200gの大型サドルバッグを予約

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久々に気になる大型サドルバッグが発表されたので、早速予約してしまいました。

シマノ傘下のパーツブランド「PRO」の新作「DISCOVER Team シートバッグ」です。

目次

経緯

PROは数年前からバイクパッキング用の各種バッグを販売しはじめました。

PROがバイクパッキングに参入

2018年に「Discover」シリーズという各種バイクパッキング装備が発表されました。

 

FUNQ [ ファンク ]
バイクパッキングで荷物の組み合わせ!自転車旅のお供は「PRO・DISCOVER SERIES BAG」 | Bicycle Club いま新しいスタイルとして注目されているのが、自転車とキャンプの組み合わせだ。今回はそんなキャンプツーリングはもちろん、グラベルとも相性抜群の、プロ・ディスカバー

ただ、先発のブランド(APIDURAやRevelate Desings)と比べると、特に目立ったスペック上の特徴もなし。デザインも無難なものです。

 

PROのバイクパッキンググッズは、ターゲット層もグラベルやアドベンチャーということで、各種バッグのサイズも大きめ。ブルベのようなロングライドとはあまり親和性が高くないため、購入意欲をそそられることはありませんでした。

Discoverシリーズに新作登場

2020年1月、PROのDiscoverシリーズに新作が追加されることが発表されました。

 

cyclowired
PRO DISCOVERシリーズの新作大型シートバッグやフレームバッグ、多彩なアクセサリー類 - 新製品情報2021 シマノがプロデュースするパーツブランドのPROより、バイクバッグシリーズ"Discover"の新作シートバッグ、トップチューブバッグ、フレームバッグが登場。12速用チェーンカ...

大型サドルバッグ、トップチューブバッグ、フレームバッグの新バージョンが追加されたようです。

記事には容量の記載はあったものの、重量などの細かいスペックの記載はありませんでした。そこまで興味は惹かれなかったので流し読みをしただけだったのですが……。

Team シートバッグが激烈に軽い

2021年1月発売のサイクルスポーツ 3月号の「トライ&ジャッジ」のコーナーを読んでいて衝撃が走りました。

 

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このコーナーは、ライターが気になった新作アイテムをテストするインプレコーナーです。インプレ担当者の中には、バイクパッキンググッズを毎月紹介している田村さんも含まれています。田村さんはブルベ専門雑誌「ランドヌール」の編集長でもあり、バイクパッキング装備に大変造詣の深い方です。

 

3年前、サイクルスポーツに「シートバッグ徹底活用BOOK」という付録が付きましたが、こちらの付録は田村さん主導の付録。私もこの付録には「正しいシートバッグの取り付け方」のページを寄稿しました。

その田村さんが今月号でインプレしていたのが「PRO DISCOVER Team シートバッグ」。今回の記事の主題です。

公称重量は201g。そして、実測重量は188g

おいおい、容量10リットルなのに何だこの軽さは……。

軽量な大型サドルバッグに弱い私は早速購入の検討を始めてしまったのでした。

大型サドルバッグの重量相場

10リットルクラスの大型サドルバッグの重量の相場は、大体400g。300g台中盤なら軽量モデルと言えます。

こちらは2017年段階で調査した大型サドルバッグのスペック表です。

200g台でも珍しく、100g台となると2つしかありません。ただ、この100g台のものはかなり使い勝手を犠牲にしたものです。

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こちらはKS ultralight gearのバッグ。170gと大変軽量でしたが、中に骨組みが一切無く、形状を保つために荷物をパンパンに詰める必要がありました。私はそんなに大量に荷物を持ち歩かないし、型崩れを起こしやすいので結局一度しか使っていません。

さて、PRO DISCOVER Team シートバッグはその辺りの対策をされているのでしょうか。

Team シートバッグの特徴

今の所、詳しい情報があまり無く、手に入る情報はサイスポにおける田村さんのインプレのみ。

その中で、気になった特徴を以下に上げてみます。

クラス最軽量

前述の通りですが、10リットルクラスの大型サドルバッグでは最軽量です。

例に上げたKS ultralight gearは、170gと軽いですが、個人がやっているガレージブランド。大手ブランドで200g前後の重量というのは前代未聞だと思います。

 

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過去に販売された中で実用に足る200gクラスの大型サドルバッグはこれくらいですね。大型サドルバッグの始祖、Revelate Designsの「Ermine」です。12リットルまで対応で実測216gという軽さでした。

今回のDISCOVER Teamシートバッグはそれを下回る重量ということになります。

ブルベ向きの容量

今回のDISCOVER Team シートバッグの容量は10リットルです。

前作は15リットルでしたが、この容量は私のようにブルベを走る人間にとってはちょっと大きすぎました。

「大きい分には困らないんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。実はそうでもないんです。

スペック表には書かれないことのほうが多いのですが、大型サドルバッグには「最低容量」という概念があります。大型サドルバッグは、ある程度(大体最大容量の6割くらい)を入れないと形状を保てなかったり、走行時に揺れてしまうことが多いんですよね。何度か書いていますが、大型サドルバッグは「大は小を兼ねない」ものなのです。

そういった意味で、私にとっては10リットルは実に丁度いい容量です。

ただ、このバッグ、少々従来の大型サドルバッグとは異なる構造(後述)なので、果たして最低容量が6割で済むのかがちょっと不安ではあります。

完全防水仕様

もう一つ、ブルベを走る人間として嬉しいのは「完全防水仕様」になった点です。

多くの方が「大型サドルバッグは防水」と思い込んでいますが、実は防水の大型サドルバッグはほとんどありません。生地自体は防水であることが多いのですが、縫い目から浸水するんですよね。ということは、縫い目をなくせば浸水しないことになります。

 

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防水のサドルバッグは、生地同士を縫製ではなく溶着しています。APIDURAのドライシリーズや、オルトリーブのシートパックが代表例。他にも探すといくつかありますが、防水の製品は全体の1割以下しか無いと思います。

DISCOVER Team シートバッグも見る限りこうした溶着で生地同士を繋いでいるように見えます。さらに、非常に薄くて軽い防水生地を使っているようですね。

ベルクロ固定式

目を引くのが、サドルレールに固定するベルトの代わりに、ベルクロを用いている点ですね。

確かにこれは軽量化には貢献するとは思うのですが、以下の点が気になります。

・荷物の重量に耐えられるのか?
・ベルクロは経年劣化しないのか?
・バッグをサドル裏に密着させることができるのか?
個人的に一番気になるのは最後の点です。
従来の大型サドルバッグは、バッグの底から布が伸びています。サドルレールに通すベルトはこの布に繋がっています。
ここでベルトを締めていくと、布がバッグ全体を引っ張り上げてサドル裏に密着させるような力が掛かります。これによって大型サドルバッグは揺れにくくなるのです。
しかし、DISCOVER Team シートバッグのベルクロは、バッグの底ではなく側面に取り付けられています。果たしてこの構造で、安定性を保てるのかは使ってみないとわからないですね。

まとめ

シマノPROが突然変異的にリリースした大型サドルバッグを紹介しました。

冒頭に書いたように、既に注文済です。定価20000円と中々高級ではあるのですが、重量的にもコンセプト的にも「新世代」を感じる製品なので買っておかねばならないなと思いまして。

しかし、シマノに一体何があったのか……こんな攻めた製品を出してくるとは思いませんでした。仮にこの構造で問題がなければ、このベルクロ固定式は次世代のスタンダードになるかもしれませんね。

ちなみに納期は5月末だそうです。どうもシマノ製品のデリバリーが全世界的に遅れているみたいですね……気長に待つことにします。

 

SHIMANO PRO(シマノ プロ) Discover チームシートバッグ[ラージサイズ][サドルバッグ]

著者情報

年齢: 36歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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