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アゼアス「AZ LITE 10620」
評価:3.5
アゼアスの反射べスト。高視認性衣服の規格であるEN20471相当のJIS-T-8127に適合しています。
購入動機
来年に迫ったPBP。前回に引き続き参加をしようと思ったわけですが、パンフレットを見ると「EN20471適合の反射ベストを着ること」と書かれていました(その後、EN1150も許可と変更)。
EN20471は高視認性衣服の規格であり、かなり厳しい規格です。前身となったEN471に比べても追加の条件が加わっており、これに適合した反射ベストは欧米でも中々存在しません。
ややこしいのは、「衣服」の規格であると同時に「反射材」の規格でもあるため、「規格に対応した反射材を使っている」だけで「EN20471に対応している」ような書き方をされてしまう場合があることです。PBPで使うには、当然「衣服として」EN20471に対応している必要があります。
詳しい規格の比較表はこちら。
PBPは参加費に反射ベスト代が含まれるので、恐らく次回はEN20471に適合した大会公式の反射ベストが配布されるはずです。が、一応一着持っておかないと何かがあったときに怖い(PBP公式のベストは品質が低い)ので、予備として探してみた所、見つかったのが本製品でした。
アゼアスは、いわゆる「現場向け製品」を作っている会社で、以下のようなビニールシューズカバーも作っている会社です。
他にもタイベック製の作業服を作っており、あの「シン・ゴジラ」でもゴジラの放射能を防ぐために採用されていました。反射系の安全製品にも強く、反射材が貼られたポロシャツなんてものも扱っています。
本製品はマジックテープタイプですが、ファスナータイプもラインナップされています。ただ、ファスナータイプはフィット感の調整が出来なそう&メッシュ生地を使用していなかったので、今回はマジックテープの方を購入しました。なお、イエローではなくオレンジを購入したのは、フランスで「ジレジョーヌ運動」の参加者と勘違いされたら嫌だな……という思いからです。
製品概要
実測重量は232g(S/Mサイズ)。色はイエローとオレンジがあります。
EN20471は中で3クラスに分かれており、本製品は一番基準の緩いClass1に相当します。
前側にマジックテープが付いており、フィット感を調整可能。
使用感
主な用途は夜練・ブルベです。普段の国内ブルベで使用している、オダックス埼玉製の「ADX-V」と比較してのレビューとなります。

重量
重いです。ADX-Vの3倍あります。
それもそのはず、EN20471は生地の引き裂き強度も規定しているのです。生半可な生地では駄目で、メッシュを採用するにしても強度の高い生地が採用されます。結果として重くなります。ただ、割とフィット感は良いので、着てしまえばそこまで重さは感じません。
視認性
これは抜群に高いと思います。EN20471では反射材の面積・蛍光生地の面積が規定されており、どちらもかなり広い面積が要求されます。
反射材の太さと配置も規定されています。太さは最低5cm以上。配置としては、「縦横1本ずつ以上」または「横2本以上」が要求されます。本製品は横2本に加えて、縦にも2本の反射材が配置されています。
また、選択すると反射材は少しずつ剥がれてしまうものですが、その洗濯回数についてもEN20471は規定されています。厳密な回数は忘れましたが、反射材の耐久性も高そうです。
バックポケット
丈は意外と短く、前傾姿勢になると良い具合に裾の下からバックポケットにアクセスできます。
フィット感
ガタイの良い方向けのフィットなのか、S/Mサイズでもかなり余裕があります。私は普段LサイズかXLサイズなのですが、サイズチャートを見たら明らかに大きかったので小さいサイズを選びました。
マジックテープでフィット感を調整すれば中々良い感じになり、走行中も風でバタつきはありません。また、生地の柔軟性も適度で動きやすいです。生地が硬い反射ベストだと中々動きが制限される感じもありますので。
レインウェアやジャケットの上から着てちょうどよい感じです。
その他
目の詰まったメッシュを採用しているので、ある程度の保温性があります。冬場ならありがたいですが、夏場だとかなり暑いはず。PBPでは夜だけ着れば良いので、問題は無さそうですが、日本で着るなら冬限定になると思います。
ちょっと困るのは、小さく折り畳めないこと。生地の厚みがあり、OSTRICH SL100程度の大きさまでしか小さくなりません。サドルバッグの容量にも限度があるので、脱いでいる際の取扱を考えないとなりません。
まとめ
視認性がかなり高く、更にPBPでも(恐らく)問題なく使える反射ベスト。現状、海外通販含めて手に入る中では、アゼアスのこのシリーズが一番見た目もスッキリしていると思います。
「恐らく」と書いたのは、まだPBPの車検の基準がわからないからです。このベストは「EN20471」適合ですが、認証されたものではありません(そもそも認証があるのか不明)。タグを見ても記載があるのは「JIS-T-8127(EN20471相当)」のほうで、EN20471に関する記載はありません。もしタグまで確認されたら説明する自信はないですが、多分そこまでは要求されないでしょう。見た目で判断されるんじゃないかと思ってます。
もちろん、国内のブルベで使うのなら全く問題はありません。ローカルルールが厳しい団体でも使えるはずです。
評価
対象モデル: アゼアス「AZ LITE 10620」
年式: 2018年
定価: 5000円前後
購入価格: 2490円(税込)
公称重量: 不明
実測重量: 232g
価格への満足度
購入価格での評価、定価だと高め。
総合評価
重さ以外は満足の出来。
レビュアー情報
年齢: 34歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。