【レビュー】Brand-X「Bolt Thru Axle」

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評価:4.5

恐らくイギリスのブランド思われる「Brand-X」の汎用スルーアクスル。レバーの付いていないタイプです。

目次

購入動機

詳しい購入動機は下記の記事に書いています。

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かいつまんで言うと、ディスクロードの完成車に付属してきたスルーアクスルで異音が出たため、代用のスルーアクスルを探すうちに辿り着きました。

このレビューを書いてる段階でも、このメーカーの正体は不明です。公式サイトもありません。まさにBrand-X。ただ、WiggleとCRCにラインナップされており、それ以外に見かけるサイトがほとんど無いということから、「Lifeline」のようなWiggleグループのプライベートブランドではないかと推測しています。レビューを見ても評判は悪くなさそうでした。

9種類のタイプがあり、前輪用に「Type1」、後輪用に「Type2」を購入しました。

製品概要

実測重量は、31g(Type1)/40g(Type2)。

Type1と2はE-Thru用の規格で作られており、ネジピッチは1.5mmです。6mmの六角レンチで回して着脱します。

素材はアルミ。別売りで、レバーを増設できるオプションも存在します。

使用感

Bianchi INFINITO CV(2020年モデル)の代用スルーアクスルとして使用しています。

上記写真の下側のスルーアクスルが、今回のレビュー対象です。

重量

実測重量は公称重量と一致しており、合計71g。

元々フレームに付属のスルーアクスルが、前:44g、後:54gなので、前後で27gの軽量化ということになりました。ただ、スルーアクスルのボルトを回すための6mm六角レンチを持ち歩いていないので、そのための工具分が4g。それを差し引いても20g程度の軽量化です。

ホイールの軸って性能上でかなり重要なので、そこでの軽量化は本来求めるべきではありません。ただ、このスルーアクスルが軽い理由は「レバーがないから」です。レバーの付属しないスルーアクスルとしては、極めて一般的な重量です。

大抵のフレームに付属するスルーアクスルは、回すためのレバーが付いています。レバー付きのスルーアクスルの重量は前後で100-120g程度になることが多いです。それに比べると、レバー無しのスルーアクスルは70-80g程度が相場です。

締結力

クイックリリースも、スルーアクスルも、「しっかり締められる」ことが一番優先すべき性能です。スルーアクスルの場合、しっかり長さが合っていることが大前提ですが。

ディスクロードの場合、スルーアクスルでの締付けが不十分であると、トルクを掛けた時にディスクローターがパッドに擦ります。クイックリリースの締め付けが緩くてもなかなかホイールがブレーキシューと擦ることはありません。それに比べると、ローターとパッドのクリアランスはかなり小さいので、十分に締められていないと擦ります。他にも擦る要因は色々あるのですが、特に急ブレーキも掛けていないのに擦る場合には、スルーアクスルが緩んでいないかを確認すると良いでしょう。

INFINITO CV付属は、時々気づくと緩んでいることがありました。多分、レバー内蔵式という特殊な構造かつ、レバーが短いために十分なトルクが掛けられていないのだと思います。

その点、Brand-Xのスルーアクスルは、経時的な緩みは今まで無し。また、6mmの六角レンチでしっかり締め付けを行えば、上記のローターとパッドの接触も起こりません。1000Wを掛けてスプリントしても大丈夫でした。締結力はしっかりしていると思います。

見た目

スルーアクスルは、フレームに取り付けてしまえば見える部分はほとんどありません。

唯一見えるネジ頭の部分も、回転方向とトルク指定だけが書かれており、主張しないルックスです。

価格

1本1500円と、かなり安いです。

クイックリリースやスルーアクスルといった軸って、多くの人が想像するよりもかなり値段が張るものです。たいていはホイールかフレームに付属してくるので気づかないんですが、単体で買うと1本5000円するものも珍しくはありません。

そこを考えると、1500円で「使える」製品を出しているのは凄いですね。

別売りレバー

このスルーアクスルには、別売りの専用レバーがあります。

よく見ると、Brand-Xのスルーアクスルはボルト穴の中にOリングが内蔵されています。

それが、このレバーの差し込み部分の凹みにハマって保持するという方式になっています。

「付けたまま走ることも可能」と商品ページには書かれているのですが、カタカタ音がするので神経質な人は避けたほうが吉。確かにOリングで保持されるので抜けないのですが、段差のたびに異音が出ます。私はもちろん耐えられなくて仕様を断念しました。素直に六角レンチを使います。

まとめ

地味で特徴はありませんが、しっかりとした仕事をするスルーアクスル。

フレーム付属のスルーアクスルに不満があって、かつ本製品の規格があえば試してみる価値はあると思います。レバー付きのスルーアクスルを使っていたならば、30g程度は軽量化できるはずです。携帯工具に6mmの六角レンチが無ければ、追加で持たなければなりませんが。

しかし、この「Brand-X」はなかなか面白いですね。ラインナップを見ると、ヘッドパーツやハンドル、果てはドロッパーポストなど、一通り自転車を組めそうなパーツを出しています。

評価

対象モデル:  Brand-X「Bolt Thru Axle」
年式: 2020年
定価: 1949円
購入価格: 1599円
公称重量: 31g/40g
実測重量: 31g/40g

価格への満足度

10/10

スルーアクスルとしてはかなりの安さ。

総合評価

9/10

保持力や重量に不満無し。別売りのレバーはイマイチだった。

レビュアー情報

年齢: 35歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えて

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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