【レビュー】APIDURA「Food Pouch」

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評価:4

APIDURAのハンドルバーバッグ。ハンドルとステムに固定し、補給食などを入れるために使います。

目次

購入動機

日本でのAPIDURA代理店を務めるAlternative Bicyclesさんより、モニターをご依頼頂いたので。元々興味は持っていたので、渡りに船といった感じでした。

本州一周TTに向けてハンドル周りの補給食スペースには長いこと頭を悩ませています。取り出しやすさはフロントバッグが一番。しかしライトと干渉するのがネックでした。

その点、この製品はハンドルの片側のみを使うので、もう片方にはライトが使えるはず。また、ハンドルより後ろ側に付くので、エクステンダー等を使えば2個以上のライトをハンドルに付けることも可能になります。

なお、本製品は以下の製品を参考に作られたものだと思うので、そこを踏まえてお読み下さい。

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製品概要

実測重量は63g。容量は0.8L。

基本素材はVX21を採用。ベルクロは、カーボンに優しいものを使用しているとの事。

APIDURAのロゴマークは反射素材を採用しています。

使用感

300kmのロングライドで使用してみました。

取り付け

ハンドル・ステム・フォーククラウンの3点にベルクロを通して固定します。フォーククラウン部分は、フォークとタイヤのクリアランスに余裕が無いと擦ってしまう可能性があります。

ステムに固定するベルクロは付け替え可能で、ハンドルの左右のどちらにも付けることが出来ます。

基本的な使用法

中身を取り出す際には、口に手を突っ込むと巾着部分が緩み、口が開きます。

手前の黄色いストラップを引っ張ると、巾着部分が縮み、口が閉じます。

補給が取り出しにくい場合は補給をする回数が減り、結果的に低血糖などを招きやすくなります。その点、本製品はフロントバッグやトップチューブバッグ等に比べると口の開閉が行いやすく、補給する回数が増えます。低血糖になる前にコンスタントに食べるのがロングライドのコツの一つなので、本製品はロングライドに向くと思います。

注意が必要な点は、口が勝手に開いてしまうのを防ぐコードロックが付いていないことです。舗装の悪い道で中に入れた荷物が暴れると、口が開いてしまうことが考えられます。通常、こうしたバイクパッキング製品はオフロード走行を前提として設計されていますが、APIDURAの場合にはWEBサイト記載の使用イメージから見ても、オンロード走行を前提としているように見えます。

他社の類似製品(ex. Revelate Designs)は口が勝手に開かないようにコードロックが付いていますが、中身を取り出す際に手間取ります。APIDURAとしては、オンロードであれば中々起こらない「中身が飛び出す」リスクよりも、「ワンタッチで口を開ける」利便性を取ったのではないかな、と。中身にお菓子や補給食等の軽いものを入れるなら問題にならないと思いますし。

心配な人は自分でコードロックを付けてしまえば良いと思います。mont-bellのコードロックのMサイズが丁度良く付きます。Sサイズだと付きません。

容量

Revelateに比べると一回り小さく、内容量も小さめです。それでも、バー状の補給食や、ジェル状の補給食なら問題なく入ります。ボトルも、0.5Lクラスのものなら問題なし。0.7リットルクラスはちょっとキツい。

0.5Lのペットボトルを入れるとこんな感じ。

私は正直フロントバッグほどの大容量(2L~)は必要としていないので、丁度良いサイズです。

安定性

ステム、ハンドル、フォーククラウンの三点固定なので、正しく固定すれば動くことはありません。

重量

シンプルな作りであるため、非常に軽く仕上がっています。Revelateに比べると-20g、各種フロントバッグに比べると1/3程度のはず。ハンドリングへの影響が小さくて良いですね。

設置による影響

ハンドルに巻きつけるベルクロは結構幅があり(3cmほど)、ステム近くまでバーテープを巻いている人は本製品を付けている側へのライトが設置できなくなると思います。私はエクステンダーをハンドルに増設して、そこにライトを付けています。

また、ハンドルを近めにセッティングしている人はダンシング字に膝と干渉する可能性があります。私は普通にダンシングする分には干渉しませんが(Revelateの場合は干渉する)、前のめりにダンシングをすると干渉します。

防水・排水性

雨の日の使い勝手について。メインの生地であるVX21は防水ですし、底部分は二重になっているので、下からの水跳ねには強いと思います。

ただし、中に水が入ってしまうと中々抜けてくれません。試しに水を入れてみましたが、下に染みだしてくることはありませんでした。言い換えれば、自然に水が抜けてくれないということです。水が入ってしまったら、ひっくり返しましょう。

水抜き穴が付いたら、雨の日に便利かもしれません。

その他

気になるのは、補給食のゴミ入れスペースが無いことです。Revelateの場合は、側面にメッシュのバッグが付いており、ここにゴミを入れることが出来ました。APIDURAとしてはシンプルさを追求したのだと思いますが、これは踏襲して欲しかったところ。ゴミとまだ食べていない補給食が混じってしまうのがストレスになります。

もっとも、この不満はRevelateを使っていたからこそ出るものかもしれません。「ゴミなんてポケットに入れるから良い」という方もいるでしょうし。私も普段はゴミはバックポケットに入れるのですが、やはり見える場所にゴミを入れるスペースがあるというのは中々便利なものでして。特に冬はジャケットを重ね着しているので、バックポケットに辿り着くまでが大変なのです。結果として、補給食とゴミが同じ空間に混在することになります。

まとめ

基本的な使い勝手には文句なし。中身も取り出しやすく、安定性も高いです。

ただ一点、ゴミを入れるスペースが無いのが残念。次バージョンがあれば、ゴミを入れるスペースを付けてくれることを望みます。左右に本製品を付けて片方をゴミスペースにするという使い方も考えられますが、それだけのためにもう一つ買うのも勿体無いので……。

舗装路のロングライドには非常に便利な製品だと思います。フロントバッグよりも軽くてアクセスしやすい補給食スペースを探している方にはうってつけでしょう。

評価

対象モデル:  APIDURA「Food Pouch」
年式: 2016年
定価: 5500円(税込)
購入価格: モニター提供
公称重量: 55g
実測重量: 63g

価格への満足度

0/10

総合評価

8/10

非常に便利、ゴミ入れだけ欲しい。

レビュアー情報

年齢: 31歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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