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RD-R9100のプーリーを交換
9100デュラのRDのプーリーを交換しました。
プーリーのパーツの摩耗の仕方を見て気づいたことが有ったので、メモとして残しておきます。
交換の動機
先日、LUDICROUS(超高いチェーンオイル)を施工するにあたり、ドライブトレインの徹底清掃を行いました。
プーリーの回転が渋い
現在はKMCのチェーンを使っているので、ミッシングリンクを使用。つまりチェーンを割と簡単に外せます。
チェーンを外したのでRDのプーリーも外して掃除しようと思ったのですが……回転がとても重い。
ちょうど手元に使っていなかったアルテグラのRD(RD-R8000)があったのでプーリーを回してみましたが、遥かにこちらの方が回転が軽い。デュラよりもアルテの方が回転が軽いなんて……。
ただ、デュラのプーリーは回転が重いというよりは、もう何か擦れて引っかかっている感じがありました。そういえばペダリング時もプーリーからキシキシと音がしていたような。
評判の良くないR9100プーリー
こんなことになっているのは自分だけか?と思い、検索してみると結構同じように感じている方がいることが分かりました。
こちらの記事ではデュラRDのプーリーをアルテグラのプーリーに交換していますね。
ワイズロードの記事でも同じカスタムをしています。
デュラ?アルテグラ?
「いっそこの機会に自分もアルテグラのプーリーに変えてしまおうか?」と思ったのですが……
デュラとアルテグラのプーリーの厚みを実測した方がいまして、0.7mmの差があることが分かりました(R8000のプーリーのほうが厚い)。私も手元のR8000のディレイラーからプーリーを外して計測しましたが、実際にそのとおりの厚みの差がありました。
また、シマノとしても「デュラ(9100)とアルテグラ(8000)のプーリーには互換性がない」としているようです。ワイズさん、特に注釈無く記事にしてるけど大丈夫なのかな……。
個人的にはメーカー推奨外の改造はあまりしたくないので、仕方なく9100のプーリーを買い直すことにしました。
プーリーの交換
古いプーリーを取り外して、新しいプーリーに交換しました。
確かスチールフレーム(1本目)→スチールフレーム(2本目)のコンポ載せ替えの際にプーリーを交換した気がしますが、それももう3年前。
3年の間にPBPもありましたし、距離的にも20000kmは使っているはずなので寿命ではあったと思います。
古いプーリーを外す
RDからプーリーを外すのは割と簡単。プーリーの中心にあるボルト(2箇所)を外すだけ。
R9100のプーリーは、ベアリングをアルミのフタ(マニュアル上ではプーリーキャップと呼んでいる)で抑えた構造になっています。
このフタを開けてみたのが下の写真。
……フタの裏側、明らかに擦れた跡がありますね。
跡の部分とベアリングの位置関係を見ると、ベアリングを保持する枠の部分(ハウジング)とフタの裏側が接触しているようです。その他に、フタの縁の部分もアルマイトが剥げています。ここも接触していそうでした。抵抗を感じる・異音がすると感じたのは、この2箇所の接触のせいであることは間違い無さそうです。
ただ、歯の部分のすり減り具合からして、どう考えても寿命ですが。
R8000 vs R9100
参考のために、R8000プーリーと比較してみました。
左がR8000のプーリー、右がR9100のプーリーです。
R8000はベアリングのみを左右から抑えているのに対し、R9100は金属のフタでプーリーを抑える構造。R9100は、フタがどうやってもプラスチックのプーリー本体に接触する構造に見えます。
素人目から見ると合理的なのはR8000の方。なんでR9100はこんな構造にしたんでしょうか?
考えられる理由としては、「ハウジングの外側にトラップを設けて、雨やゴミなどの侵入を防ごうとしている」とかですかね。一方、R8000プーリーはフタの隙間から水やゴミが侵入しそうには見えます。
しかし、雨対策で回転が渋くなっては本末転倒のような気もするんですけども……
新品のR9100プーリーに交換
こちらが新品のR9100プーリー。SDGsなのか輸送料金の節約なのか分かりませんが、紙箱になったようです。
新品プーリーを手に持って回してみましたが、交換前のプーリーのような抵抗感はありません。ある程度使っていくと、フタとハウジングが接触するようになるんですかね。
新品プーリーは2個で16.4g。
使い古しのプーリーは15.9g。仮に最初が同じ重量だったとすると、0.5g分すり減ったことになります。2枚の写真を見比べると、明らかに歯の部分はすり減ってますね。
意味があるかは分かりませんが、フタとハウジングが擦れて異音が出るのが嫌だったのでグリスをたっぷり入れてからフタをしておきました。
こちらの方がシマノに問い合わせた際の回答によると、フタの下にグリスを入れるのはシマノ的にもOKだそうです。
取り付け完了
取り付け完了。
交換前に出ていた異音はなくなり、抵抗感も少なくなりました。荷重なしの状態での回転の軽さにそこまでの意味はないと言われますが、交換前は明らかに「回らない」状態だったので多少は効率も良くなったはず。
まとめ
とりあえず本件での直接的な学びは、「異音を感じたらプーリーを新品に交換しましょう」ということ。
シマノのディーラーズマニュアルにも以下の記載があります。
プーリーのガタが大きくなって、走行時、非常に雑音がうるさくなった場合は、プーリーを交換してください。
今回はガタは出ていなかったんですが、雑音はしていました。こうなったらさっさと新品に交換するのが正しかったのでしょう。
もうひとつの学び(というか疑問)は、R9100のプーリーの構造です。
何故こんな抵抗が大きそうな構造にしているのか? シマノのことだから何か深遠なる理由があるのだとは思いますが、ご存じの方がいたら教えて下さい。
著者情報
年齢: 37歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。