【レビュー】4iiii「Precision 2.0 3D Ultegra 6800」

評価:4.5

4iiii(iは4本)のクランク型パワーメーター。今回レビューするのは、左クランクのみ・電池式のモデルです。

購入動機

PBP前にセールになっていたので購入。28939円と、30000円を切っていました。

ロングライド用に使っていたスチールフレームにはパワーメーターが付いていませんでしたが、ペース管理用にパワーメーターが欲しいと考えていたのです。

スチールフレームに付いているクランクはDura-Ace 9000だったので、出来れば同じものが欲しかったのですが、そちらは売り切れ。仕方ないので、同じ世代のUltegraグレードである6800仕様を購入しました。

製品概要

実測重量は未測定。

CR2032電池×1枚で稼働し、公称動作時間は100時間とされています。

通信プロトコルは、ANT+とBluetooth LEの両方に対応。

防水規格はIPX7、IPX5とされています。

使用感

ロングライド用のロードバイクに取り付けて使用しています。主な使用シーンはブルベ、平日の夜練。トレーニングというよりは、ペース管理が目的です。

重量

パワーメーターの公称重量は9g。9000クランク→6800クランクへの交換なので、更に+30gといったところで、重量増は40gといったところ。差は体感できません。

取付

元々付いている左クランクと交換するだけで取付完了です。フレームへのマグネット取り付けは不要。

必要な工具は、5mmアーレンキーと、SHIMANOのクランク取り外し用工具(TL-FC16)くらい。かなりお手軽ですが、歪みセンサーを利用するパワーメーターはきちんと取り付けないと出力値が狂うので注意。

なお、厚みは公称で8.2mm。充電版の「Podiiiium」は7.5mmと更に薄いようです。ただ、これだけ薄くてもSHIMANOのBB横ダイレクトマウントブレーキには干渉します(BOTTECHIAでテストしました)。

初期設定

スマートフォン用アプリを使ってセットアップします。

アプリをインストールし、Bluetoothを有効にしてクランクを数回転すると、アプリ上にパワーメーターが表示されます。キャリブレーションもこちらのアプリから行えます。

出力値の調整も可能。今回使うのは左クランクのみなので、値を2倍してパワーを表示します。

私は左足の方が出力がやや強いことが分かっているので、そのまま左足の出力を2倍すると、本来の出力より大きな値が出てしまうことになります。そこで、左足の出力値に「0.90」を掛けて、補正をするわけです。小数点以下3桁まで指定可能でした。最新ファームでは小数点以下2桁までの指定に変わっていました。

サイコンと接続

最初は、Bontrager RIDETimeというサイクルコンピュータと接続していました。こちらはANT+のみ対応。特に問題なく繋がりました。PBPもこのサイコンをサブに使って走っています。メインはGarmin eTrex30でしたが、こちらはパワー表示ができないので、パワー表示用として付けました。

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現在は、Garmin Edge 530と接続して使用。こちらはANT+とBluetooth LEに対応。ANT+で接続して使用しています。

感触

シマノクランクにセンサーを取り付けただけなので、挙動などに違和感はありません。

ペダル型のパワーメーターも試しましたが、やはり若干ポジションが変わってしまう点で問題がありました。その点、クランク型はポジションが全く変わらないので良いですね。

精度

反応性や精度は違和感がありませんでした。ただ、感覚だけだと宜しくないので、家にあるパワー測定可能な機器と比較してみることに。

比較対象は、スマートローラー台「Tacx Neo Smart」です。比較実験の条件は以下。

・4iiiiを取り付けた自転車をNeo Smartに取り付ける
・ZWIFTで30分間走行
・4iiiiのScale Factorは「0.900」に設定
・データはTCX形式(中身はXML)で出力し、Google Spread Sheetでグラフ化
走行中にZWIFTの画面と、サイクルコンピュータに表示される数字はほぼ一致していました。さて、グラフの方は……
横軸は時刻、縦軸は出力[W]です。波形はほぼ一致していると言って良いでしょう。微妙に青(Tacx Neo)の方が大きめに出ているようではあります。ログから平均出力値を算出すると、以下のようになりました。
Tacx Neo: 158W
4iiii: 149W
と、4iiiiの方が若干低めの値(比率にして6%程度)となりました。Scale Factor「0.900」を指定しましたが、この値が若干小さすぎたようです。今後は「0.950」を指定することにしました。
個人が複数のパワーメーターを持つ場合、絶対的な精度よりも、すべてのパワーメーターが同程度の値を表示することが大切です。「スケールを揃える」とでも言いましょうか。でないと、乗る自転車やローラー台によって基準が揺らいでしまうわけですね。私はTacx Neoの値を基準にして、他のパワーメーターをそれに合わせることにしました。
今回は最大でも400W程度の出力しか出していません。シクロクロッサーのすくみずさんによると、スプリント的な大パワーでは若干誤差が大きいようです。そちらの評価はまだ必要があれば行います。
なお、たまにあるとされる「100000W」みたいな異常なスパイク値は、10ヶ月の使用歴では一度も出ていません。

電池寿命

CR2032電池一枚ですが、公称100時間の寿命です。

7月に購入してPBP参加、その後1~2回走行したら電池が切れました。PBPの走行時間は60時間ほどだと思うので、大体公称と合うと思います。

電池交換は工具なしで行えます。電池を外す際には細いマイナスドライバーがあったほうが便利ですが。

防水性

買ってすぐに雨の中を走ることになったり、PBP前日に雨に降られたりしましたが、動作に問題は出ていません。電池カバーにはOリングがしっかり入っているので、これが劣化するまでは平気だと思います。

スペックとしては、「IPX7 IPX5」相当の防水性能であるとされています。IPX7は「水没させても平気」、IPX5は「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」ことを表します。IPX6が抜けているところを見ると、「あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない」には対応していないようです。高圧洗浄機などで水を掛けると浸水する可能性がありそうですね。

その他

Garmin Connectでは左右出力のバランスが表示されますが、なぜか「左0%/右100%」と表示されます。……逆じゃない?

トルク効率やペダルスムーズネスと言った項目は、どちらも左側だけ表示されるんですけどね。謎。

まとめ

低価格ながら実用に足る性能を持つクランク型パワーメーター。

特に複数台の自転車にパワーメーターを付けたい人に向くと思います。アプリでパワーのスケール調整が可能だからです。複数パワーメーターの足並みを揃えないと、トレーニングデータの比較や蓄積が出来ませんからね。

パワーメーターも出荷時には校正されているはずですが、どうしても個体差などがあるので、手動で設定を変えられたほうがありがたいと思っています。競合製品であるStagesには、調べた限りそのような機能は無さそう。SHIMANO(FC-R9100-P)には少なくともスケール調整機能はありません。Pionnerは「ペダルコピー機能」で代用可能、Quarqはスケール調整機能があるようです。

私が購入した昨年7月時点では国内に代理店はありませんでしたが、2019年10月からトライスポーツが代理店となり、国内店舗でも買えるようになりました。価格も海外通販とさして変わらないのが嬉しいですね。入手性も良くなったので、今後は見かける機会が増えそうです。

追記(2020/4/29)

Scale Factorを、0.90 → 0.95に変更して再テストを実施しました。

ほぼ完全に一致するグラフとなりました。平均出力も142Wと完全に一致。

私の足の左右出力差だと、左足の出力を0.95倍にするのが正しいようです。スプリントの出力もほぼ一致。少なくともローラー台環境では完璧な再現度を見せてくれました。

温度変化の自動補正機能はないため、気温下がる場合には手動補正が必要な本製品ですが、その点を除けば非常に良く出来ていると思います。

評価

対象モデル:  4iiii「Precision 2.0 3D Ultegra 6800」
年式: 2019年
定価: 不明
購入価格: 28939円+輸入消費税
公称重量: 9g (センサー部分のみ)
実測重量: 不明

価格への満足度

10/10

この価格でパワーメーター付きクランクが買えるとは。

総合評価

9/10

精度・耐候性は必要十分。複数台持ちのサブ機に向く。

レビュアー情報

年齢: 35歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。