【レビュー】BTWIN「防水サドルバッグ」

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評価:4

デカトロンのプライベートブランド「BTWIN」の防水サドルバッグ。2490円という価格で完全防水を実現しています。

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購入動機

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上の記事で幕張デカトロンに行った際に、「これは!」と思い購入しました。

素材の質感はオルトリーブ然としていて防水。各部は溶着されており、実際に防水性も高そう。そして税込2490円という値段。これは失敗しても良い値段だと思えたので購入しました。

上の記事にも書きましたが、デカトロンの自転車グッズはPBPでフランスを走った時によく見た製品であり、一度使ってみたかったのです。

製品概要

実測重量は112g。容量は公称2.5リットル。ワンサイズで他のサイズはありません。

素材は以下。

・20% 熱可塑性ポリウレタン(TPU)
・80% ナイロン(PA)

サドルレールにストラップを通す、いわゆる大型サドルバッグ的な取付方法を採用しており、サドルレールにアタッチメントを取り付ける必要はありません。

 

クリップ式のテールライトを吊り下げるためのループもありますが、同社の「VIOO CLIP」専用。他社のクリップは太すぎて入らないはず。

使用感

ブルベ相当の200kmライドで使用しました。

取付

サドルレールにベルクロで出来たストラップを通し、シートポストにもベルクロを巻きつける仕様となっています。

きちんとサドルバッグがサドル裏面に密着しないと横揺れの原因となるので、一度取り付けた後、しっかりサドルレールに通したストラップを締め上げてやる必要があります。

 

サドルバッグが中々左右対称に付かないので疑問に思ってストラップの付け根を見ていたら、ご覧のようになっていました。

ストラップ自体は左右中央に接着されているようですが、それを抑える布が中心からズレで付いています。そのため、どうしても若干偏った位置に付いてしまいます。個体差だと思うので、購入時には左右対称になっているものを選んだほうが良いです。

重量

何と言っても特筆すべきはその軽さです。

 

実測112g。完全防水でここまで軽いサドルバッグを、私は他に知りません。特に軽さはアピールされていないんですが、業界最高水準と言って良いでしょう。

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容量的にはこのあたりの製品と競合するはずですが、BTWINのサドルバッグの方が圧倒的に軽いです。

容量

公称2.5リットルとなっています。ただ、サドルバッグの容量は正直デタラメであることが多いので、他製品と比べてみます。

 

かつてブルベでの定番品であった「オルトリーブ サドルバッグ」のMサイズとの比較写真です。オルトリーブの公称容量は1.3リットル。

 

内部にもネジなどの張り出しはありません。下の画像はオルトリーブのサドルバッグのものですが、ネジの頭がモノの出し入れを邪魔することが有りました。

フェイスタオルを中に詰めてみましたが、双方共に4枚がギリギリ収まる程度で同じくらいの容量と言って良いと思います。BTWINは公称容量は2.5リットルのはずなんですけどね。

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これはBTWINが容量を盛っていると言うよりは、オルトリーブが過少申告しているだけだと思います。なぜかオルトリーブは容量を少なめに書くんですよね。↑の田村編集長の記事に実測結果が掲載されています。

タオルだと実際に「どのくらいのものが入るのか」が分かりにくいと思うので、実際の運用でよくありそうなアイテムを入れてみました。

・ワイヤーロック
・携帯ポンプ(Roadie TT mini)
・携帯工具(PB Bike Tool)
・チェーンカッター
・パンク修理用具(チューブ2本・パッチ)
・輪行用エンド金具
・ウインドブレーカー
輪行袋本体はさすがに入りませんでしたが、日帰りのロングライドに必要なもの一式が入ります。

出し入れ

モノの出し入れですが、これはイマイチでした。

 

再掲のこちらの写真を見ていただければ分かるのですが、口がとにかく小さいんです。オルトリーブのMサイズに比べて半分くらいでしょうか。大きいサイズのものをぞんざいに突っ込むことは出来ません。脱いだレインジャケットを適当にしまうことは出来ず、ちゃんと畳んでスタッフバッグに収納してから入れる必要があります。

オルトリーブのサドルバッグは口が大きいので、適当にモノを突っ込める良さがあります。ブルベで人気なのは、この辺りもあったのでしょうね。

安定性

ベルクロでサドルレールに固定するということで、使う前は「揺れそうだな」と思っていましたが、実際にはそんな事はありませんでした。

立ち漕ぎで自転車を振った時も揺れは小さく、安定しています(もちろん、前述の「サドル裏にサドルバッグを押し付ける」ようにストラップを締め上げる必要はあります)。

容量が小さく、全長も大型サドルバッグと比べると短いため、このベルクロのストラップでも安定性に問題が出ないのでしょう。

 

また、サドルバッグの骨組みとなるプラスチックの板も入っているため、型崩れしにくいのも安定性に一役買っています。

防水性

生地の重なり合う部分は縫製(縫い目から浸水する)ではなく溶着されており、高い防水性が伺えます。

 

ストラップを縫い付ける場所だけは縫製を使う必要があったようですが、そこはしっかりと防水の布を貼ってシーリング。よく出来ています。

当サイト恒例の「シャワーで水を掛けてみる」実験も実施しましたが、内部への浸水はなし。

その他

容量が小さく、また縦方向の高さが小さいので、シートポストの出しろが小さくても取り付けられるという利点があります。

まとめ

日帰りのロングライドに十分な容量を持つ、非常に軽量な中型サドルバッグ。しかも防水。

オルトリーブのサドルバッグのMサイズと容量的には同等で、重量はほぼ半分(オルトリーブは233g)。口が小さく、物の出し入れが若干面倒である点はイマイチですし、個体差もあるのは残念ですが、税込2490円でここまで頑張っている点は高く評価したいと思います。

2~300kmまでの晴天ブルベならこれで十分かと思います。非常に軽量なので、キャノボ用途にも良いはず。

デカトロンのプライベートブランドなので、日本に2店舗しかない店舗に行くか、公式通販でしか購入は出来ません。入手性はそこまで良くはないですが、防水で軽量なサドルバッグを探している方には良い選択肢だと思います。

元々はBTWINブランドでしたが、現在はTRIBANブランドで販売されているようです。
どちらもデカトロンのプライベートブランドです。

TRIBAN (トリバン) サイクリング 耐水サドルバッグ 2.5L

評価

対象モデル:  BTWIN「防水サドルバッグ」
年式: 2021年
定価: 2490円(税込)
購入価格: 2490円(税込)
公称重量: 不明
実測重量: 112g

価格への満足度

10/10

これだけのスペックでこの価格。参りました。

総合評価

8/10

日帰りロングライドに十分な容量と防水性。安定性も悪くない。ただ、口が小さい点だけが難点。

著者情報

年齢: 36歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

 

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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