もありませんしね。
早くOltreに取り付けて乗り回したいものです。
著者情報
年齢: 36歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。