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【レビュー】Bontrager「XXX Blendr Stem」
評価:5
Bontragerのカーボン製ステム。快適性向上の目的で導入しました。
購入動機
まだ完成していませんが、次期スチールロード用のパーツとして購入しました。
現在作成中の次期スチールロードは、「乗り心地の良さ最優先」をテーマとしています。フォークはRitcheyのカーボンを入れ、ハンドルは3Tのカーボン。そしてシートポストもカーボンを入れる予定です。ホイールは制動力の関係からアルミリムにする予定ですが、残るステムもカーボンにしたいと思うようになりました。
私はカーボンステムを今まで所有したことはありません。一度だけ知人からグラファイトデザインのカーボンステムを借りましたが、乗り心地の良さは感じず、ただただ硬い印象だけが残っています。一般にカーボンステムと言うと、快適性というよりは剛性を求める製品が多数を占めます。ZIPPのSL SPRINTや、PROのVIBE CARBONなどはその典型です。
しかし、カーボンハンドルやカーボンフォークによる快適性の向上は体感できるレベルで大きいもの。カーボンステムも作り方によっては快適になるはずです。カーボンステムで快適性にフォーカスしたメーカーが無いかを調べてみた所、該当したのはBontragerでした。正確には私が購入した世代の製品では無く、ひとつ前の世代のXXX Stemですが、以下のような製品紹介の一文が。
「providing you with consistent comfort to the Nth degree.」
「Nth degree」のくだりは良く分かりませんが、「comfort」であると謳っています。カーボンステムで快適性に言及した製品はあまり無いので、これは良いのではないかと考えました。ただ、残念ながら前の世代のXXX Stemは既に廃版。後継である「XXX Blendr Stem」を購入してみることにしたのでした。
製品概要
実測重量は118g(100mm)。ステムの角度は7度のみの展開です。
カーボンラップではなく、フルカーボンステムです。Bontragerお得意のOCLVカーボン使用。ボルトはチタン製で、ボルト受けのみアルミ製です。
ステムにサイクルコンピュータをマウントできるBontrager独自の規格「Blendr」に対応。そのためのパーツが同梱されます。
使用感
ステムの角度が7度と、普段使っている3TのARX(6度)と微妙に角度が違うため、慣れるために一旦現在のスチールロードに装着して使っています。変更前に使っていたステムは、3T ARX TEAMです。ハンドルは3T ERGONOVA TEAM。
重量
118gと、カーボンステムとしては軽量です。カーボンステムは前述の通り剛性を求めたゴツいものが多く、決して軽くないのが特徴(例えば、Vibe Sprintステムは215g)。本製品はカーボンステムにも関わらず細身で重量も抑えられています。
見た目
「TREK以外のブランドと合わせてはいけない」空気のあるBontrager製ですが、ロゴの主張はかなり弱めです。私はもうオーダーフレームなのでその辺のブランドの組合せを考えるのはやめましたが。上から見るとxxxの文字が赤で入るのは良いですね。
太さに関してもアルミ製のステムと変わらず、スチールロードと合わせても違和感が小さいのは気に入っています。
クランプ幅
カーボンステムはハンドルのクランプ幅が広いことが多いものですが、アルミ製のステムとクランプ幅は変わりません。
剛性感
ARX TEAMと比べても剛性感に遜色はありません。これだけ細く軽いカーボンステムともなれば剛性感が皆無なのでは、と思っていましたが、そんなことはありませんでした。ただ、剛性重視のカーボンステムよりは剛性の面では劣ると思います。
快適性
正直、「ステムをアルミからカーボンにした所で大して変わらないだろう」と思っていたのですが。使ってみると、体感できるだけの効果がありました。特に効果を感じたのは、大きめの段差を越える時。手に伝わる衝撃(突き上げ)が減りました。振動に関しても多少は効果を感じます。
印象としては、このステムに似ています。このステムはサスペンション機構を備えており、目に見えて動きます。衝撃の緩和効果はとても大きかったのですが、重量が重い(280g)という理由で最近では使っていませんでした。
スチールフォークを今は使っているのですが、これだけでカーボンフォークより400g近くの重量増となります。そこに更に280gのステムを乗せると、かなり自転車の重心が前に偏ってしまうので、さすがに避けていました。
本製品は「そこそこの衝撃緩和」性能を持ちながら、重量はアルミの軽量ステムと同程度に抑えられている点が素晴らしいです。
その他
Bontrager独自のBlendrシステムに対応しており、GarminやBontragerのライトをスマートにマウント可能です。
ただ、私はeTrex30(Blendr非対応)を使っており、なおかつフロントバッグを使っているので、Blendrシステムは使っていません。今後パワーメーターなどを増設することになったら試すかもしれません。
まとめ
重量と剛性は軽量アルミ製ステム並、そこにカーボンの衝撃緩和性能が追加されたカーボンステム。少しでも快適性を上げたいと考える方は、選択肢に挙げても良いアイテムだと思います。安くない投資でしたが、私には体感できる程度の差がありました。
現在は、
・カーボンステム
・カーボンハンドル
の構成ですが、次期スチールロードは、
・カーボンステム
・カーボンハンドル
の構成となります。現在は1000km以上のブルベにおける手の痺れ対策のため、バーテープの下にゲルを仕込んでいますが、この分だと次期スチールロードではゲルを省いても十分に走れるだけの快適性が手に入りそうです。
評価
対象モデル: Bontrager「XXX Blendr Stem」
年式: 2018年
定価: 40480円(税込)
購入価格: 21000円(税込)
公称重量: 120g(100mm)
実測重量: 118g(100mm)
価格への満足度
安くはないが、2万円程度で買えれば安い。
総合評価
快適かつ軽いフルカーボンステムという珍しい一品。買ってよかった。
レビュアー情報
年齢: 34歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。