【イベントレポート】ハンドメイドバイシクル展 2022 後編

  • 2022年1月25日
  • 2024年1月12日
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2年ぶりのリアル開催となったハンドメイドバイシクル展を見に行ってきました。

前後編の後編で、パーツ系のブースとトークショーの内容を紹介しています。

まえがき

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イベント概要と、フレーム展示系のブースの内容は前編を御覧ください。

ブース紹介

私は1/23(日)のみの参加。入口では消毒・検温を実施。マスクは不織布マスクのみ許可となっていました。

後編は、パーツ系のブースを紹介します。

GOKISO

言わずと知れた「世界一回転の軽いハブ」の愛知・GOKISO。

 

会場でもトップクラスの注目を集めていたのが、待望の「スルーアクスル対応」ハブ。ようやく完成したとのことでした(発売日は未定)。

これまでもGOKISOのディスク用ハブはあったのですが、ベアリングとの関係でクイックリリース用のみの販売となっていました。

 

スーパークライマーハブをベースにスルーアクスルに対応。球面ワッシャーでハブ軸の傾きを補正するとか。「センターロック式のものは無いんですか?」と聞きましたが、技術的に難しく6穴のみとのこと。

 

秤が置いてあったので重量も測定しました。ホイールの形になると、軽量リムでも1700~800gは行ってしまいそうですね。

グランボア

京都のパーツメーカーであるグランボア。ツーリング系フレームも得意とするところですが、今回はチェーンリングに注目。

 

妻が魅了されていたチェーンリング。ナローワイドでフロントシングル向け。

歯数がブルベにはちょっと小さすぎますが、のんびりしたツーリングバイクを組む時にはこういうのを入れてみたいですね。

エンマバイシクルワークス

パイプ・ラグ・フォーククラウンといった部材を主に扱うエンマバイシクルワークス。

 

フォーククラウンってフォークの性能においてかなり重要な位置を占めるんですよね。

 

私の1本目のスチールバイクのフォークは、こちらのフォーククラウン(ロンシェン)を指名買いしました。

たつみ商会

エンマと同じく、ラグ等の部材を多く扱う「たつみ商会」。

 

この置き方がたまりません。ちゃんとメッキしてあるのを置いてあるのもいいですね。

COLUMBUS

今回どこの代理店が出しているのかがよく分からなかったのですが、COLUMBUS。

カーボンフォークのラインナップが充実してます。ディスク用だけではなくリム用もまだ出してくれているのがありがたい所。

フジチカ

パーツ系で面白かったのが、こちらのフジチカ。

 

GOKISOの子会社ということで、カーボンリム(写真は材料のカーボンシート)を出品していたんですが、気になったのはそちらではなく……

 

チューブレスタイヤの修理システム。「TUBELESSCUE(チューブレスキュー)」というらしい。

 

仕組みとしては、既発の「サムライスォード」等と同じく、穴にゴム片を打ち込むというもの。しかし、この手のツールはどちらかと言うとMTBなどの太いタイヤ向きでロードバイクのタイヤには向かなかったわけですが、フジチカのツールはロードバイクのタイヤを想定している模様。

面白いのは打ち込むゴム片に「返し」となる部分が付いていて、そちらがチューブの裏面に貼り付いて裏側から穴を塞ぐ点。返しの部分には同社のシーラントを塗るようになっており、これによって返しの部分がタイヤの裏面に密着する仕組み。

 

体験コーナーがあったので、実際に作業をさせてもらいました。

 

パンク箇所にゴム片を打ち込み。結構力が要る。

 

すぐに空気漏れは塞がりました。既に50人以上が穴を開けたタイヤながら、どの穴もちゃんと塞がっているのが凄い。

 

穴が開くと修理の難しいサイドの部分のパンクにも対応していると仰っていました。

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「これは良さそう」と思ったのですが……セット価格・19800円はちょっと私には手が出ませんでした。

ほぼ、ゴム片を打ち込むための治具の価格だそうです。精密さと耐久性を重視して作ったら結構なお値段になってしまったとのことでした。10年は使えるそうですが……そこまでチューブレスをヘビーユースする未来がまだ私には見えませんでした。フックレスを導入したら考えよう。

三ヶ島ペタル

埼玉の三ヶ島ペタル。最近は多摩湖の周辺を走った際に良く会社の前を通ります。

 

製品一覧。

 

目に留まったのは、両面のSPD互換ペダル。このペダルは脱着のしやすさが売りとのこと。なので「マルチクリートでは使わないでください」とのことでした。マルチクリート、もともと外れやすく作られてますからね。

トークショー

日曜日の午後のトークショー「東京自転車歴史研究フォーラム in HMB」に参加。

午前のトークショーを狙っていたのですが、コロナの影響で整理券制だったことを見逃し。会場に到着したら締切となっていました。

 

気を取り直して午後のトークショーの整理券を配布開始時刻に取得。無事に参加することが出来ました。

スピーカー

このトークショーのスピーカーは梶原利夫さんで、進行は松本敦さん。

梶原利夫さん(産業遺産学会評議員)

国内フレームビルダーに多大なる影響を与えた天才フレーム職人(フレームビルダーという名前がお好きでないそうなので、あえてこちらの表記)。

土屋製作所に在籍し、Everestブランドのフレームを多数作成。彼を師匠と仰ぐ人も多く、私のフレームを作ってくれた細山さんも教えを受けたうちの一人。LEVEL・VOGUE・YANAGISAWA・ELAN・LEBANT・KALAVINKAのビルダーは梶原さんの元で修行したらしい。

1977年にはコガミヤタに請われ、プロチーム供給用のフレームを40本作成。そのうちの1本に乗った選手がツール・ド・フランスでラルプデュエズステージで優勝。日本製フレームとして初めてツールでステージ優勝だったのだとか。まさに伝説のフレーム職人。

自転車のフレーム製作の一線を退いた後は火縄銃の修理などをされていたそうです。

松本敦さん(Eroica Japan技術委員長)

元・サイスポの名物編集者。

読者のライドレポートを掲載する「輪な道」コーナーを長く担当されており、私も3回ほど内容に関してやり取りをさせて頂きました(TOT、青森→東京、大阪自転車店巡り)。

退職後の現在は、Eroica JapanやJapan Bike Techniqueなどの主催をされています。

テーマ

このトークショーは立ち上がったばかりの「東京自転車歴史研究フォーラム」の出張版として開催されたもののようです。

一言でいうと、「日本国内の自転車の歴史を正しく記録し、残そう」というプロジェクト。

戦前の自転車事情を知る方がどんどんと高齢化し、一次情報が失われていっている現状。これに危機感を感じた梶原さんと松本さんが立ち上がり、歴史を書き残すべく活動を始められたとのこと。

内容

フォーラム設立の経緯や、日本の自転車の歴史的研究があまり盛んではないこと等が、梶原さんを中心に語られました。

「日本には自転車の歴史を公的にまとめる学会が無い」「個人ではかなり力を入れた研究をしている人はいるが、そうした結果を発表できる場所がない」などなど。

日本において自転車の歴史調査の第一人者である鳥山さんという方がいらしたそうですが、昨年逝去。梶原さんの話を聞いていると、これがフォーラム設立のきっかけのように思えました。

確かに歴史って、残そうとしないとすぐに忘れられてしまうし、後から調査も難しいんですよね。当サイトのメインテーマである「東京大阪キャノンボール」も、概念自体は1960年代からあるものの、1982~2006年くらいまではほぼブラックボックス。後から調べても何も分からなかったりします。何もなかったのかも知れませんが。

当事者が存命のうちに正しく歴史を纏め、あとに残る形で記録するという考えには賛同できます。

トークショーは↑からアーカイブを見ることが出来ます。

科学技術館のカフェ

展示は関係ありませんが、今回は初めて科学技術館のカフェを利用したので、その話も書いておきます。

トークショーの整理券配布が13時、トークショー開始が14時。そして、ハンドメイドバイシクル展の会場である科学技術館は北の丸公園の結構奥まったところにあって、外に食べに行っていてはトークショー開始までに戻ってこられなそう。

そのため、科学技術館内のレストランを使うことにしたのでした。

 

軽食を食べられる「カフェクルーズ」。科学技術館の地下にあります。見ての通り、学食っぽい感じ。

最初にレジで注文を言い、料金を払って料理が出てくるのを待つセルフサービス方式。これも学食っぽいですね。

 

オムライスのクリームソースを注文。クリームはレトルトっぽかったですが、ケチャップライスも卵も美味しく、満足感のある食事でした。

妻が頼んだカツカレーはかなりのボリューム。私の方のオムライスは「カフェ飯」的なボリュームでしたが、「カツカレーを頼む人はボリューム重視」みたいな前提があるのかな……?

まとめ

ハンドメイドバイシクル展のレポート後編をお送りしました。

ハンドメイドバイシクル展においては、どうしてもフレーム側が主役になりますが、こうしたパーツのブースも面白いんですよね。

個人的にはラグやフォーククラウンに目を引かれます。見た目で選ぶ人も多そうですが、実は結構性能に直結する部材なんですよね(特にフォーククラウン)。

トークショーでは、伝説のフレーム職人のお話を聞けてよかったです。また、「自転車の歴史を正しく残そう」というプロジェクトには、私も何らかの形で協力できたら良いなーと思いました(私に語れるのは「東京大阪タイムトライアル」の歴史くらいのものですが……)。


今年のハンドメイドバイシクル展も非常に楽しかったです。また来年も無事開催されることを願っています。

著者情報

年齢: 37歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)