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【イベントレポート】ハンドメイドバイシクル展 2022 前編
2年ぶりのリアル開催となったハンドメイドバイシクル展を見に行ってきました。
前後編の前編で、主にフレームビルダーさんのブースを紹介しています。
イベント概要
毎年、北の丸公園内にある科学技術館で1月に開催されます。入場は無料。
公式ページでのイベント紹介は以下の通り。
国内ハンドメイドバイシクルビルダー、パーツメーカーが経験と実力で生み出した
「独創性あふれる自転車」や斬新な機構を取り入れた「独創性の高いパーツ」の展示、
自転車ビルダー、スペシャルゲストによる「トークショー」など様々な企画を予定しております。
メインとなるのは、国内のフレーム工房やハンドメイド自転車を出している会社のブースです。各ブースにはフレームビルダー本人が詰めている事が多く、製作者の話を直接聞くことが出来ます。
また、ハンドメイド自転車に使われる部材(フォーク・ラグ・ハブなど)のメーカーや代理店も出展しています。
参加動機
2012年くらいから、ハンドメイドバイシクル展は毎年欠かさず見に行っていました。
![](https://cannonball24.com/wp-content/uploads/2021/05/20210519_02-300x187.jpg)
2017年には細山製作所にフレームを注文。オーダーフレームを注文してからは、一層このイベントへの興味が深まりました。
2020年は何とかコロナが本格的に広まる前で開催されましたが、2021年はオンラインでの開催。今回も開催が危ぶまれましたが、感染対策を徹底して開催することになったとのこと。
土日開催ですが、梶原利夫さんのトークショーがある日曜日に行くことにしました。
梶原利夫さんは、私のフレームを作ってくれた細山さんの師匠に当たる伝説の自転車職人。京王閣フリマなどで少しだけお話したことはありましたが、トークショーでどんなお話をするか気になっていたのです。
ブース紹介
私は1/23(日)のみの参加。入口では消毒・検温を実施。マスクは不織布マスクのみ許可となっていました。
ほとんど全てのブースを見て回りましたが、特に印象に残ったフレームビルダーさんのブースを取り上げていきます。順不同。
macchi Cycles
滋賀のビルダー、macchi(マッキ)さん。
私の目的は、昨年秋に日本縦断ギネス記録を樹立した落合さんのバイク。カーボンとスチールのハイブリッドフレームです。激戦をくぐり抜けてきたバイクなだけに迫力がありますね。
RAAM(アメリカ大陸横断レース)にもこのバイクで挑まれるとのことです。
塗装も非常に独特で格好良い!
スチールフレームに魅入られるトビネズミ。個人的にはカーボン・スチールのハイブリッドフレームには興味がありまして、いつか作ってみたいフレームの一つです。
琥珀
東静岡のショップ内に工房を構える「琥珀」。東洋フレームで修行された方がフレーム製作を担当されています。
私はここのフレームも結構前から気になっています。独特の品があるというか。それでいて予算は控えめ。写真のフレームはENVEのフォーク付きで22万だそうです。
ロゴにはよく見るとアリが。「琥珀に固められたアリ」をイメージしたロゴだそうです。
漢字のブランドロゴを選べるのも独特で格好良いです。
TOEI
ツーリング系に強い埼玉の工房、東叡社。
今回、会場で最も注目を集めていたかもしれない一台。遠くから見ると分かりませんが……
「猫」のコンセプトバイクです。
チェーンリング・クランクにも猫の顔の形状。
ペダルには肉球。
ボトルケージも猫型。
ステムは猫の手の形に。
極めつけは、煮干型ダブルレバー。すごい拘り方です。恐れ入りました。
サイクルストアーオカダ
東京・小平にあった工房「サイクルストアーヒロセ」を受け継いだ工房です。昨年、ビルダーの廣瀬さんがお亡くなりになって跡を継いだそうです。
こちらは、廣瀬さんの遺作となったフレームを、岡田さんが完成させた一台。
サイクルストアーヒロセと言えば、ディレイラーを自作してしまうことでも有名でした。その技術も岡田さんは受け継いでおられるようで、こちらのディレイラーは岡田さん作とのこと。
リアディレイラーも自作。このニッチな技術が継承されたのが素晴らしい。
こちらのボトルケージも自作とのこと。エレガントです。
MAKINO
千葉・我孫子のMAKINO。競輪フレームで有名ですが、「ろんぐらいだぁすとーりーず!」のデモバイクも手掛けています。
こちらがそのデモバイク。一見カーボンフレームのようですが、極太パイプを使ったスチールフレームです。
ラグの形状も独特で綺麗。
この仕様でも実際にオーダー可能とのことです。
EQUILIBRIUM
ラトビア出身のビルダーさんが東京に開いた工房、イクイリブリウム。スチールで始まった工房ですが、チタンやステンレスも得意にしています。
こちらは、チタンとカーボンのハイブリッドフレーム。スチールとカーボンという組み合わせは結構見ますが、チタンとの組み合わせは稀。どんな乗り味なのか気になります。
細部もウットリする綺麗さ。
エンドパーツもチタン? そこは聞き忘れました。
ツーリング車もお手の物。
Abukuma
名前の通り、福島の阿武隈川近くに居を構える「あぶくま自転車工房」のブランド。
オールマイティロード。ビルダーさんが今日はずっと不在だったようなので話は聞けませんでしたが、目を奪われる一台でした。
GT風の、シートステーのトップチューブ接着加工。
ヘッドは何と蜘蛛印! アリを入れているブランドもありましたが、意外とフレームビルダーさんは虫が好き……?
MONTSON
神奈川・厚木に工房のある「山音製輪所」のブランド。
以前、工房に伺った際に試乗させて頂いたツーリング車も出展。これ非常に乗り心地が良かったんですよね。
目を引いたのが、リクセンカウルのアダプタを使ったハンドル用ボトルケージホルダー。これは面白いですね。
昨年夏に話題になった、親子での日本縦断の自転車を作ったのも山音製輪所さんだそうです。
RAVANELLO
東京・練馬のレース系工房、ラバネロ。
前回に引き続き、極太パイプを使ったレーシングディスクロード、「アフィラータ」を展示。これもカッコいいんですよね。
スルーアクスルのエンドがほかで見ない形をしていましたが、オリジナル?
ブースに置いてあった味のあるイラスト。ビルダーの高村さんを描いたものですね。
Dobbat’s
愛知に工房を構えるドバッツ。数年前に工房に伺いました。ちなみに、日本人としてRAAMを初完走した方のフレームはドバッツのものです。
ドバッツと言えば、シートステーの延長線上にカットされるシートチューブが特徴。一見、シートクランプが内容に見えるのがカッコいい。
このヘッドバッジの付け方と、ラグの切り方も独自性がありますね。
AMANDA
東京・荒川区のアマンダスポーツ。世にカーボンフレームが出回る前からカーボンにいち早く取り組んでいた工房です。ビルダーの千葉さんもお元気そうでした。
有名な木製リムのホイール。近くで見ると木であることがよく分かります。そしてこれ、ディスクブレーキなんですよね。このホイールでもディスクブレーキが行けるとは。
こちらはアマンダではないブランド名が入っていました。数年前から千葉さん指導のフレーム製作教室が開かれているようなので、そちらでの製作物かもしれません。
CHERUBIM
トップクラスの知名度を誇る東京・町田の工房「ケルビム」。
展示の中心は、通常より一回り細いパイプを使った「Sticky」でした。そういえば私がロードバイクを始める時に検討した中にこちらのStickyも入っていたんですよね。
前から見た図。スリムです。
ケルビムのシートステーの集合部はズルい。
まとめ
ハンドメイドバイシクル展のレポート、前編でした。
まずは、何とか開催に漕ぎ着けてくれたイベント主催の方・出展の皆様に感謝します。毎度、素晴らしいイベントをありがとうございます。
毎度のことながら、こちらのイベントで展示されるフレームは刺激的なものが多いです。各ブースがとっておきの一台を持ってきているから当然なのですけども。
既に我が家の自転車収容能力は限界を迎えているのですが、またしても欲しいフレームが増えてしまいました。
次回、後編はパーツ系のブースとトークショーについてのレポートを予定しています。
(追記)
![](https://cannonball24.com/wp-content/uploads/2022/01/handmade2-300x201.jpg)
後編を公開しました。
著者情報
年齢: 37歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。