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中野マッサーの治療院へ行きました
スポーツマッサージの第一人者と言われる、中野喜文マッサーの治療院「ENNE(エンネ)」に先日行ってきました。グランツール中継でも解説を務める、あの中野マッサーです。
色々とためになったので、その時のことを書き残しておきます。
訪問動機
ここ最近、2つほど体に関することで悩んでいました。
悩み-1: 左右差
先日、妻にこんな指摘を受けました。
「お尻の中心が、サドルの中心よりかなりズレてる」
絵にするとこういうことだそうです。
妻は誰よりも私の後ろを走っている時間が長い人です。どうも話を聞いてみると、しばらくこんな感じだったそうで。後ろから見て、左側にかならず尻がズレていたようです。
実はある程度、その自覚はありました。パッドを触ってみると、明らかに左側のパッドのほうが多くはみ出ているのです。もちろん、パッドが中心に付いていない精度の悪いレーパンもあるのですが、ほぼ必ず左側のパッドがはみ出していることから、恐らく体が左側にズレているんだろうなーとは思っていました。そして今回、客観的な目でそれが明らかになったのです。
問題が出ていなければそれでも良いのですが、ここ一年くらい右足首のみが痛むことが悩みのタネでした。もしかしたらこの左側に体がズレていることが、右足首に何らかの悪影響を与えているのではないか?と考えました。
サドルの中央を意識するためにこんな工作をやってみましたが、サドルの中央に座ってるはずなのに「しっくりこない」感じが。これはホントにズレているな、と自覚しました。
悩み-2: 腰痛
在宅勤務が始まってから2ヶ月ほどが経ちました。
しばらくは何とも無かったのですが、6月に入ってから左の尻から腰にかけての痛みが強くなってきました。特に、自転車で立ち漕ぎをしたときに痛みが大きくなります。
あまり良いとは言えない椅子と机を使っているので、少しずつ疲労が溜まっていたのが第一の原因でしょう。
また、通勤の運動が減ったので、なんだかんだで毎日の夜練を欠かさなかったことが第二の原因かもしれません。Stravaのログを見ると、1ヶ月間毎日欠かさず自転車に乗っていました。在宅勤務前は週に2日は乗らない日があったので、頻度で言えばかなり増えています。週末に纏めて距離を乗れない分、頻度を増やした結果、これまでは存在していた回復する時間が消えたわけですね。
どこへ行くか?
腰の痛みや身体のバランスと言ったことに対処しようと思うと、色々と行き先があります。
・あん摩マッサージ指圧師
・理学療法士
・柔道整復師
色々調べてみると、まずは重度の故障や病気でないかを確かめるために整形外科に行ってみるのが良いようです。
手始めに近所の整形外科に行ってみましたが、「在宅勤務での悪い姿勢による腰痛ですね」という診断。「自転車も腰に悪いので少し控えてください」と言われてしまいました。
私は「自転車に痛みなく乗りたい」わけで、単に痛みを取りたいわけではありません。とはいえ、レントゲンを撮っても大して何も言われなかったことから、故障や病気の線は無さそうです。
中野マッサーを訪ねることに
さて、整形外科では望む答えは得られませんでした。
次は自転車乗りのコンディショニングに詳しい人が良い…と言うことで行き先の筆頭に現れたのが、中野マッサーの治療院でした。
中野マッサーと言えば、言わずとしれた自転車業界きってのマッサーです。資格としても先程の「あん摩マッサージ指圧師」に加えて、「はり師」「きゅう師」の資格も持っておられるとのこと(Wikipediaより)。
今回何とかしたかった左右差の話は、自転車に乗らない人には説明しにくい内容です。しかし、中野マッサーならば細かい用語の解説は抜きに悩みの内容が伝わるはずです。
そして治療院は武蔵小杉から東横線一本で行ける北参道。本来ならアクセスで治療院を選ぶのも変な話ですが、このご時世なので密を出来るだけ避けて行くことが出来るのは重要でした。
治療院「ENNE」へ
かくして、中野マッサーの治療院「ENNE」に伺うことにしました。
予約
公式サイトから予約しました。
予約システムがあり、希望の担当者と時間帯、問題の内容を登録して完了です。希望の担当者は、もちろん中野マッサー。
今回は60分のマッサージコース(7700円)を予約しました。
アクセス
千駄ヶ谷駅と北参道駅のほぼ中間にあります。北参道からだと徒歩3分程度。
ビルの二階が治療院です。
受付
指定時間の5分前に到着。ドアを開けると、中野マッサーがで迎えてくれました。
「ホンモノだ!」と思いましたが、当たり前ですね。
着替え
マッサージを受ける際は専用の服(施療着というらしい)に着替えます。
上はサイクルジャージを着ていったのでそのまま、下は施療着に着替えました。施療着は横側がマジックテープ止めになっており、ストレッチをしても動きを妨げないようになっています。
治療
早速、治療開始。
問診、マッサージ、左右差の確認、リハビリ(ストレッチ)という流れでした。人によって流れは違うようなので、私の場合ということでお読みください。
問診
まずは問題の説明。「体の左右差」と「腰痛」についてです。ほとんどの内容は予約時の入力した内容で説明済みですが、より詳しく説明を行いました。
整形外科の先生に説明をする時には「ビンディングとはなんぞや」から始めなくてはならずに苦労しましたが、そこは中野マッサー。専門用語も何のその。「主にブルベを走っています」と言えば、「PBPには出ましたか?」と返ってくるツーカーぶり。聞けば、PBPに参加したランドヌールの顧客も多いとのこと。さすが自転車マッサージの第一人者です。
5分もしないうちに悩みの内容を話し終わりました。
マッサージ
ベッドにうつ伏せに寝て、タオルケットを掛けられてマッサージ開始。実はこういうマッサージを受けるのは私は初めて。初のマッサージが第一人者とは何とも贅沢です。
雑談をしつつ、腰~尻~脚のマッサージを受けます。さすがプロ、ここが凝っているという所を的確に解してくれます。
マッサージも凄いのですが、雑談の内容が実に有益でした。主にしていたのはポジションの話ですが、例えば以下のような話。
今、右足だけ2mmほどペダルが外に出るようにスペーサーを入れてるのですが。
そのくらいの差は付けても付けなくても大して変わらないと思います。左右対称のセッティングで良いんじゃないでしょうか。
昔のジロでの話なんですが、クイーンステージではプロ選手もトリプルギヤを使っていました。
当時はコンパクトクランクに大きいスプロケは不可能だったので、軽いギヤを使うためにはこうするしかなく。
ただ、実はトリプルギヤって、ダブルギヤと比べて右側だけ1cmくらい外に出てたんです。
ジロのクイーンステージといえば最重要ステージです。そんなステージで選手たちが右側だけ1cm外に出たポジションで
特に問題が起きなかった。それだけ人間の体はフレキシブルなんですよ。
大腿骨の骨折とか、そういった大きな怪我などの後遺症がある場合でも無ければ、体が吸収してくれます。
結局、デスクワークと大きく変わるわけではないんですよね。
そういった意味では、「歩くこと」が大事です。違った刺激が体に入るので。
1日30分~1時間くらい歩くようにすると改善すると思いますよ。
左右差の確認
一通り体をほぐした後は、左右差の確認。関節の可動域を中心に見ていきます。
そこで指摘されたのが、「内旋・外旋が、左右の足でズレている」ということでした。
ここで言う内旋とは、股関節の水平方向の動きのことです。野茂英雄のトルネード投法(古いですが)のように脚を内側に向かって回転する動きが「内旋」、逆に足を外側に向かって回転する動きが「外旋」です。
私の場合、左右の脚の内旋・外旋に以下の特徴がありました。
・右足: 外旋しやすく、内旋しにくい
リハビリ
まずは電気を流す機械と、手技を併用した足首のリハビリを実施しました。
その後は、股関節の内旋ストレッチ。本当に左脚だと簡単に出来るストレッチなんですが、右脚だと全く出来ませんでした。このストレッチを日々行って可動域を増やしていきます。
これで60分終了です。
会計
受付にて会話をしながらお会計。これだけプロの手技と話、そしてリハビリの方法を聞けて7700円ならば大満足です。
こちらは中野マッサーの愛車「NAKAGAWA」。ピンクじゃないモデルは珍しいですね。
お礼を言って、治療院を出ました。
その後
1日30分の散歩と、教わったストレッチを続けています。
左右差
マッサージの効果か、その後のストレッチの効果かは不明ですが、サドルの左側に座ってしまうことがなくなり、サドルの真ん中に座っても「しっくり来る」ようになりました。
妻にも後ろからチェックしてもらいましたが、ちゃんとサドルの真ん中に座れているようです。
ただ、右足首の違和感は残念ながら解消していません。これはもう少し別の所に原因がありそうです。右足のつま先が外に開きやすいトーアウト気味であることを指摘されたので、次回があればその辺りを突き詰めようかと思っています。
腰痛
散歩の効果がてきめんに出ており、気になっていた腰痛は出なくなりました。まさかそんな単純なことだったとは。
在宅勤務が続く限りは1日30分の散歩は欠かさないようにしようと思います。
まとめ
一言で言えば、「行って良かった」です。
問題の大半は解決しましたし、残る右足首の問題も解決の糸口がつかめました。整形外科で言われたようにただ休んでいただけでは、このような改善は得られなかったでしょう。考えてみれば、日本でもトップクラスの専門家を60分独占出来るというだけで凄いことですよね。
とりあえず今後は散歩とストレッチを継続し、それでも足首の改善が見られなければもう一度「ENNE」の門を叩く予定です。
著者情報
年齢: 35歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。